ヌックヌクさん
こんばんは!
面白かったですよ。中西さんはたしかに見かけは老けたように見えますが、語り口は昔と変わらず。鈴木貴との話を聞いただけで、行った価値があったと思いました。

川崎球場の面影がどんどんなくなっていくのは寂しいですが、楽天日本一まで、あともう少しですね。
(2013.10.30 00:04:18)

あま野球日記@大学野球

あま野球日記@大学野球

2013.10.19
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カテゴリ: 近鉄バファローズ

■今日(10月19日)、「10・19」25周年トーク&ライブ(第1部)に行ってきた。

あれから25年経った。早いようでもあり、長かったようでもあり。

ただ、この25年の間に、あの時の記憶が薄れてきたことだけは間違いない。

たくさんのシーンがボクの頭の中に残っているものの、それがダブルヘッダーの第1試合だったか、第2試合だったか記憶が危うくなってきた。また、第2試合は延長10回まであったことを忘れてしまい、先日のブログでは、近鉄ナインの最後の守備を「9回裏」と書いてしまった。嗚呼、恥ずかしい・・・。

そんなものだから、今日のイベントはとても有難かった。お蔭さまで、薄れかかっていた記憶を少しだけ取り戻すことができた。



■ゲストには、当時近鉄のコーチだった 中西太 さん、そして第2試合で同点本塁打を放った憎きロッテの 高沢秀昭 さん(笑)。

中西さんは、いま齢80歳と自ら話していた。足腰が多少弱っているようにお見受けしたけれど、メリハリのある語り口は、ボクの知っている以前の中西さんとまるで変わらなかった。

面白かったのは、第1試合の9回表、梨田昌孝の適時打で生還した故・鈴木貴久と抱き合いながらグラウンドを転げまわっていた理由。

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(写真)中西太さん、齢80歳。

それは、ボクにとって最も記憶に残るシーンだ。中西さんも鈴木も感極まって抱き合いながら転げまわったものと思っていた。でも、実は違った。

当時、中西さんは気管支を患い、呼吸することがつらいほど体調が悪かった。そんな最悪の体調の時、鈴木が本塁まで駆けてきた勢いで中西さんにしがみついたものだから、ただ押し倒されただけなのだ、と。

一瞬会場が静まり、直後にどっと笑いが起きた。
なんだよ・・・、25年も大事に温めてきた記憶は、ただそれだけのことだったのか!(笑) 

たぶん会場にいた多くの人がボクと同じ気持ちだったと思う。ただ、その後に 「でもね、あの足の遅い鈴木がね、よくセーフになったよね」 としんみりと話した下りには、いまこの世にいない鈴木のかつての雄姿を思い出し、ボクは目頭が熱くなった。

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(写真)生還した鈴木貴久と抱き合う寸前の中西太さん。このあとに2人でグラウンドの上を転げまわった。右端は安達俊也。~『近鉄バファローズ大全』(洋泉社)より~



■ロッテ・高沢さんもステージに登場した。

拍手で迎えられた高沢さん、冒頭にこう言った。
「第2試合で余計なホームランを打ってしまった私が、近鉄ファンが集まるこのイベントに出席していいのだろうかと迷いました。でも皆さんに温かく迎えてもらって嬉しく思います」
この一言で、会場を埋めた近鉄ファンの心をつかみ会場がどっと沸いた。

高沢さん、つかみはOK!

IMG_20131019_215836.jpg

(写真)高沢秀昭さん。


続けて第2試合の8回裏、自ら打った同点本塁打について話し始めた。
「打った瞬間はフェンスに当たると思い、全速力で一塁に走りました。そして打球の方向を見て、本塁打になったことを知り、『あ、入ってしまった・・・』と思いました。二塁ベースを回るとき、個人的にも親交のある大石大二朗には、心の中で『申し訳ない・・・』と語りかけました」。

「やった、入ったぞ」ではない、「あ、入ってしまった」である。

この時、首位打者がかかっていた高沢さんは、必死だったはずである。なのに、わずかでも後悔したような話を聞くことで、高沢さんの人柄を知ることができた。そして 「首位打者争いだから、別に本塁打でなくてもよかったんです。本当はヒットでよかったんですけどね」 と続け、会場の爆笑を誘った。



