あい・らぶ・いんそん

愛再び~再会1



3年後~

ジェミンはスジョンを抱き、腕を絡ませて二人仲良く眠っていた。

やがて朝陽が射し込みジェミンが目を覚ますと、自分の腕の中で眠る

スジョンを幸せそうに見つめていた。

思わずスジョンを抱き寄せ、おでこにキスをするとスジョンが目を覚

ました。

「う~~ん・・おはよう」

スジョンが甘えた声で言った。

「起こしたな・・ごめん」

「今何時?」

時計を見ると7時を回ったところだった。

「そろそろ起きなくちゃ・・」

起きあがろうとするスジョンを、ジェミンは抱き寄せた。

「もう少しこのままでいよう」

スジョンは、笑ってジェミンの腕枕に身を委ねるのだった。

「幸せか」

ジェミンが言った。

「ええ、とっても・・」

ジェミンは嬉しそうにスジョンを見つめた。

ジェミンはアメリカに留学をしていた頃の先輩を頼って、3年前にスジ

ョンとニューヨークに来ていた。

先輩が経営をするIT関連の会社に入社し、今ではマーケティング部の

部長まで上り詰めていたのだった。

ジェミンはイヌクへのライバル心から、マーケティングに興味を持ち

始めていたので、誰よりも熱心だった。

わずかばかりの財産でアメリカに渡ってきたために、ジェミンもスジョン

のために必死で働いてきたのだった。今では先輩の社長も、ジェミンが

良き相談相手となっていた。


「今日は外で飯を食おうか・・」

「良いわよ。でもどうして?」

「忘れたのか?今日はおまえを取り戻した記念日だ」

スジョンは少し意地悪そうに言うジェミンの腕をつねった。

「いたた・・冗談だよ。たまにはデイトも良いだろ」

そう言って出勤していった。

スジョンはジェミンと暮らす、この小さなアパートが気に入っていた。

「欲しいものを何でも買ってやれなくなった・・」

いつかジェミンが寂しそうにスジョンに言ったことがある。

そのときスジョンはこういった。

「一番欲しいものを手に入れたから、もう欲しいものは何もないもの」

スジョンにとっては、つましく暮らしていても何の不平もなく、優しい

ジェミンに愛されて本当に幸せな日々を送っていたのだった。

しかし、スジョンは自分が幸せであればあるほど、心の奥に痛む傷が
あった。

イヌクも幸せになっているだろうか・・どうか、イヌクにも幸せが訪

れますように・・・そう願わない日はなかった。

再会2へ


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