「セ、パ両リーグ誕生60周年記念試合・プロ選抜vs
大学日本代表」
のこと。
■1回裏、大学日本代表の先発・ 斎藤佑樹
(早稲田大3年、早稲田実)は二死ながら
三塁に走者を背負っていた。
そして捕手・ 小池翔
大
(青山学院大3年、常総学院高)のサインに2度首を振った
直後、カウント2-2からプロ選抜の4番打者・ 新井貴浩
(阪神、広島工高-駒澤大)に
投げた5球目は146kmの直球だった。
ただその直球は、捕手・小池が構えた外角ではなく、なぜか真ん中に入ってしまう。
「あっ!」そう叫ぶ間もなく、新井が叩いた打球はライト前への適時打になり、この一打
がプロ選抜唯一の得点になった。思わず天を仰ぐ斎藤・・・。
以下、斎藤の試合終了後のコメント。
「まっすぐで勝負したかった。球界を代表する長距離打者。見事に打ち返されました
けど、それはそれでよかったと思う」 そして
「もう一度、真っすぐを磨きたい」
と締め括
った。(斎藤のコメントは日刊スポーツより)
■ 「もう一度、真っすぐを磨きたい」
というコメントは、だいぶ以前も聞いことがある言葉。
もっと速い球を投げることができれば『鬼に金棒』に違いない。ただ、なかなかそれが
実現できないのが焦れったい。
重心を軸足に残したままの投球フォーム(いわゆる「立ち投げ」)に問題あり!と指摘
する記事を見かけたことがあるが、はたして真相はいかに?
斎藤の強みについて、書籍『甲子園 歴史を変えた9試合』(企画・ 矢崎良一
、小学館、
2007年4月刊)に面白いことが書かれていた。それは「間(ま)の取り方」だということ。
以下、一部を抜粋して引用。(書き手: 中村計
)
斎藤はちょっと誇らしげに解説する。
「間合いの取り方って、自分の中では3つあるんです。プレートにつくまでと、セットに入
るまでと、投球フォームの中と。その投球フォームの中の間合いでわかるんです。それ
で打ってきそうだったらスライダーをワンバウンドさせたり、その逆に、打ってきそうも
なかったら簡単にストライクを取りにいく」
(何やら 「江夏の21球」
で広島の守護神だった 江夏豊
が、投球フォームの中で近鉄・
石渡茂
のスクイズを察知。急きょカーブの握りのままウエストさせたという逸話を思い
出させるが)![]()
■斎藤、どうやら間合いがわかる特殊なセンサーを持っているらしい。ただその感度は
右打者より左打者を相手にする時、若干反応が鈍る傾向にある。本人が認めるとおり、それを証明する出来事が 2006年夏の甲子園、駒大苫小牧高との決勝再試合
に
あった。(以下も同書より)
9回表、無死一塁で左打者の3番・中沢を迎えた場面でのこと。初球、真ん中に入った
スライダーをバックスクリーンに運ばれてしまう。この本塁打により土壇場で4-3と1点
差に追い上げられてしまった。
「打ってこないと思って簡単に取りにいってしまった。やっぱり左打者は難しいです。
自分が右打者だということもあって、右の心理のほうがわかりやすいというか、感じ
やすいんです」
速球のスピードを上げることも大事だけど、斎藤固有の「間合い」にも磨きをかけること
も今後の役に立ちそうだ。ちなみに駒大苫小牧高の中沢とは 中澤竜也
のこと。高校
卒業後は國學院大に進学している。
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