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「やだなー。そんなに怒らないで下さいよ。それに貴様じゃなくてば・か・ら!芭唐っすよ。」
「黙れ。時間を守れん様な奴の名など覚える気はない。」

そういうと屑桐は自分の練習へと戻って行った。


【FREAK】

屑桐の後姿をしばし見つめる芭唐。動く気配がない。
芭唐の視線に気付いたのか振り返る屑桐。
屑桐の視線の先には馬鹿面して大きく手を振る芭唐が。

「・・さっさと練習しろっ!!」
「はいはーい。」

屑桐に怒鳴られすごすごと練習を始めた。
・・・すごすごというには態度が少々でかすぎるが。

そんな芭唐を見てため息をつく屑桐。
「どうしたんじゃ?ため息なんぞつきおって。」
桜花が心配して声をかける。
「ん?いやな・・・。アイツのことなんだが。」
「例の一年っ子のことか。」
「そうだ。実力はあるんだがな。時間にルーズすぎる。」

遅刻は今日に限ったことではない。
ほぼ毎日と言っても過言ではないくらいだ。
それなのに反省の色が見られない。
いくら注意してもニヤニヤしてるだけ。
俺の言う事を本当に聞いているのだろうか。

「子供が母親を困らすんと一緒のことじゃろうな。」

不意に桜花が口を開く。

いきなり桜花は何を言い出すのだろうか。
俺はアイツの母親ではない。

「どういうことだ?」
「それはお前さん自身が考えんにゃならんことじゃ。」
「・・・。」
「とりあえずその一年っ子のことはおいといて練習じゃ。」
「あ・・・あぁ。そうだな。」

桜花に促されるままにピッチングに戻る。

いったい桜花は何が言いたかったのだろうか。

気になって練習に身が入らなかった。

おかげさまで桜花は愛想を尽かして帰ってしまうし。
菖蒲監督にまで『気合が足りない故。』と怒られてしまった。

まったく。奴に関わるとろくな事がない。

「屑桐さんどうした気~(?_?)」
「今日はボーっとしてるングね。」
「録・・・白春・・・。」

御柳に対する怒りを覚えながらグラウンド整備をしていると録と白春が声をかけてきた。

「そんなにボーっとしていたのか?」
「そりゃあもう!!(*_*)」
「いつもの゛屑桐さんじゃないング。」
「何か悩み事でもある気?(@□@;)」
「オラ達でよければ聞くングよ?」

あぁ。情けない。後輩にまで心配されるなんて。

「いや・・・大丈夫だ。心配かけてわるかったな。」
「本当に゛?」
「あぁ。本当だ。」
「うーん・・・。屑桐さんが大丈夫気ならそれでいいけど(^^;A」
「心配ない。お前達早く帰れよ。」
「「はい(ング)((^-^))!!」

二人が帰った後もアイツをどうすべきか悶々と考えていた。

気が付けば時計が9:00をさしている。
これは流石に遅くなりすぎた。
早く帰らなければ。
急いでトンボを片付けて部室に戻る。


「・・・で。何故貴様はまだ残ってるんだ。」
「屑桐さん待ってたんすよvvv」
「待っててくれと頼んだ覚えはない。」
「釣れないなぁ・・・。そんな寂しいこと言わないで一緒に帰りましょうよvvv」

やたらと猫撫で声で話し掛けてくる。
大の男がこんな声を出して恥ずかしくないのだろうか。

「ねぇ。屑桐さんってば。」

黙りこくってる俺に痺れを切らしたのか御柳が声を発する。

「無視っすか?」
「黙れ。貴様の相手をしている暇などない。」
「何すかそれ。。。」
「貴様も早く帰れ。親御さんが心配するぞ。」
「うちはそんなに過保護じゃねーっス。」

まぁそうだろうなと思いつつ聞き流して着替える。
早く帰らないと。弟妹達が待っている。

「センパァイ。人の話はちゃんと聞かなきゃ駄目っすよ。」
「なんだ?まだ居たのか。さっさと帰れと言ってるだろう。」
「センパイ・・・。」


ダンッ!!


