中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

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2008.04.19
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カテゴリ: お茶
お気づきの方もいるかもしれませんが、私は、ある時から中国茶と台湾茶を明確に分けています。
当ブログで採りあげられているお茶は、一般的には「中国茶」としてまとめて表現されています。

わざわざブログのタイトルを長くしたり、分類を多くしてまで台湾茶という言葉を残して区別するのは何故なのか

不思議に思われていたかもしれません。

これを説明しようとすると、国家の歴史と茶の歴史が絡んでくる話なので、ものすごく長くなります。
そして、きちんとご理解いただけるように書けるか自信が無い(^^;)

何しろ、中国と台湾です。とってもデリケートな問題です。

両方の国に住んでいらっしゃる方から読んでいただいてますので、うかつなことを書いてアクセス禁止になっては困ります(((((^^;


そのため、ここまで避けてきましたが、昨今の種々の情勢から、

脳天気に中国製品をすすめやがって!

と不読運動?をされるのもなんですので、この辺で理由を書いておこうかと思います(苦笑)


ちょっと不思議な見方をしていると思います(^^;)


それを端的に表しているのが、中国茶と台湾茶という分類へのこだわりなのです。


<中国の歴史を振り返る>

まずは、中国という地域の歴史を紐解く必要があります。
茶文化というものを考えていく上で、特に文化面に着目したいと思います。
この言葉 が最適なのですが、それは誤解を招くので、「中国という地域」という不自然な日本語を使います。この言葉が使えないから、色々な問題の話がややこしくなるのです。まったく、なんたる言葉狩り・・・

ご存じのように中国という地域には、長い歴史があります。
#私はアルバイトで長らく社会科の塾講師をやっていましたので、そんな書き方(口調?)になりますがご容赦を(^^;)

この地域を治めた王朝・国家のほとんどは、当時の先進国であり超大国であったと思います。
異民族であるはずのモンゴルや女真が、征服後は中国風の王朝になったというのは、もちろん漢民族を統治する上での便宜上という理由もあったでしょうが、この地域の文化レベルの高さに取り込まれたと言えるかもしれません。輝かしい歴史といっても良いと思います。

日本も遣唐使や勘合貿易など様々な方法で、この最も近い先進国の文化・制度を導入し、日本流のアレンジを加えて国を形づくってきました。
時々、為政者の都合で交流が途切れることや元寇・和冦などいくつかの事件はありましたが、日本と中国は、上手く共存してきていたわけです。


そんな大国であったはずが、アヘン戦争あたりからおかしくなっていって、一気に転落。

アヘン戦争以後、この地域は列強の植民地・租借地がポコポコ作られ、今まで世界の先進国だった国民なのに、租界には 「犬と中国人お断り」


その後、孫文の辛亥革命で近代国家を目指した中華民国が成立するも、各地で勝手に振舞う軍閥だらけ。 ”近代国家を建設し、もう一度先進国への仲間入りを目指す” どころか、足並みも揃わないうちに日中戦争へ突入。広い国土を逃げ回り、時々ゲリラ攻撃するだけの泥沼の戦いに突入します。

日本がアメリカに負けて、ようやく終戦になったものの、すぐに蒋介石の国民党と毛沢東の中国共産党で国共内戦が始まってしまいます。戦乱は続くのです。
結果的に、農民の支持を得た中国共産党が勝ち、蒋介石の国民党(中華民国)は台湾に逃れ、大陸反攻の機会を窺うことになります。
この構図は現在に至るも解消されず、双方の政府が存在する両岸問題となります。


2000万人 の餓死者を出して大失敗。
それで失った権力回復のために、毛沢東は文化大革命を仕掛けます。これで国内は大変な混乱状態に陥り、経済活動も停滞します。
一説には、この文化大革命中に 1000万人 が虐殺されたとか。酷い話です。


近現代に入ってから、こんな歴史を続けているわけですから、もう、文化を高めるどころの騒ぎではありません。
生きるだけ、食べるだけで精一杯というか。そんな時期が長く続いたわけです。


文化大革命の後、中華人民共和国は中華民国に代わって、中国代表として国際社会に復帰。
この後、トウ小平を指導者として、着実な国家建設に乗り出していきます。

改革開放路線への転換です。

これにより、徐々に経済活動が軌道に乗り始めてきましたが、天安門事件を起こして海外から総スカンを食います。

しかし、成長路線は継続。
社会主義市場経済という、イデオロギー的には摩訶不思議な?新制度の下で、経済的には飛躍的な発展を遂げます。
ようやく、ここ10年ぐらいは、食べるに困らないようにはなりつつあり、今では、世界の工場・大きな市場として世界から注目を集めるようになります。



「衣食足りて礼節を知る」

という言葉がありますが、文化レベルというのは、ある程度の豊かさが無いと高まっていかないものです。 (衣食足りてても礼節が無い人もいますが・・・)
特に、茶のような嗜好性飲料にまつわる文化は、生活にゆとりができてきてからではないと、急速には進歩していかないものです。

