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1月28日は、春節です。新年快樂!さて、11年もの長きにわたり、お世話になった楽天ブログ。まだまだ続けようと思っていたのですが、この春節を期に新しいブログに移行することにしました。新しいブログは以下のURLとなります。https://arukichi.teamedia.jpまだ真っさらの状態なので、ある程度の記事数になるまでは、毎日1本ペースで更新していきます。そして、このブログについては本日付で更新をストップします。ただ、たくさん参照いただいている記事もあるので、閉鎖はしません。このまま残しておく予定です。こちらで人気だった記事(「台湾でお茶を買うノウハウ」など)については、新しい情報を組み入れた「2017年版」を新しいブログで順次掲載し、情報を上手く引き継ぐようにしたいと思います。とはいえ、移行にはしばらく時間がかかりますので、むこうのブログに、こちらの記事を参照できる「まとめページ」を作りました。両方飛び回ることになりますが、しばらくはご容赦ください。また、ブログ専用のFacebookページを作成しました。ブログが更新されると、Facebookページに情報が流れるようになっています。Facebookをご利用の方は、ぜひ「いいね!」「フォロー」をお願いいたします。https://www.facebook.com/arukichi.blog 長らく続けた楽天ブログは、ここで一段落です。今度のシステムは自前なので、不本意な広告(特にスマホ)から解消されます。システムの制約でできなかったことも、今後はできるようになります。移転を機に、もっと読みやすく、便利なブログにしていきたいと思いますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
2017.01.28
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和歌山市内の日赤医療センターの角を寺町通りへ。少し入った通り沿いに、様々なお茶と夜はワインも楽しめるお店があります。こちらの二十四節気さんは、体調や気分に合わせて、一人一人に合ったお茶を提供したいという考えでやっているお店です。そのため、日本茶、紅茶、中国茶とお茶に関しては色々揃っています。マニアックに突っ込むというよりは、幅広く対応するお店で、”街のかかりつけ医”的な存在のお店ではないかと。1階はカウンター席とテーブル席で10席ほどです。メニューを見ても、日本茶、中国茶、紅茶と色々なものがあって悩みました。が、ここは中国茶党なので、まずはベーシックなところから・・・ということで、黄金桂を注文してみました。茶壺が出てきて、マイペースに飲んでいけるスタイルです。少し火が入ったタイプの黄金桂でした。獅子の茶壺がかわいらしいですね(^^)オーナーさんは元々、白浜のホテルに勤務されていて、日本茶、紅茶、中国茶と色々勉強されたとのこと。ワインについてもソムリエ資格を取るなど、とても勉強熱心な方です。ホテル勤務時代に白浜の茶農家さんとも繋がりができ、そこの珍しいお茶も分けていただいているとか。なんでも、国産の「白茶」がある、という話を聞きまして、「それ、飲みたいです!」と言ったら出てきたのが、こちら。やぶきた品種で作っている白茶なのだそうですが、柑橘系の香りが漂い、とても品のある美味しいお茶でした。「日本茶好きです」という方には淡すぎるかもしれないのですが、いろんなものを飲み慣れている中国茶ファンの方は、このお茶結構好きな方が多いと思います。やぶきたでこんな香りの良いお茶が出来るとは、ちょっとビックリです。何度か通って、オーナーさんとお話しし、好みが分かってくると、色々美味しいものを勧めてもらえそうなお店です。お茶のお値段も比較的手頃なラインから用意していますし、とてもフラットに様々なお茶をとらえている方なので、初めての方でも安心して入れるお店ではないかと思います。お茶とワインの店 二十四節気住所:和歌山県和歌山市砂山南1-4-51電話:073-424-7667営業:11:00~21:00定休:木曜日https://www.facebook.com/24seasons.wakayama/中国茶情報局の紹介ページ日本全国茶館・茶荘巡り一覧にほんブログ村和歌山では貴重なお店だと思います(^^)
2017.01.23
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【2017年2月23日追記】茶藝師資格、国家職業資格に復活しました。詳細は、新ブログにて。https://arukichi.teamedia.jp/chageishi-syokugyoshikaku-fukkatsu/以下の記述は、2017年1月現在の情報で古いです。先日、先行してSNSに投稿したところ、みなさんの関心が高いようなのと、限られた文章量では誤解を招きかねないので、こちらで少し詳しくレポートします。※後述しますが、現在、制度変更の真っ只中にあるので、これは2017年1月現在の情報としてお考えください。<そもそも茶藝師資格って?>茶藝師は、1999年に『中華人民共和国職業分類大典』に掲載され、『茶藝師国家職業標準』が定められました。これは「茶藝師」という職業が、国家から約1800ある職業の1つとして認定されたということを意味しています。2001年には『茶藝師国家標準』が制定され、茶藝師の育成プログラムが始まります。2002年の『茶藝師国家職業標準』改訂時には、初級茶藝師(国家職業資格五級)、中級茶藝師(同四級)、高級茶藝師(同三級)、茶藝技師(同二級)、高級茶藝技師(同一級)という資格のクラス分けが確立しました。たとえば、初級茶藝師になるための基礎的な条件としては、その職業に見習いとして従事して2年以上。中級茶藝師の場合は、初級資格を取得後、3年以上の実務経験などが定められていました。この資格は、茶館などで働く従業員の技能水準(主にお茶をお客様に提供するのに必要な知識と技術、礼儀作法など)を認定するという位置づけであり、いわゆる「国家職業資格」の1つでした。国営や政府の色が濃い企業などでは、この資格が昇進要件の1つに入っていたりしていました。そのような中国で働く人のための資格ではあったのですが、「国が認定する資格」という性質からか、”いちばん箔が付きそうな中国茶の資格”ということで、日本人の取得者も大勢いる資格です。中級(四級)職業資格証書<職業資格って何?>日本人にとって「国家資格」と言われれば、弁護士、税理士といった、いわゆるサムライ商売だったり、医師や教師などの特殊な技能を用いる職業を思い浮かべます。中国における「職業資格」にも、そうした職業は勿論含まれていました。が、それ以上にもっと多様な職業に設定されていました。たとえば、「収銀員」という職業資格がありました。いわゆる”会計係”のことで、国営の古いスタイルのお店に行くと、接客してくれた販売員さんはお金を受け取ってくれず、別の所にあるレジ(収銀台)に連れて行かれます。これは、販売員と収銀員の仕事は別で、それぞれに職業資格が設定されているためです。”収銀員の職業資格が無い人が、お金を扱うのは御法度”というのが、これまでの中国のシステムでした。仕事がかなり細分化されていて、それぞれの職務内容を国が規定していたのです(その根拠文献が『国家職業標準』)。そのため、「○○の職業に就くならば、○○の職業資格を取得しなければならない」というのが、一部の企業では就業ルールだったわけです(民間企業はあまり囚われていなかった面はありますが、何か問題が生じて行政指導が入れば「職業資格はあるのか?」という話になります)。このため、資格取得をしなければいけない。しかし、それにもお金がかかる(資格ビジネス化が盛んなので、お金を出せば資格は「買える」という機関もあったとか)。結果、若年層の就職にも悪影響が出ていたようです。日本の感覚だと「何と面倒な仕組み!」と思うかもしれませんが、なにしろ中国は社会主義国。「職業選択の自由、アハハン♪」を謳歌できるのは、日本のような資本主義の国だからこそのこと。原則自由が認められているようでも、色々な制度による有形無形の規制があったというわけです。「職業資格」ってのは、そういう一面も持った仕組みだったわけです。<李克強首相主導の行政改革>ところが、中国の国家職業資格制度が大きく変わってきています。発端は、2014年6月4日の国務院常務会(国務院は内閣に相当。常務会は定例の閣議で週1開催)。ここで、李克強首相が「職業資格」の見直しについて言及しました。趣旨としては、・職業資格の数が多すぎる(この時点で618の資格があった)・国家で認可するべき資格のみに70%以上削るべしというものです。これを受けて、人力資源社会保障部(かつての労働和社会保障部。2008年に人事部と併合され、この名前になりました)が中心となり、国家職業資格の見直し(統合・取消)を実施。以下のように、段階的に資格の見直しを行ってきました。2014年 7月22日 第1弾。11の資格が取消2014年 8月20日 第2弾。67の資格が取消2015年 2月24日 第3弾。67の資格が取消2015年 7月20日 第4弾。62の資格が取消2016年 1月22日 第5弾。61の資格が取消2016年 6月13日 第6弾。47の資格が取消2016年12月16日 第7弾。114の資格が取消最終的に434の資格が取り消され、実に70.2%の資格が国家職業資格から外れました。昨年12月16日には、一通りの整理が終わったリストが発表され、国家職業資格は全部で151に絞られました。内訳は・専門技術を必要とする職業資格(教師、弁護士、会計士、医師、建築士など) 58・技術者職業資格(消防員、ボイラー技士、保育員、保安員、面点師など) 93となりました。基本的には、国民の安全や財産を守ることに直結するようなもののみ国家職業資格として残し、それ以外の資格については大幅に削ったという印象です。日本の国家資格と同じような水準に落ち着いた、と言えそうです。中国も普通の国になったということでしょうか。認定機関にも変化が見られます。専門技術を必要とする職業資格こそ、以前のように「○○部」といった政府直轄の機関が認定していますが、技術者職業資格については「○○業界技能鑑定機構」といった、業界団体などでつくる外部の組織が認定するものの比率が圧倒的に増えました。<制度変革の狙い>今回の職業資格制度改革について、李克強首相や政府側の発表している内容を読み解くと、以下のような狙いがあるとしています。○就業や創業の活性化これまでは、あまりに多数の職業資格があり、何かの仕事に就く、あるいは仕事を始めようと思っても、その職業に関する資格証書を取らなければいけない、という面がありました。仕事を変えようと思ったら、まずはどんな職業資格が必要かを調べて、それの認定校に通って、資格を取って・・・ということで、人材の流動性が損なわれていた、ということのようです。確かに、これまであった職業資格のうち、日本人の感覚からして「えっ、これも職業資格になっているんですか?」というのは、例えば以下のようなものです。・ファッションモデル・カメラマン・カラーコーディネーター・ホテルのフロントスタッフ・鉄道の切符販売員などなど。廃止された資格を見ると、こんな感じのものがズラズラ並んでいるので、まあ納得できるものがほとんどです。職業資格ビジネスが活発化するという面はあるのですが、それ以上にマイナスの方が大きいので、このへんの規制を取っ払う、というのが一番の目的であるとされています。○行政機構の肥大化を防ぐこれまで職業資格は、商務部、農業部などの国家の省庁が所轄するものとしていました。そうなると、その省庁の末端の行政機関(たとえば農業部なら茶葉研究所とか)が、この資格に関する教育などのビジネスを行うことになります。それが業務のほんの僅かであれば良いのですが、実際にはかなり資格ビジネスが過熱化している現状がありました。国の出先機関が、本来の業務をするのでは無く、資格ビジネスの要員として追加で人を雇ったりしはじめると、それは国の機関として、一体どうなのか?という疑問が出てきます。特に国からの予算以外に、収益を生む場があるとなると、それこそ癒着や不正などの腐敗の温床にもなりかねません。習近平政権が誕生以来、最も力を入れているのは腐敗撲滅です。このようなことから、国の機関から職業資格に関する事業を切り離し、行政機関を本来やるべきである仕事に向かわせる、という面もあるようです。○公的機関による資格の粗製濫造を防ぐある地方では、ネイルアーティストの資格を地方政府が設け、その認定を国家職業資格のように5段階で実施したりしていたようです。本来、このようなものは民間に任せるべきですが、公的な職業資格にしてしまうと、どうなるか。政府は行政指導が出来ますから、その地方で商売をするなら、この職業資格を取得しなければいけなくなります。その試験や養成講座を地方政府の出先機関が主催するとなれば、そこで商売の種が増えるというわけです。政府機関が本来注力しなければならないのは、こういうことでは無いはずです。例えば、ネイルであれば、行き過ぎて医療行為に該当する施術を行わないように監視するなど、国民の安全を守ることであるはずです。上記の話は実際にあった話で、このような資格の濫造を防ぐという意味から、今後は法律による根拠のある資格以外、公的資格とは認めないし、公的資格のような名称を使うこともまかりならん。地方政府なども勝手に職業資格を作ってはならない。という声明を発表しています。・・・と、上記のような理由が述べられており、至極真っ当な政策に思えます。かなり画期的な規制緩和と言えるので、中国社会の仕組みが、また一つ新時代へ移っていく場面を目の当たりにしているのだと思います。その意味では、今まであった国家職業資格が取り消されるというのはやむを得ないことだと思います。ただ、問題になりそうなのは、2014年6月から始まったものが、2016年末には整理を終えてしまうというちょっと性急すぎるスピード感です。その職業資格を取得するために技術を学んでいる人や大枚叩いて職業資格を取得した方、あるいはその職業資格の指導を生業としてきた方の生活は一体どうなるのか?という疑問が出てきます。日本だったら、20年前ぐらいから検討を始めて、法律出来るまで10年。移行期間を5年ぐらい設けますか・・・的な対応をするでしょうね。もっとも、社会主義国家の中国においては、こういう性急さはよくあることです。突然、「再開発が決まったから、この土地を出て行け」と地方政府から告げられて、困る庶民・・・なんてドキュメンタリー番組が放送されていたりしますが、まさにそれと一緒です。中国では良くあることですし、そのスピード感ゆえに驚異的な経済成長を実現してきたので、何とも評価の難しいところではあります。<茶業関連資格はどうなる?>で、本題です。昨年12月に発表された職業資格の一覧を見てみますと、茶業関連の資格は以下のようになっています。・茶藝師 → 国家職業資格ではなくなった・評茶員 → 国家職業資格として、とりあえず残る。認定は供銷行業技能鑑定機構などに変更。・茶葉加工工 → 国家職業資格ではなくなった・茶園園芸工 → 国家職業資格ではなくなった評茶員に関しては、食の安全、公正な取引に寄与する資格ということなのか、今のところは残されたようです。しかし、茶藝師などについては、国家職業資格から外れました。「国家職業資格から外れるということは、どういうことか?」ですが、人力資源社会保障部の担当者などが話していることをまとめると、1.茶藝師などの職業資格試験は今後、国家の名を冠しては行わない。2.ただし、既に試験に申し込んでいる人(お金振込済)でどうしても受験したいのであれば、そのまま進めるよう、各部門に指示している。3.既に受験をして証書の発行を待っている人の分は、そのまま進める。4.職業学校などで卒業証書と労働資格証書のダブル発行をすることになっている場合は、卒業時に規定通り貰えるようにする。5.既に取得した人の資格については取消後も有効なので、仕事はそのまま続けてよろしい。証書も有効なので、あなたの能力水準の証明書として使って構わない。ということです。最後の5番目が大事なところで、既に勉強した人の証書は無効になるわけではないようです。ただ、資格自体は既に国家職業資格ではなくなっているので、今後、それが求められることは少なくなると思います(元々、日本国内での使い道は”自慢する””肩書きに付け加える”ぐらいしかありませんでしたけど)。さらに、1のように資格試験は今後、国家レベルで行われることはないので、国家職業資格としてのステップアップの道は閉ざされる、ということです。日本で暮らす日本人にしてみれば、茶藝師にせよ、評茶員にせよ、価値があるのは証書よりも、その資格を取得する過程で学ぶ中身の方だと思います。「国家職業資格では無くなった」というのは、「国の資格だったから取ったのに」という方にはショックかもしれません。しかし、国家職業資格で無くなった理由は、「茶藝師のプログラムがおかしいから」とか、そういうことではなくて、上記のように中国の社会体制の変化によるものです。あまりガッカリする必要は無いでしょう。既にこの国家職業資格としての茶藝師は取得できない状態になっていますので、月日が経てば、「大分、前から勉強していること」の証明になるかもしれません。証書は大切に取っておきましょう。<今後はどうなる?>評茶員資格は国家職業資格として残ったので、今後も同じスタイルの評茶員養成講座が行われるようです。が、茶藝師資格については、今後どうなるのかが今ひとつ、判然としません。茶藝を一通り学べるような既に確立したプログラムがあって、教育機関なども全国各地に出来ていますし、取得済の人もかなり大勢いますから、ひょっとしたら後継となるような統一的な認定機関ができ、既存資格の引き継ぎが可能になるのかもしれません。が、茶業界は以前より大きくなっていて、様々な思惑がうごめいています。地域性の強い「茶藝」を1つの国家標準やプログラムで縛るのは無理筋では無いか?という声もあります。地域ごとや流派ごとに分裂するという可能性も否定できません。茶藝とか茶道って、大体そういうもんですからね。そもそも、茶藝については、別に資格を取らなくても学べるものです。日本の方にとっては、国家職業資格という看板がなくなった以上、資格取得というよりは、自分が目指したいと思う世界観を持った方のところで、茶藝を学ぶ時代になるのかもしれません。もっとも、一部の機関などでは、引き続き、既存の茶藝師資格養成のプログラムで、初級や中級茶藝師のクラスを設けるところもあるようです。その場合は、「一体、どこの機関が認定するのか?」「どのような講師が授業を担当するのか?」を詳しく見極めた方が良いと思います。正直なところ、茶藝師の育成をしている機関でも、その担当講師の実力・カリキュラムには、かなりバラツキがあります。もし、上記のような分裂状態になるのであれば、認定機関もバラバラになるので「そこの機関の認定では、あまり価値が無いよ」ということも出てくるかもしれません。これから取得を考えているのであれば、このへんを納得いくまで吟味する必要がありそうです。以上、2017年1月19日現在の情報をまとめてみました。李克強首相は、今年に入ってからも今回の労働資格制度改革をさらに見直す意向を示しています。まだ、しばらくは落ち着かない感じになりそうですが、「上に政策あれば、下に対策あり」が中国です。将来、何が起こるか分かりません。今後また新しいことが分かったら、別エントリーで紹介したいと思います。にほんブログ村まあ、中国らしいといえば中国らしい話です(^^;)
2017.01.19
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すっかり明けてしまいましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m年末はインフルエンザA型に思いっきり直撃され、お正月はほとんど寝ているだけ。なので、この三連休で初詣と帰省と七草粥を済ませるという、圧縮正月になってしまいました。初詣は香取神宮に。7日に行ったのですが、参拝するまでかなり並びました。さて、年始は例年、今年の抱負というか予定みたいなものを載せていましたので、今年もやってみたいと思います。<今年は情報発信に力を入れます>例年、グダグダになっているのですが、今年はお茶に関する情報発信に、かなり力を入れてみたいと思います。その理由は明快でして、エコ茶会の会場を確保するために昨年、「会社」を作ったからです(^^;)#都内の法人じゃないと、会場が確保できないということでしたので・・・で、そこの会社の事業実態をしっかりさせないといけないので、今年はかなり積極的に情報発信します。1つはこれまで通りのWebを使った情報発信。もう1つは、昨年発行した『中国茶年報2015』のような紙媒体。さらに今年は、セミナーなどもやってみたいと思います。<Web>これまでは、ここのブログと中国茶情報局で配信してきました。が、今年は読み手の方に合わせて、全部で4つのルート(媒体)を作る予定です。○初心者さん向けの中国茶・台湾茶の情報サイト【新設予定】時々、このブログを中国茶の勉強に役立つと紹介いただくことがあります。が、ブログの限界が色々ありまして、「勉強いただくには、向いてないなぁ・・・」と感じることが多々あります。一方、中国茶情報局は、かなり最先端なことを流しているので、予備知識のない初心者さんに読み解いていただくのは難しいかと思います。そこで、もう少しライトにお茶のことが分かるようなサイトを立ち上げる予定です。最初のコンテンツは少なめでのスタートになると思いますが、近々リリースしたいと思います。○ブログ「消観茶論」(茶業界の方向け)【新設】一般の方向けというよりは、茶業界のプロフェッショナルな方々向けの記事も用意することにしました。茶業界の人にとっては当たり前なのかもしれませんが、消費者の立場になったら、「これ変じゃない?」ということはお茶業界、結構あるんですよね。そうしたことを消費者目線であれこれ書いていく予定です。こちらは今日から、会社のサイトで更新を開始しています。毎月10日・20日・末日の月3回更新です。ブログ「消観茶論」○中国茶情報局こちらは、基本的には現状維持で。淡々と現地のニュースを引っ張ってきて、紹介していきたいと思います。お店情報も随時更新しています。中国茶情報局○ここのブログ上記のようなメディアが色々できるので、お茶の勉強になるようなことは、あまり書かなくなると思います。ただ、旅行記と全国茶館巡り、何らかの告知とかでは引き続き更新していきます。全国茶館巡り、昨年のが10軒近く滞っていますので・・・(汗)<紙媒体>○中国茶年報昨年、初めて発行したところ、ある程度、中国茶を学んだ方やインストラクターをされている方などから好評でしたので、今年も発行する予定です。統計については定点観測で載せますが、もう少し、コラム部分の文章量を増やし、内容を充実させる予定です。○初心者さん向けのミニ冊子などあまりに良い入門書が出て来ないので、簡単な冊子をつくり、秋のエコ茶会でお分けできるようになるといいなと思っています。上記の初心者向けサイトの内容の再録みたいな形になるとは思いますが。<セミナー>これまでは、「しゃべりたい人がいるんだから、その人にやってもらえば良いじゃない」と思っていたので、裏方に専念してきたのですが、今年は少し前に出てみようかと思います。『中国茶年報』は読めば分かるように書いたつもりだったのですが、解説も欲しいという声もありますし。地方にも呼ばれれば行きます。あとは、余力があれば、ベーシックな内容も今年は敢えてやってみたいと思っています。たとえば、「中国茶は、発酵度の違いによって緑茶、烏龍茶(青茶)、紅茶、白茶、黄茶、黒茶に分類される」というような、致命的な間違いが未だに本に書かれてたり、あちこちで引用されたりしていますので。#「何が間違いか分からない」という人もいるかもしれませんが、そういう方はダージリンのファーストフラッシュが紅茶か烏龍茶か分からないと思います。・・・と、かなりいろんなことをやる1年になりそうです。ここの更新は少なめかもしれませんが、あちこちでどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)mにほんブログ村計画倒れにならないように頑張ります(^^;)
2017.01.10
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年末進行やら、それが終わった途端のインフルエンザやらで、お礼が大変遅くなりました。12月10日・11日の2日間、東京都立産業貿易センター・台東館にて「第12回 地球にやさしい中国茶交流会」を開催し、無事に終了することができました。ご来場、そしてさまざまな形で応援いただきました、全ての皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました!今回は浅草会場で2回目の開催でしたが、前回うっすらと感じていた”潮目が変わった”という感覚をさらに強めた回でした。<最近始めた方が増えた>まず、「最近、中国茶に興味を持った方の来場が増えている」というところですね。2日目は主にイベント受付に座っていたのですが、「初めて来てみたのですが、どう回ったら良いですか?」「中国茶は、まだあまり飲んだことがないんですが、どこへ行ったら良いでしょうか?」というご質問を何度かいただきました。中国茶を色々飲んでみるためのファーストチョイスが、エコ茶会。もう、これ、素晴らしすぎますね!色々なお茶を、それもかなり品質にこだわったお茶を、少しずつチョコチョコ飲んでいただいて、お茶のバリエーションの豊富さとか微妙なことで味が変わる面白さとか、お茶を介して人と話すと何か妙に親近感が湧くところとか、好きなお茶についてのめり込んでいる人の話の面白さとか、お茶のある空間の雰囲気だとか。そんなものを感じていただいて、お茶がどこか自分のアンテナに引っかかるな、面白いな、と思ってもらえたら、これほど嬉しいことはないです。勇気を出してお越しいただいたと思うので、その心意気に応えられるよう、来年はもっと初心者さんにも参加しやすいような企画なども考えたいと思いますし、色々な形でフォローしたいと思います。<常連の方の年間恒例行事に>常連の方々も、「エコ茶会でいろんな人やお茶に会う」というのが年間の恒例行事になっている方も多いんだな、と。来場いただいた方のブログやらTwitter、Facebookなどを見ていると、とても楽しそうにされていて。ああ、本当に楽しみにしていただいているんだな、と。ここまで来ると、もう単なる「イベント」というよりは、「コミュニティ」みたいなものですね。「また、ここでお茶飲もうね」という感じで、みなさんが毎年集まってくるような。その繋がりも”閉じた”ネットワークの中の話ではなくて、どんなに常連な方でも、来る度に新しいお茶やお店、淹れ手さん、来場される人とどんどん繋がっていく。。。そういう、色々な刺激も得られる場として活用いただけているのかな、と思いました。これも「続けているからこそ」なので、まだまだ続けていきたいと思います。<ストーリーを大切に>ちなみに今回は準備に当たって、少し意図していた点があります。それは、会場に来ているお店や人、商品の「ストーリー」をできるだけお伝えしたいな、ということ。エコ茶会の会場で出会う、お店や商品、淹れ手の人、さらにはお茶を飲みにいらっしゃる方には、それぞれにストーリーがあるわけです。お店であれば、どういう思いで店を始めたのかということだったり、商品だったら、どのようにして入手したものなのか、ということだったり。淹れ手の人なら、どういうバックボーンがあって、どんなきっかけでお茶を魅力に感じたのか、とか。来場いただく方ならば、どんなところでお茶に関心を持ったのかとか、どうやってイベントのことを知ったのか、などなど。特に中国茶というのは、まだあんまりメジャーなものではないと思うので、そんなメジャーではないものに、何かココロ惹かれるところがあるというのには、それなりの理由・ストーリーがあるはずだろうな、と。なので、そういうのをお互いに尊重するような雰囲気があると良いな、と。そこで、第一弾としては、お店の方にいただいたショップ情報に、実行委員会からのコメントということで、そのお店の特徴だったりストーリー、バックボーンなんかをコメントとして書いたりしてみました。昔からのファンの方だったら、お店の経緯を見てきているでしょうが、最近入ってきた方にはよく分からないですからね。そのお店の方やオーナーさんの特徴や考え方、力を入れていること等々。そんなことを分かる範囲でですが、色々書いてみたりしました。本来は淹れ手の方も1人1人丁寧にコメントを書いていこうかと思っていたのですが・・・今年はあちこち出歩いていたのもあって、とてもとても時間が足りなくて。。。この分は、今後のお楽しみということにしましょう。<次回予告>さて、来年の開催です。エコ茶会、これまで会場の確保をするのが難しいという問題に悩まされていました。任意団体だと、予約の優先順位が一番下なので、日程をこちらで選べず、空き日程を拾うしかなかったのです。出店者さんや来場者の方にも評判がイマイチな12月開催が多かったというのは、そういう事情からでした。が、この点について、今年の7月に思い切って抜本的な手を打ちました。これで、日程の選択肢は随分広がったので、来年からは秋の開催が恒例化すると思います。で、来年の日程はこちら。第13回 地球にやさしい中国茶交流会2017年10月7日(土)・8日(日)東京都立産業貿易センター・台東館東京都台東区花川戸2-6-5この日程、昨年土曜日に開催されていた紅茶のイベント「シングルオリジンティー・フェスティバル」さんと連携しておりまして、同日開催になります。さらに、浅草2回目にして既に手狭感が出てきたことから、フロアを拡張する予定です。来場者層の広がりに合わせた企画をいくつも織り込むためには、1フロアだけでは足りないので。。。これから少しプランを練りたいと思います。では、また来年、浅草でお会いしましょう(^^)/あと10ヶ月ほどなので、きっとすぐですよ(笑)にほんブログ村ご来場・応援、ありがとうございました☆