IMG_20131019_225124.jpg

(写真)同点の本塁打を放ち二塁ベースに向かう高沢秀昭さん。うなだれる近鉄・阿波野秀幸。ボクはこの瞬間、何が起きたかよくわからなかった。たぶん口をあんぐりと開けて打球の飛び込んだスタンドを見ていたと思う。そしてしばらく間をおいて、同点に追いつかれたことを知った。~『大阪近鉄バファローズ 伝説の野武士軍団BOOK』より~



■さらに高沢さんは、お互いのベンチの状況を話してくれた。
近鉄ベンチからの野次はロッテベンチに筒抜けで、その野次が逆にロッテ選手の心に火を点けたのだと。

第1試合に勝利した近鉄は、その時点で圧倒的に有利だったはずである。「流れ」から言えば、第2試合はほぼ間違いなく勝てるはずだった。なのに勝ちきれなかった。それは、勝つこと、優勝することに慣れていなかった球団の、悲しいかな「性」だったのかもしれない。野次を飛ばして、相手を必要以上に刺激する必要はなかったのだ。高沢さんの話を聞き、そう思うに至った。

ここまで書いて、第2試合で主審を務めた 前川芳男 さんが語った回想記(雑誌『近鉄バファローズ大全』(洋泉社)を思い出した。前川さん曰く、

近鉄ベンチの焦りが、ロッテの闘争心に火をつけてアドバンテージを消してしまったんですよ。近鉄ベンチの焦りは嫌でも伝わってきます。6回表、ロッテの園川がカーブを投げました。ストライクです。私は自信をもって三振であることをコールしました。でも、あの試合は抗議権のない中西太コーチが喰ってかかってきましたからね。

焦りは、仰木監督からも感じられました。9回の有藤監督の抗議の際に、仰木監督も出てきて「大事な試合なんだ、(時間がないから)もう、いい加減にやめてくれ」みたいなことを言ったんですよ。その時、有藤監督が言ったことをよく憶えています。

「絶対に負けない!」

近鉄ベンチの焦りが、モチベーションは高くなかったはずのロッテの闘争心に火をつけたように感じましたね」



■今日のイベントに、ボクは zappaloes さんと行ってきた。1988年10月19日、ボクたちは川崎球場にいた。ただ、その頃は知り合いではなく、まったく別の場所にいた。彼はネット裏、ボクは三塁ベンチの真後ろ。

それから25年の時を経て、また近鉄応援団のトランペットが鳴り響く同じ空間にいる。近鉄が結びつけた不思議な縁だと思う。お互いに当時は独身だったけれど、今はどちらも子供が成長して20歳前後に達している。

この25年は早かったのか、長かったのか・・・。

何度考えても答えは出てこないが、この間に様々な人生経験があって、そして25年後に出会う機会を作った近鉄バファローズ、そして10・19の吸引力は計り知れないほど強いものだと改めて思う。



■イベントの最後にプレゼントの抽選会が行われ、ボクはこのイベントの主催者である 佐野正幸 さんの著書『1988年10・19の真実』(主婦の友社)が当たり、有難いことに、ご本人から直接いただくことができた。zappaloesさんは旅行宿泊券だと!

最後に、
佐野さんはじめ、素晴らしいイベントを企画していただいた主催者の皆様、本当にありがとうございました。感謝いたします。



IMG_20131019_220637.jpg

(写真)前述のとおり。






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Last updated  2013.10.20 02:33:01
コメント(10) | コメントを書く


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Re:あれから25年~近鉄バファローズ「10・19」25周年トーク&ライブに行ってきた!(10/19)  
ヌックヌク  さん
遅いコメントですみません。

トーク&ライブ よかったですか?
中西さん ずいぶん年を取ったようですね。

昨日日曜日に1週間遅れで川崎球場に行ってきました。

ブログにも書きましたが、
川崎球場 来年には新しくアメフト競技場にリニューアルされるようですね。

10.19を上から見ていた照明塔も撤去されるのかな。
今回行ってみて、知りました。
だから行ってよかったです。

来年はもう川崎球場の跡、10.19の跡を見ることができないかもしれないので。
寂しい限りですが、現実はこんなものなのかな。 (2013.10.28 23:39:35)

Re[1]:あれから25年~近鉄バファローズ「10・19」25周年トーク&ライブに行ってきた!(10/19)  

Re:あれから25年~近鉄バファローズ「10・19」25周年トーク&ライブに行ってきた!(10/19)  
おたけ9446  さん
情報ありがとうございます。
そのようなイベントがあったとは全く知りませんでした。
あれから25年が経ちましたが、あの試合の記憶は全く色あせていません。
(2013.11.04 09:19:23)