ご覧のように、戦乱に明け暮れた近現代を経て、大陸中国の文化度が急速に高まってきたのは、この10年ほどのこと。
中国の経済成長角度はきわめて急ですが、文化というものは、そんなに急に進歩するわけではありません。

反論があるかもしれませんが、中国大陸においての茶文化の成熟度は、まだまだこれからだと思います。
#だから、私は演出用に作られた中国大陸の茶藝が好きになれないのです。浅さを感じてしまうのです。生活に密着した、安渓や杭州の地元の人たちが何気なく淹れている姿は自然で良いと思うのですけど。装飾美ではなく機能美であるべきだと、私は思っています。


そう言うだけの理由は、もう1つあります。

中国特有の歴史的な事情を考えなければいけません。
日本で「歴史が長い」というと、一貫して続けられていることになるのですが、中国は 易姓革命 の国。
歴史が不連続なのです。

王朝が変われば、それまでのしきたりは、ほとんどご破算。
宮廷の音楽は一新されますし、今まで作られていたお茶は、ほとんど作られなくなる。

そんなことが良くあります。


古くは明の太祖が固形茶を廃止し、中国茶の形が、固形茶から散茶へ大きく変わったことがありました。

そして最近の茶文化を語る上で、やはりエポックメイキングなのが、文化大革命の存在です。


共産主義の中国になってから、茶は配給制になりました。
配給制ということは、自由によいものを作って売買するというのが困難ですから、規格品を言われた量だけ作ることばかりになります。そうすると、職人の創意工夫が失われます。
これだけでも、かなり痛い文化の消失です。


さらに、追い打ちをかけたのが、文化大革命。

これで 「お茶はブルジョワのものだ」 とやられてしまった。
致命的です。


とたんに、外貨を稼いでくれる輸出用のお茶はまだしも、伝統的な手間ひまをひどくかけた銘茶は槍玉に挙がります。

お茶を飲むこと自体が、ブルジョワ的とさえ言われかねない時代です。
農家は作ることを許されなくなり、その伝統的な作り方は廃れます。
そんなことをしていたら、「自己批判」とかで、命にかかわるわけです。


中国大陸のお茶を勉強していると、

「●(王朝)の時代の献上茶だったが、1980年代に再興された」

という文章によく出くわしますが、それはこんな背景があったからなんですね。
ここで大きな文化の断絶が起こっているわけです。


そんなわけで、現代中国(大陸)のお茶は、多くが1980年代に再スタートを切っているわけです。もちろん、過去の歴史と文献がありますから、ゼロからのスタートではないのですが。


特に、一生懸命、品質を良くしようとし始めたのは、改革開放の流れに乗って市場経済が導入され、経済成長が始まった、つい最近のこと。

良いものを作れば高く売れる

日本で暮らしていれば当たり前に感じる、この真理が今まで無かったわけです。
それは、工夫が停滞しますよねぇ。。。


・・・ということで、中国大陸のお茶は、広い国土と悠久の歴史から、ポテンシャルは十分ですが、まだまだ人間の手で良くできる余地は十二分に残されているのではないかと思います。
そういう余白を見て、飲んでいった方が良いと思うのです。
型にはまっていない、アフリカあるいは南米のサッカー的な魅力がありそうです。
このタイプには、細かな所を突いても仕方ないです。

ただ、気がかりなのは、拝金主義的なところのある国民性でもあるので、安易な方向へ流れていかないかどうかです。これが一番怖い。。。


成長の伸びしろがあるとはいえ、農業を発展させるのには時間がかかります。
品種改良を一つ例にとっても、時間は十年単位でかかるのです。
そして、茶は植えてから3年経たないと収穫できません。

時間がかかるものだけに、人件費が高騰し、他の産業がお金を稼いでいると、農業は軽視されるもの。どこの国もそうです。
しかし、国を左右する重要な基幹産業です。食べなきゃ人は生きていけません。
食料を他国に握られることほど恐ろしいことはありません。
その辺は政府のさじ加減次第ですね。
#日本はそのおかげで自給率39%というとても恥ずかしい状態になっています。歴史シミュレーションゲームだったら、兵糧攻めで一発ですね(^^;)


こんな、文化の断絶が起こった中国の茶業界ですが、台湾はまた違った発展をこの100年間で遂げているのです。だから、区別して考えた方が良いと思うのです。
中国が断絶による不連続な文化であるとすれば、台湾のここ100年ぐらいの文化は、為政者が代わったわりには、連続した文化なのです。
その分、洗練度が高いように、いわばヨーロッパサッカー的に感じるのです。

そのお話は、また次回。


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これで論文書けば良かったか(^^;)





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Last updated  2008.04.19 20:44:32
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