御柳がロッカーを殴るように手をつく。
丁度俺は壁と御柳に挟まれる形になった。

「・・・何のつもりだ貴様。着替えられんだろうが。」
「センパイが悪いんすよ。他の奴ばっか構うから。」
「・・・。」

御柳が何を言っているのかわからない。

「お前は何がいいたいんだ。はっきり言え。」
「はぁ~。これでもわからないんすかね?センパイって鈍感?」
「言いたい事がないならどけ。邪魔だ。」

御柳の手を払おうとした。
その手をがっちり掴まれてロッカーに押し付けられる。

・・・痛い。

「後輩だからってなめない方がいいっすよ?」
あごを掴まれ無理やり顔を上に向けさせられる。

「あんたは今誰のことを考えてる?」
「・・・。」
「また無視っすか?答えて下さいよ。」
「・・・。」

質問の意図が分からない。
何故急にそんな事を言い出したのか。

「答えて・・・下さいよ・・・。」


何も言わないでいると御柳は下を向いて。
俺を解放した。


しばらく呆然として御柳を見ていると
「早く帰らなくていいんすか?」と言われ。
弟妹達が待っているのを思い出した。

頭では早く帰らねばと思っているのに体が動かない。


「何してるンすか?早く帰りたかったんじゃないんスか?」
「・・・。」
「まぁーた無視かよ。もうアンタの無視はいらねぇ。」

気まずい沈黙。
この沈黙を何とか打ち壊したかった。

「何故貴様は・・・。」
「何スか?」
「・・・いや、やっぱりいい。」
「えーっ!?気になるじゃないっすか!?」
「五月蝿い。黙れ。」
「教えて下さいよーっ!気になるーっ!!」
「貴様に教えることなど何もない。」
「酷っ!!いくら俺でも傷つくっすよ~。」

まったく。切り替えの早い奴だ。
今さっきまであんなに真剣だと思っていたらもうこんなにギャースカ五月蝿い。
・・・だが不思議といやだとは思わない。
本来ならこんな奴と居るのも苦痛なのに。
御柳と居ても苦痛ではない。

「・・・さっさと帰るぞ。御柳。」

泣きまねをしている御柳に声をかける。

「え!?一緒に帰ってくれるんすか!?」
「今お前を放っておいたら何をするかわからんだろう。」
「やったーvvvv」

がばぁっと飛びつこうとしてきた。
ので殴っておいた。

「ひ・・・酷いっすよ~。。。あぁっvvv愛が痛ひ・・・。」
「馬鹿は死ね。」


時間にルーズで。強引で。猫みたいにきまぐれで。
ギャースカ五月蝿い奴だけど。


嫌いになれないから不思議だな。


END


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
【アトガキ】
ミスフル個人的HPの管理人、アモモ様に捧ぐ。
相互記念芭無小説ですvvv
・・・まとまってねぇっ!!こんなに遅くなってこんな駄文・・・。
本当に申し訳ありません。こんなもんでよろしければお納めください(ペコり)

芭→無と見せかけて実は量想いなお二方v
これは無涯さんも気付いてないんですね。(ぇ。)
このあとはどうなるんでしょうかねぇ・・・。
まあ、なるようになるさ☆って方向でお願いします。

あ、なんかもう説明臭くなってしまうのですが。
御柳が毎回遅刻するのは屑桐さんの気を引きたかったわけでして。
ほら。お母さんの気を引きたくてわざと泣いてみたりする子って居るでしょ??(居ねえよ。)

・・・まあ、そんなわけなんです。


毎度の事ながら返品可

相互リンクありがとうございました。

2003.09.23
虚白塑良拝。


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『花鳥風月』というサイト様の管理人、虚白塑良サマに相互リンク記念に頂いた小説です。
何でこうも私の駄文とは違うのでしょうね・・・。
この続きも気になりますね・・・・・・(笑)
ソラサマ、相互リンクありがとうございました!!
(あと色々と迷惑をかけてしまいスイマセン!!)

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