2016.12.31
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秋~冬は、全国各地でお茶のイベントシーズン。というわけで全国を飛び回っており、福岡空港なう。のあるきちです。今日は、第1回目の開催となる「九州中国茶祭り」に参加してきましたので、簡単にレポを。地元の人にもほとんど知られていないようでしたので・・・(^^;)<「九州中国茶祭り」とは?> 九州中国茶祭りは今年が第1回目となるイベントで、渡辺通にあるサンセルコ広場(ホテルニューオータニ横)で11月5日・6日(土・日)の2日間にわたって開かれているイベントです。 九州地区は全国的に見ても中国茶専門店の数も多くなく、中国茶にふれる機会が少ないという面はあるようです。 そこで、そうした状況を変えて行くべく、まずは小さなところからでもイベントを立ち上げ、九州地区の中国茶を盛り上げて行こう、ということで「九州中国茶祭り実行委員会」が立ち上がり、今回の開催となりました。 第1回目は、中国茶だけで全てのイベントを構成するのは、まだ浸透度が低く難しいこと。 また、福岡には大勢、中国や台湾などからの観光客がやってきているのですが、彼らの文化に触れる機会が少ない。相互理解のためにはもっとお互いの文化を知ろうではないか、ということから、中国文化を総合的に体感できる場にした、と実行委員長より挨拶がありました。では、気になるイベントの様子をご紹介。<無料で参加できる中国茶席体験>今回の九州中国茶祭りの一番の目玉は、茶席の体験コーナーです。シンプルに設えられた4つの茶席が用意され、凍頂烏龍茶、金萱茶、プーアル茶、一葉茶などが振る舞われています。これらの参加費は、なんと無料!とのこと。「まずは、気軽に中国茶を飲んでいただくところから、触れて欲しい」という主催者側の意向と、サンセルコに出店している「中国茶 龍鳳」さんの協賛で、実現しているとのことですが、このような機会はなかなか福岡では無かったのではないかと思います。そんなとってもお得なコーナーなので、今日の途中まででも100名以上が参加され、茶席は時に満席になることも。満席の場合は、待合の椅子があり、そちらで順番を待つこともできるようになっていました。<物販コーナーも>茶席体験ブースの隣には、物販のコーナーがあります。まずは、茶葉の提供・協賛もしている「中国茶 龍鳳」さんのブース。茶席に提供しているお茶のほか、ジャスミン茶やバラ茶などの品揃えも。また、比較的手頃で入門に適したような茶器の販売も行っていました。その隣には、熊本のガラス工房のイル・チェーロさんのブースが。ガラスの表面に彫刻を施している工房さんで、お茶に使えるガラス蓋碗、ガラス急須、茶海やグラスの他、花瓶や置物、ランプ、それから髪留めなどを販売されていました。こちらのお店は、来月のエコ茶会の東北・九州応援ブースに出店される予定なので、東京の方はそちらで~。通り側の方には、トンボ玉を作っていらっしゃる方が、アクセサリーなどの販売も。外国人の観光客の方が、足を止めて品物を熱心に見ていました。<ステージイベント>今回のイベントは、「中国文化に触れる」というテーマもあったため、1日に数回のステージイベントが開催されています。たとえば、太極拳の演舞。さらには、九州産業大学の方による中国武術。跳んだりはねたり、立ち回りをしたりと大迫力!出演時間は15分ほどなのですが、かなり濃密な時間で、このときは歩道にあふれるほどの見学の人の山ができていました。さらには、二胡の生演奏。北九州の方からやってこられていたそうです。「夜来香」「シルクロード」など、馴染みのある曲も演奏されていて、こちらも多くの人の足を止めていました。と、このようなイベントです。イベントの規模としてはまだ小さい方ですが、愛好家主導型のイベントの最初は大体こんなものだと思います。エコ茶会も公民館の一室・・・から始まったイベントですので、これから、少しずつ大きくなっていくのではないかと思います。それを支えていくのは、地元の方々の熱意だと思うので、温かく見守っていただければと。色々な出店者の方に出ていただけるのであれば、どんどん受け入れていきたいという意向のようですよ。<明日6日も17時まで開催>このイベント、本日は19時迄開催しておりましたが、明日が最終日。朝10時から17時迄やっています。明日のステージイベントの段取りは、こんな感じ。○太極拳演舞 1回目11:30~ 2回目14:00~○二胡演奏会 15:30~ということなので、お近くの方は是非立ち寄ってみて下さいませ。愛好家主導型のイベントは、札幌では「北の茶縁日和」、東京では「地球にやさしい中国茶交流会」、京都では「吉田山大茶会」、福岡ではこのイベントと、徐々に広がってきています。こういう輪がもっと広がると良いなと思います~。にほんブログ村私は明日は京都・和束の茶源郷まつりに(^^;)
2016.11.05
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猛烈に暑い夏だと思っていましたが、ここ数日は涼しいですね。さて、涼しくなってくると俄然お茶のシーズンになってきます。9月以降に色々なイベントが企画されているので、少しご紹介をば。9月3日(土) オープンセミナー「製法から見た日中の茶の交流」(東京・渋谷)NPO法人中国茶文化協会のオープンセミナーの一環で開催されるセミナーです。今回の講師は、小泊重洋先生。普段は静岡在住の方ですので、東京&中国茶に絞ったセミナーというのは貴重な機会かと思います。実は先日、「世界お茶まつり 春の祭典」に行きまして、そこで小泊先生のお話を伺う機会が色々あったのですが、非常に興味深いお話を沢山持っていらっしゃる方です。たとえば、こんなの。これ、日本で作られた輸出用のお茶の数々です。特にご注目いただきたいのは、下の写真にある日本で生産された磚茶。かつて日本では磚茶の製法を中国から導入し、ロシアに輸出しようという動きもあったそうです(そのための会社も設立されたのだとか)。教科書には載らない?、こういう歴史の話もできる方、それが小泊先生です。それから、最近、静岡で生産の始まっている「白茶」についてのお話も、実際に試飲しながらしていただけるとのこと。農家の試作レベルで作っている話ではなく、結構大がかりにやろうとし始めているそうです。小泊先生は、茶業試験場にいらっしゃった方なので、お茶の製法については専門中の専門です。きっと、詳しいお話を伺えることでしょう。3時間の比較的長丁場のセミナー&先生の著述をまとめた小冊子(A4版16ページ)の配布などもあるので、お値段以上にお得な会だと思います。日時:2016年9月3日(土) 13:00~16:00会場:アットビジネスセンター渋谷(渋谷駅から徒歩6分)申込:中国茶文化協会のWebサイトにて9月25日(日) 茶旅のみやげ話「湖南・湖北の万里茶路」(東京・東日本橋)7月からシリーズ化している、茶旅人・須賀さんのセミナー第2弾です。今回は、須賀さんの追いかけている「万里茶路」の主要茶産地である、湖南と湖北のお話です。前回の雰囲気はこんな感じでした。今回は、前回の反省点を踏まえまして、時間を1時間半から2時間に拡大しました。というのも、須賀さんのセミナーの特徴として、お茶の話以上に中国の社会の仕組みなどが分かるような時事ネタを「余談」として織り込んでこられます。前回は「ポケモンGOは中国でも出来るようになるのか?」「中国の共産党の中で一番偉い部署はどこか?」などの話が余談として語られていました。「これのどこが、お茶の理解に役立つのか?」と思われるかもしれませんが、中国ってのはやっぱり社会体制の違う国なんで、日本や台湾の常識では図りきれないことが起こります。そういうものを予測する上では、中国がどういう仕組みで動いている国なのかを知らないといけないんですよね。この点において、須賀さんは”日本から中国に駐在する人向けの勉強会”などをやっていたかたなので、中国の仕組みを分かりやすくかつ面白くお話が出来る方なので、余談こそが楽しいな、と。というわけで、余談をたっぷりしていただけるよう?30分の時間拡大でお届けすることになりました。もちろん、湖南・湖北の珍しいお茶を数種類飲んでいただくこともできますし、現地の情報も色々と入ってくると思います。時間を延長したにもかかわらず、お値段は据え置き。ぜひ、お早めにご予約下さいませ。日時:2016年9月25日(日) 13:30~15:30会場:東京・中央区立産業会館(東日本橋駅から徒歩4~6分)申込:中国茶情報局にて受付中12月10日(土)、11日(日) 第12回地球にやさしい中国茶交流会(東京・浅草)まだ、だいぶ先ですが・・・「今年は秋ではなくて、12月ですよ~」という告知です。地方からいらっしゃる方、宿泊はお早めにご手配を。最近は海外からのお客様が多く、日程が近くなればなるほど、都内のホテルの手配がどんどん困難&お高くなってしまいます。早め早めのご予約がお勧めです。なお、エコ茶会のWebサイトは今年から以下のようにリニューアルされております。全般的にイマドキのデザインになり、スマートフォンでも見やすくなっています。地味にSSL対応になっているのも、ポイントです。現時点でのティーマーケット出店店舗一覧も更新されているので、是非ご覧くださいませ。にほんブログ村お茶の美味しく飲めるシーズン到来です☆
2016.08.28
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今年の5月26日にプーアル茶の専門書が発売されました。大益普洱茶の品質鑑定プーアル茶の大手メーカー・大益が出している本の日本語翻訳版です。主編者の呉遠之さんというのは、大益グループの総帥。プーアル茶業界というか、中国茶業界の超大物です。で、読み終わってから気がついたんですが、翻訳はなんと北京在住のライターの原口純子さん。翻訳は、原文に忠実で、かなり直訳的なのですが、恐ろしいほど正確に翻訳されていますし、様々な専門用語(特に化学用語や製茶用語)もきちんと調べて翻訳されています。さすがだなあと思ったのですが、なるほど納得の人選でした。#大手メーカーの資金力が無いと、とても実現できない本ですね(^^;)<大益について>この本を出している大益というのは、旧国営工場だった勐海茶廠が民営化して生まれた企業グループです。かつてプーアル茶は昆明茶廠(1)、勐海茶廠(2)、下関茶廠(3)、普洱茶廠(4)という4つの国営工場が基本的に生産を独占していた時代があり、いわば由緒正しい大手の工場です。#( )に書かれた数字はプーアル茶を知るポイントでもあります。詳しいことは自分で調べましょうw元々が国営工場であっただけに、量産品の生産が得意分野です。なので、家内制手工業的な作り方ではなく、近代化された大がかりな生産を行っています。お醤油で喩えるなら、木桶で丹念に作っているような街の小さな醤油屋さんではなくて、醸造学を駆使して大きな金属タンクで仕込んでいるようなキッコーマンとかヤマサみたいなメーカーさんですね。こだわりのある人には物足りないかもしれませんが、ある程度の品質のものを適正な価格で多く広める会社です。<本のレベルについて>この本、「プーアル茶の専門書」と帯に書いてありますが、本当に専門書です。教科書的な専門書です。情け容赦なく、遊離アミノ酸とかテアルビジンとかブドウ糖リン酸エステルなどの化学用語がバンバン出てきますし、製茶や鑑定の部分については、高級評茶員クラスの知識・素養が無いと、ほとんど歯が立たないと思います。カラー印刷で美しい写真なども合間に入っているのですが、きちんと読もうと思うと免疫が無い方は、きっと目を回すと思います。私も購入してすぐにサラッと流し読みしましたが、途中で集中力が切れて頭に入らなくなり、しばらく”積ん読”してました(^^;)「日本国内で、この本をスラスラ読みこなせる人は、おそらく百人に満たないのではないか・・・」と思われる本です。これまで日本で販売されてきた中国茶の本を仮に”小学生の教科書”とすると、これは”大学生の教科書”レベルです。日本国内で行われている中国茶インストラクターのコースでも、教授されるのは、せいぜい中学生レベルの知識止まりなので、茶に関する知識水準の彼我の差を思い知らされることでしょう。何しろ、中国の大学には「茶学部」なんてのがあるぐらいですからね・・・まあ、それでも中国茶やプーアル茶の専門家を名乗るような方は、「この本に食らいついて読み解いてやろう」程度の気概は必要だろうと思います。再販がされるような本では無いと思われるので、今のうちに買っておくべきかと。一般の方は、通読を目指すのではなく、必要なところを拾い読みするぐらいで十分ではないかと思います。・・・と、いきなり読む気を挫いておいてなんですが、本の概略をw<本の構成>本の章立てとしては、以下の通りです。○第一章「普洱茶について」この章では、プーアル茶の基本的な部分を解説しています。第1節はプーアル茶の定義で、国家標準に基づいたプーアル茶の定義をしています。以前、このへんとかこのへんとかで、私も紹介してますが、ほぼ同内容ですね。標準ベースでやると当然なんですが。第2節は普洱茶の種類で、製法(生茶と熟茶)、保存(乾倉と湿倉)、外形、ブレンドの有無など。このへんまでは比較的平易な内容です。第3節は普洱茶の加工技術ということで、製法について細かく紹介しています。ここで要注目なのは、勐海独自の製法として、晒青毛茶を作る際の工程に”渥黄”と呼ばれる発酵工程が入っているのを紹介していることです。毛茶の製法というのは、簡単に書けば、茶摘→殺青→揉捻→乾燥なんですが、実際には細かな工程があり、そこで様々な物理変化や化学変化が行われて、お茶の成分が変化して、香りや味を生み出します。なので、お茶を知るなら製法を知らないと話にならないのですが、そこを細かく書いている点は、さすが専門書!です。ただ、この製法はあくまで勐海のものであって、これを読んだからといってプーアル茶の全ての製法が分かるわけではありません。念のため。○第二章「ヘルシーな普洱茶」この章では、プーアル茶に含まれる成分を紹介し、それが健康にどのような影響を与えているのかを記述しています。第1節は、普洱茶の健康に良い成分として、プーアル茶に含まれる様々な成分について生茶と熟茶のそれぞれについて紹介しています。第2節は、それらの成分を踏まえて、どのような効果があるかを、やはり生茶と熟茶のそれぞれについて記述しています。ただ、このへんは未だ研究途上な所でもあるので、やや生煮えな感じもあります。お茶の機能性の評価には時間がかかるので、このへんは現時点ではこのように考えられている、という程度に留めて読む方が良さそうです。○第三章「大益普洱茶」この章は大益についての紹介ページです。第1節は、大益グループについてで、勐海茶廠からグループがどう発展してきたのかを簡潔に記しています。第2節は、大益普洱茶の価値で、企業の強みとして生産技術や勐海という土地の優位性について記されています。第3節は、大益の早期の製品ということで、コレクター垂涎の紅印、緑印、黄印などの製品やその他の製品について簡単に紹介されていて、ビンテージもののプーアル茶を追う人には基礎的な内容になるかと思います。第4節は、大益の現代の製品で、現在の大益の製品ラインナップの紹介です。ほぼカタログですねw第5節は、大益普洱茶の判別で、7542のような数字の読み解き方を紹介しています。○第四章「普洱茶の審査評定と品質鑑定」この章がこの本の核心的な章で、プーアル茶の審査方法について紹介されています。第1節は、普洱茶の審査評定技術で、プーアル茶というよりもお茶の鑑定の基本的な事柄について、簡潔に紹介されています。評茶員のクラスで最初に習う部分です。第2節は、普洱茶の品質鑑定の技巧で、実際にプーアル茶を鑑定する際、どのような現象が出ていたら、それが生産・製造過程におけるどのような問題点に繋がるかなどを紹介しています。評茶員の方なら、おそらく歓喜する内容で一番面白い部分だと思います。ただし、評茶の概念が入っていないと、読んでもあんまり分からないと思います(^^;)○第五章「大益普洱茶の品質鑑定実例」この章では、大益の現行製品のテイスティングレポートが延々続きます。全部で約80ページほどと本全体に占めるページ数のボリュームはきわめて多い章です。全部頭に入れば大益のお茶には相当詳しくなるでしょうが、それがどのようなメリットになるかは・・・第1節は生茶、第2節は熟茶と分かれており、お茶の簡単な紹介と各お茶の外観、水色、香気、滋味、葉底についてのテイスティングコメントがついています。ただ、このテイスティングコメントは日本語に翻訳されているのが、惜しいところ。原文で載せてもらっていたら、評茶員の方のとても勉強になる教材なのですが・・・一応、巻末の付録二に普洱茶の審査評定の用語集というのがあり、中国語の対訳があるので照らし合わせて読めば良いのですけれど。○第六章「普洱茶を淹れる」この章ではプーアル茶の淹れ方について紹介しています。ただ、大益は自分の茶道流派を立ち上げており、その流れに沿ったものになっているので「○○すべき」「○○をしてはいけない」という記述が多く、非常に流派然とした章です。詳しく知りたい方は、この流派の教本が、先に日本語訳で出版されているので、それを参考にされても良いかと思います。一応、基本となるべき茶器の種類や茶を淹れるコツなどは網羅されています。<どのような方に勧められるか>この本は、プーアル茶に関するかなり専門的な内容が日本語で得られるという点で、非常に貴重な本です。が、内容的にかなり難しい印象があるため、日本で一般的に流布している情報を覚えた程度では歯が立ちません。そのため、読みこなせる方は非常に限られると思います。そこが非常に悩ましい点で、「良い本ですよ!」とあまり思い切って勧められない点でもあります。が、中国茶をきちんと極めようとか、中国茶の専門家になろうと思っている方は、購入する価値があるでしょう。この本に書かれている内容をきちんと理解し、それを一般の方に分かりやすく伝えるということこそが、今の中国茶業界には求められていることなので。プロフェッショナルになるには、どのようなことを学ばなければならないかを知る上では大変役に立つと思いますし、自分の足りない部分が明確になると思います。にほんブログ村難解ですが良書です大益普〔ジ〕茶の品質鑑定 [ 呉遠之 ]基礎茶式 [ 呉遠之 ]
2016.08.14
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札幌の中心部から西へ。落ち着いた佇まいの住宅地で、隠れた名店の多い円山。地下鉄円山公園駅から徒歩3分ほどのところに台湾茶をメインとした茶館があります。大きな「茶」の文字の暖簾が目印。茶舗茶問(ちゃほさとい)さんです。2014年7月オープンなので、ちょうどオープンから丸2年ほどの比較的新しいお店です。お店の中は3席ほどのカウンターと8名ぐらい?座れそうな大きな長い机というレイアウト。喫茶の他、壁側にはお茶の販売コーナーもあります。小さな冊子のメニューを見せていただくと、序盤は定番の台湾茶が並んでいます。工夫茶ながらお茶菓子付きで、600円~1000円ぐらいのものが中心。しかし、後ろの方を見ていくと、ちょっと高級な台湾茶だったり、2000円を超えてくるような高額なお茶もラインナップにあります。お茶の名前からすると、これはどうやら中国茶・・・オーナーさんに伺ってみると、馨華さんのお茶を一部置いているそうで、販売もされているそうです。こちらのお店は、基本的には「気軽に台湾茶を味わって欲しい」というお店なのです。が、マニアックな方はそれでは物足りなくなるケースもあるので、置いているとのことでしたwお茶の他には、ぜんざいや台湾まぜそばなどもあるようです。ぜんざいは品切れとのことだったので、お茶のみを注文することに。どれにするか悩みまして、杉林渓を。このような小さな茶壺に入って出てきます。1人分にはちょうど良い分量ではないかと(^^)保温ポットでお湯も持ってきてもらえるので、マイペースに注ぎ足ししながら飲んでいくことができます。杉林渓も色んな傾向のものがありますが、こちらのものはあまり主張が強くなく、スイスイ飲める感じの透明感のあるタイプでした。こちらのお店のスタイルとしては、オーナーさんが非常に気さくな感じです。元々はIT業界にいらっしゃって、台湾で茶藝館に入り、その雰囲気が心地よくてお店を始めたのだとのこと。そのためか、お茶の蘊蓄が押しつけがましいとかでは無く、気軽にお茶飲んで話しましょうよ、というスタンス。初めての方でもオーナーさんが、どんどん他のお客さん(常連さん)に紹介してくれたりします。なので、一人でフラッと行っても、お茶を通じてお友達が増えそう?なお店です。いらっしゃる方も初心者の方や、台湾に行ってお茶が美味しいなと思った方。あるいはこれから台湾に行くのでイメージトレーニングというか、予習?的にいらっしゃる方も多いようです。お茶を勉強したい人というよりは、気楽な気持ちでお茶を飲みたい方に向いているお茶屋さんですね(^^) <アクセス>地下鉄東西線円山公園駅5番出口を出て左(東の方)へ。通りを2本渡ったところに札幌フードセンターさんがあるので、ここを左折。通りを真っ直ぐ、交差点を2つ越えたら右側にお店があります。茶舗茶問(ちゃほさとい)住所:札幌市中央区北1条西23丁目1-15 勇崎ビル 1F電話:011-215-7906営業:11:30~19:00定休:月曜日Facebookページ中国茶情報局の紹介ページ日本全国茶館・茶荘巡り一覧にほんブログ村コミュニティカフェ的なノリでしょうか☆
2016.07.14
