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2005.05.08

桐野さんの作品には珍しく、主人公が59歳の女性。

定年退職後、やっとゆっくり夫婦で、、という時に夫が急死。
家に寄り付かなかった子供との突然の同居案、
夫の予想もしなかった秘密、
遺産相続、自分はあと何年生きてこの先どうなるのか、
強烈な孤独感と人間不振と、
親身になってくれるのは家族か、友人か、隣人か、、、

ある意味、超リアル恐怖小説です。（笑）

前半は、有吉佐和子的女性の心理描写をつく題材に期待しつつ、

また新たな路線にふみだしたのかと
いかに歳をとるのかの選択肢に嫌悪感を抱きながら、
一気によめてしまったのだけれど、
後半の締めにしたがって、
やっぱりやわらい終わりかただった気がする。
それが不満であり、あるところ「らしい」ともいえるんだけれど。
読者層がこの年代の人でなければ、もっとつめてもいいのかなと思ったりもする。

でもそうしたら、ほんとのサスペンスホラー作品？！になってしまうのかもね。

親が高齢になってくるとこういう作品の感じ方はまた違ってくるのです。

毎度のことながら読みやすく、
一気に読める作品には違いないです。