あくまで結果論だけど、明治大が優勝を決定づけた試合は
対法政大3回戦(10月27日)だった。
試合開始前の時点は、明治・法政ともに優勝の可能性が残っていた。だがこの
試合で負けたチームは可能性が完全に消滅。勝ったチームでさえ次週の早慶戦
の結果を待たなければならない状況。それは慶応の連勝を期待するしかない、
極めて可能性の低いものに過ぎなかった。
(結局、慶応が早稲田に連勝したが、27日の時点でそう予想するのは難しかった)。
■明治大-法政大3回戦を振り返りたい。
(11月1日)
明 120 000 000 =3
法 100 010 000 =2
(明)野村-西嶋-森田貴、(法)二神-三上-藤田卓-武内
■1回表、明治大の攻撃。
1番・ 荒木郁也
(3年、日大三高)、3番・ 小道順平
(4年、二松学舎大附高)が
いずれも四球で出塁。そして5番・ 謝敷正吾
(3年、大阪桐蔭高)の打球は、
大きく弾んで二遊間のちょうど真ん中へ。このゴロを追ったセカンドとショートが
交錯してボールを落球している間に二塁走者の荒木が生還。難なく明治が先制
した。(記録は安打)
制球力に優れる 二神一人
(4年、高知高)だから、四球を出すこと自体が珍しい。
さすがに2日前(対明治大2回戦)、115球を投げて完投した疲労が見える。
二神の調子は最悪のようだった。
■1回裏、法政大の攻撃。
すぐさま法政は反撃する。このところ1番に定着した 和泉将太
(4年、横浜高)が
右前安打で出塁すると、送りバントで二進後に3番・ 多木裕史
(1年、坂出高)の
適時打で生還。あっという間に同点に追いついた。
この回先頭の6番・ 多田隼仁
(4年、日大三高)が内野安打で出塁。続く7番・
上本崇司
(1年、広陵高)が左中間に適時二塁打を放ち1点を追加。その後
二神の暴投もあって3点目を挙げた。
■5回裏、法政大の攻撃。
簡単に二死を取られた後、1番・和泉がファースト強襲の安打で出塁すると、
続く2番・ 喜多薫
(4年、伝習館高)が三塁線に二塁打を放ち、和泉が生還。
法政は1点を返した。
■9回表、明治大の攻撃。
この回先頭の代打・ 矢島賢人
(3年、桐生一高)が中前打で出塁。ここで法政
ベンチは2番手の左腕・ 藤田卓
(4年、丸亀城西高)に代え、 武内久士
(4年、
徳島城東高)をマウンドに送る。
だが直後、武内は7番・上本に死球を与えて無死一・二塁のピンチに。ここで
8番・ 安田亮太
(4年、PL学園高)が送りバントを試みたが、武内が捕球後
すかさず三塁に送球、フォースアウトに仕留めた。そして、後続の打者を三振と
一塁ゴロに打ち取ってピンチを脱した。(武内、ナイスフィールディングだった)
■9回裏、法政大の攻撃。
マウンドには、8回途中から3番手として登板した 森田貴之
(2年、大垣日大高)。
打席には代打・ 難波真史
(2年、中京大中京高)が入った。
初球はファール。だがその後ボール球を4つ続けてあっさり四球。続く8番・ 中尾孝
(2年、報徳学園高)はサードへの内野安打で続く。ボール先行でなかなかストライク
が入らない森田。スタンドは歓声と悲鳴が交錯し異様な空気に包まれたことが、
森田をひどく動揺させたようだ。
サードを守る 千田隆之
(4年、日大三高)が身振りを交えて森田に 「落ち着け!」
と懸命に声をかける。それが奏功したか2つのアウトを内野ゴロで奪い、二死までは
こぎ着けた。だが、その後もストライクは続かず2番・喜多には四球。
二死満塁、絶好のチャンスに3番・多木が打席に入った。
対する森田は、開き直ったかのように速球一本でグイグイと立ち向かう。
1球目 144km。 多木もフルスイングで応じ、空振り。
2球目 144km。 多木、またもフルスイングしたが空振り。
3球目 144km。 ボール。
4球目 146km。 ボール。
スタンドの盛り上がりは最高潮に達した。そしてカウント2-2から森田が投げた
5球目も速球、146km。これを多木はまたもフルスイングしたが空振り三振に
終わり、試合が終了した。
勝敗が決した瞬間、顔を覆い隠すようにヘルメットのつばを思いきり下げて、
左打席に立ちすくむ多木の姿があった。
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