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札幌で開催中のお茶イベント「北の茶縁日和~ぶらり喫茶小道」の初日に参加してきました。このイベント、南2東3にある北海道神宮頓宮の境内と社務所で7月2日・3日の2日間開催されています。全部で40弱のブースが設置されていて、さまざまなミニセミナーや聞き茶イベントなども各種開催されています。初日はあいにくの雨でしたが、聞くところによると、それでも600人ほどが訪れたとか。「北の茶縁日和」は、昨年、1日間のお試し開催として始まったのですが、来場者が800人を超える盛況ぶりだったとのこと。そこで今年から日程を2日間に拡大し、今回を「第1回」として定例開催していくことになったそうです。昨年も、チラチラと噂を聞いており、「そんなものも始まったのか~」と思っていました。が、とあるネットのインタビューで主催者の方が「浜松町のお茶会に感動し・・・(大意)」と答えているのを見まして。「これはご挨拶に行かねばなるまい」ということで、呼ばれもしないのに、札幌まで押しかけてきました(笑)ご挨拶は基本ですからね!#決して今が旬の積丹のうにを食べに行きたかったからじゃ無いですよ!片道3時間車を飛ばして食べに行きましたけれども。。。沢山ブースが出ていたので、主に中国茶関連のブースに絞ってご紹介しようかと。<会場の様子:境内>会場の北海道神宮頓宮は、観光客の方も蟹やいくらを買ったり、海鮮丼を食べに訪れる二条市場の近くです。頓宮とは、円山にある北海道神宮が冬の参拝は困難になることもあったので、その代わりに参拝できる場所ということで街中に設置された出張所?のようなイメージでしょうか。こちらの境内にはテントが張られ、10軒ほどのブースが出ていました。入ってすぐの左側にはニセコでカナダ出身の方が経営されているお茶屋さんグリーン茶草さんがおやきと飲み物を販売。その奥には、お馴染みの茶語さんが紫砂などの茶器をお手頃価格で販売。その向かいには、昨年のイベントがきっかけで、現在実店舗をオープンさせるべく準備をされている札幌茶楼 茶譜さんが中国茶の茶席とお菓子、雑貨の販売をされていました。茶席大人気だったようです。なお、8月1日までAct Nowというサイトでクラウドファンディングされてます。起業しようと思った経緯についてもよく書かれているので、是非ご一読を。茶譜さんは残念ながら今日のみの出店でしたが、明日は円山にある台湾茶専門店・茶舗茶問さんが出店されるそうです。#こちらのお店については、今回の滞在中にお邪魔してきたので、また後日、全国茶館巡りの一環でご紹介します。社務所の方に向かうと手揉み茶の実演ブースが。茶席や販売もされているようです。その奥には、香港路さんが肉まんの販売をするほか、茶席を設けています。エコ茶会などで淹れ手をしていただいている香飄さん(最近お名前が変わりました)も茶席を。今日は雨と風がけっこう激しかったので、外のブースは大変だったと思います。が、明日は天気が良くなりそうなので、快適に過ごせるのではないかと。こちらの北海道神宮頓宮には立派な社務所があります。入口のところでは楽器の演奏など、イベントが様々行われているほか、2階、3階フロアにも多くのお店や茶席が設けられています。<会場の様子:2階>2階に上がると入口のホールのところには、日本茶インストラクター協会北海道支部の方が呈茶を行っているほか、淹れ方教室なども実施していました。その右奥では、中国茶普及協会の茶席コーナーが。エコ茶会でも淹れ手をしていただいている、ゆえじさんや呑亀さんも参加していました。呑亀さんの白沙渓黒茶の茶席に参加。ここの茶席では毎回違う様々なお茶を紹介しているそうで、何度も参加される方もいらっしゃったようです。2階の広間では、入ってすぐ右側に秩父のお茶屋さん、茶sasa茶さんのブースが。今回は紅茶に絞ったラインナップで、ダージリンやネパールの紅茶、オリジナルのフレーバーティーもありましたが、豊橋の後藤製茶さんの紅茶、特に今年のファーストフラッシュがハーブのような香りがあり、非常に面白かったです。その向かいには、ぼんじりさんのいずみや茶舗が、関東のちょっとマニアックな産地(千葉の八街とか)のお茶と茶匙の販売を。このほか、茶缶をデコレーションするデコ茶缶ワークショップなども開催されていて、お子さんが挑戦する姿もありました。その向かいには、茶香好友さんが台湾のマニアックなお茶の茶席、試飲と販売を。隣ではオーガニック・プーアールさんのブースが。札幌在住のマツユキさんご夫妻が、エコ茶会同様にガンガンお茶の試飲を道行く方に勧めていました。水出しの月光白は甘みもあって、好評だったようです。隣では川谷先生がマテ茶の提供を。今回も、衣装ばっちりでした。<会場の様子:3階>3階のホールでは、右手の方に実行委員茶席として、作家さんとコラボし、作家さんの器で楽しむ茶席を実施していました。さらに聞き茶コーナーが設けられ、好みのお茶にシールを貼っていく、というイベントも。ドーンと広い広間にも、多くのお店が出ています。右側には青蛾茶房さんと茶壺天堂さんの共同出店ブースが。青蛾茶房さんでは、単ソウや佛手などの烏龍茶の他、ラオスの古樹茶などかなり個性的な品揃えも。茶壺天堂さんでは、プーアル茶の他、六堡茶などの黒茶類を。餅茶は見たことがある方もいたようですが、沱茶や緊茶など様々なものが並び、関心を引いていました。残念ながら茶壺天堂さんは本日のみの出店でした。会場の中ほどには、エコ茶会でもセミナーを担当いただいている浦山尚弥さんのTeaBridgeが出店。席に座って、じっくり試飲ができるようになっていました。買いやすい10gパックのお茶が用意されていたほか、台湾茶入門パックのような商品も揃っていたので、初めての方でも安心して買えそうです。反対側には、山梨商店さんがブドウのような香りのする日本茶・La香寿などの個性的なお茶を。水出しにできるほうじ茶も人気だったようです。その隣では、ちょっぱ亭珠屋さんが台湾茶と、神奈川県足柄のお茶を使った白茶と紅茶を販売。国産の白茶も珍しいのですが、紅茶は低温発酵をさせるというちょっと面白い製法のものでした。その隣では、タジーさんの薬膳茶ラボが発酵茶と薬膳茶の試飲販売を行っていました。タジーさんは、今日はミニセミナーのティーペアリング講座も担当されていたようです。・・・と、ざざっと紹介しましたが、これでも紹介できたのは半分以下。このほかに、お菓子屋さんや日本茶、紅茶の出店もかなりあります。ここに行けば、いろんなお茶が楽しめるという点では、非常に貴重なイベントなのではないかと思います(^^)<明日も開催。来年は9月>会場は雨にもかかわらず、人が途切れる時間が少なく、次々とやって来る印象でした。最初は、どう振る舞って良いのか・・・という感じだったお客さんも、試飲をしてお茶を飲んで、会話をしていくと、どんどんお茶の魅力にのめり込んでいく、という姿がよく見られました。これだけの大イベントなので、実行委員の方は準備がかなり大変だったと思います。・・・非常に良く分かります(^^;)札幌はコーヒーの文化はかなり花開いた感じなのですが、お茶はまだまだなので、それを変えていきたい!という熱意がひしひしと伝わる会です。続けることが何よりの力なので、様々なことはあると思いますが、是非続けていただき、またその輪をどんどん広げていって欲しいと思いました。なお、このイベントは日曜日も16時迄開催しているので、札幌近郊の方は是非覗いてみてはいかがでしょうか。既に来年の開催も決まっているそうで、9月23日・24日の週末2日間だそうです。このイベントのみならず、もう少し違った形の企画も考えているようなので、面白そう!と思ったら、実行委員会のFacebookページをフォローしておくと、色々情報が入手できると思います。https://www.facebook.com/kitanodaichakai/こうした愛好家が主体になったイベントの輪が少しずつ広がってきているので、こういうところから新しいお茶の楽しみ方が広がっていくといいですね(^^)第1回 北の茶縁日和~ぶらり喫茶小道日時:2016年7月2日(土) 10:00~17:00 3日(日) 10:00~16:00会場:北海道神宮頓宮境内・社務所 札幌市中央区南2条東3丁目 地下鉄「バスセンター駅」下車 徒歩3分 (当日は駐車スペースがございませんので、最寄りの公共交通機関をご利用ください)詳細:実行委員会のFacebookイベントページにて。出店者情報も掲載されています。にほんブログ村11月には福岡でもイベントが立ち上がるようですよ
2016.07.02
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ちょっとイベントの告知をば。7月23日(土)の午前中、東京・東日本橋にてエコ茶会でもお馴染み、茶旅の須賀努さんのセミナー「茶旅のみやげ話」が開催されます。「茶旅のみやげ話」は、その名の通り、須賀さんの茶旅のみやげ話を聞く会です。しばらく、エコ茶会の会場でのみの開催になっていましたが、今後は須賀さんの帰国スケジュールに合わせて、定例開催することになりました。今まで、須賀さんの茶旅の内容は、Webサイト「茶旅」やFacebook、それから様々なコラムで報告されていました。イベントとしては、エコ茶会のセミナーの他、内輪のイベントである「茶旅茶会」というものが開催されていました。が、今後はより多くの人に聞いていただく&旅のペースが上がってきたのでタイムリーに報告をしたい、ということも踏まえてのご依頼があり、エコ茶会からのスピンオフイベントと位置づけ、定例開催していくことになりました。エコ茶会のTwitterやFacebookページでもご案内しますので、ご興味のある方は是非、フォローをお願いしますm(_ _)m<今回の内容は>今回はタイトルが「茶旅のみやげ話・福建紀行 ~政和から武夷山、そして江西省へ~」となっています。なんだ福建か・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれないので、少し補足を。今後の茶旅の展開に欠かせない感じの回になりそうなので。○福建省政和 福建省南平市政和県は、白茶の伝統的な産地です。 最近、白茶で名前を盛んに聞くのは、同じ福建省でも福鼎市(寧徳市にある県級市)の方なのですが、こちらはかなり近代化されているのに対し、政和の方は割と昔ながらの製法を守って白茶を作っています。 今回、須賀さんはこちらの産地に突撃。 なんと政和白茶の製造技術伝承人(※)の方とお知り合いになり、工場を訪問。 講義も受けてこられたそうです。 中国でも白茶はここ数年ブームになっていて、生産量が激増している茶類です。 そんな産地の今を、政和の白茶を飲みながらご紹介いただきます。※技術の確かさを地方政府が認め、その技術を伝承していくためにつくった制度。認定されている方は、大体、産地に数名しかいません。○福建省武夷山市 福建省武夷山市(南平市にある県級市)は、ご存じ武夷岩茶や正山小種の産地です。 そのような産地の顔だけではなく、実は歴史的な重要性が、最近注目をされています。 それは、最近、急に名前を聞くようになった「万里茶路」という言葉。 その起点が武夷山であり、また海のシルクロードの起点も武夷山なのです。 習近平政権は「一帯一路」という言葉で、昔の交易ルートを繋ぐ経済圏を提唱しているということもあり、2つの大きな交易ルートの起点の街である武夷山は、急速に注目を集めています。 須賀さんの最近の茶旅のテーマも、この「万里茶路」に置かれていて、現在、武夷山を起点に万里茶路沿線の街を訪ねはじめています。 つまり、今後、須賀さんが茶旅を続けていく上での起点の街、それが武夷山ということです。 今回、武夷岩茶、正山小種の産地はもちろんのこと、武夷山に残る茶の交易に関わる色々な場所を訪問されているようです。そんなお話&写真が見られるのではないかと。 お茶は、武夷山の話を聞くのには、やはりこれでしょうということで武夷岩茶をご用意いただくことになっています。○江西省武夷山&河口鎮 武夷山市から山を越えるとそこは江西省になります。 江西省側にも武夷山鎮という場所があるそうです。 そのあと、江西省上饒市鉛山県にある河口鎮へ。 ここは、最近、河口紅茶(河紅茶とも。鉛山河紅茶で地理標志保護製品に登録済み)という紅茶の産地として知られるようになってきましたが、古くから茶の集散地であったところです。 この地に残る、万里茶路の史跡を巡りつつ、河口紅茶の生産者のところに行かれたそうです。 このお話を聞くときにいただく予定のお茶は、もちろん河口紅茶を予定しています。と、1時間半ほどの会ですが、なかなかの充実したお話&お茶のラインナップになりそうです。こういうお話を毎回定例で、できるだけフレッシュなうちにお届けするのが「茶旅のみやげ話」です。暑い時期の開催ですが、午前中のうちならまだ過ごしやすいと思いますので、是非ご参加くださいませ。中国茶情報局で予約を受け付けております。「茶旅のみやげ話・福建紀行 ~政和から武夷山、そして江西省へ~」日時:2016年7月23日(土) 10:00~11:40会場:中央区立産業会館 第2集会室 <アクセス> 東京都中央区東日本橋2-22-4講師:須賀 努 先生会費:2,500円 ※当日会場にて申し受けます。予約:中国茶情報局のイベント案内にて ※Web上で空席確認&申し込みが完了しますにほんブログ村是非ご参加下さい(^^) 追記:現在発売中の以下の本の巻末に25ページほど、須賀さんが附章「万里茶路を行く」を寄稿されています。ご興味のある方は、こちらもぜひ。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】ディープすぎるユーラシア縦断鉄道旅行 [ 下川裕治 ]
2016.06.26
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あるきち@台中です。今日の夕方に台湾入りしました。いつの間にやら、前回のブログ更新から1ヶ月半が経過・・・中国に行ったり、静岡に行ったりとバタバタしていましたが、一番バタバタしていた理由は、ある冊子の作成に追われていたからです。それが、こちら。 中国茶年報2015私が管理人をしております、中国茶情報局CTTea.info。ここで連載中の「中国茶ニュース」から、昨年のダイジェスト版的なレポートです。お店の方だったり「インストラクター資格を持ってます」のような方には、ぜひオススメしたいものなので、ちょっと詳しくご紹介します。<「忙しくて読めない」&「難しい」の声に応えて>「中国茶ニュース」は中国で報じられている中国茶関連のニュースを、翻訳して流しています。2010年から試験的に更新を始めていて、2013年からは通年の記事を掲載。これまでに累計で1200本以上のニュースを流しています。現地で報じられるのとほぼ同時だったりしますので、「日本語で紹介されるのは、初めて」というようなネタがかなりあります。そのため、お店の人やお茶を教える先生といった方、あるいは初心者向けの情報では飽き足りない方に愛読いただいております。ハイアマチュア~プロフェッショナルな方に喜ばれる情報だと思います。プロの方からも「参考になる」と仰っていただけているのですが、お店の方の中には「忙しいのでチェックしきれない」という声もいただきました。お店をやると、色々な準備や後処理で忙しいですからねぇ・・・あと、速報性を重視したニュースサイトなので、一つ一つのニュースを丁寧に解説してはいません。情報が五月雨式に流れますから、前提となる知識が無いと読みこなせないと思います。たとえば「国家標準」とか「地理標志」とかいう専門用語が分からないと、内容が頭に入らないのではないかと。さらにいえば、中国茶の世界を動かしている様々な要因(中国の社会システムだったり、中国の抱える社会問題とか)について知っておかないと、中国茶の今の動きは「唐突すぎる」ように感じるのでは?と思います。こうしたネットだけではカバーしきれない点を補うためのものとして、今回の『中国茶年報』を作ってみました。<中国茶の全体的な動きを整理>このレポートでお伝えしているのは、中国茶を産業として見たときの全体像です。1つ1つのお茶についての詳細や文化、歴史といった部分を掘り進めている方は多いので、その分野は他の方にお任せします。が、こうしたマクロ的な見方をする方は少ないんですよね。しかし、ここを押さえておかないと、中国茶が今後どこへ向かっていくのかが分からないと思うので、そこに絞って書いてみました。#いわば「業界レポート」であり、経営コンサルタント(私)の得意分野です。具体的には、・2015年のお茶の生産統計(茶類別・省別の生産量、茶園面積)・中国政府の茶業振興策の基本スタンス・現在の中国茶業の問題点といったことを説明しつつ、・現在~今後の茶業を読み解くのに必要なキーワード 「標準」「地理標志保護」「一帯一路」「ブランド化」の解説をしています。書かれている内容は、中国の茶業界の人たちにとっては、いわば「常識」の範囲内のこと。なので、そんなに難しいことは書いていません。が、日本で上記のような最新の内容を網羅的に伝えている文献には、お目にかかったことがありません。ですので、上記に挙げる内容は、プロを自認される方や肩書きをお持ちの方でも結構知らなかったりすることも多いようです。一通り読んでいただければ、”なんとなく”で捕らえていたことが繋がってきて、「最近の中国茶の値上がりの背景」とか「何で茶馬古道とか万里茶路が急に流行りだしたのだ?」という疑問がスッキリ分かるのではないかと思います。紙媒体ってのはそういうのが得意技ですから。「詳しくはセミナーor教室で」のような口承ばかりだと、「私だけしか知らないとっておきの話」になってしまい、みんなが知っている「常識」にはなりません。もやっとしたイメージの中国茶を分かりやすくする上では、紙媒体化は欠かせない作業かと思います。#ネットに書くのよりも、さらにプレッシャーは増すので、書いている方は、生きた心地がしませんが(^^;)<主要な統計データをつけました>巻末には、統計データとして、・全国の荒茶生産量推移・全国の茶園面積推移・省ごとの荒茶生産量推移・省ごとの茶園面積推移・茶類別生産量と構成比の推移・日本の発酵茶(紅茶除く)の輸入統計をつけています。「どこで中国の最新の統計を得られるのか分からない」という方も多いと思うので、お手元に置いていただければ参考になるかと。ハッキリ言って、前半の文章はどうでも良くて、これが一番欲しいという方もいるかもしれません。日本のネットで検索しても、古いデータしか出てきませんからね。#上位に来るのが、ここのブログの記事だったりします。そういう”知ってて当たり前”の情報がいかに少ないか、ということです。このレポートを読んでいただければ、たとえば、以下のような質問にスラスラ答えられることでしょう。Q.昨年の中国茶の生産量は?Q.そのうち緑茶・烏龍茶の生産量の比率は?Q.中国でお茶の生産量トップは何省?自信を持って回答できなかった、お店の方orインストラクターなどの肩書きをお持ちの方。・・・お手元に一冊どうぞw<ニーズがあれば毎年発行&内容さらに充実も>今回は初めての試みですし、リスクを取れないので、ちょっと薄めの30ページほどの冊子にしています。この手の「業界レポート」というのは、本来は結構高いものなのですが、今回はページ数も少ないのでエコ茶会のセミナー1本分よりも抑えめな、お値段にしてみました。デザイナーさんにお願いしたわけでもないので、商業出版物のような仕上がりを期待されてしまうと、「んー」という感想になると思いますが、問題は中身です、中身。もし、今回のようなレポートが「これは役に立つ!」ということであれば、毎年刊行して行きたいと思います。部数が出るようであれば、他の方に執筆していただいたり、有償でしか得られない情報なども入手して、さらに内容を充実させられると思います。<どこで買えますか?>内容的にちょっとマニアックですので、書店での販売は予定していません。現在のところは、オンラインストアでお買い求めいただけます。ゆくゆくは中国茶専門店や中国茶の先生方からお求めいただけるようにしたいと思いますので、もし馴染みのお店や先生がいらっしゃったら相談してみて下さい。なお、発送開始は6月中旬を予定していますが、少し前倒しできるかもしれません。オンラインストアで、誌面のイメージは確認いただけますので、もしご興味がありましたら、ご予約いただければと思います。にほんブログ村是非ご検討下さい(^^)追伸)初心者さん向けには、別の計画がありますので、ご期待ください♪
2016.05.31
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昨日夜のことですが、Twitterでちょっとしたやり取りがあり、サイトを1つ立ち上げました。それがこちら。http://ajtla.teamedia.jp/全日本お茶好き連合ものすごく大げさな名前がついていますが、Twitter上で活動するお茶好きグループです。活動というのは、自分が飲んでいるお茶(日本茶、紅茶、中国茶、台湾茶etc...のチャノキのお茶)をハッシュタグ #茶好連 をつけて呟くだけです。すると、公式WebサイトとTwitterのタグ検索に、全国のメンバーの人がどんなお茶を飲んでいるのか、が一覧で表示されます。・・・機能としては、以上ですw非常にシンプルなんですが、見ている側は、「ああ、このお茶美味しそう」「こんなお茶あるの?飲んでみたい!」「そういえば、このお茶うちにもあったな」と、他の人のティータイムを見てみることで、お茶選びの幅が広がるかな、と思います。また、呟く側もTwitterなので気楽です。書ける文字数がそもそも少ないですから、写真をパシャリと撮って、ちょっとコメントして流すだけでOK。それがきちんと残っていくので、お茶メモとしても良いのではないかなーと思います。ひょっとしたら、それが思わぬ反応になるかもしれませんしね(^^)とりあえずは、これだけの機能でスタートしました(数時間で作ったので)。将来的には、メンバーのお茶会とか色々考えてはいますが、まあ、まずはみなさんに使っていただくところからかな、と(^^;)話が出たのが16日の21時頃で、17日の12時頃にはリリースという突貫工事で作っています。走りながら改善という感じですが、もしTwitterのアカウントを持っていらっしゃったら、ぜひ利用してみてください♪このブログを書いている時点で、既に約80名の方がメンバーになっています。<使い方>使い方はとっても簡単です。1.まずは、公式アカウント @tealovers_JPNをフォロー。 これであなたも「全日本お茶好き連合」のメンバーです(笑)2.自分が飲んでいるお茶について、ハッシュタグ #茶好連 をつけてツイートします。・・・以上です(笑)今すぐにでも始められますし、費用も一切かかりません。なお、これはあくまで「お茶を楽しく飲む」ためのサービスです。「飲んでいるお茶以外のこと」や「宣伝」、「お茶や他のメンバーをdisること」は禁止なのでご注意ください。詳しくは 公式Webサイト に説明がありますので、ぜひご覧いただいて、お試しいただければと思います。Twitterをやっていない方も、色んな人のお茶の様子が見られるのは面白いと思いますので、時々ご覧になっていただければと思います。http://ajtla.teamedia.jp/@tealovers_JPNにほんブログ村お茶好きさん、集合♪
2016.04.17
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滋賀県大津市にある紫式部ゆかりのお寺・石山寺。その最寄りの石山寺駅から徒歩5分ほど。路地を一本裏に入った瀬田川のほとりに中国茶のお店があります。こちらの中国茶房 喫茶去さんは、中国茶と薬膳料理を楽しめるお店です。お昼時をちょっと過ぎた頃に伺ったので、ランチメニューより担々麺を注文。セットになっていまして、色々付いております。右側のグラスに入っているのは、食前の酢。小鉢などにもそれぞれ薬膳の食材が入っているので、それらを店員さんがひとつひとつ丁寧に説明してくれます。・・・おおっ、本格的だ(^^;)薬膳料理というと、「なんだか漢方薬臭いばっかりで美味しくない。まあ健康に良いから仕方ないよね」的なお店も多いんですが、こちらはしっかりと美味しさと効能のバランスがとれていると思いました。普通に食べて美味しいという線はキープしながらも、ほんのり薬膳風味、という線で仕上げているので、薬膳というだけで敬遠する方でも比較的OKかと。薬膳好きの方は、説明を楽しく聞けることでしょう。さて、肝心のお茶です。こちらのお店、メニューがものすごく充実していまして、メニューは50種類ぐらいあります。1つ1つのお茶に様々な説明書きも書いてあるのですが、それを読む限りでは、割と初期のころから中国茶の勉強をされたのかなーと思います。お茶は飲みきりスタイルと工夫式が選べまして、この日は飲み切りタイプの武夷岩茶を注文してみました。色々は品種をブレンドしたお手頃価格なものです。清香系の軽やかなタイプの岩茶ですね。肉桂の主張もそこそこあり、香りを重視したタイプだと思いますが、なかなか素性が良さそうな感じで、お値段を考えると、頑張ってますね!という品質。悪くないですね。ただ、実は次の日もこちらにお邪魔してまして、その時は金萱茶は頼んだのですが、こちらは今ひとつ。台湾茶よりも大陸のお茶の方が得意なのかもなー、と思いました。この地域ということに限れば、なかなか本格的なお茶や薬膳料理などを食べられるところは、そうそうないと思うので、貴重なお店かと思います。通りから一本入るので、少し分かりにくいかもしれませんが、お店は明るく入りやすい感じなので、初心者の方にオススメできるお店だと思います。<アクセス>石山寺駅からJR石山駅方面へ戻るように向かうと螢谷の信号(Y字路)があります。石山寺方面から来ると右側(川側)の広い道を行くと、すぐにこのような看板があるので、ここを入ります。突き当たりは瀬田川になっているので、そこまで行ったら、左に曲がるとお店があります。瀬田川とはその通り一本挟んで面している(冒頭の写真で言えば、右方向が瀬田川)感じなので、そのイメージを持って行けば迷わないと思います。中国茶房 喫茶去住所:滋賀県大津市螢谷4-45電話:077-537-3022営業:11:00~17:00定休:木曜日、第3水曜日https://www.facebook.com/ChineseTeasalon.Kissako中国茶情報局の紹介ページ日本全国茶館・茶荘巡り一覧にほんブログ村石山寺詣での後に、薬膳ランチ&お茶も悪くないです(^^)
2016.03.31
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平安神宮の大鳥居を少し南に下がったところの路地を入ると、静かな京都らしい佇まいの住宅地。そんななかに、お茶を心から楽しめるとっておきの空間があります。こちらの好日居さんは、大正時代の民家を改装したつくりのお店。門をくぐり、お店の引き戸までのアプローチに入ると、ぐっと静かになったように感じます。引き戸をガラリと開け、靴を脱いで上がります。少し照度を落とした和の空間。茶人好みな感じのお店です。これは静かに過ごしながら、お茶を楽しめそうです(^^)奥の方には庭が見える席もあったのですが、お茶のお稽古中?のようでしたので、手前の長テーブルの席に。茶譜を見せていただくと、岩茶やプーアルの古樹茶といった、茶人好みな雰囲気の中国茶がメイン。それ以外に日本茶もあります。全部で十数種類というところでしょうか。見た瞬間、古樹茶にピピンッと来ました。お薦めを伺ってみると、やっぱり古樹茶とのこと。この雰囲気だとやっぱりそうですよねー。ということで、古樹茶をオーダー。普段はどこの山のを飲みますか、とかかなりマニアックな質問をされましたw#プーアルは専門外です(^^;)2013年の生茶で、まだ若いはずなのですが、刺激はありながらも香りが甘く、表面的には非常に穏やかなお茶。ただ、実際には古樹茶らしい芯のしっかりしたところがあり、集中して飲むと身体に響くタイプのお茶です。うーん、このお店の雰囲気にはまさにピッタリではないかと。産地は確か漫撒だと言っていたような気がします。ちなみにこちらのお店は、携帯電話ばっかり見るのはアウトだったり撮影禁止だったりと、色々決まり事はあります。#上の写真は1枚だけ、禁を破って撮影(^^;)そうしたものも、お茶と空間をしっかり楽しむための配慮。基本お一人でやっているお店なので、大人数が一気にだと対応しきれないときもあります。静かにお茶をゆっくりと楽しむ、大人な感じの時間を過ごしたいときにお薦めできるお店だと思います。お茶の味や余韻とか、自分の時間に没入できる感じのお店ですね。ちなみに、この古樹茶はかなりのパワーで、1時間半ほど飲み続けましたが、まだまだ全然いけそうな感じでした。私が行ったときは1500円のプライスでしたが、その価値は十二分以上にありました。このクラスはなかなか飲めません。喫茶営業の他にも、中国茶教室や各種のイベントも積極的に行っているようです。イベントの際などは喫茶がお休みになりますので、ブログやFacebookなどで事前にチェックしてから行かれると良いと思います。<アクセス>地下鉄東山駅方面から来る場合は、1番出口を出て三条通を東へ。平安神宮に繋がる神宮道を左折すると、平安神宮の大鳥居が見えてきます。大鳥居にだいぶ近づいたところにある、マンション手前の一方通行の出口。こちらを右に入って少し歩いて行くと、右手に見えてきます。営業されている場合は、小さな看板が道路に出ていると思いますので、見逃さないようにしましょう。好日居住所:京都府京都市 左京区岡崎円勝寺町91電話:075-761-5511営業:13:00~18:00定休:月曜、火曜(臨時休業あり)http://kojitsu-kyo.cocolog-nifty.com/中国茶情報局の紹介ページ日本全国茶館・茶荘巡り一覧にほんブログ村京都ならではのお店ですね(^^)
2016.03.27
