ドイツにて、あれもこれも

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プロフィール

ゾンネ@古都

ゾンネ@古都

Feb 2, 2005
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カテゴリ: カテゴリ未分類
女性誌の言うことをいちいち本気にしていた日には、

「28歳は、ゼロから何かを十分にできるとき」。

昨今のお肌の曲がり角は28歳だそうで、
化粧品会社の目論見に乗せられて、
「28歳」は今、話題のようだ。

28歳が手の届くところにある今、
私は「ゼロ」の地点にたってしまった。
たってみたゼロ地点で、

自分のことなどほんとうにわずかなところしかわからないと、改めて知らされる。
息詰まるほどに大きな不安と怖れとは、
もちろんあるのだけれど。

大学院を卒業することがほぼ決まり、
そこで数年来受けてきた専門職の訓練を、
ともかくも一度終了することにした。
つまりは「その職に向かなかった」という一言に尽きるわけだけれど、
自分で選んで始めたことなのにその道を全うできなかったという情けなさ、
弱くどうしようもない自分の受け入れがたさ、
これまで費やしてきたものの諦めがたさ、
進路変更の難しさと歩むべき道を失うことへの不安定さ、

こういう気持ちがしんしんと身を浸し、
ゼロ地点にたつその時が来ることが怖かった。

それなのに今。
私のからだはむしろ軽い。
背負ってきた重いすべてを降ろすことを、

自由な空間がふわりとひろがりぐるりと私を取り囲む。
そうして私には、どこへでもそれを漕いでゆける時間と可能性とが、ほんとうはある。
この気持ちは、
ドラちゃんに抱きしめられるときの気持ちと同じだと気が付いた。

情けなさや受け入れ難さや諦め難さに私が沈む度に、
ドラちゃんは言う。
「その仕事が向かないと気付くことができて、
変更しようと挑戦できることは、ひとつの大きな勇気だ」
「君はまだまだ若い。ドイツじゃちょうど大学卒業して初めて就業するくらいだ。これから何でもできるし、やっていいんだ」
「ちょうどドイツに行く時期もかぶるし、自由なココロでやりたいことを1年くらい考えればいい。大丈夫、きっとみつかるよ」
励まされながらも、
その言葉は現実的じゃないと思ってきた。
向かないことをやめるにしたって次のことを決める前にやめるなんて浮かれすぎているし、
日本じゃあたしはやっぱり何かをゼロから始めるには年とりすぎだし、
自由なココロで一年考えてたら履歴書にはなんて書けばいいのだろう?と。

それなのに今。
ドラちゃんは正しかったと理由なく思う。
やってみたいことや楽しそうなことのイメージが、
なんだかいろいろ私のなかから生まれてくる。
いずれにしても険しい道のりを歩いてゆくための力も一緒に。

たってみたゼロ地点には、
絶望ではなく希望があった。
そんなに悪いものでもないのかもしれない。
そして女性誌も、
たまにはホントのことを言うのかもしれない。





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最終更新日  Feb 2, 2005 09:58:40 AM
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