Re:あれから25年~近鉄バファローズ「10・19」25周年トーク&ライブに行ってきた!(10/19)  
ご無沙汰しております。

楽天の日本一でまた火がつき、いろいろと懐かしい人たちのブログを見たりしていました。

私もあの日川崎にいた1人ですが、仰るようにだいぶ記憶が薄れてきています。詳細な記述のお陰でまるでイベントに参加しているかのように楽しく読ませていただきました。イベントに行きたかったなぁ!と思いました。

あの日の試合観戦は、じぶんの近鉄ファン歴での一番の勲章ですし、藤井寺の栄枯盛衰を毎日直に見ていますので、この10.19を未だにこんなにたくさんの方が支持していることに涙が出そうです。

今度、車を買い換えたら絶対にナンバープレートは絶対に「1019」にしよう!と心に誓った11.3でした。

ありがとうございました。 (2013.11.04 10:54:06)

Re[1]:あれから25年~近鉄バファローズ「10・19」25周年トーク&ライブに行ってきた!(10/19)  
おたけ9446さん
楽天の優勝、おめでとうございます。良かったですね。イベントでは中西太さん、ロッテ・高沢さんが登場し、電話で栗橋茂さんや小川亨さんも出演されました。今後、何かイベントがあったら、ご一緒しましょ! (2013.11.04 17:55:40)

Re[1]:あれから25年~近鉄バファローズ「10・19」25周年トーク&ライブに行ってきた!(10/19)  
あいしーぷろさんさん

こちらこそご無沙汰しています。イベントは楽しかったです。電話で栗橋茂さん、小川亨さんも出演したんですよ。

またイベントがあったら、ぜひ今度はご一緒しましょ!
(2013.11.04 18:02:37)

Re:あれから25年~近鉄バファローズ「10・19」25周年トーク&ライブに行ってきた!(10/19)  
ゴールドクラブ さん
元近鉄ファンとして、当時中学1年だったあの記憶は忘れられない。悔しくて眠れず、ショックは大きかった。翌日クラスの奴にからかわれた悔しい思い出もあった。

ただ、10.19よりもそこに至る過程の試合で、日付は忘れたが西武球場で西武との直接対決があり、覚えているのはその試合に限ってレフトがオグリビーでDHがブライアントといつもと逆だったことである。
で、レフトに西武側の打球が来てオグリビーが飛び込むが捕球できず後ろにそらして点が入り、直接対決を落としたことをなぜか今も覚えている。
この試合を落としてなければ…、と後になって悔んだことを思い出します。

一昨日NHK-BSで23時から放送された「古田敦也のプロ野球ベストゲーム」で10.19が取り上げられたが、高沢が阿波野のスクリューを手首が返った状態でスタンドに運んだというのは初耳だった。

「古田敦也のプロ野球ベストゲーム」
「ヒーロー達の名勝負」
野球ファンとして取り上げてほしい題材が一杯ある。
ここでファン投票したら、大変だろうな。
もちろん他のスポーツも。(これは名勝負、か)
(2013.11.17 13:38:12)

Re[1]:あれから25年~近鉄バファローズ「10・19」25周年トーク&ライブに行ってきた!(10/19)  
ゴールドクラブさん
近鉄ファンの方だったんですね。おっしゃる通り、10・19の前も注目する必要がありますよね。ただ、どんどん記憶が遠のいて、なかなか思い出せないのです。
古田さんのテレビ、私も見ましたよ。10・19は掘れば掘るほど、新しい事実に出会えます。
(2013.11.17 20:10:58)

Re:あれから25年~近鉄バファローズ「10・19」25周年トーク&ライブに行ってきた!(10/19)  
近鉄バファローズしか応援しないと署名した者です さん
突然失礼致します。高校の時から近鉄バファローズを愛し、10.19で泣いた者の一人です。今年で30年も経つのですね。Facebookでシェアさせてもらって良いですか? (2018.09.30 21:40:50)

Re[9]:あれから25年~近鉄バファローズ「10・19」25周年トーク&ライブに行ってきた!(10/19)  
近鉄バファローズしか応援しないと署名した者ですさんへ
コメントありがとうございます。どうぞどうぞ😃 (2018.10.01 06:53:59)

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