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近鉄奈良駅近くの商店街にある商業ビル・コトモール。その1階にデザートの美味しい、大和茶と擂茶、台湾茶が楽しめるお店があります。こちらのおちゃのこさんは、ガラス張りで入りやすい、おしゃれなカフェの雰囲気。夏場はかき氷で超人気店のようです。入口近くは物販コーナー。地元産の大和茶の販売の他、台湾茶なども置いています。健一自然農園さんのお茶を置いているなど、大和茶に関してはなかなかこだわった感じを受けます。大和茶のお土産を買うときには良いかも、と思いました。喫茶のメニューを見せていただくと、ティーバッグで提供の飲み切り茶が350円とお手頃。他に、工夫式スタイルの台湾茶と中国茶で10種類ほどに工芸茶が数種類。あとは焙煎大和茶と大和和紅茶、擂茶、ハーブティーもあります。お値段的には工夫式でも500円程度と抑えめです。スイーツと一緒に頼まれることを想定した値付けかと。こちらはやはりスイーツメニューがお薦めな感じで、かき氷やお餅、ぜんざい、スイーツなど色々と。季節によっての差し込みメニューも豊富です。ここはベーシックな選択でいってみようということで、阿里山金萱茶と擂茶パフェを頼んでみました。お茶はこのような工夫式の茶器で提供。差し湯も可能です。工夫式のお茶は、あまり注文する人がいないのかもしれません。お値段的にも、単体でお茶だけ味わうのにはちょっと力不足な感じでした。スイーツ食べながらだと良いと思うんですが、お茶がメインだとちょっと物足りないと思います。擂茶パフェはこちら。擂茶は底の方に敷かれている感じですが、お茶感は控えめ。中はギッシリ詰まっていて、なかなかボリューム感もあります。クリームなどはとても良い味を出しているので、やはりこちらはスイーツ屋さんとして人気があるのも頷ける感じでした。かき氷のシーズンなどは長い行列ができるほどの人気のようです。駅の近くということもあり、大和茶を買いたいとか、ちょっとスイーツを食べながら、軽くお茶というときには良いお店だと思います。おちゃのこ住所:奈良市小西町35-2 コトモール 1F 電話:0742-24-2580営業:10:00~20:00定休:第3水曜日https://www.facebook.com/ochanoko中国茶情報局の紹介ページ日本全国茶館・茶荘巡り一覧にほんブログ村スイーツを楽しむお店ですね
2016.03.25
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奈良町の路地の奥。入口の小さな看板を入っていくと、サロンの雰囲気のような中国茶カフェがあります。こちらの叙友舎さんは、奈良でも中国茶を扱うお店としては老舗の部類。基本的にはオーナーさんが現地で買い付けてきたお茶を提供されるそうです。お店はご覧のように普通の町家。入口の扉を横にガラリと引いて、靴を脱いで上がるスタイルです。メニューを見せていただくと、様々な中国茶が約40種類ほどあり、ちょっと悩むぐらいあります。この日はかなり寒かったので、岩茶の鉄羅漢をいただくことにしました。お茶は工夫式での提供で、一煎目はオーナーさんに淹れていただきました。各席にはアルコールランプ式の煮水器があるので、これを使って自由にお湯を入れて飲み進めていくことができます。お茶は甘い香りもあり、鉄羅漢ならではのどっしりとした味わいもあり、なかなかの品質と見ました。ちょっとしたお茶請けもついてくるので、お得感もあり。お店はギャラリーとしても利用されることもあるようで、和の雰囲気のなかでゆっくりお茶を飲んでいくことができます。ファンの方が多いのもうなずけますね。古い家屋だとお手洗いが心配だったりもするのですが、近代的にリノベーションされていて、そのへんも地味にポイントが高いのでは無いかと。古都ならではの街並みである奈良町歩きの休憩にも良さそうですね。<アクセス>入口にあるのがこちらの小さな看板。これを見落とさないようにしましょう。看板の所にある建物の間にあるこのような道を入っていきます。え、ここでいいの?と思いそうですが、そのまま奥まで突き進みましょう。右奥にある建物(赤い看板)がお店です。叙友舎住所:奈良市川之上突抜北方町18-7 電話:0742-24-0345営業:12:00~17:30定休:月・火・水曜日http://www.joyusha.com/中国茶情報局の紹介ページ日本全国茶館・茶荘巡り一覧にほんブログ村奈良っぽいお店だと思います
2016.03.23
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奈良公園の南側の住宅街。路地を少し入ったところに、気軽に入れる雰囲気の中国茶カフェがあります。こちらの茶房ちゃいろさんは、2011年秋オープンの比較的新しいお店です。お店の中はこんな感じ。決して広いお店ではないですが、とても清潔感があって、初めての方でも入りやすいお店ではないかと。メニューを見せていただくと、烏龍茶を中心に、緑茶、紅茶、黒茶、工芸茶などが約20種類ほど。他にハーブティーなどもありました。お茶は工夫式とマグカップで気軽に飲むスタイルが選べるようです。このほか、クリーミーな杏仁豆腐と濃厚なマンゴープリンなど、ちょっと惹かれそうなデザート類も。他に担々麺やジャージャー麺などのランチもあるようです。私がオーダーしたのはこちら。クリーミィ杏仁豆腐と東方美人です。杏仁豆腐は名前の通りで、とてもクリーミーです。ミルク感が強めの感じ。東方美人はおそらく青心烏龍種かな?、と思うのですが、なかなか香りが良いです。これだけのクオリティーのお茶&スイーツで、セット750円はとってもお手頃ではないかと。時間をかけて楽しみたい場合は、工夫式にすると良いかもしれません。差し湯用のお湯は保温ポットで持ってきてもらえるので、ゆっくり楽しめそうです。専門店にありがちな難解さもなく、初心者さんでも気軽に入れるお店ではないかと。奈良公園散策のついでに、観光の方でも気軽に立ち寄れそうなお店でした。<アクセス>少し路地を入るお店なので、行き方の紹介を。こちらの破石町(わりいしちょう)のバス停が目印です。奈良公園方面から来る場合、バス停のすぐ先にある路地を左へ。こんな雰囲気の住宅街の路地です。この路地を徒歩2分ぐらい歩くと、右側にあります。冒頭の写真のような、のぼりが出ているので、すぐに分かると思います。茶房ちゃいろ住所:奈良県奈良市高畑町709−1電話:0742-26-5916営業:11:30~17:30定休:月曜日・火曜日(不定休あり)http://web1.kcn.jp/chairo/中国茶情報局の紹介ページ日本全国茶館・茶荘巡り一覧にほんブログ村気軽に立ち寄れる雰囲気のお店です(^^)
2016.03.21
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今年も幕張メッセで開かれている、国際食品・飲料展 FOODEXに行ってきました。このイベントは、主にバイヤー向けのイベントで、一般の人が入れるものではありません。しかし、お茶の業界の動きを知る上では有意義なイベントではあります。入場した人がレポートしないと、そうした動きは一般に伝わらないかと思いますので、入場した人の責務?として、簡単に中国茶・台湾茶関連に絞ってレポートをしてみたいと思います。<中国・台湾のお茶屋さんの出店は減少>今回、目についたのは、中国・台湾のお茶関連の出展の少なさです。「日本はお茶の市場としては、あまり魅力が無い」というふうに見られているのだろうなー、と思います。「お茶離れ」という全体の傾向もありますし、中国茶や台湾茶は「手摘みや発酵など手作業ゆえに価格は高いけど、その分、美味いよ」という商品が多いです。それゆえに、お茶という存在が、あまりにもコモディティ化した日本では売れないんでしょうね。残念ですが。実際、日本の輸入統計を見ても、中国茶・台湾茶の独壇場ともいえる、烏龍茶の輸入量は2001年の27,136トンをピークに、2014年には13,329トンと半分以下になっています。お茶は経済作物という一面もあるので、出展者が減ったのは、当然の結果でしょうかね。。。<台湾茶関連>台湾ブースでは8店舗ほどのお茶関連の会社が背中合わせに並んでいて、そこがお茶スポットに。沢山のお茶好きさんの姿もお見かけしました。入口近くの角コマには、こちらのブログでもちょくちょく登場します、台中の華剛茶業のブースが。2013年の世界お茶まつり以来、4年連続で日本のイベント出店をしているからか、クオリティーの高い、比較的高級なブランドという認知も進んできているような気もします。今回は面白い商品として、台湾で若者に人気の布袋劇(人形劇)「霹靂」とコラボしたお茶ボックスや台湾人もみんな大好き?なキティーちゃんコラボ商品が展示されていました。パッケージに力を入れるというと、ややもすると小手先の対応に見えるかもしれません。が、先日の梨山製茶ツアーで茶園と工場を見学しましたが、彼らは上流部分の生産現場でやるべきことは、一通りやりこなしていた印象があります。それを踏まえ、ここのところは若者向けのお茶カフェを台中に開くなど、より消費者に近い下流部分に力を入れはじめているようです。台湾も若者のお茶離れは問題になっていますが、彼らがお茶を飲まないままなら、お先は真っ暗です。若者が思わず興味を持ちそうなキャラクターとのコラボは、「若者がお茶に触れる機会を増やそう」という一貫したポリシーの表われなのかな、と感じました。なお、台湾ブースから離れたホール7のギフトコーナーには、台湾茶のブランド横断的なセレクトショップの祥雲茶坊さんが出展していました。ギフトのコーナーに出ているように、パッケージのデザイン性に優れたお茶屋さんのお茶を現地ブランドのまま販売しているそうです。今まで、茶農家さんの名前を表に出すことはたまにありましたが、基本的には日本で各お店のパッケージに詰め替えられ、「各お店の○○烏龍茶」という商品に置き換えられることが多かっただけに、珍しいスタイルだと思います。昨今は現地のメーカーの方がパッケージに凝ったものが多いので、それをそのまま活かさない手は無いですからね。以前は「パッケージだけ立派でお茶はプア」ということも良くありましたが、最近は上記の華剛茶業のように、お茶をしっかり作っているメーカー・茶商が、自社商品の世界観を表すものととしてパッケージに工夫をするというケースも増えています。こちらが取り扱っているブランドを見ても、華剛茶業を始め、足腰のしっかりしていそうなブランドも多く、要注目かも、と思います。最近、「華剛茶業のお茶はどこで買えますか?」と聞かれることも多いのですが、こちらで買われると良いと思います。お値段の値付けも現地にかなり近いので、なかなか良心的だと思いました。このほか、今年は、別棟にコーヒーとお茶のコーナーが設置されており、そちらにはインドやスリランカの紅茶、日本の茶業さんが出展しています。そんな中に、台湾茶と台湾コーヒー、それから大禾竹藝工房の茶道具を扱う商社の方が出展されていました。苗栗の東方美人を扱うほか、台東のジャコウネココーヒーを扱う計画だそうで、「なんだか良いものばかりを扱いますね」とちょっとマニアックな人は感じると思います(^^;)なお、一緒に回っていた茶迷の某Mさんは、お茶よりコーヒーの方に食いついていましたw<中国茶関連>比較的良好な関係にある台湾ブースですらお茶屋さんが減っているので、中国ブースもやはり減少気味でした。中国の場合、国内の需要と供給のバランスがだいぶ狂っているので「そろそろ輸出へ力を入れるんじゃないか?」と淡い期待をしていたのですが、まだみたいです(^^;)ただ、今年の出展企業に共通していたのは、有機をキーワードにしているところですね。日本の有機認証も通過している企業もあり、中国の中でもこのあたりに力を入れている企業が残った感じです。出展していた企業ですが、私が目にしたところでは、まず福建省南安市の日泰茶業さん。泉州が拠点でもあるようで、鉄観音メインかな?と思いましたが、武夷水仙やジャスミン茶など福建省のお茶は色々揃えており、ペットボトル原料なども注力しているようです。フラッと立ち寄ったら鉄観音を試飲させてくれたのですが、そこそこな印象。おじさんと通訳の方がヒマだったから?か、席に座って色々話していたら、この緑茶が美味しいと紹介してくれたのが、石亭緑という緑茶。表面がうっすらと白っぽくなっていて典型的な炒青緑茶な雰囲気。特有の火の感じは最初の一煎目にはありますが、それ以降はずっと香りが伸びやかで味わい深く、余韻もなかなか。こういうお茶が日本でも買えるといいんですけどね~(^^)その隣には、同じく福建で、紅茶専門の元泰茶業さんが出てました。このほか、山東省の茶業さんが1社。あとは珍しいところで、陝西省の茶業さんが。漢中市西郷県にある西郷県陝南緑茶有限公司さんというところで、漢辰というブランドを掲げているようです。こちらは全部オーガニックだそうで、中国・EU・アメリカ・日本の有機認証をクリアしているとのこと。安吉白茶の品種よりもさらにアミノ酸含有量が高い、黄色白化品種である有機黄金茶を飲ませてもらいました。とにかく、アミノ酸の旨みが強いのですが、ベタベタとした感覚は無く、飲み口はスッキリ。余韻も長くて、良いお茶だなーと思いました。ただ、お値段もかなり良さそうです(怖くて聞けませんでしたw)。<日本茶関連>日本のお茶ももちろん出ていたのですが、比較的目立ったのが英語の表記ですね。国内の消費者向けのPRというよりは、海外のバイヤーさんを意識した展示を行う茶業さんが多くありました。個人的には、静岡県中山間100銘茶協議会のメンバーの方が出ていたので、ご挨拶を。あとは高知の国友農園さんの釜炒りの山茶は大変魅力的でした。中国茶好きの方なら、余韻やら味わいの深さなどを感じやすい方も多いので、そういう方が飲むとハマるかも・・・と思いました。その育て方ゆえに、お値段も中国茶並みではありますが、その価値はあるなーと思います。こういうお茶が正当に評価されるようになれば、日本のお茶業界も変わると思うんですけど。<台湾茶セミナー>ブース周りの合間には恒例となっている、台湾区製茶工業同業公会の台湾茶セミナーへ。今年は高宇さんの講演の後に南アテナ先生の茶芸披露も行われました。個人的にはもうちょっと違う切り口で台湾茶を紹介できませんかね?という感想を持ちました。基本的に公会のスタンスは、「商品ラインナップを絞り、消費者が迷わなくする方が消費者にとっては有益である」という考え方なのですが、これは日用品への道なんですよね。嗜好品ではなくする方向です。ワインやコーヒーなどの嗜好品飲料のように、「もう少し、発酵度や焙煎、品種、産地などの組み合わせを楽しむという方向性では話ができないのだろうか?」と思います。・・・と、今年は少し専門的に見てみました。こうした大規模な展示会はある意味、業界の縮図だと思うので、これからも定点観測したいと思います。にほんブログ村会場歩きで軽く1万歩越えしますね(^^;)
2016.03.08
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紫藤廬を出た後、食事をどこでするか悩みました。そういえば、今回は夜市に行っていないな、ということで向かったのはMRTの大橋頭駅。ここから徒歩圏にある延三夜市に行ってみました。夜市の新規開拓です。延平北路三段にあるから延三夜市というわけですね。<嘉義雄鶏肉飯>まず、やって来たのはこちらのお店。嘉義雄鶏肉飯さんです。ローカルなお店ですが、ここの夜市は南部から働きに来ている人たちが多かったらしいので、本場の味に近いのではないかと。注文の仕方は、席に着いてから伝票に印をつけて、やって来るおじさんに渡すスタイルです。パパパッとオーダーをしてみました。出てきたのはこちら。鶏肉飯に筍絲、鶏捲、金針排骨湯などを。期待通りの鶏肉飯が出てきてヤッホーだったのですが、うーん、何か今回の旅の食卓はみんな同じ感じだったな、と食べ始めてから、ちょっと反省。今回は食事に華がなくて、すみません(^^;)調子が良ければ、何軒かハシゴをするつもりだったのですが、この時点で喉やら関節に違和感。明らかに風邪の症状・・・(-_-;)あんまり調子が良くなかったので、デザートだけ食べて切り上げることにしました。<杉味豆花>目をつけていたのは、通りの反対側にあったこちらのお店。このお店、雨なのに、反対側から見てても並んでいる人が沢山いて、これはおそらく美味しいんだろうと思ったのです。メニューを見て、そういえばお芋を食べてないやと思い出し、地瓜豆花などを。喉が少し痛めだったので、「甘くしてね」とオーダー。こちらが地瓜豆花。シンプルです。甘くしてねと言ったのがいけないんですが、歯が溶けるかと思うぐらいに甘かったですwでも、その甘さにも負けないのが、このサツマイモ。台湾のサツマイモの美味しさは反則レベルですね~(^^)<茗心坊>翌朝。最終日なので、朝から目一杯動きたかったのですが、すっかり風邪引きました。。。なので、どこへも動かずに10時半頃にホテルをチェックアウト。荷物を預けて、MRTで大安駅へ。茗心坊さんにお邪魔しました。本当は初日か2日目に来るはずだったのですが、予定が狂い、結局最終日に慌ただしく訪問になってしまいました。11時オープンで11時40分には出発という、40分一本勝負ですね(^^;)最近、林さんが力を入れているのが、団圓茶。4kgぐらいのお茶を固めて作った、球状のお茶です。年年、良い台湾茶が少なくなっているので、今のうちに長く保存できるような形状のお茶を作り、良い台湾茶をきちんと後世の人に残したい、とのことで始めたそうです。元々は、凍頂の近くの放棄茶園のお茶(流行りの自然生態茶です)を全量買う契約にし、一部は松戸烏龍や松戸紅茶に。それ以外のものを、団圓茶にして・・・ということで始まったそうなのですが、最近は福寿山のお茶とかラインナップが4種類ほどに増えていました。それは美味しいんですかね?と思っていたら、茶末があるから飲んでみよう、と。こちらがその茶末のお茶なのですが、茶末とは思えないぐらいに透明感がありますね。1ヶ月半ぐらいかけて高密度焙煎法で焙煎しているそうなので、雑味などは少なく、濃く出しても味が壊れない感じでした。値札がついているわけではないのですが、何度か来ているお客さんで興味のある方には販売しているとのこと。んー、4kgってのが、ネックだなぁ・・・(^^;)今回は団圓茶はパスして、松戸烏龍の蜜香と茗心美人(東方美人)を買いました。ここの蜜香系は高密度焙煎法の効果か、上手く雑味が飛んでくれて甘さだけが残ってくれる仕上がりになっているので、個人的にはオススメしたいところです。ちょっと高いけど、美味しい東方美人を買いたい方にはオススメです。茗心坊住所:台北市信義路四段1-17号営業:11:00~20:00休み:日曜日アクセス:MRT大安駅から徒歩1分Facebookお買い物をするだけして、お茶を飲んで出発です。本当に慌ただしくて申し訳ない。。。一度ホテルに戻り、荷物をピックアップして、松江新村から長栄のリムジンバスに乗車。無事に2時間前に桃園空港に着いたーと思ったら、成田空港の雪の影響?か、出発時間が1時間10分遅れの表示が。最終日はバタバタでしたねー。・・・というわけで、今回は台北から日帰りで行ける2本の茶旅ルートを開発してみました。バスの乗り方さえマスターしていれば、回れるコースだと思いますので、是非挑戦してみてくださいねー(^^)#1回の滞在で1本のルートがオススメです。2日間続けると、さすがに疲れますのでwおしまい。旅行記はこちらにまとめました → 台北近郊プチ茶旅にほんブログ村今回はページ数が多かったですねw
2016.03.02
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<猫空からバスで市内へ>寒舎でのんびりしていたら、4時半過ぎになってしまったので、下山することにしました。市内で、もう1つのミッションをこなさねばならないのです。ロープウェーの猫空駅まで戻るのはとても面倒なので、帰りは近くのバス停から棕15番のミニバスに乗車。20分弱で木柵の街に到着。政大一のバス停で降ります。すぐ近くに政大というバス停があり、ここは各線入っているので、そこで乗り換えるのです。#GoogleMapだとバスの乗り換えも教えてくれるので便利ですね~あら、ここは日本人の方にはお馴染みの張協興さんではないですか。お客さんが沢山いたので、今日のところはスルーしました。バスを乗り継いで、次の目的地へ。<紫藤廬へ>やってきたのはご存じ、紫藤廬さんです。もう1つのミッションというのは、よく聞かれる質問に「台北市内で良い茶藝館はないですか?」というものがありまして。これ、なかなか回答が難しいんですよね。「台北市内」という縛りでなければ、「無為草堂」(台中)とか「九份茶坊」(九份)と即答するんですが。これまではちょっと考えて、アクセスのしやすさなどから「徳也茶喫」の名前を挙げてました。が、もうお店を閉めてしまったので、代わりの場所を探さないといけないのです。#「回留」や「小茶栽堂」は茶藝館ではなく、あれはカフェだろう、と思うわけでして。お茶カフェと茶藝館は別物だと思っております。上手く言えませんが、根底に流れているものが違うと感じます。そんな中では、やっぱりどこのガイドブックにも載っている、元祖のこちらかな、と思ったわけです。<茶名はオリジナル>到着したのは6時頃。食事の始まる時間なので、「あー、ちょっと遅かったか」と思いつつも入店。日曜日の夜ということもあり、ほぼ満席に近いようでした。運良く、席が空いていたので、通されます。お茶のメニューを、まずは手に取ります。あー、そうでした。ここのお茶は、オリジナルの名前がついているんですよね。お茶の種類は台湾の烏龍茶がもちろん中心なのですが、中国緑茶の黄山毛峰とか岩茶、プーアル茶などもラインナップに入っています。メニューを見ると、初心者向きというよりは、通好みのメニューになっています。高定石とか鄭天福とか、有名な茶師の名前もあったりして、「おお、あの人のお茶飲めるんだ」というのに気づける人は、多分メニューを見ているだけでも面白いと思います。なにしろ、こちらは自他共に認める台湾でトップの茶藝館。扱ってもらえるだけで茶農家さんのステータスが上がる、というようなお店です。反面、初心者さんには分かりにくいと思うので、「うーん、ここは最初のお店としては勧めにくいなー」というのが、正直な感想です。<玉山の野放茶を注文>今回は表紙に出ていた玉露澄泉というお茶を頼んでみました。素性は、玉山の野放茶だそうです。野放茶、茶人たちの最近の流行りなんですよね。”ほったらかしになってしまった茶園のお茶”ぐらいの意味合いで、有機の認証はとっていないけど、農薬も撒いてないし肥料も入れてませんよというヤツです。自然生態茶とか野生茶なんてのも同じカテゴリーですが、この手のお茶を最近の茶人たちはこぞって求めています。よくある一般的な銘柄のお茶をお茶会で出しても面白くないから、ちょっと毛色の変わったお茶を出そう・・・というニーズが結構見え隠れしています。これらのお茶は、「香りが良い」「味が面白い」というよりも、身体に響く系のお茶ですね。プーアル茶の古樹茶とか、岩茶の正岩茶、単ソウの老ソウなどと共通するような、稀少茶ならではなタイプです。違いが繊細なので、飲み手の方にも、ある程度の経験が必要なお茶かと思います。この手のお茶は産量も少なく、通常のお茶の相場とは違う動きをするので、普通のお茶屋さんではあんまり入手できません。茶人のサロンみたいなところで譲ってもらうか、茶農家に直接掛け合う(オーダーする)という形で取引されています。普通のお茶と比較するとべらぼうに高いので、ディープなお茶好きさんなら追っかけてもいいと思いますが、。お茶のセットはこんな感じです。猫を三重ぐらいに被って普通の日本人観光客を装い、店員さんにお茶を淹れてもらいましたw#え、あなた淹れられるでしょう?と疑いの目を向けられましたが(^^;)特にセレモニーな感じはなく、普通にお茶を淹れるだけです。仰々しい茶芸を見たい方は台湾の茶藝館じゃなくて、大陸の茶館に行った方が良いと思います。日本人観光客の方で、誤解している方も多いんですけどね・・・。こちらがそのお茶です。お菓子は桃片を注文してみました。割と飲み口はスムーズなのですが、煎を重ねていくと、どんどんお茶の芯の強さが出てくる感じです。透明感はありながらも、喉に余韻が長く残り、非常に上質なお茶だと思います。さすが。こちらは1回分の茶葉のみで出てきます。なので、このお茶を心ゆくまで飲み続けていく感じですね。お茶を飲みに行くことが前提なら、食事時の時間帯は外した方がゆっくりできると思います。というわけで、個人的には、初心者さんにはあんまりオススメしません。初心者さんには、もっと入りやすい・取っつきやすいお店があるので、そちらに先に行くのが良いと思います。あちこちでお茶を飲み、少し経験値がついてきてから行かれると、その本当の良さに気づくお店。ここはそんなお店なんじゃないかと思います。紫藤廬住所:台北市新生南路三段16巷1號営業:10:00~23:00休み:旧正月期間アクセス:MRT台電大楼駅・公館駅・大安森林公園駅などから徒歩15分程度http://www.wistariateahouse.com/続く。にほんブログ村台北の茶藝館はもうちょっと調査が必要ですね
2016.03.01
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マグカップで鉄観音を飲んで一息入りましたので、出発します。徒歩5分ほどで、こちらに到着。猫空でも有名な茶藝館・邀月の門の所に来ました。邀月も寒舎もここの門をくぐり、小道を歩いて行きます。この時点ではどちらに行くか決めていなかったのですが、入口のところには若者の集団の姿が。邀月からの帰りのグループと見ました。小道を少し入って行くと、分かれ道に。左は邀月、右は寒舎です。どっちにしようかな・・・とちょっと悩んだのですが、若者の声が遠くから響いてきて、これは邀月が混んでそうな雰囲気。有名だし、邀月は私がヒトバシラーしなくても良いだろうと判断しまして(←選択基準がおかしい)、寒舎に行くことにしました。#グーグルのストリートビューで中の様子まで見えますからね。凄い世の中です(^^;)<寒舎茶坊へ>少しアップダウンのある道を1分ほど歩き、やってきたのは寒舎茶坊の入口。有機認証をとっている農家さんなんですね。目の前のすぐの小屋に入ります。#誤解を恐れず言えば、釣り堀の受付みたいな印象ですw入ってみると、誰もいなかったのですが、「に~は~お」と呼びかけていたら、おじさんが出てきました。農家茶藝館、基本的に農家の方が副業でやっているので、こういうことは良くあります。本業は農業の人たちだ!というのを肝に銘じていきましょう。#そこもゆるさの要素の一つです。商売っ気が無いということです。「お茶飲めますか~」と聞いてみたところ、「もちろん!ん、君は見たところ日本人だね~」とおじさん。おー、分かっちゃいます?と聞いてみたら、「うちは日本人も良く来るし、東京にお茶売ってるんだよ」とのこと。しゃべっていると、まさに茶農家のおじさんという感じです。「田舎に泊まろう!」じゃなくて「田舎でお茶飲もう!」な感覚の方だったら、この感じ、きっと気に入るはず。<茶水費も茶葉もとってもお手頃>システムを見てみましょう。まずは茶水費。昼間は1人50元。これは安いですね~(^^)ただし、持ち込みのお茶を飲む人は120元と2倍以上と強気の設定。・・・うむ。これは「うちのお茶を飲め!」ってことですね(笑)5人まではお茶1種類のオーダーでOK。6人以上は2種類頼むように、と書かれています。うーん、これはかなりお手頃なんじゃないですか?次に茶葉。こちらもかなりお手頃価格ですね。鉄観音の良いものでも350元。一応2両の缶で出てきます。冷凍茶もここなら頼みやすいかも。もっと高いのは別にあるみたいなので、いやいやとっておきを出してくれ、というのもありかもしれません。ただ、初回なので、まずは特級鉄観音350元にしてみました。「俺のつくった鉄観音は美味いぞ~」と言ってました。こういう自分のお茶にプライドを持っている農家さん、好きですw美味しいお茶を作る農家さんって、大体このぐらいの自信を持っています。食べ物関係ですが、ちょっとしたお茶請けはありますが本格的な食事メニューは無いので、食事をするなら、隣の方が良いかもです。<広々したお庭開放型>じゃあ、お茶はあとで持って行くから、好きな席に座っててよ、と言われました。小屋から階段を降りていくと、結構敷地は広いみたい。山の中なので、台北の街が一望、という感じではありませんが、深い森の中でお茶をするって感じですね。ただ、この日は雨なので、このへんの森のお席は断念しまして、母屋の近くの小屋に避難。多分、もっと広いんだろうと思いますが、何しろ雨ですからねぇ(^^;)そこへおじさんがお茶セットとお茶を持って登場。この手のお店では、おじさんが立ち去る前に聞いておかなければならないことがあります。追加のお湯をどこでゲットできるかを聞かねばなりません。「隣にあるよ~」とのこと。こちらですね。この機械からお湯が出てくるので、それで追加すると。この手の敷地が広い茶藝館の場合は、お湯&お手洗いの場所は聞いておいた方が良いと思います。あとで聞こうと思っても、お店の人が行方不明で見つからない、とか良くあるので・・・(^^;)<クリアな美味しさの鉄観音>さて、それではお茶を淹れましょう。お茶は特級鉄観音です。おそらく、もっと良いものもあるんだと思いますが、まずはこちらで。おー、これは透明感があって、非常に美味しいですね(^^)それでいて力強さもあるのでやっぱり良いお茶なんだろうと思います。木柵鉄観音のようなお茶は、有機に合いやすいのかもしれません。真面目にお茶を作りそうな茶農家さんなので、その性格が結構でているように思います。お茶と作り手の個性はリンクしますから、やっぱり印象は正解だったかも。こちらでもまったり1時間ほど滞在して、またもお茶を2リットルほど飲みました。今日は食べ過ぎ、飲み過ぎですねw隣の邀月は華があって賑やかな感じですが、寒舎はもっと素朴な雰囲気。自然たっぷりの、茶農家さんのところで美味しいお茶をゆっくり飲みたい!という方には良いかと思います。農家茶藝館システムに慣れていれば、とても良心的なお値段&美味しいお茶なので、行く価値はあるかと。もっとも、森の中なので、虫除けなどの対策はきちんとしてきた方が良さそうです。寒舎茶坊住所:台北市文山区指南路三段40巷6號営業:9:00~翌朝6:00休み:無休?アクセス:ロープウェー猫空駅下車。徒歩約25分。 バスの場合は運転手さんに邀月門口と伝え、そこから徒歩。というわけで、今回の猫空マップです。<A>ロープウェー猫空駅<B>六季香茶坊<C>台北市鉄観音包種茶研發推廣中心<D>寒舎茶坊猫空内のバスは、降りる場所を言えばそこで停めてくれるシステムなので、お店の名前を中国語で言えるようにしておくとバッチリだと思います。なお、右の方に行くか左の方に行くかを絞れば、いずれも猫空駅から歩けない距離ではありませんので大丈夫ですよ。続く。にほんブログ村お茶重視派には良いお店かも
2016.02.26
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六季香茶坊にいる間、Facebookにて、まうぞうさんより邀月か寒舎へ行くようにという指令がありました。ですので、もと来た道を戻りまして、ロープウェー猫空駅へ。そこからバスに乗ろうかと思ったのですが、すぐに来る気配がなかったので、歩いて行くことにしました。#深坑老街で随分食べましたしねぇ。カロリーの消化が必要ですw猫空駅から山道をトコトコ歩くこと、約20分。途中の台北市鉄観音包種茶研發推廣中心で休憩をかねて見学することにしました。こちらは台北市が運営するお茶のプロモーションセンターとのこと。VTRを放映する部屋があったり、ちょっとした講座が開けるようなスペースもあります。土日には色々と体験イベントをやっているようです。あと、製茶機械をズラッと並べているコーナーも。こちらはお茶を中に入れてぐるんぐるん回し、攪拌を行う機械ですね。こちらは揉捻機。乾燥機。お茶を丸めるときに使う、団揉機。こちらは焙煎器ですね。これも乾燥機です。冷蔵庫に似たタイプのヤツですね。置いてある機械は坪林よりも少なく、種類もあまり変わらないのですが、こちらの方がピカピカなので、その点は良いかもしれません。あとは中庭があって、その後ろの山の方は茶畑があったりもするようです。雨なので通路は封鎖されていましたが、晴れている日は色々見られるのかもしれません。室内に戻ります。鉄観音は「お茶の高梁酒」と書いてあります。んー、そうなんですよね。思いっきり濃く淹れたりすると、アルコールのような揮発性の香りが出てきます。酔えます。ちなみに、この看板の横に注目。ドアが開いているところにマグカップが入っていまして、手前には蛇口が。緑茶が出る蛇口とか、ポンジュースが出る蛇口とか、色々ありますが、こちらはもちろん鉄観音の出る蛇口!一杯いただいてみましたが、割としっかりした美味しい鉄観音でした。これを無料で振る舞っているのは、さすが木柵!って感じですね。猫空駅から、こちらの方に歩いて行くと、少し先には人気の茶藝館・邀月などもあるので、そこへ行く途中に寄るのもいいですね。台北市鉄観音包種茶研發推廣中心住所:台北市指南路三段40巷8-2號営業:9:00~17:00休み:月曜日。旧暦の年末年始。アクセス:ロープウェー猫空駅より徒歩20分。もしくはバス小10・棕15にて茶推廣中心下車。Facebook続く。にほんブログ村山歩きの際の休憩スポットに(^^)
2016.02.25
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ロープウェー猫空駅から歩くこと8分ほど。六季香茶坊さんにやって来ました。<農家の経営する茶藝館>こちらは、猫空によくあるタイプの農家さんが経営している茶藝館です。便宜上、こちらでは「農家茶藝館」という分類にしたいと思います。この手のお店は、農家さんが自宅のお庭を開放したり、家の一角を開放したりしています。お庭開放型は、広々として森の中な感じで良いのですが、反面、蚊に刺されたりとか色々アウトドアならではなお悩みがあります。また、敷地が広すぎて、何か用があるときに声をかけに行くのがちょっと大変とか、デメリットもそれなりにあります。が、こちらは基本は建物の中&テラス(かなりオープンエアではありますが)なので、こうした心配は少なく、農家茶藝館の中では、ビギナーさんにもオススメしやすいお店かと。この雰囲気。まさに農家にお邪魔して、お茶飲ませてもらってる感じですね(^^)<農家茶藝館の料金システム>農家茶藝館に限りませんが、台湾の茶藝館の一般的なシステムをご紹介します。まずは、お茶を飲むか食事かを聞かれます。お茶を飲むなら、喝茶(ほーつぁー)、食事のときは、用餐(よんつぁん)とか言えば大丈夫だと思います。大事なのが料金システムです。お会計の仕方としては、茶水費 + 茶葉代 + お菓子・料理代という構成になります。日本人の方に馴染みが無いのは、「茶水費」だと思います。簡単に言えば「お湯代」で、1人につきいくらという計算をします。これは全員にかかります。席料みたいなもんですね。こちらの茶水費はこんな感じ。まず時間帯によって、茶水費のお値段が変わります。夜は割増料金です。あと、お茶を持ち込むかどうか。ここで買ったものを飲む(購買茶葉)か、自分で茶葉を持ち込むか(自備茶葉)で違います。下に色々書いてあるのは、身長130cm以下のお子さんは40元。10人以上の団体さんなら、茶水費は9掛け(1割引)にしますよ、ということですね。次に茶葉代。こちらのお茶から選びます。おそらく左が自家製で、右は仕入れものかな、と思います。同じお茶でもグレードがあるので、お値段が3つ書いてあるのもありますね。1人1つのお茶を頼まなければならないという義務は無いので、数人で1、2種のお茶をシェアするのもアリです(茶水費が人数分なのは、そのためです)。こちらのお茶は2両(75g)のお値段です。1回分しか飲まなくても、その量。缶に入って出てくるので、残りはお持ち帰りできます。#持ち帰れると思っていなくて、置いて帰ってしまう日本人の方も多いようなので、必ず持ち帰りましょうね~これに加えて、必要があればお菓子or料理を頼みます。こちらのメニュー表はこちら。日本語も書いてありますね。お店の人は日本語分かりませんが、日本人のお客さんも多いようです。お値段を見ると、野菜とかは屋台のお値段(大体1人前)の2倍か3倍の値付けになっているので、おそらく2~3人前ぐらいのポーションかなー、と見当がつきます(ちょっとしたワザです)。少人数の時は頼み過ぎに注意ですね。この手の農家茶藝館の多くは、お茶もお菓子も持ち込みOKだったりするので、お菓子は無理に頼まなくても大丈夫かと。大体こんな感じで注文すればOKです。なお、たまに「最低消費」というのが決まっているお店があります。「1人あたり、この値段は超えてね」という金額のことで、それが設定されている場合は、何か追加で頼んでクリアするようにしましょう。<木柵鉄観音の元祖&四季春発見者のお店>システムの説明を先にしましたが、実はここ、木柵でも由緒正しきお店でして。木柵に安渓から鉄観音を最初に導入した、張迺妙茶師という方がいらっしゃいました。それはここの農家さんのご先祖様。このお店の隣では、一族の方が張迺妙茶師紀念館という博物館もやっています。先祖代々の茶畑を受け継いでいるお店なので、こちらの鉄観音はいわゆる正叢鉄観音を扱っているそうです。木柵鉄観音は、今や鉄観音製法であればOKという感じになってきていて、金萱だったり四季春などからつくった木柵鉄観音も結構多いのですが、由緒正しい鉄観音にこだわっているんですね。さらに、お店の名前にもなっている六季香。これは現オーナーのお父様がここの茶園で発見した品種でして、1年に6回も芽吹いて香りが良いことから、六季香と名付けたそうです。実はこのお茶、南投縣名間郷の育苗家の方の手に渡り「四季春」と改名されたところ、人気が爆発。そう、お馴染みの四季春の元祖でもあるんですね。というわけで、木柵鉄観音好き、四季春好きの方は、ここに来ない手は無いでしょう!というわけです。<六季香を注文>今回は、お店の名前に敬意を表し、六季香にすることにしました。#農家茶藝館さんは、自分のお茶を飲んで欲しいからやっている部分もあるので、自分のつくったお茶が注文されると嬉しいはず。ん、でもメニューの右側に四季春もありますね。何が違うんだろう・・・と思って、お店の方に聞いてみたところ、六季香の方は手摘みとのこと。というわけで、六季香の良いやつを頂くことにしました。こちらが六季香の茶葉。中発酵・中焙煎とあったように、確かに普通の四季春とは全然違う見た目ですね。火入れが効いていて、木柵スタイルな感じです。茶器はこちらが準備されました。農家茶藝館、基本はセルフです。湯沸かしポットはこんな感じ。お湯が足りなくなったら、机の下にある大きなヤカンから注ぎます。お茶を淹れてみました。焙煎が効いていますが、火がきつい感じはしません。特筆すべきは、口に含んで飲んでからの香りの広がりですね。鉄観音などとはやはり違い、他には無いタイプ。発酵と焙煎が少し高くなると、こんな感じになるんだ、と面白い発見でした。このお茶が出てきて、残りが持ち帰りできてお土産になるのなら、全然良いじゃない、と思います。1時間ほど滞在して、2リットルぐらいお茶を飲みました。#飲むときは、大茶飲みなもので・・・そうこうしていると、いつの間にやら天気が少しだけ回復。お店の前には茶畑が広がります。この眺めもこのお店の魅力の一つですね(^^)ちなみに茶畑の中を通る、細い小道を伝っていくと、樟樹樟湖環状歩道という遊歩道に出ます。遊歩道を右へ行けば猫空駅方面に抜けられるので、天気が良いときなら、そちらを回って帰るのも面白そうですね。六季香茶坊住所:台北市文山区指南路三段34巷53號営業:10:00~24:00 ※金・土・祝日は27時迄休み:無休のようですが、Facebookで要確認。アクセス:ロープウェー猫空駅下車。徒歩約8分。 バスの場合は運転手さんに六季香と伝えるか「樟湖歩道」下車。https://www.facebook.com/liujixiangteahouse/続く。にほんブログ村ちょっと歩きますけど、良いと思います(^^)
2016.02.23
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それでは、猫空へ向かいましょう。地図の通り、大きな木のあるところから、バス通りを渡って反対側の方に木柵のバス停はあります。深坑-捷運木柵站(MRT木柵駅)の間には、沢山のバス路線が走っているので、割とスムーズに乗れると思います。とりあえず、上の写真に載ってるバス、660、666、679、795は全てMRT木柵駅を通ります。<MRT木柵駅までは約10分>たまたま、ロープウェー動物園駅まで直行できる679番のバスが来たので、乗ってみました。街中の通勤バスのイメージです。もちろん、悠遊カード使用OK。・・・あ、そうそう。台湾のバスは、停留場で突っ立っているだけでは通過されちゃいます。なので、乗りたいバスが来たら、手を上げてアピールしましょうね。このバスも渋滞とはほとんど無縁でした。そんなわけで、MRT木柵駅には約10分で到着しました。意外に近いですよね。ここでお客さんはだいぶ降りてしまいました。次に降りるところは政大(政治大学)が多かったですね。バス路線が色々乗り入れているので、乗り換えに便利な場所です。#降りてしまった後に、車内の写真を撮りました。私は、直接、ロープウェー動物園駅まで行けるから「ラッキー」と思っていましたが、木柵駅から先の道中が結構かかりました。川を渡れば2分ぐらいで着く距離なんですが、バスは木柵の街の中をクネクネ走りましたので、追加でさらに15分ほど。サクサク動きたい方は、木柵駅でMRTに乗り換えるのも手かと。<猫空ロープウェイに乗車>そんなこんなでロープウェー動物園駅に到着。雨なので空いてました。それでも床が透明のクリスタルキャビンは並んでました。15分ぐらいで乗れるようでしたので、かなり空いている方だとは思うんですが。私は天気も悪いし、一般ゴンドラで良いんじゃないの、ということで一般ゴンドラに。すぐに乗れました。最初のうちは、それなりに景色が見えていました。が、標高が上がって行くにつれて、外は真っ白に。この状態で約30分というのは、結構微妙ですね~。#後述しますが、2016年2月から料金が大幅値上げになったので。何はともあれ、ロープウェー猫空駅に到着。うーん、山の上は輪をかけて何も見えないですね・・・ロープウェー猫空駅の近くには、茶畑があり、お茶どころであることは感じます。坪林は、茶畑が山の方にあるので、あんまり茶畑を見ることは出来ません。が、猫空は山の中なので、茶畑がかなり身近に感じられると思います。それにしても天気が良くないですね。ちなみに訪問したのは2016年1月でしたが、2016年2月から、ロープウェーの料金が劇的に上がりました。新運賃は動物園駅から猫空まで、なんと120元と2倍以上に!何人かで行くならタクシーの方がお得になってしまいました。なので、天気が悪いようなら、動物園駅からバスとか別の手段も検討に値するかと思います。ともあれ、道路さえ順調なら、坪林-深坑老街-猫空のルートは、・坪林→福安居バス停 バス20分・福安居→深坑老街 徒歩7分・深坑→ロープウェー バス25分(途中で降りれば短縮可)・ロープウェー 所要30分と、こんな感じの移動でたどり着けるので、十分、日帰りの茶旅コース候補にはなるかと思います。<山道を歩いて、茶藝館へ>さて、猫空です。天気もあんまり良くないので、茶藝館に行くことにします。猫空駅を出て、右手の方角へ。すぐにまた道が分岐しますが、これは左の方へ。こちらの案内板にある、六季香茶坊さんに行くことにしました。ギリギリ徒歩圏で行けて、日本人の方にオススメしやすいところはここかな、と思いまして。駅の近くは茶藝館やレストランが、そこそこあってそれなりに賑やかな感じです。が、しばらく歩くと、それも途切れ、フツーの山道に。初めての方は、この道で良いんだろうか・・・と思うかもしれませんが、突き進みましょう。歩いていると、道の脇は茶畑になっていたりします。茶畑との距離が非常に近いので、森林浴気分で頑張って歩きましょう。先程の案内板の所から、8分ほど歩くと目的地に着きます。続く。にほんブログ村坪林から猫空が無事に繋がりましたね☆
2016.02.21
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坪林茶業博物館の見学を終えまして、次は深坑に向かいます。坪林から木柵へは直通バスは無いので、乗換をする必要があります。バスの乗換というと、何か凄く面倒な印象になりますよね。が、「深坑老街で観光or食事しつつ、乗り換える」ということであれば、割と抵抗感もないかと。今回のルートのキモは「深坑老街を経由する」というところですね。<坪林バス停から923番のバスに乗車>路線バスの旅の鉄則は時刻表の確認。まずはバス停に行って、時間を見に行きましょう。坪林のメインストリートまで一旦出てきて、バス停の方へ。着いた・・・と思ったら、お目当ての923番バスが来ていて、お客さんが続々乗車中でした。本当は、いつものお茶屋さんか坪林農会の直売所に寄るか、と思っていたのですが、「次のバスが、しばらく来ないのも困るし、もうこれに乗っちゃえ!」と飛び乗りました。その前にヒトバシラーとしてのノルマを果たすために、時刻表の写真をパチリ。バスに乗ってから、時刻表の写真を見て気づいたんですが、土日は結構本数がありますね。30分に1本出てます。でも、11時の次は12時だったので、飛び乗ってしまって良かったのかも。バスでは悠遊カードも使えるので、小銭の心配も要りません。降りる停留所ですが、乗車するとき運転手さんに「深坑老街に行きたいんだけど、どこで降りればいいの?」と聞いてみたところ、「福安居」とのことでした。この923番のバスは、坪林のターミナルを出てから、坪林国中バス停を経由。坪林インターから高速道路(國道5号)へ乗ります。高速は1区間だけ。次の石碇インターで降ります。石碇インターを降りた後は、高速の連絡道路(一般道)をしばらく走り、再び高速道路(國道3号)に乗って、新店へ向かうようです。詳しくは、新店客運の路線図・時刻表にて。バスの車内は、こんな感じ。高速を走りますが、普通のローカルなバスです。<福安居バス停から深坑老街へ>道路は渋滞もなく、極めてスムーズだったので、20分ほどで福安居バス停に到着しました。バス停に着くと、運転手さんが「福安居だよー。深坑老街ー」と声をかけてくれました。降りるときには「ここ曲がって真っ直ぐね」と教えてくれました。謝謝^^うーん、これはホントに何にもない場所ですねwでも、ここから老街までは、徒歩7分ほどなんです。しかも道順は至ってシンプルでした。まずはバスを降りたら、バスの進行方向そのままに歩き、目の前にある交差点を右折。ここから道なりに歩いて行き、平埔橋という橋を渡ります。橋を渡り終わっても、さらに真っ直ぐ。しばらく歩くと、一方通行になっている信号があります。ここを直進。奥に中華電信の建物があるので、分かりやすいかも。すぐ左手にこのような建物が見えてきます。ここの手前、左側にある道が、深坑老街です。<深坑老街は豆腐の街!>あいにくの雨ではありましたが、雨に濡れた老街ってのも、なかなか良いですよね。こちらは水の良い場所ということで、豆腐で街おこしをしています。なので、老街の中には自慢の豆腐や豆腐製品を出すお店が沢山あります。老街の真ん中へんにある、豆腐アイス屋さんに立ち寄り。6種類の味があるとのことでした。とりあえず、ここはオリジナルだろうということで、「原味」というプレーンなやつを買ってみました。お味は、アイスクリンに近い感じでしょうか。滑らかというよりも、素朴な雰囲気。しっかりと豆腐の味・香りは感じられて、甘さも控えめです。美味しいのですが、量が結構多いので、途中から味が単調に感じられるかも。何か味つきのやつにするか、何人かで行ったら、色んな味を頼み、ちょこちょこ少しずつ食べるのがオススメですね。<臭豆腐を食べてみた>せっかくの豆腐の街なので、豆腐料理を食べていこうと思いました。台湾で豆腐といえば、アレですよね。臭豆腐。夜市とかに行くと、結構強烈な香りを漂わせてます。ぶっちゃけ、私も食べたことなかったんですが、せっかくなので初挑戦してみようかと。ここも、あちこちに臭豆腐の看板が掲げられていて、それを食べさせるお店がいくつもあります。が、大きな違いがありまして、あんまり強烈な香りが漂ってこないんですよね。中には「臭豆腐の匂いが嫌で夜市に行けない」という方もいらっしゃるんですが、そういう方でもここは大丈夫だと思います。どこにしようかな、とお店を見て歩きました。鶏を吊ってるお店もありますね~。ここの老街は2012年にリニューアルをしているので、どこのお店もそこそこ衛生的だと思います。あれこれ悩んでいたら、結局、老街の終わりまで来てしまいました。仕方ないので、老街のシンボルにもなっている大きな木の下にある有名店。こちらに入ってみることにしました。ただ、レストランに入るという選択は良かったのかどうか・・・というのは、料理のお値段を見ると、1皿1皿の量が多そうなんですよね。台湾の地方のレストランに行くとありがちなことではありますが・・・ここの看板メニューは、紅焼豆腐、豆腐羹、豆腐魚の3つらしいです。が、魚はどう考えても多過ぎな気がしたので、紅焼豆腐、豆腐羹に臭豆腐と野菜、ご飯を注文してみました。で、出てきたのがこちら。やっぱり多かった...orzこれ、多分3人分ですね(((((^^;;でも、頼んじゃったんので、仕方ない。気を取り直しまして、食べてみましょう。豆腐はやっぱり美味しいですね。特に紅焼豆腐は、豆腐そのものの味がよく分かります。特に味が濃いとかそういうことはないんですが、おそらく水なんだろうな、と思います。クリアな美味しさといいますか。で、左上の臭豆腐なんですが、こちらは揚げたやつです。あまり強い匂いは感じないので、モグッと行ってみましたが、何というか豆腐の味がギュッと締まっている印象ですね。サクッとしています。噛みしめたときに旨みが出るのと同時に、ちょっと癖のある香りはしますが、嫌なほどではありません。赤い辛めのソースを少しつけて食べると、より美味しくなりますね。で、豆腐羹は、正直、日本人の方には勧めづらいですね。ちょっと漢方っぽい香り(おそらく人参)が強いので、これは苦手な方が多いと思います。頑張って食べたのですが、どう考えても量が多すぎでありまして、結局、豆腐羹はほとんど残してしまいました。が、他のはなんとか全部完食しました。頑張りました。ベストは尽くしました。食べているときはかなり苦しかったのですが、豆腐だったので、後にはもたれなくて、助かりました。深坑老街は、来た時と反対側のこちらから入ってくる方が多いです。というのもこちら側に深坑のバス停があるからなんですね。今回のルート、地図に落とすとこんな感じになります。<A>福安居バス停<B>老街の入口<C>老街の中心付近(豆腐アイス屋さん)<D>深坑バス停(木柵方面行き)ローカルなお店もOKな方は、深坑老街でお食事も良いと思います。もしくはここではちょこっと何かをつまむ程度にし(芋圓屋さんとか豆花屋さんとか、串焼き臭豆腐とかもありますし)、坪林のレストランもしくは猫空の茶藝館で茶葉料理ってのも手です。お好みで上手く、滞在時間を調整していただければ、と。続く。にほんブログ村お茶の合間に豆腐~
2016.02.20
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さて、それでは早速、坪林茶業博物館に行きましょう。地図にある通り、川の向こう側です。橋を渡って徒歩5分って感じです。外観も白い建物になってスッキリしています。2015年8月にリニューアルオープンしたのですが、内部は全く違っていました。以前の記事はこちら。台湾お茶旅行記(15)-坪林茶業博物館コンセプトとして、最近流行りの体験展示?というんでしょうか。色々自分で触って&動かしてな展示が増えています。中に入ると、建物は3つ。右側の展示棟、真ん中の展示棟、左はお土産物店ってかんじです。では、右から行ってみましょう。<右側の展示ホール>右側の展示ホールは、お茶の作り方などを勉強できるコーナー。製茶用の道具類が色々と展示されています。古い機械と新しい機械が一緒に展示してあったりするので、お茶づくりの進化も感じますね。あとは、包種茶の包み方を体験できる?ようなコーナーも。全般的にスタイリッシュな雰囲気になっていて、ちょっと今までのイメージではないですね。<正面の展示ホール>続いて、正面の展示ホールへ。こちらは1階と地下1階の二層構造になっていて、一階は主に文山包種茶&坪林の展示になっています。文山包種茶の作り方とかもあるんですが、色々工夫がされています。たとえば、こちらの「お茶づくりの1日」というコーナー。萎凋の時などに使う竹のザルのミニチュア版があり、それを自分で引き出して見ることが出来るようなっています。まず朝は、茶摘みをして・・・深夜にはこんな作業をする、と。 こんな感じで、色々触って体験できるようになっています。品評会のやり方なども、具体的に展示されています。あとは、さすがIT先進国!な感じの展示も。たとえばこちら。お茶の包み方が文山包種茶、鉄観音、碧螺春で違うそうなのですが、その包み方が動画で見られます。どうやって?と思いますが、右側に丸っこい札がありまして、その札をカメラの場所に置くと、動画が流れるという仕組み。なかなか面白いです(^^)あとはこちら。タブレットの画面をかざすと、何もない茶杯なのに、タブレットの画面にはお茶が入っているように見える!という仕掛けです。・・・こういう技術の無駄遣いな感じ、嫌いじゃありません(笑)そんなハイテクな感じの展示があるかと思えば、こんなコーナーも。おなじみの「うふふ」という感じのこの女性の絵。なんだか分かります?裏側に回るとこうなってまして、後ろから顔を出して記念撮影が出来るんですね。顔ハメ看板好きの方は、是非お試しくださいwこのほかには地元・坪林のお茶をつかった製品の紹介があったり。上手くスポンサーに還元するとか、そういう方向を考えているようです。入場料無料なのに、スタッフの方が説明してくれたりするので、力が入っています。#しかし、やって来る人は少ない・・・茶服の展示などもありました。台湾ではお茶の服とはこういうもの、というふうになったんですね。時代の移り変わりを感じました(^^;)<地下は特設展>地下は特設展の場所になっていて、行ったときは英国紅茶な展示でした。ダージリンとかの茶産地の紹介だったり、華やかな茶器の展示などがありました。個人的に気にいったのは、このラクダですかね~(笑)<左側の建物はお土産物屋さん>左側の建物にはお土産物屋さんがあります。文山包種茶の試飲をさせてもらえますし、あとはお茶を使った様々な製品を販売しています。お菓子とか茶を練り込んだ麺線とか茶油とか。お茶は、個人的には「んー」という感じだったので、麺線とお菓子を買ってきました。いずれにしても、かなり大幅にリニューアルされています。一度来たことがある人も是非、再訪してみてください。空いているのは、ちょっと勿体無いなーと思います。入館料無料なのに。1時間もあれば十分に見て回れますので、朝の時間の有効活用にも良いと思います。坪林茶業博物館住所:新北市坪林区水徳里水聳淒坑19-1號営業:9:00~18:00休み:毎月第1月曜日と旧暦の大晦日・元旦。不定休はWebサイト、Facebookで要確認。交通:MRT大坪林駅より大都会客運・坪林行きにて坪林下車。徒歩約5分。 MRT新店駅より923番(高速経由)、緑12番(一般道経由)に乗車。坪林站から徒歩約8分http://www.tea.ntpc.gov.tw/https://www.facebook.com/pinglin.tea.m続く。にほんブログ村別物になってますよ!
2016.02.19
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タイトルは”プチ茶旅”なんですが、今回の旅行記は長いですねw#色々と集大成でお送りしております夜は総統選挙のテレビ中継をずっと見ていて、旅行記的には面白くないので割愛。ようやく3日目です。3日目は、台北郊外の茶産地である坪林と木柵(猫空)。これらを公共交通機関のみ利用して回るには、どうしたら良いか?を検証してみました。結論からいうと、とても上手く繋がるので、日本のお茶好きさんのプチ茶旅には、大変良いのではないかと。茶畑も見られますし、茶藝館もあります。<坪林へ行くには?>まずは坪林に行きます。2014年に茶業博物館がリニューアルされました。それからしばらく行っていなかったので、ちょっと行ってみるか、というのが今回の旅のきっかけです。これまで台北から坪林に行くには、MRTで新店駅へ行き、そこからバスで約1時間というルートが一般的でした。【参考】台湾お茶旅行記(14)-文山包種茶のふるさと・坪林へそのあと、雪山トンネルの開通で宜蘭へ抜ける高速道路ができました。が、初期の頃は大型バスの通行禁止とか、色んな制約があったんですよね。今は普通に高速バスがバンバン走っていて、あの規制は何だったんだ?状態になってますが。で、高速道路が出来たおかげで、坪林に行く高速バスがあるとかないとか・・・あるならあるで、情報が流れてきても良いはずなのですが、あまり流れてこず。何かモヤッとしておりました。まうぞうさんに聞いたところ「大都会客運のバスで行けるはず」という情報を耳にしました。で、色々調べてみたところ、新店より少し手前の大坪林駅から乗れるらしいことが判明。今回はそのルートで行ってみることにしました。やはり実地調査は必要ですからね~。#とことん現地調査にこだわりますw<大坪林駅のバス停は少し歩きます>朝、MRTに乗って、大坪林駅へ。バス停がどこにあるのかをこちらの乗り換えマップで探します。あ、これですね。9028番。4番出口を出てみたところ、目の前にはバス停があり、沢山のポールが立っています。・・・が、ここにはありません。階段を上ってきて、そのままの方向へ1分ほど歩くと「羅東 蘇澳」と書かれた看板が出てきます。立派な待合室のあるところでした。奥の方に切符売場があるので、そちらへ行ってみます。時刻表を見てみると、1月から変わったみたい(2ヶ月間限定?)。アップにしてみます。左が平日、右が土日ですね。毎正時に出ているようですが、時々、飛んでます。平日だと8時、11時、14時、16時が飛んでて、土日は14時、16時が飛んでます。観光目的には、土日の方がダイヤは良いようですね。路線図を見てみると、羅東や蘇澳に行くバスが一部立ち寄るということのようです。割と遠方から来るので、帰りのバスは時間がずれやすそうですね。この点は頭に入れておいた方が良いかも。売場で切符を買いました。「坪林まで」と言うと、「次は9時ね」と言われました。52元でした。1元値下げ?高速バスだけあって、距離の割にはちょっと割高ですね。近くにコンビニでもあれば飲み物でも・・・思ったのですが、近くには無いようです。事前に買ってきた方が良さそうですね。5分前ぐらいにバスが到着。乗ってみました。自由席だったのですが、すぐに降りるので前の方に陣取りました。<坪林まで30分!>バスは定刻の9時に発車。バス停を出発すると、真っすぐ高速道路のインターチェンジへ。高速に乗ると渋滞も無く、スムーズそのもの。車窓の景色は高速道路なので、面白いものではありませんが。が、高速道路はやはり偉大。なんと、30分で坪林に着いてしまいました。これは早い!でも、ろびんさんによると、渋滞すると1時間かかったりするそうです。そうなると山道を走っても変わりませんね・・・坪林が結構山深いことを知りたい方は、新店から高速道路を通らないバスに乗っても良いかもしれません。本数が減ってそうな気はしますので、調べてから行った方が良いかも。<バス停の位置関係>ちなみにここのバス停は坪林の街の中からは、ちょっと外れています。一般のバス停では、坪林国中というバス停になるようです。坪林のターミナルの次のバス停みたい。向かい側に見えるのが帰りのバス停です。一緒に降りたおばさまたちも、帰りはどこで乗れば良いの?と聞いていました。目指す坪林茶業博物館は道路を渡って、橋を渡ればすぐ。徒歩5分ぐらいのイメージです。バス停と博物館の位置関係を地図で表すとこんな感じです。※OpenStreetMapの地図を使用。<A>高速バス・坪林バス停(坪林国中バス停)<B>坪林茶業博物館<C>坪林農会の直売所<D>坪林のバス停(新店・深坑方面行きのターミナル)それでは橋を渡って、坪林茶業博物館に行ってみます。時刻は9時半。博物館は9時開館なので、ちょうど良い感じです。続く。にほんブログ村便利になりました☆
2016.02.18
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鶯歌・陶瓷老街でお昼を迎えるケースもあると思います。そこで、老街内のお食事処とお勧めのお手洗いスポット(長居するなら重要!)のご紹介を。その他、茶器購入にあたっての攻略法あれこれをまとめてみました。<お食事処やお手洗いなど>鶯歌 茶器屋さんマップ内では、緑色の四角・A~Dで記載しています。<A>鶯歌光點美学館真新しいショッピングビルにはハニートーストが名物のカフェだったり、ファーストフードのお店(頂呱呱)なども入っていて、ちょっとした食事が食べられます。重慶街側の入口には、陸羽茶藝のドリンクスタンドがあったりして、休憩にも便利です。お手洗いも新しく衛生的。お店ももちろんですが、老街歩きの拠点としても有効に活用できそうです。<B>富貴陶園重慶街にある、ギャラリーレストランといった趣のお店です。セットメニューが各種用意されており、ゆっくりと食事を楽しむことができます。お値段は300元以上からと台湾の相場からすれば高級の部類ですが、雰囲気はピカイチです。入口のところにメニューブックが出ていたりするので、それを見て判断されると良いかと。http://www.fugui-yingge.com.tw/<C>老街陶館2階の甕仔麺観瓷の入っている老街陶館2階に、簡単に麺を食べられるお店があります。フードコートに近い雰囲気なので、割と入りやすいのではないかと。甕仔麺の向かいにはドリンクを売っているお店があって、休憩にもよさそう。老街陶館はお手洗いも割と衛生的なので、その点でもお勧めできますね。<D>厚道飲食店ローカルなお店もOKの方でしたら、排骨飯や鶏腿飯の美味しい、こちらのお店。昔のレトロな雰囲気を再現した面白いお店で、週末は行列の絶えない人気店です。オリジナルの名前の付いたドリンクメニューも豊富。休憩にも良さそうです。支店が三峡の清水祖師廟の向かいにあります。https://www.facebook.com/hodow.tw<各店の品揃えとお値段>鶯歌のお店を何軒か回ると気づかれると思いますが、どこのお店も同じような商品を扱っており、あまり値段も変わりません。茶器メーカーの数は限られていますし、売れ筋の商品は大体決まっていますから、どうしてもこうなります。価格が比較的お手頃なメーカー製の茶器を購入されるのでしたら、基本的にはどこのお店でも買えると思いますし、お値段も大差ありません。なので、「見やすい」「買いやすい」「店員さんとフィーリングが合う」とか、そんな感じでお店を選べば良いと思います。お店によって違い&個性が出るのは、作家物の茶壺だったり、一点ものの商品群です。品数はさほど多くないかもしれませんが、これらはお店によって、かなり個性が出ます。「どこのお店も、そんなに変わらないな」と思ったら、こうした作家物のラインナップを見ていただくと、お店の個性やセンスなどが分かると思います。<安い茶器と高い茶器の違いとは?>茶器は本当に値段もピンキリです。初めての方ほど、どれを選んで良いのか迷われることもあるかと思います。例えば茶杯なら1つ10元の激安なものから、1000元を超えるようなものまで、本当に色々あります。安いものは規格品で、絵付けはプリント。大陸からの輸入品が多くを占めます。あんまり安いものだと形が少し不格好だったり、色が微妙だったり。安いものほど日本人好みな、シンプル&無地のものが無いんですよね。中には歪んでいたり、印刷がずれていたりするのもあります(^^;)有名メーカー製のお値段がそこそこするものは、造形もきれいですし、絵付けもしっかりしています。見栄えも勿論ですが、持ったときの感覚や唇に当たる際の滑らかさなど、お茶が美味しく感じられるような工夫が随所に散りばめられています。お値段なりの理由は、きちんとあります。一点ものや手描きの絵付けのものは、やはり高級品。お値段はかなりしますが、風格もあり、それこそ一生ものです。安物すぎる茶杯だと、せっかくのお茶の味がなんだかスポイルされるようにも感じます。個人的な経験から言うと、安くても50元前後ぐらいを1つの目安にすると良いかも、と思います。茶壺の場合、大きく違うのは水切れの良さですね。工作精度がもっともハッキリ出る部分です。良心的なお店では、水切れのテストをさせてくれたりもするので、それなりのお値段のものを買う場合は、お願いしてみることをお勧めします。あと道具ですから、やはり持ったときの感覚はとっても大事です。見た目は良くても自分の手になじまない・・・では、道具としては失格です。気になるものは、どんどん触らせてもらって、納得のいくお買い物をしましょう。なお、茶壺は小さければ小さいほど&薄手になればなるほど、生産が難しいので高価になります。それをするのにはとっても技術が必要で、職人さんの長いキャリアと弛まぬ研鑽が必要なんです。逆に言うと、有名作家さんのものでも、ちょっと大きめのものなら割とリーズナブルに購入できたりします。道具の見立ては、やっぱり身銭を切って、色々試さないと難しい部分もあります。良いものを沢山見て、実際に触り、使いつつ、時には失敗して後悔する。とにかく経験と時間(そして授業料w)が必要です。まずは手の届く範囲で少しずつ買い求め、親しんでいくことをお勧めします。上級者さんであっても、誰しも必ず通る道ですので。<よく見かける台湾の茶器ブランド>色々なお店でよく見かける茶器ブランドの特徴を知っておくと、商品を選びやすくなるかと思います。Webサイトや実際の製品を色々見てみると、スタイルや特色が少しずつ頭に入ってくるでしょう。贔屓のブランドが見つかったら、直営店でお買い物をしてみると良いと思います。直営店限定のモデルなどがあったりしますので。一部のブランドを列挙してみます。○風清堂 Facebook陶瓷老街や近くに直営店あり。記事内参照のこと。○三希 Web陶瓷老街に直営店あり。記事内参照のこと。○陶作坊 Web陶瓷老街や近くに直営店あり。記事内参照のこと。台北の永康街など市内各所にも直営店あり。○台湾丞漢 B-choice Web総合的に茶器・茶道具を扱う会社。茶器はもとより、茶巾や細かな茶道具、電気ケトルまでカバー範囲はもの凄く広いです。比較的リーズナブルな価格のものが多く、コストパフォーマンスに優れるものも多数(時に外れもあります)。最近のヒット商品は、客家の花布をデザインした茶器類でしょうか。○宜龍 Web総合的な茶器メーカー。クラシックな茶器もありますが、最近目立つのは磁器とガラスを組み合わせたモダンでアイデア商品的な茶器のライン。台北の永康街・永康公園の近くに支店あり。鶯歌・陶瓷老街に直営店はありません(2016年1月現在)。○建窯 Facebook総合的な茶器メーカー。比較的お手頃なものが多いです。シンプルで日本人好みな茶器もありますが、ゴテゴテした中国風のデザインのものも多く、好みは分かれるかも。台北・重慶北路のカルフールの向かいに典蔵陶藝行という代理店があり、そこで買うことも可能(事務所チックなので雑然としてますが)。○醇品 Webクオリティーの高い茶器に特化したメーカー。お値段は結構しますが、デザインや絵付けなどは、さすがと思うことも多いです。台北・永康街に直営のショールーム兼ショップがありますが、訪問するだけでも予約必須。○飄逸 Webボタンを押すと茶湯が落ちてくるマルチティーサーバーやポリカーボネート製の茶漉し付き水筒など、異色の茶道具を開発・生産するメーカーです。人と同じことをやらない会社なので、生産しているものはここが最初に発明したものばかり。ある意味、オンリーワンの会社です。<台北や日本との品揃え・価格差について>台北では茶器を扱っているお茶屋さんというのは、意外と多くはありません。置いてあっても「お客さんの利便性のために、とりあえず置いています」程度の力の入れ方が多く、種類が少なくてあまり選べなかったりします。また、鶯歌で買うのと台北などの市中で買うのとでは、価格差があることが多いです。#直営店でしっかりしているところなら統一価格だったりしますが。なので、欲しい茶器がいくつもある場合には、鶯歌まで行った方が色々選べて楽しい&お得に手に入ると思います。それから日本国内との販売価格差ですが、結構大きいです。茶器は重い&壊れやすいので運送費・歩留まりを見ないといけないということもあります。が、最も大きい理由としては、茶器は食品(お湯やお茶)に触れるものなので、販売目的で輸入する際には日本の食品衛生法に基づく検査が必要なためです。身体に有害なものが染み出てきたら国民が困る、ということで輸入の際には、国内の機関で検査することを日本政府が求めているのです。その検査費用分と検体の費用が価格に上乗せされてしまうので、どうしてもお値段は高くなってしまいます。そういう日本の検査制度のせいで高いのであって、お店がぼったくっているわけでは無いので、念のため。#個人で日本国内に持ち込み、自分で使用する分には自己責任なので問題ありませんが、他の人に販売すると食品衛生法違反となります。そんな理由で、日本国内では茶器は割高になります。が、割れ物・重いものを運ぶ手間が省けることや検品や商品のアドバイスなどは期待できます。「目利きに自信が無い」「どれを選んで良いか、よく分からない」という場合は、必要に応じて、国内のお店を利用するのも良いでしょう。鶯歌ガイドは以上です。にほんブログ村旅行記は続きます♪
2016.02.17
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続きまして、陶瓷老街のもう1本の見逃せないストリート・重慶街にあるお店の紹介です。写真のように庶民感覚な通りでしたが、最近は新しいスポットのオープンなどもあって、ここ数年で変化の起こっている通りでもあります。#上記の写真はちょっと古いです。以下の住所記載の後にある、「左側」「右側」というのは、育英街の方から駅へ向かってどちら側かで記しています。鶯歌 茶器屋さんマップの一筆書きルートに沿ったものですので、見る際にはご注意を。【陶瓷老街・重慶街】<11>観瓷重慶街にある煙突が目印のショッピングビル・老街陶館の2階にある茶器・茶道具のお店です。茶壺、蓋碗、茶杯、茶盤、各種茶道具類など何でも揃います。他と比較するとガラス製品の品揃えが多めのような気もします。割と穴場的な場所なので、比較的空いていますし、お店がそんなに広くない割にはディスプレイが見やすく、通路の幅も広いので、ゆっくり商品を吟味できます。日本人好みなお店かと。店員さんに声をかけやすいというのも、結構見逃せないポイントかも。住所:新北市鶯歌区重慶街95號2F(右側)<12>陶作坊 鶯歌重慶店陶作坊の支店です。こちらは文化路店よりもお店が広いので、商品の展示にも気が配られていますし、ゆっくり商品選びができそうです。新製品などをゆっくり見たいなら、こちらかも。アウトレット商品もほんの少しですが置いてある時もありました。住所:新北市鶯歌区重慶街126號(左側)<13>文化壺藝茗坊老街陶館の向かいにある青い看板のお店。台湾の手作り茶壺の品揃えが豊富。色々装飾を施したものが目立ちますが、日本人好みのシンプルデザインの商品もあり、お値段は比較的お手頃。ショーケースに入った商品も見やすく、ゆっくり商品が吟味できそう。茶壺を買うならチェックして損は無いお店かと思います。住所:新北市鶯歌区重慶街108號(左側)http://www.topcreator.com.tw/Demo-culture-teapot/<14>鶯歌光點美学館こちらはお店ではなく、ショッピングビルです。2015年2月オープン。中には陸羽茶藝のお店や柴焼の専門店、茶葉店などのほか、様々なお店が入っています。このビルができてから、重慶街はだいぶイメージが変わった印象です。住所:新北市鶯歌区陶瓷街18號(右側)Facebook<15>和昇茶陶坊重慶街を歩いていると、途中で少し膨らむように分岐し、元に戻る道があります。その膨らんでいる側の小径にある、茶器や茶道具を総合的に扱うお店です。家族経営な雰囲気の漂う庶民的なお店で、店内は少し雑多な感じ。他のお店にある商品でも、お値段がほんのり安いものもあったりして、お買い得商品も見つかりそうです。住所:新北市鶯歌区重慶街62-2號(左側)<16>子士小舗重慶街の比較的駅寄りの方にある、茶器や茶道具を総合的に扱うお店です。開放感があって入りやすい印象。お店はあまり広くはないのですが、所狭しと様々な茶器や茶道具が置いてあります。三希の商品などが多く、日本人好みなものが多くあります。ただ、通路が狭い上に、人気のお店なのかお客さんがひっきりなしなので、荷物を商品にぶつけたり引っかけたりしないよう、ちょっと注意が必要かも。住所:新北市鶯歌区重慶街63-1號(右側)<17>騰龍陶瓷老街の入口にほど近いところにある、茶器や茶道具を総合的に扱うお店です。入口のドアが重たそうで、入るのに少し勇気が要るかもしれませんが、入ってみると、奥まで広い店内で、商品もとても見やすいお店です。メーカー製茶器を中心に商品アイテム数もかなりあり、茶巾やマット類の品揃えも豊富。日本人好みの商品も多いです。店員さんがいつもお店の奥のレジ付近にいるので、用があるときは呼びに行かないといけないのが、ちょっと難点。時々、子士小舗の値札の付いた商品もあって、おそらく系列店だと思います(子士小舗の社長の名前が騰龍さんなので)。向こうでゆっくり見られなさそうなら、こちらが良いかも。住所:新北市鶯歌区重慶街55號(右側)次はお食事処や攻略法などを。続く。にほんブログ村茶道具を見るなら、こちらでしょうね
2016.02.16
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続きまして、陶瓷老街のメインストリート・尖山埔路にあるお店の紹介です。鶯歌でお買い物をしている感のある通りなので、ぜひ歩いてみたいところです。以下の住所記載の後にある、「左側」「右側」というのは、駅方面から向かってきてどちら側かで記しています。【陶瓷老街・尖山埔路】<4>禮享陶坊老街に入ってすぐ。線路を渡る跨線橋歩道の前ぐらいにあるお店です。こちらのお店は作家物の茶壺の品揃えが多く、それも日本人に人気の呉政憲の作品などがあったり、小ぶりの茶壺も多いので、日本人好みのお店だと思います。「安い」というよりは「良いものを揃えている」という印象ですが、お店は庶民的な雰囲気で、お値段も割と抑えめ。水を入れてのテストをさせてくれたり、面倒見も悪くなく、買いやすいお店ですね。日本人とみるや、書籍『はじめての台湾茶』に載っていることをPRしてきたりするので、日本人はウェルカムのようです。作家物の茶壺が欲しいなら、ぜひ覗いておきたいお店です。住所:新北市鶯歌区尖山埔路8號(右側)Facebook<5>風清堂 老街茶器館ご存じ風清堂。老街にもお店が複数ありますが、どこもレイアウトは明るくきれいなイメージ。比較的入りやすいです。ここは真向かいにもお店があって(★は省略)、妙に密集している感があります。写真のお店が「老街茶器館」で、お茶寄りな品揃えです。反対側のお店は「老街藝術館」で、壺などが多いですが、茶器も少し置いてます。住所:新北市鶯歌区尖山埔路30號(右側)※老街藝術館は、尖山埔路15號(左側)<6>三希よく見かける茶器メーカーの1つ・三希のお店です。大きなお店ではありませんが、三希の商品が色々置いてあります。三希の茶器は割とシンプルなデザインでカチッとしたつくり。指に少し水をつけて縁をこすると甲高い音のする響杯が有名です。あちこちのお店で三希の商品は見かけると思いますが、ブランドのイメージショップ的なところでもあるので、チェックしてみると良いかもしれません。住所:新北市鶯歌区尖山埔路31號(左側)<7>弘祥茗壺総合的に茶器を扱うお店です。割と庶民的なイメージで入りやすいかと。店頭には1つ10元というような激安な茶杯、茶器が並んでいます(ほこり被ってたりしますけど)。間口は広くありませんが、奥に長細いつくりで、茶壺の品揃えも多いです。茶壺に関しては、手前の方は比較的お手頃ですが、好みは分かれそう。奥の方に行くほどにお値段も高くなります。尖山埔路の中では、茶道具類もそこそこある方だと思いますので、その点では重宝するかも。住所:新北市鶯歌区尖山埔路37號(左側)<8>鎮勝陶坊駅方面から尖山埔路をしばらく歩いて行くと、右側に陶瓷街という小さな通りが出てきます。そこを越えて、2軒ぐらい先の左側にあるお店です。茶壺がメインの品揃えのお店ですが、高山茶・プーアル茶などお茶も並べていたりします。安めの茶壺の他、1500元ぐらいからのお手頃な手拉壺(手作り茶壺)が結構あります。入門編にはいいかも?と思いますが、デザイン的には好みが分かれそうです。好みに合えば、ですね。住所:新北市鶯歌区尖山埔路59號(左側)<9>陶禮陶坊尖山埔路と育英街の交差点付近。セブンイレブンの真向かい、左側にある店舗です。「ん、さっき似たような名前のお店無かったっけ?」と思うかもしれませんが、その通り。<4>で紹介した、禮享陶坊の姉妹店です。少し奥まった場所にある分、ゆっくり見られそうです。こちらはお店としては少し小さいので、茶壺の品揃えは少なめ。ただ、メーカー製では無い、蓋碗の良いのがあったり、煮水器も良いのがあったり、と良いもの揃えるお店だなーと思います(勿論お値段はちょっとしますけど)。住所:新北市鶯歌区尖山埔路105號(左側)Facebook<10>臻味茶苑番外編で茶葉の専門店です。看板には「茶器」と書いてありますが、置いてませんw尖山埔路を育英街を越えてズンズン突き進み、鶯歌国小の校門の前ぐらいにあります。こちらは、福山雅治とCMで競演したことで有名な、呂禮臻老師のやっているお茶屋さんです。茶人の好みそうなお茶が揃っています。台北に現在2店舗(迪化街と永康街)に支店があり、そちらで買うことをお勧めしますが、「どうしても呂老師に会いたい!」という場合は、こちらに来ましょう。ただ、茶藝界の有名人のため、出張で不在のことも多いのと、お茶は呂老師とお話しして出してもらうスタイルなので、一見さんには厳しいかも。まずは台北のお店に通って、ファンになったらどうぞ。住所:新北市鶯歌区尖山埔路169號(左側)台北の支店:(迪化街)台北市迪化街156號 Facebook(永康街)台北市金山南路二段13巷19號 Facebook次は重慶街編です。続く。にほんブログ村こっちは茶壺屋さんが多い印象ですね。
2016.02.15
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というわけで大渓から桃園経由で鶯歌に到着しました。お茶好きのみなさんは、大体、陶瓷老街のお店で茶器を買われると思います。初めての方でも、こちらを歩けるような地図を作成してみました。2016年の最新版です。※OpenStreetMapの地図を利用しています。小さくて見にくいかもしれませんが、ブログの限界です。ご容赦ください。スマホで見て、画像を保存するなどして、上手く活用ください。上記のマップに従って、ご案内をしてみます。※なお、台北から鶯歌駅までの行き方は、こちらを参照ください。台湾・茶器と茶荘めぐり(2)-鶯歌への行き方&陶瓷博物館<鶯歌駅から陶瓷老街への行き方>鶯歌駅から茶器屋さんの集まる陶瓷老街までは、少し離れています。徒歩で約10分ぐらいかかります。比較的歩きやすい道順は、上記の地図に青い矢印で書き入れています。スタートは右上にある鶯歌駅です。1.鶯歌駅の改札を出たら、右側へ。文化路の出口へ行きます。2.駅を出たら、駅を背にして右の方へ。青い矢印の通りに道なりに進みます。少し下り坂です。3.交差点に出ます。以前は歩行者用信号がなかったのですが、最近はあるので、それを使って鋭角に右折します。4.ガード下を通って線路をくぐります。くぐってすぐの交差点を左折します。5.少し上り坂を道なりに登っていくと、冒頭の写真の場所へ出ます。陶瓷老街は、地図では左の方の星マークが密集しているあたり(赤いエリア)。尖山埔路と重慶街、育英街を三辺としたトライアングルになっています。冒頭の写真はその頂点部分で、左が尖山埔路、右が重慶街です。このうち、尖山埔路は街並みが整備されて、いわばメインストリートのような感じになっています。<お店の紹介>では、地図の星印の番号順に簡単にお店(基本、茶器店)のご紹介を。駅から陶瓷老街に進み、尖山埔路→育英街→重慶街と一筆書きで進めるように番号を振っています。さて、お店の選定基準です。お皿がメインで茶器も置いているお店というのは、陶瓷老街にも結構あります。が、そうしたお店は外して、茶器がメインの専門店と思われる店に絞りました(1軒だけ茶葉専門店があります)。あとは、このブログの特性を考え、初心者さん~中級者さん向けのお店にしました。上級者の方になると、好みのスタイルがハッキリしてくるので、スタイルが合わないと紹介しても意味がありません。自分で探しましょう。初心者の方でも入れるということで、あんまり高級そうだったり、マニアックすぎるかも、というお店は外してます。比較的オーソドックスな、普段使いか若干よそ行きな程度の茶器を扱うお店がメインです。また、仕入れ向きの問屋も外してます。#プロの方は自分の足で苦労して探してください。商売にするつもりなら、ネットの情報に安易に頼るような横着をしてはいけませんw【鶯歌駅から陶瓷老街・陶瓷博物館への途中】<1>風清堂 藝品部日本人の評価も高いメーカーである風清堂。その本社の横にある、あまり飾り気のない直売部です。風清堂の茶器は、デザインはオーソドックスながら薄手で使いやすく、お値段もプリントもののお手頃なものから手書きの高級なモノまで幅広くあります。初心者さんから上級者の方まで、長くお付き合いできるメーカーではないかと。こちらのお店は駅から近いからか、日本人の方もよく訪れるようで、店員さんは日本人慣れしてます。(このブログのせい?笑)日本語は通じませんが、電卓叩いて金額を見せてくれたりするので、お買い物しやすいかもしれません。少し重いものを買うときにも重宝しますし、在庫も多いので、同じ商品のまとめ買いにも便利です。<2>風清堂 茶具部陶瓷老街へ曲がる交差点付近にある風清堂の支店です。こちらは少し照明を落とした、シックな店構え。茶器をメインに扱っていて、ディスプレイも上手なので、茶席のイメージなどは湧きやすいかも。<3>陶作坊 文化路店陶瓷博物館へ向かう途中にある、茶器メーカー・陶作坊の支店です。陶作坊の茶器は、温かみのある色合い・印象の茶器が多く、特にアルコールランプ式の煮水器セットは大ヒット商品になっています。支店は多数ありますが、こちらのお店の魅力は少し難ありのアウトレット商品があること。市価の6割引きという破格値で、少しピンホールのある商品などを販売しています。この3店舗については、過去記事も参照下さい。台湾旅行記2012初夏(3)-鶯歌の茶器屋さん(文化路編)次は陶瓷老街・尖山埔路編です。続く。にほんブログ村今回のを一応、決定版としたいと思います
2016.02.14
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大渓老茶廠の見学を1時間ちょっとで終えましたので、次は大渓老街に行きましょう。帰りのバス停は、道路の反対側です。11時35分のバスに乗りまして、大渓老街を目指します。台湾好行バス・小烏来線には大渓老街のバス停が2つあります。1つは中山路老街(新南老街)で、もう1つは和平路老街。順番としては手前の中山路老街で降りるのが良いのでしょうが、お昼を食べたいので、和平路老街で降りました。#最初のバス停を無視したら、運転手さんに「ここで降りないの?」と聞かれましたw<百年油飯>大渓の街の中に着いたのは、ちょうど12時なので、まさにお昼時ですね。バス停から少し戻り、民権路の交差点を入ります。ローカルな市場の中を突っ切りまして、やって来たのはこちらのお店。百年油飯さんです。清の時代に行商から始まったお店だそうで、百年以上続いているから百年油飯とのこと。ローカルな食堂という感じです。席を確保してから、並んで注文するスタイルです。私は席を確保せずに、並んで空きが出るだろうという前提にしていたら、ちょうど空いたのでラッキーだったかも。こちらの看板メニューは、おこわのような油飯なのですが、看板メニュー3種がセットになった「百年三寶」というのがあったので、それを注文しました。油飯、肉捲、肉羹湯がセットになったものです。油飯は味が程良く染みて美味しいです。少し重たいかなーと思っていたのですが、少し甘辛のソースがかかっていて、これをつけて食べるとだいぶ軽い感じで食べられます。肉捲はなかなかボリューミー。かまぼこのような食感なので、美味しく食べられます。2種類のソースを使い分けて食べると飽きませんね。スープも具だくさんで、この3つで十分満腹ですね。120元は若干観光地価格ですが、まあ悪くないかと。游記百年油飯住所:桃園市大渓区民権路17号https://www.facebook.com/BaiNianYouFan/<和平路老街と新南老街>食事を終えて、角を右へ。和平路老街に出てきました。やはり、週末は人が多いですね~。こちらはお土産物屋さんあり、食事のできるお店もありなのでローカルな食堂OKの方なら、食事をとるのも良いと思います。衛生的な面で不安が・・・という方は、大渓老茶廠で食べてきた方が良いかも。大渓は水が良いということで、豆腐関連商品(有名な豆干とか)が有名なので、軽く豆花を食べるのもいいかもしれません。和平路老街を歩いて、川の方に向かっていくと、福仁宮が。その先の角を左に曲がると、川沿いの公園などが整備された道に出ます。トコトコ歩いて行くと、右手に蒋介石の銅像が出てきたり。もうちょっと先に行くと、日本時代の建物である武徳殿なども出てきます。その手前の路地を入れば、中山路老街とも呼ばれる新南老街。こちらの方が人は少なくて、日本人の好きな老街かな、と思います。和平路老街の入口から、新南老街まで寄り道せずにぐるっと散歩をすると、大体30分ぐらいでしょうか。かなり端折って説明しましたが、大渓の観光は、以前の旅行記を参考にどうぞ。台湾かけあし旅行(3)-大溪の中山路老街と中正公園台湾かけあし旅行(4)-大溪の和平路老街細かくみていくと、2時間とか3時間ぐらいは楽しめるかと。<大渓のバスターミナル>新南老街の少し先の交差点付近にバスターミナルがあります。大きなバスが出入りしているので、すぐに分かるかと。大渓バスターミナルからは各地へ行くバスが出ているので、ここから三峡や鶯歌へ直接行くこともできます。ただし、台湾好行バスはここを通らないので、好行バスに乗るには大通りまで出ないと行けません。私はここから、直接鶯歌にバスで行ってみようと思ったのですが・・・鶯歌行きは一番右の列。11:55の次は14:40、16:05と、あまり本数がありません。んー、これ、タイミングを合わせるのが、なかなか難しそうですね。13時台があればベストだったんですが。三峡経由で鶯歌に行く手もありますが、普通のバスは停留所に各駅停車なので、時間かかりますからね。鶯歌に夕方到着してもお店が閉まってたりするので、このへんは何を優先するかで決まりそうですね。ちなみに2016年1月現在のバス料金は以下の通り。桃園まで46元、鶯歌45元、三峡46元です。悠々カードも使えるので持っていると便利です。なお、鶯歌行きのバスは、鶯歌駅の博物館寄りの出口に発着するようです。終点2つぐらい手前の加油站バス停で降りれば、鶯歌陶瓷博物館と陶作坊文化路店の間あたりなので、陶瓷老街に行くのにも便利ではないかと。私は鶯歌に早めに行きたかったので、一旦、桃園に出て、そこから電車で鶯歌へ向かいました。桃園駅の1駅隣が鶯歌駅なので、バスの時間が合わないようなら、これが一番早そうです。続く。にほんブログ村午前中に老茶廠。昼は老街で、午後は鶯歌or三峡ってのがお勧めですね
2016.02.12
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というわけで、大渓老茶廠へやってきました。<大渓老茶廠とは>こちらは元々、日本統治時代の1926年に、三井合名会社が作った角板山工場です。三井というよりも、日東紅茶というブランドの方がピンときますね。かつては輸出用紅茶を主に生産していて、最盛期には年間約600トンの紅茶を作っていたそうです。戦後は政府直轄の台湾茶業公司、そこが民営化された台湾農林の手に渡って生産が続けられました。が、1956年に火災が発生。1959年に再建したものの、その後は国際市場の動向などもあり、生産量は減少。ついに1995年に、生産を停止しました。しかし、2010年に観光施設として生まれ変わり、今日に至るとのことです。火災に遭ったとはいえ、再建の際には総統・蒋介石の要請で当時の構造を忠実に再現したとのことです。観光施設へのリニューアルによって、新しい建築と当時の建築が入り交じった面白い建物となっています。入口を入ると、お茶の販売コーナーになっています。コンクリート打ちっ放しの空間に、美しくデザインされたお茶の缶が整然と並んでいる姿は、なかなか格好いいです(^^)照明なども吊り下げライトになっていて、モダンな空間ですね。順路としては、2階→1階と回るのが正解のようなので、レジカウンター奥にある通路から、2階へ上がってみます。1階にはカフェもあって、簡単なランチもとれるようです。<2階は発酵を考えた機能的な作り>2階の多くは室内萎凋の場所になっています。木を組んで作った高い天井になっています。天井が高いのはイギリス式なんだそうです。このフロア、紅茶の命である発酵を左右する、萎凋を行っている場所です。それだけに、特に空気の流れには、ものすごく工夫がされているようです。このような大型の換気扇がいくつもあったり、1階の機械(乾燥機)から発せられる熱を上手に活かすため、大きな空気穴が設けられていたり。窓は空気を取り入れやすいよう、90度回転する開口部の大きい作りになっていたり。 この窓は日本スタイルだそうです。そういえば、昔の木造校舎の窓っぽいですねw萎凋棚の棚はヒノキで作られていました。奥の方の空間には台湾のお茶の品種の紹介があったり、当時の電気工事図面なども展示されています。非常に機能的なつくりになっているのですが、それゆえの機能美を感じられるステキな空間です。しばらく見学をしてから、バルコニーに出てみました。なんとなく懐かしさを感じる佇まいですね。もっとも、こうした古い部分と新しい部分が組み合わされている感じです。中庭の池はこんな感じですし、カフェコーナーなどはガラス面の多いスタイリッシュなものになっています。<1階には古い機械や日本時代の展示物も>続いて、1階の展示コーナーへ。こちらには昔工場で使われていた古い機械が展示されています。こちらはパッキングマシーンだそうです。歯車がたくさん付いていて、実にメカメカしいつくりです。農家の孫的には、唐箕(とうみ)だ!と思いましたが、原理は一緒ですね。風の力でお茶を選別する機械だそうです。軽いものほど遠くに飛んでいくわけです。こちらはお茶の切断機械だそうです。こうした機械があちこちに置いてあります。当時としては機械をたくさん導入した、最新鋭の工場だったことを偲ばせます。年産約600トンというのは伊達ではないです。また、当時の工場の写真があったり、昭和十九年度と書いてある、日本時代の資料なども展示されています。ちなみに三井合名が最初に台湾に進出したときは、このような出張所から始まり、次々と工場を作っていきました。こちらの工場は大正十五年に作られたのですね。三井は、いくつもの場所に工場を作って、様々なお茶を生産していたようですが、輸出用の紅茶はここが主に担っていたようです。日本にせよ台湾にせよ、特段資源はない国です。なので、こうして一生懸命、外貨を稼いでいたことが分かりますね。と同時に、当時の日本は、紅茶作りにかなりの技術を持っていたことが分かります。これをもう一度復活させたら、国産紅茶も面白いのに、と思いました。なお、こちらではすぐ近くに茶園はないのですが、台湾農林は少し離れたところでお茶を栽培しており、ここで実際に製茶も行っているそうです。その区画はこんな感じでした。ここの販売コーナーに並んでいる有機の緑茶や紅茶などが、その商品のようです。コスト的には海外産には敵わないので、特色のあるお茶に絞って生産しているようです。<有機のお茶が主力>ぐるっと工場を回ってきまして、販売コーナーに戻ります。ゆっくり見ても1時間弱ですね。お茶の品揃え的には、有機の紅茶と緑茶が主軸のようです。この他、伝統的なパッケージを復刻したと思われる、どことなく懐かしいスタイルのお茶も。ここは建物もそうですが、缶のデザインもスタイリッシュになっていて、デザイナーさんがキチッとデザインコンセプトを詰めて作っている感じがします。ここを持っている台湾農林は、大きな会社なので、このへんはさすがですよね。#術中に見事にはまりまして、お茶を4種類ほど買ってきましたwなお、販売コーナーの中にも、色々な機械が置いてあります。こういうのが置いてあっても、違和感が無く、オブジェのように溶け込んでいます。気になったのが、なぜかプーアル茶推しなところですね。こんな、プーアル茶の壁みたいなのもありましたし、自由に試飲できるお茶がなぜかプーアル茶…そこは紅茶じゃないんかーいと突っ込みを入れたくなりました(笑)おそらく、中茶の台湾の代理店になっているんでしょうね。大手の会社はお付き合いも色々大変ですw<日本統治時代の台湾茶を知りたい方にオススメ>大渓老茶廠は、日本統治時代のお茶づくりや歴史に興味のある方には面白いところだと思います。見学は大体1時間~1時間半程度で見終わると思いますので、好行バスで訪れるには便利かと。もう1時間ぐらい足して、カフェコーナーでお茶を飲んだり、ランチをとるのも良いかもしれません。ただ、その場合は早めに行った方が良いと思います。朝一番はさすがにガラガラでしたが、11時頃には、かなりお客さんが増えてきていたので、休日のランチは争奪戦になるかも、と思いました。残念ながら茶畑は見られませんが、大渓の古い建物巡りと併せて回ると、とても良い観光コースになりそうですね。大渓老茶廠住所:桃園市大溪區新峰里1鄰 復興路二段732巷80號営業:10:00~17:00(1日に3回ほど、スタッフの方が工場を案内してくれるそうです)休み:無休 …のようですが年末年始、春節期間などは確認した方が良いかもアクセス:台湾好行バス・大渓老茶廠バス停下車 徒歩2分(休日のみ) 大渓バスターミナルから復興行きに乗り水流東バス停下車 徒歩2分http://www.daxitea.com/にほんブログ村美しい工場です♪
2016.02.10
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翌朝。今日は大渓老茶廠へ行きます。大渓老茶廠~大渓老街~鶯歌の1日プチ茶旅です。旅の出発は台鐵・台北駅から。まずは桃園を目指します。各駅停車で行っても良いのですが、時間的にちょうど良かったので自強号に乗車しました。9時桃園発の台湾好行バスに乗りたいので、この時間は絶妙なのです。桃園駅に着いてみると、駅舎が新しい駅舎に切り替わっていました。橋の上にあるタイプですね。旧駅舎と線路は撤去工事をしてました。上記の写真でいうと、右側の出口へ行きます。好行バスの看板が出てますね。右側はあまり栄えていない、いわば駅裏なので、割と広々してます。奥の方に見えるのが桃園客運のバスターミナルです。以前の駅舎より駅裏に移動したので、バスターミナルが分かりやすくなったのは良いですね。前に来たときは迷いましたから…ファミリーマートのところまで行くと、ターミナルの建物がハッキリ見えます。ちなみにこのへんは東南アジアな方向けのお店がたくさん。台湾じゃないみたい…バスターミナルの中へ入ってみると、こんな感じです。よくあるタイプのバスターミナルです。切符売場は閉まっているので、どこで切符を買えば良いか…と思ったら、こちらのお兄さんの所ですね。ここでお兄さんに声をかけて、好行バスの一日券を買います。これで1日、乗り放題です。定価は150元なのですが、シーズンオフだからか2割引の120元でした。一緒に各バス停の時刻表もついてくるので、大変便利です。時刻表です。10時迄は30分おきですが、それ以降は本数が少なくなります。そして、注意すべきは運行日です。この台湾好行・小烏来線は、休日(土日と台湾の祝日)のみの運行なのです。好行バスだと、大渓老茶廠まで一本で行けますが、平日の場合は大渓バスターミナルで、復興行きのバスへ乗り換えが必要です。ちょっと面倒ですが、平日の方がゆっくり見られると思うので、そのへんはトレードオフですね。大渓老茶廠までは、ここから大体1時間ぐらいかかります。朝10時オープンなので、9時発のバスで行くと、オープンと同時に入れる感じです。休日は割と混み合うので、この時間が良いのではないかと思います。一番右側のレーンからバスに乗車。こんなバスです。乗ってみると、一般バスと変わらない感じですね。休日のみ運行なので、台湾好行バスの中でも、ローカル感が漂う感じです。バスは市内を抜けて走っていきますが、やはりそこは好行バス。止まる停留所の数が少ないので、一般路線と比べると、早く着きます。大渓老街までが大体30分強でしょうか。バスはそこからさらに山の中へ入っていきます。このバスが走るのは、省道7号線。北部横貫公路という台湾北部の中央山脈を突っ切る横断道路です。なので、割と険しい感じの道を走っていきます。目的地の大渓老茶廠からもう少し山の中に行くと、新興の高山茶産地としても知られる拉拉山に至ります。大渓からしばらく走ると、慈湖へ。このへんは蒋介石・蒋経国の墓所があるところです。バスは何故かトイレ休憩のため、経国記念館に5分だけ停車。運転手さんがタバコを吸いたかっただけのような気もします…(^^;)バスはさらに山道に入っていき、くねくねした道を走ります。桃園市復興区(かつての桃園県復興郷)の入口付近にある大渓老茶廠バス停で下車しました。ここで下車したのは私だけでした。他のみなさんは、この先にある小烏来スカイウォークが目的地みたいですね。一般のバス停だと、水流東というバス停になるようです。大渓バスターミナルから、復興行きのバスに乗れば30分か40分だと思います。バス停を降りて、住宅街の道を2分ほど歩くと大渓老茶廠です。台北駅から順調なら2時間弱の小旅行ですね。続く。にほんブログ村日帰り茶旅にいかがでしょう?
2016.02.09
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入国審査の長い行列もあり、台北行きのバスに乗れたのは、午後5時。金曜日の夕方ということで、嫌な予感はしていましたが、案の定、高速道路から断続的な渋滞に捕まります。台北駅からMRTを乗り継いで、ホテルに到着。この時点で、既に6時半過ぎてました。午後出発の桃園着の便だと、やっぱり初日はほとんど動けませんね。<金峰魯肉飯へ>とはいえ、今回はとにかく時間が無いので、お茶屋さんを1軒攻略することにします。その前に途中の中正紀念堂駅で降りて、金峰魯肉飯でご飯を食べていきましょう。夕食時なので少し並びましたが、回転が速いので、10分もしないうちに席に着けました。やはりこちらが美味しいですね。個人的には、刻んだセロリの入ったスープを飲むと「台湾に来たな」という感覚になりますw<春點・Spring Pointへ>お腹も落ち着いたところで、MRTにもう一度乗り、新店方面へ。4つ先の萬隆駅で降ります。公館駅の次です。1番出口を出たら右へ。新店方面に歩道を進むと、1分ほどで右手にお店が見えてきます。春點さんにやってきました。こちら、このブログできちんとご紹介するのは初めてですが、今回で3回目の訪問です。リピートしているのには理由がありまして、非常に特色のある面白いお茶を扱っているからです。とはいえ、写真のように、いわゆるお茶屋然としたお店では無くて、若い人がふらっと入って来られるような明るいお店。入口には試飲台の代わりのカウンターがあり、奥にはテーブル席やソファー席があり、カフェのような雰囲気です。オーナーさんも若くて30代半ば。最初はネットショップから始めて、こちらの実店舗をオープンしたそうです。「若い方に、伝統的な烏龍茶の良さを伝えたい!」という想いを持ったお店で、講座をやったりもしています。伝統的なお茶屋さんというよりは、日本の中国茶専門店のようなお店ですね。<喫茶もやってます>喫茶営業もしておりまして、店内には簡単なカフェスペースがあります。こちらでマグカップ一杯飲み切りスタイルでお茶を提供しています。初めて訪問したときに、喫茶で飲んだのはこちら。プロモーションで1杯99元のお茶でしたが、発酵度高めな蜜香のお茶でした。「急須で1煎1煎、丁寧に淹れる」をマグカップたっぷりになるまで繰り返すので、ちょっと時間はかかります。が、待つだけあって、かなりフルーティーな香りと蜜香の感じられるお茶です。そんなお茶がたっぷり入って、このお値段は破格の安さです。WiFiも入るので、ちょっとした休憩に良いかも、と思います。茶藝館ほどでは無くても、しっかりとしたお茶を気軽に飲みたい向きにはお勧めできますね。<どこかで見たことのあるお茶の名前が…>さて、こちらで扱っているお茶の口上が壁に書かれています。最近流行りの軽発酵のお茶では無くて、伝統的な製法できちんと発酵された、果物や蜜のような味のお茶を扱っていると書いてあります。その横には、扱っているお茶の名前が並んでいますが、中には肉桂烏龍茶とか黄金桂烏龍茶というものもあります。これも、もちろん台湾産。「ん、発酵をきちんとさせた烏龍茶に、台湾産の肉桂とか黄金桂?」と、ここでピンと来た方もいらっしゃるかもしれません。そうなんですね、実はオーナーさんのお父様は、意翔村茶業で働いていた方。なので、お茶はかなりの面で共通しています。ただ、ちょっと違うのは販売の仕方でして、こちらは取り扱っているお茶を全てメニューに載せています。種類にして30種類か40種類ぐらいでしょうか。全て台湾産のお茶なのですが、凍頂烏龍茶、阿里山高山茶のような耳馴染みのあるお茶だけではなく、鳳凰単叢(こちらも台湾産)とか、愛麗絲(アリス)美人茶とか桃楽絲(ドロシー)とか、なんだこれは?というお茶も色々並んでいます。木柵鉄観音にしても、鉄観音品種で作った正叢の他に、別の品種で作ったものも置いてあったりします。お値段もお手頃なものから、そんな高いお茶もあるの?というのまで、均しくメニューに並んでいます。ある意味、画期的。台湾の烏龍茶は、発酵、焙煎それから品種の組み合わせで色々な味や香りのお茶になるのですが、そういうのを整理して知りたい方にはピッタリのお店なんですよね。清らか系がお好きな方にはあまりお勧めできませんが、「果物とか蜂蜜とか、お茶でそんな香りがするはずは無い」と思っている方とか「青いのはちょっと苦手で…」という方には是非行っていただきたいお店です。意翔村だと、ある程度顔なじみにならないと、定番以外のお茶をオーダーするのが難しいのですが、こちらは誰にでも門戸が開かれている感じなので、日本人の方も買いやすいと思います。<お茶を買うときはカウンターで試飲できます>お茶を買うときは、入口付近にあるカウンターで試飲ができます。こちらの試飲は、基本的には蓋碗を使用します。小ぶりの蓋碗に茶葉をかなり少なめの2gか3gぐらい入れ、少し長出しするスタイルです。台湾のお茶屋さんだと、茶葉をガサッと多めに入れて、早めにサッと出すというスタイルも多いのですが、これだと茶葉の欠点を隠しやすいんですよね。敢えてそれをやらない、というのは茶葉に自信があるから、と言えると思いますし、日本人のお茶淹れスタイルには合っているかな、と思います。日本で買うと台湾茶はやっぱり高いですから、少しずつ消費しちゃいますよね。その飲み方でOKの淹れ方をやってくれるので、日本に帰ってきてから味を再現しやすいのでは、と思います。<変わったお茶4種を試飲>私は、既に店員さんに顔バレしていますので(苦笑)、新入荷の珍しいお茶4種類を勧められました。左から、・鳳凰単叢紅茶・杉林渓包種茶・梨山凍頂烏龍茶・梨山正叢鉄観音です。台湾茶に多少馴染みのある方ほど、「それは一体何だ?」という感じですよね(笑)鳳凰単叢紅茶は、南投縣に植えられた鳳凰水仙種から作った紅茶です。複雑な甘い香りで、これはちょっと他では飲めないタイプのお茶ですね。杉林渓包種茶は、杉林渓の茶葉を文山包種茶のように製茶したもの。香りは確かに軽快なのですが、飲んでいくと杉林渓高山茶と共通する香りがしっかり出ていて、杉林渓の味だ!と感じます。産地の味ってのは、こういうことだな、と分かる一品。梨山凍頂烏龍茶は、梨山の茶葉を凍頂烏龍茶の伝統的な製法で仕上げたもの。市販されている梨山は割と軽快タイプが多いですが、こちらはグッと梨山の特徴である果物の香りというのが出てきています。で、余韻はものすごく長くて、さすが梨山!でした。梨山正叢鉄観音は、梨山で鉄観音品種を植えている農家さんがありまして、そこの鉄観音を使ったもの。高山気の出ている鉄観音という、非常に面白いお茶でしたね。…と、ちょっと”まにあっく”な方も唸るようなお茶が出てきたりします。もちろん、それだけでは無くて、リーズナブルラインのお茶も発酵をバシッとさせたフルーティーなお茶ですし、色々なお茶を納得いくまで試飲させてくれるので、初心者さんにも安心です。ウンカに咬ませた蜜香系のお茶の品揃えも多く、他のお茶屋さんには無いタイプの甘い香りのお茶が欲しい方には行っていただきたいお店です。<日本語のできるスタッフさんも>なお、お店には日本語のできるスタッフさんがいます。お茶の方はまだ勉強中なので、込み入ったお茶の話はオーナーさんがいるときの方が良いですが、日本語でもお買い物ができるのは安心かもしれません。日本語のTwitterを運営されているので、行かれるときはメッセージなどで確認されると良いと思います。というわけで、観光客の方向けのお茶屋さんに物足りなさを感じる方とか、発酵度高めのお茶が好きな方は、ぜひ行ってみて下さい。気軽に行けるお店の割には、なかなか筋の通ったラインナップなので、行く度に発見があるかと思います。最近、クレジットカードも利用できるようになったので、お買い物もしやすくなりました。ただ、こだわりのお茶であるがゆえに、1つ1つのお茶の在庫量はやや少なめ。品切れも結構あります。2,3日あれば取り寄せもできるとのことなので、到着初日に行ってみるのが良いかもしれません。春點・Spring Point住所:台北市羅斯福路5段262-1號営業:9時~22時アクセス:MRT松山新店線・萬隆駅1番出口を出て右へ。徒歩1分。http://www.springpoint.com.tw/https://www.facebook.com/springpointhappytime/(Facebook)https://twitter.com/springpointtea(日本語Twitter)にほんブログ村親切なお店ですよ(^^)
2016.02.05
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今回の台北行きでは、トランスアジア航空(復興航空)を利用してみました。最近、台湾路線ではこの会社が最安値になることが多いですし、60日前迄なら往復で9,800円!(2016年1月28日以降の発券分は11,800円だそうですが、それでも安い)という激安料金だったりもするので、気になっている方も多いんじゃないかと。もっとも、例の事故連発がありましたので、そこを懸念される方も多いとは思います.まあ、評判やクチコミだけでは実態が分からないので、どんなものか乗ってみようと、ヒトバシラーしてきました。#行く前は、周りからさんざん「命知らず!」とか言われましたが、これを書けているということは、本当の”人柱”にはならずに済んだわけですw<成田は第2ターミナルから出発>トランスアジア航空は、料金は激安ですがLCC(ローコストキャリア)ではなく、FSC(フルサービスキャリア)なので、成田空港第2ターミナルから出発です。Webチェックインはできないので、当日、カウンターでのチェックインになります。電話で事前に座席指定もできるらしい?ので、こだわりのある方は挑戦してみると良いかも。私はExpedia経由でチケットを押さえる際に、窓側リクエストを出しておいたのですが、きちんと窓側の席がアサインされました。もっとも、その席は”窓のない窓側の席”だったんですけどね…(^^;)#機体を支える柱が入っている席がありまして、そこに運悪く当たりました。もっとも、壁に寄りかかって寝たいから窓側を選んだので、全然問題は無かったのですが。成田での搭乗手続きはJALの方が代行していました。行列もそれほど長くはなっておらず、成田のチェックインは極めてスムーズでしたね。預け入れ手荷物も20kgまでは無料と、普通の航空会社と変わりません。今回の台北行きの出発は13時だったので、手荷物検査も出国手続きもかなりスムーズ。ゲートもサテライト側ながら、付け根あたりの81番ゲートだったので、割と近い方かと。この時間は出発便も少ないので、条件が良いのかもしれません。<機材はA330>機材はA330でした。搭乗は後方座席から案内されていきます。金曜日の昼間出発でしたが、9割近くは埋まっていたと思います。乗っている方は、台湾人も多いのですが、日本人の姿も匹敵するぐらい目立ちます。HISとかの格安ツアーになると、この航空会社を割り当てられることが多いようで、学生さんだったり、年輩の方なども目立ちます。どちらかというと旅慣れた方というよりは、ツアー利用なんだけどLCCはちょっと不安、という方が多いような気もしました。機内ですが、2-4-2の配列なので、どこに座っても、最悪1人にお願いすれば通路に出られる便利なレイアウトです。座席の間隔も日系などに比べると決して広いわけではありませんが、LCCに比べたらやっぱり広いです。毛布と枕もセットされていて、シートテレビも各席に付いているので、フルサービスキャリアらしさを感じます。<機内サービス&機内食>シートテレビはリモコン操作で映画や音楽を聴くこともできますし、フライト状況の表示も。もっとも、映画や音楽の種類は他のフルサービスキャリアと比べると少なめです。このへんで上手にコストカットをしているんでしょうね。なお、イヤホンはあとでCAさんが配りに来ます。個人的に嬉しかったのは、機内でUSBの充電ができることですね。到着後にバッテリー満タンで活動できるのは、安心です。iPhoneを繋ぐとこのコンピューターに接続云々のメッセージが出るのですが、どういう機能があるのかは定かではありません。CAさんには、今のところ日本人の方はいないようで、アナウンスも向こうの方の日本語アナウンスです。アナウンスの順番としては、中国語、英語、台湾語、日本語の順番で、離陸時&着陸時などの重要なアナウンス以外は中国語・英語だけのこともあります。声をかけるにしても、普通は飲み物と機内食のオーダーぐらいだと思うので、込み入ったことをお願いするのでなければ、中国語ができなくても何とかなるでしょう。免税品の販売も、もちろんあります。機内食ですが、豚肉と鶏肉の2種類を聞かれました。行きは鶏肉をオーダーしたところ、こんな感じ。親子丼?っぽいご飯です。和風のダシが利いているので、親子丼風なんですが、卵にかなり火が通ってボソッとしているので、”親子丼風”ですね。人によっては無いわー、かもしれませんが、私は十分食べられました。デザートのロールケーキは台湾風のちょっとスポンジが重たいやつで、クリームも台湾の伝統的?なクリーム。日本のコンビニスイーツより劣りますが、まあ世界標準で見たらこんな感じでしょう。普通のFSCだと、もう1品ぐらいあると思いますが、このへんでも上手くコストカットしているようですね。復興航空は、飛行機を飛ばしていない時期は、しばらくケータリング会社として事業を行っていたので、機内食のコストカットノウハウは結構あるはずです。そのへんを活かしての低料金という面も多少はあるかも、と思います。ちなみに帰りは豚肉をオーダーすると、こんな感じでした。いずれにしても、中国大陸の国内線の機内食みたいな感じですね。料金を考えると、付いているだけでも…と思います。飲み物は種類こそ絞られていますが、もちろんビールも無料で持ってきてもらえます。やはりLCCとは一線を画している感じです。#中国の国内線だと、これにロールパンが付いて炭水化物責めになりますねw<桃園空港では、かなり歩きます>行きのフライトは、ほぼ定刻に出発して、ほぼ定刻に到着。第1ターミナルのA2ゲートに着きました。このゲートは、一番端っこの方にあるので、入国審査に行くまでにかなり歩きます。バニラエアやジェットスターなど、いわゆるLCCの航空会社がよく利用する区域なので、このへんはLCCと同じ感じです。安い理由の1つはこのへんにもありますね。預け入れ手荷物は普通の回転テーブルから出てくるので、特に気になる点もないかと。今回はキャンペーンで、搭乗半券を見せると國光客運のリムジンバスが、台北まで125元のところ100元になるというので、使用してみました。國光客運のチケットカウンターで、搭乗券の半券を見せて、台北までと言うと、ちゃんと購入できました。さらに、こんなチケットが付いてきました。帰りもこれで20元引きになるみたいですね。ただ、國光客運のバスは、本数は多いのですがシートピッチがかなり狭いので、快適さには劣るかな、と思います。あとは13時発の便だと、到着時刻が台北のラッシュアワーと重なることも多いので、終点まで行かずに市内に入ってすぐのMRTとの乗換ができるバス停で降りた方が、時間の節約になるかも、と思います。<桃園空港のチェックインは混雑します>帰りは15時30分発の飛行機を予約していました。2時間ほど前に空港に到着してみたのですが、チェックインカウンターは大行列…関西空港行きの便など、日本行きの便が集中するのにチェックインカウンターが5つか6つしか無いので、捌き切れていない感じです。カウンターの端っこの方は、他の航空会社に2つぐらい貸しているような感じなので、このへんもコストダウンの一環…なのかと思います。そんなわけでチェックインに時間を要するのはほぼ既定路線なので、早めに空港に到着した方が良さそうです。他の時間ならもう少し違うのかもしれませんけど、空港内の免税店をじっくり見て回るのはなかなか難しいかも、と思います。また、チェックイン時に「席だけビジネスにアップグレードを有償でできますよ」と案内を受けましたが、帰りは3時間ですからね… ちょっと微妙かも。<問題は、ゲートで必要な日本語のアナウンスがないこと>なお、私が帰国する日は、運悪く関東地方で大雪の日に当たり、遅れや欠航の心配がありました。空港に到着してみると、案の定、出発時刻が1時間10分遅れに。#ちなみにこの日、成田-台北線で大幅に遅れたのはトランスアジアのみでした…チェックインに予想以上に時間がかかったので、遅れるのは別に構わなかったのですが、おかげで注意点なども見えてきました。出発ゲートに行ってみると、新しい出発予定時刻の16時40分になっても、飛行機は到着せず。しかし、新しい出発時刻がアナウンスされるわけでもなく、そのまま放置。出発予定時刻を過ぎてから飛行機が到着し、出発が遅れるアナウンスがあったものの、それは中国語と英語のみで、具体的な時刻の案内はありませんでした。それから45分程たってから、飛行機は結局、2時間遅れで出発しました。このとき、関空行きも同じゲートに集められており、関空行きはゲート変更が行われる旨のアナウンスがあったのですが、これも中国語と英語のみ。台湾人乗客の民族大移動が起こったのを不審に思った、日本人の方が案内板に関空行きが無いことに気づき、後を追っていたようでした…このへんの対応は、台湾らしいいい加減さかも、と思いました。搭乗の際は、さすがに日本語のアナウンスがありましたが、その前段階の遅れている事情などは、語学力の問題もあって、対応できないのかも、と思います。機内の清掃も、隅々まで行き届いているというレベルでは無いので、このへんの台湾的な緩さを許容できないと「二度と乗るか!」という人も出てくるでしょう。なんといっても料金が安いですし、機内食も含めて、ある意味、出発から台湾気分になれる航空会社なのですがね…<深夜着便は遅れも注意かも>成田の滑走路に降りたのは2時間遅れの21時30分頃でした。個人的に気になったのは、折り返し便の20時30分発予定の台北行きです。これは深夜23時30分に桃園に到着するスケジュールなのです。トランスアジア航空、予備機材を豊富に持っている会社では無いので、一度遅れるとLCCばりに玉突きで遅れてしまいます。定時到着を前提にギリギリのスケジュールを組んでしまうと大変かも、と思います。さらに成田は騒音の関係で、離発着が23時迄に制限されています。下手をするとその門限にも引っかかるか?と思ったのですが、この日は22時16分には折り返して飛んでいきました。200名以上が搭乗できるA330クラスの飛行機で、この折り返し時間はちょっと驚異ですね(^^;)<LCCっぽいFSCと割り切ればコスパは極めて良好>今回乗ってみた感想ですが、LCCよりも絶対的な価格で下回ることもあるのに、一通りのサービスが付いているので、個人的にはアリかなと思います。日本基準のサービスからすれば、多少物足りないところはありますが、料金を考えれば妥協できる範囲だと思います。搭乗時間も東京からで4時間ほどなので、多少のことは構わないよ、という向きには悪くない選択かと思います。やはり、気になるところは安全性ですが、このへんは台湾の航空当局にきちんと規制・監督をしてもらうことと、会社の自助努力に任せるしかありません。大赤字だと色んなことをカットせざるを得なくなり、それが安全運行に支障を来してしまう可能性はありますが、それはどこの会社も同じこと。搭乗率がきちんと採算ラインを超えていれば、まあ心配は無いのではないかと。価格志向の強い方は、LCC以外のもう1つの選択肢として考えてみるのも良いかもしれません。にほんブログ村何事もなければ、コスパは良いと思います
2016.02.04
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あるきち@台北です。金曜日の夕方から台湾に来ております。こちらに来るまでに去年の旅行記を終わらせるつもりで、1日2本更新をやりましたが、終わらず。結局、”夏休みの宿題が終わっていないのに学校に行き始めちゃって、帰ってきてから一生懸命宿題をやってる状態”になっていました。先程、無事に完結して、ほっとしておりますw台湾では今日、総統選挙がありましたが、特に混乱も無く、冷静に、しかし確実に盛り上がっていました。若い方もかなり投票に行かれていたようで、日本も見習わなくてはと思いますね。さて、今回は台北の近郊を回っております。今日は桃園からバスを乗り継ぎ、大渓老茶廠へ行ってきました。初めて行きましたが、日本統治時代から続く台湾の紅茶生産の歴史を感じることができる、面白いところでした。大渓老街、鶯歌とあわせ、台北から日帰り小旅行ができる感じなので、のちほど詳しくご紹介したいと思います。電車&バスに乗れさえすれば、パックツアーの旅行とは少し違った、台湾とお茶の旅を楽しんでいただけるのではないかと。明日は、台北近郊の茶産地ということで、坪林と猫空を上手く回るルート開発に挑戦したいと思います。上手くいけば、これもお茶を程良くテーマに取り入れた日帰りコースになるかな、と。#今回は”茶旅ヒトバシラー”ですw今回は時間が短く、明日が実質最終日ですが、色々と見てきたいと思います。にほんブログ村鶯歌マップも更新しますよ♪
2016.01.16
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<三峡へ>最終日の午前中もしっかり観光&お買い物をします。荷物をパッキングした上でバスに乗り、緑茶の産地としても知られる三峡へ。まずは清水厳祖師廟を見学。彫刻などが素晴らしく、細かく見ていくといくらでも見ることができそうです。ちょうど行事があったらしく、出ようと思ったら爆竹テロwに遭遇。目の前だったので、さすがにビックリしました(^^;)このあとは老街をぶらぶらと。土曜日とはいえ、時間が早かったので開いているお店は少なかったのですが、その分写真は撮りやすいですね。 ぐるっと回ったら、定番の金牛角アイスなどを食べて休憩。<鶯歌で茶器のお買い物>三峡を後にして、鶯歌の陶瓷老街へやってきました。割れ物は最後に!のショッピングタイムです。参加者のみなさんには、私、特製の「鶯歌 茶器店マップ」をお渡ししました。(この地図の更新版)到着したのは10時だったのですが、まだあまりお店が開いていない感じだったので、まずはぐるっと街を一回りして、各お店の狙い目などをご紹介。前月来た時に見つけた、老街のど真ん中にできた新しいショッピングビルなどもご紹介を。ここ、綺麗なので、お手洗いの利用などはお勧めです。お店はどこもキラキラしたものが多いのと、デパートの食器売り場のようなディスプレイをしっかりした店が多くあります。どちらかというと、大陸のお客さんが喜びそうなお店が多いですね。あとは茶藝の世界では最大勢力?の陸羽茶藝の直売店が出ているので、陸羽独特の茶器などが入手できます。重慶街側の入口の所には、何と陸羽茶藝のドリンクスタンドまであります。ここが第1号店。タピオカミルクティーを注文して飲んでみました。有力チェーンと同じくらいの品質のお茶、タピオカの食感で、さすが陸羽さん、きちんと仕上げてきましたね、という感じです。みなさんのお買い物ですが、作家物の茶壺など、お目当てのものを買えた方も多かったようで、良かったです。ギリギリまでお買い物をして、そのまま空港近くのレストランで食事を取り、帰国の途へつきました。…と、4泊5日ですが、最後の日まで、かなり濃厚なお茶ツアーとなりました。これでもだいぶ端折って書いているので、参加した人たちはもっと色々と経験を持ち帰って来られていると思います。なお、このツアーの企画第二弾は、今年の4月の初めに中国・江蘇省の太湖沿岸にある献上茶の産地と宜興を訪ねる旅が計画されています。ちょうど新茶の時期なので、美味しいお茶が飲めますし、茶園や工場見学をもれなくするので、お茶を買うこともできるでしょう。日本でもお馴染みの張莉頴先生にもご案内をいただく予定にしています。今回の製茶ツアーもそうですが、個人で行くのと、相応のコネクションを持つ方がしっかり企画していくツアーはまた違ったものが見られます。初めての方でも全く問題無く参加できるので、ご興味のある方は、ぜひ。締切は2月1日迄です。旅行の詳細などは、以下のURLまで。http://cha-tea.org/催行されたら、私も行く予定にしていますので、ご一緒できると思います。#会報への寄稿を優先しなければならないので、私の旅行記をブログにあげられるのは半年遅れになりますがw おしまい。旅行記は こちら にまとめました。にほんブログ村ベテランガイドさんが驚くほどのコアな旅でしたw
2016.01.16
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<問屋の仕事見学へ>梨山から戻った翌日。この日は台北市内を動きます。まずは朝から、茶問屋へ。ご存じ、林華泰茶行です。こちらで茶問屋の仕事というのは何かを考えます。バックヤードの大型焙煎器を見せてもらったり、普段は公開していない、2階以上のスペースの見学も。変動が起こりがちな農作物を、如何に安定して商品という形にするか、というところに問屋の大きな役割があります。それを実現するためには、膨大なノウハウと基盤が必要になります。意外と見えにくいんですが、茶業界を支える大きな役割を果たしているんですよね。ちなみに、こちらの中庭にはお茶の品種が色々と鉢植えにされています。関心の無い人にとっては、ただの鉢植えですが、お茶に関心のある人にとっては非常に興味深いものです。品種が分からないと、お茶分かりませんので。#中庭を見たいときはお店の方に、きちんとお願いするようにしましょう。勝手に入っちゃダメです。さて、ここでクエスチョンです(唐突)この品種、いったい何でしょうか?正解はCMの後…ではなく、この記事の最後で♪<迪化街の臻味茶苑へ>問屋見学の後、迪化街へ移動します。霞海城隍廟でのお参り方法などをガイドさんに教えてもらいつつ、迪化街をぶらぶらとショッピング。こちらのお店へやってきました。古蹟である林五湖本館の建物を利用したお茶屋さん、臻味茶苑です。2014年の台湾観光協会のプロモーションビデオで舞台となったお店なので見覚えのある人もいるかも。YouTubeこちらの店主はビデオでもラスボス的に出てくる呂禮臻先生。台湾の茶藝の世界では知らない人はいません。普段は鶯歌にある本店の方にいるのですが、こちらの支店の方に来ていただきまして、ここで参加者のみなさんとお茶を飲みました。良いお茶を色々と大盤振る舞いでした。なお、こちらで扱っているお茶は、茶人好みのこだわり系のお茶です。ちょっとお値段が高いものもありますが、50g程度の小分けパッケージなどもあるので、試してみるには良いかもしれませんよ。<たっぷりフリータイム>この後は、昼食を採ってから、各自、自由行動の時間に。台湾まで来たら、自分で色々買いたいものもあるでしょう、ということでのフリータイム。私、お茶を買いたいという一部メンバーの方の声にお答えし、特色ある2軒のお店へお連れしました。1軒目は、台北市内の南の方・萬隆駅近くにお店を構える 春點 Spring Pointさん。こちらは発酵をしっかりとさせた、古き良き時代の烏龍茶を今の人たちに味わってもらいたい、ということでやっているお店です。オーナーさんは若い方なのですが、最初はネットショップから始めて、実店舗を持つに至りました。果物の香りのするお茶とか甘い香りのお茶、というのを実感したいなら、このお店かな~、と思います。詳しくはまたのちほどご紹介します。もう1軒は、民権西路駅のすぐそばに移転した、富宇茶行さん。こちらは問屋さんですが、先の林華泰茶行とはまたちょっと違うスタイルの問屋さんです。先程のお店とは対照的に清香のお茶を得意分野としています。あとは苗栗の東方美人ですね。こちらも、後日詳しく。観光客向けのお店では物足りない方々だったので、濃香と清香の代表格として、両店舗をご紹介。あとは焙煎系のお店でも…と思っていましたが、どちらの店舗でもたくさん試飲をさせてもらったので、あっという間に夕方に。お茶屋さんでじっくりお茶を選ぶとなると、時間がいくらあっても足りませんね(^^;)続く。にほんブログ村欲しいお茶&これまで飲んできた経験値によって、行くべき店は違うのです【クイズの答え】金萱でした~
2016.01.16
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<四駆じゃないと走れない道>茶畑見学はすぐ近いところのような口ぶりだったので、歩いて行くのかと思っていました。が、ジョニーがスタッフの車を手配しています。あれ、バスはあるんだけどな、と思っていたのですが、車の用意ができたというので、分乗して出発します。工場から、力行産業道路を下っていくのですが、道路は細いのに向かいからキャベツ満載の大型トラックが走ってきます。路肩に落ちながらギリギリ交わす、というやりとりが対向車が来る度に繰り広げられます。時間がものすごくかかるし、道を外れたところは泥水の溜まったぬかるみなので、これはバスや普通車ではとても来られません。四駆を持っているスタッフの車を集めていたわけです。距離的にも結構あって、数Kmは走ったと思います。離合に時間もかかったので、40分ぐらいかかったんじゃないかと。力行産業道路はしょっちゅう崖崩れが起こる”酷道”(県道ですけど)としても有名ですが、その一端を少しは感じました。<美しき茶園>到着したのは、華崗五区にある、華剛茶業の茶畑。傾斜はかなり急です。こちら、自社で一から作った茶畑だそうで、有機肥料などを使った理想的なお茶づくりの環境を作ろうとしているようです。ここからの眺めは非常に素晴らしく、梨山茶の産地として知られる、翠巒や翠峰方面を見た写真がこちら。谷の向こう側には秘湯で知られる紅香温泉の集落も見えました。帰りには、お茶や茶摘みの人たちを運ぶトロッコにも乗車。ただ、最初に乗った人たちは、エンジンが暖まっていなくてパワーが出なかったのか、斜面を登り切れず、何度もジェトコースターのように下に戻ってきていましたw茶園見学を終えて、工場に戻り、昼食をとります。今回の製茶では、ずっと工場でご飯をいただきました。スタッフの方向けに賄いの方を雇っていて、その方々がお料理をされています。どれも美味しく、製茶作業の合間には夜食もいただきました。デザートとして、梨山名産の梨や桃もたっぷりいただきました。桃は瑞々しくて甘く、梨は、梨の名産地在住の私も太鼓判の味でしたよ(^^)<福寿山農場の茶園>いよいよ帰りですが、途中で福寿山農場の天池付近にある茶園も見学。ここで標高2600mぐらい。大禹嶺が無くなったからとはいえ、他にも標高が高く、このように森に囲まれた茶園はあるんです。ここの茶園のみのお茶を飲んでみたいと思いましたね。ちなみに、華剛茶業と福寿山農場は協力関係にあるとのことです。ジョニーとは福寿山農場の入口のところで、一旦お別れ。彼はこのあと、私たちの作ったお茶を揉捻し、翌日の夕方、台北まで届けてくれました。とにかくお世話になりっぱなしでした。台北へはグッスリと眠っていたら、あっという間。夜7時には到着し、夕食を取ってからホテルに入りました。続く。なかなか良いお茶を作るメーカーさんなので、Facebookのページをご紹介しておきます。華剛茶業Facebook最近、台中の中心部に若い人たち向けのお茶カフェをオープンされるなど、色々な取り組みもされています。吉時好茶にほんブログ村ジョニーは今年3月のFOODEXにも来るそうです
2016.01.15
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<梨山の朝>工場スタッフの方の部屋を割り当ててもらい、今回のために手配してもらった新品の寝袋にくるまって、少し仮眠。5時ピッタリに目が覚め、外へ。眠いんですけど、清々しい朝です。中央山脈に朝日が当たり、表情を刻一刻と変えていきます。ジョニーはこの景色を見せたかったようです。確かに綺麗。工場の前の道は、力行産業道路という名前の県道です。ここを朝採れキャベツを満載した大型トラックが、朝から走っていきます。重い車が通ることを想定して舗装をされていない道路に、こうした過積載の車が通るので、道路はすぐに傷んでしまいます。たっぷり水を含んだキャベツは重いですからね。<手製のお茶の仕上げ>さて、昨日(というか2時間前)に作ったお茶は、どうなったのでしょうか?発酵室から出て来た状態がこちら。あまり変わっていないような気もしますが、とりあえずこれで適正発酵と見なして、殺青を行います。殺青は、こちらのドラム型の殺青機で。丸いドラムの下にガスバーナーが付いていて、中のドラムがゴロンゴロン回る仕組みです。下に来ると、茶葉が瞬間的に熱せられて高温になり、茶に含まれている水分が蒸発して、水蒸気が上がり、その高温の水蒸気で酵素が殺されるわけです。殺青が終わったら、このように前に倒れるので、中からザザーッと茶葉が滑り落ちてきます。このあと、軽く揉捻。お馴染みの半球型ではありませんが、この段階でとりあえず良しとします。荒茶のさらに前の段階ですが、今日持ち帰るのは、これ。できあがった茶葉を乾燥機にかけます。ここで本日持ち帰り分のお茶の完成となります。重さを量ってみると、あれ、1kgを超えてる…作ったお茶の半分は半球型にするのに回しているので、これは量が多すぎます。どうやら、1人に2kg近く茶葉が割り当てられていたようです。最初に生葉を配布するときに計量ミスがあったみたい。結果、今回の参加者の方は、2kg近い梨山茶が持ち帰れるという、とんでもない大盤振る舞いとなりました。市場価格で計算すると、一体いくら分なんでしょう…(品質は製茶をした個人の責任w)<テイスティング>できあがったお茶を持ち寄って、テイスティング大会です。同じ材料から作ったお茶ですが、全員微妙に違う水色ですね。味や香りも様々。プロが作ったものとはやっぱり違いますが、そこそこ飲める印象です。さすが梨山。それぞれのお茶について、ジョニーがコメントを付けていきます。その話を聞いていると、彼がお茶のどういうポイントを見て、評価しているのかが分かります。確かに、それがこのメーカーの傾向なんですよね。ちなみに、私の作ったお茶なんですが、結論から言えば”果香”にはなりませんでした。”花香”って感じです。昨日は、やはり温度や湿度の関係で、発酵度を高めるのは難しかったようです。人間がこういうお茶を作りたいと思っても、条件が揃わないと、そういうお茶にはならないわけです。やはり、製茶は人間の思い通りにいくものではありません。お茶の生産者の方は、毎日がこういう戦いなんだろうなと思います。ただ、出来映えを見に来た、お茶のお師匠さんからは、「お前の悪くないぞ」と言ってもらいました。雑味は少なめだったので、そこは良かった点かな、と。<半球型にするまで>持ち帰るのが、半球型のお茶ではないのは、何故?という疑問は、丸くする団揉の作業を見れば分かります。お茶を丸めるためには、まずこのように布でお茶をくるみます。この大きな玉をこちらの機械にかけて、圧力をかけながらぐるんぐるん回します。これをやるのにはものすごく力が要るそうで、屈強な若手がこの担当に充てられていました。ぐるんぐるん回すと、少しずつお茶が丸くなっていきます。で、こうなったものをもう一度、ばらす(玉解き)をして、また丸めてぐるんぐるんと回します。一度に力をかけすぎると、均等に力がかからないので、何度も繰り返して少しずつ形を作っていくわけです。これを延々繰り返すこと、なんと24時間。そこまでやって、やっと私たちが目にする、あの半球状のお茶になります。丸めるという作業は、実に大変な作業なんですね。当然、この丸める作業をやっている間に、お茶には圧力が加わり、細胞壁が壊され、茶汁が出たりして、味の輪郭が作られていきます。発酵作業の方が注目されがちですが、揉捻も烏龍茶の味を形作る上では、外せない工程なんですね。#洗茶をするということは、これを捨てることになりますね。団揉は、本当に体力の要る作業なので、屈強な若手でも腕を痛めたりして、仕事ができなくなってしまうこともあるのだとか。そんな過酷な工程なので、最近では、簡単に丸い形を作ることのできる機械も登場しています。が、やはりそれで形を作ると味わいにはやはり差が出てしまうそうです。烏龍茶の生産については、効率だけでは割りきれない部分が、今でもたくさん残っています。機械を使っているからといって、簡単にできるわけでは無いんです。製茶はここまで。このあと、南投縣側の茶畑を見せていただけるとのことなので、それを見学してから、台北に戻ることになりました。続く。にほんブログ村手間を考えると烏龍茶の値段、安すぎるかも
2016.01.15
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<3パターンのお茶を目指す>今回は各参加者が違うタイプのお茶づくりをすることになりました。発酵の軽い”清香”、少し発酵を進めた”花香”、発酵を重めにした”果香”の3タイプ。それぞれ、茶葉を揺する攪拌の回数と時間を調整して、目指すことにしました。私は、”果香”の担当。発酵度高めの梨山好きなので、いいですよー、と安請け合いしたのですが、これが後に大変なことになります。攪拌のやり方をお手本で見せてもらいます。最初はやさしく、回数を少なく。そのあとで徐々に動きを大きく、回数も増やしていき、最後には大きく、長く揺するようになります(大浪)。最初はほんの数回、サラサラッと揺するだけなので、楽勝です。静置している間は、お茶を飲んだり、工場内の見学をしたりしていました。<大工場の製茶は日本酒造りに似ている?>本来であれば、7月下旬というこの時期は梨山のシーズンオフで、工場はお休み。私たちで貸し切りの予定でした。が、この年の梨山の春茶は、霜害によって、産量が40%減というひどいシーズンでした。そんなこともあって、この時期でも製茶を行っていました。幸か不幸か?プロフェッショナルの、大規模な製茶作業を見られるということで、そちらの見学をしてきました。#写真はありません。企業秘密満載なので、あっても出せません。発酵を進める揺青の作業を見学したのですが、大規模な製茶の作業は、一人で全てをやるハンドメイドなやり方とは少し違います。お茶づくりの先生が1人いて、あとは若手のスタッフが十数名。原住民の方が多いようです。山の中では雇用が少ないので、ここは貴重な働き口です。お茶づくりの先生が、茶葉の発酵の状態や香りの変化などを見て、「よし」と指示を出して、若手の人たちがテキパキと作業を行います。指示を待っている間は、かなり緊張感があります。なんというか、日本酒の杜氏さんと蔵人のチームのような感じでしたね。確かに揺青の機械を使ったり、大きなシートに茶葉を乗せて、それをひっくり返したりするので、少し作業は粗くはなるのでしょう。が、茶葉の状態を見て判断するところは、完全に人の感覚が残っています。烏龍茶の場合は、発酵の工程だけは茶葉の状態によって加減が全く変わってくるので、こういうスタイルなんだろうな、と思います。「大メーカーのお茶なんて…」という方もいらっしゃいますが、いやいや、現場を見たら、そうとも言い切れませんぜ、というのが私の感想です。大手ほど、異物混入や農薬汚染などに対して、かなりしっかりとした管理もしているので、その分も考えたら、まあ割に合うお茶だと思います。※桃園空港の一部の免税店でも売っているので、空港で買わなければいけないときは、良いかもしれません。空港なのに、定価で販売してますし。ちなみに、この日の製茶の師匠は、前月、まうぞうさんと一緒に鹿谷でお目にかかってました。その時は、とても穏やかで好々爺という感じだったのですが、工場の現場に入っていると、まるで別人のようにピリピリしていました。プロフェッショナルとは、そういうものなのだと思います。<製茶は深夜にまで及ぶ>工場見学を終え、茶葉のところに戻ってみると、だいぶしんなりとしてきていました。硬かった茎も水が抜けてくると柔らかくなってきます。最初はちくちくして痛かったぐらいでしたが、柔らかい葉になって、やりやすくはなりました。が、攪拌の力加減と回数が増えてくると、腰に大変負担がかかります。「製茶はしんどいなー」と思い始めましたが、本当に辛いのはここからでした。最終攪拌ともなると、攪拌をする時間が”清香”の人でも、1枚につき30分程かかります。このときには、ザルは3枚から2枚になっていましたが、それでも合計で60分、茶葉を揺すり続けるわけです。で、”果香”タイプは1枚につき45分揺すりなさい、と。合計90分。マジですか...orzちなみに、このとき、午前1時。外気温は7度にまで低下。涼しいというより、寒いです。ここは真夏(7月)の台湾なんですが…ぶつぶつ言っても始まらないので、作業に取りかかります。私、東方美人の茶農家さんで時折、製茶を手伝わされるので、攪拌もそれなりに回数はやっていると思います。が、力加減が全然違うんですよね。まず、茶葉の成熟度が全然違います。一芯二葉で脆い葉の東方美人と一芯三葉、いや下手をすれば一芯五葉ぐらいの葉では、かけるべきパワーが全然違います。お茶の品種的にも青心烏龍の方がかなり丈夫なので、その差も大きいですね。烏龍茶だから一緒でしょ、なんてことは無いです。なので、攪拌をしてもなかなか、茶葉が変化しません。おそらく、気温の低さもあると思います。酸化酵素の働きが鈍いんでしょう。どこまで製茶が大変な環境なんですか、ここは。なので、1枚45分が終わっても、「まだ足りない」と言われ、時間はどんどん延長。。。結果的に、全ての攪拌が終了したのは、午前3時を回っていました。「発酵度の高い梨山じゃないと嫌」と、お茶屋さんで気軽に言っていたことを反省します。こんなに大変だと思ってなかったんですよ。反省。揺青が完了した段階の茶葉はこんな感じ。この状態の茶葉を、温度と湿度の管理された発酵室へ入れます。さすがに眠いです。ジョニーも眠そう。「とにかく少しでも眠りたい…」のですが、発酵から上がってくるのは5時とのこと。てことは、2時間しか眠れませんね。。。私たちはこれが1日だけだから、まあ耐えられますが、製茶をする人はシーズンはいつもこんな感じなわけで。製茶は本当に重労働だと、改めて思い知ったのでした。続く。にほんブログ村発酵の重さは労働の重さと心得ます
2016.01.14
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<福寿山農場から梨山茶区北側を展望>大禹嶺から梨山の街まで戻りました。ここからは山を越えて、工場のある華崗地区を目指します。山の反対側に行くためには福寿山農場の中を突っ切っていきます。通りの両側にも茶畑があります。9年前と違うのは、防霜ファンがあることですね。割と新しいものだったので、最近付けたのだと思います。福寿山農場の中腹付近に展望台があったので、ここで下車。こんな風景が広がっております。梨山茶区は、台中市と南投縣に跨がる茶区なのですが、ここから見えるのが北側の台中市側。左の方に行くと、台中方面で佳陽、新佳陽などの産地が。正面の少し山が低くなっているところが宜蘭方面への道で、右の方が花蓮方面で大禹嶺という感じです。山の名前はこんな感じ。<華剛製茶廠>そろそろ日も傾きかけてきたので、工場へ急ぎます。福寿山の上の道をもう少し上って、標高2600m付近へ。ここには天池という場所があって、蒋介石の別荘である達観亭というのがあります。が、今回はスルー。山の頂上を越えると、そこからは南投縣仁愛郷。すぐに華崗という集落に入ります。製茶工場やちょっとした商店などがあり、それなりに村の様相を呈しています。ここで標高2500mぐらい。その街の中を抜けたところに、目的地の華剛製茶廠があります。※翌日撮影標高2500mの場所にあるとは思えないぐらい立派な設備の整った、近代的な工場です。福寿山農場の工場よりも最新鋭設備な感じです。こちらHACCPとISOの認証なども取得しているので、安全管理や衛生管理もしっかりしています。たとえば、工場内は土足厳禁。周囲には高原野菜(キャベツなど)の畑がたくさんあり、農薬を撒いているところもあります。そうしたものが靴に付着してしまうと、工場内に持ち込まれてしまう可能性もあるので、そういうものを排除するためです。スタッフさんもお揃いのユニフォームを着用し、基本は帽子も着用です。工場内には簡易で農薬検査を行うことのできるラボも備え付けられており、やるべきことをきちんとやっている工場ですね。台湾政府から衛生安全の工場格付け五つ星も取得しています。<日光萎凋から製茶開始>荷物を置いて、早速工場の中へ。私たちが製茶する生葉は、ちょうど日光萎凋が終わったところでした。なにしろ、5分で天候が急変する場所です。日光萎凋を行う場所は、このように透明な天井になっています。※翌日撮影平地だったり、もっと標高の低い産地であれば、このような設備が無くても製茶はできます。が、標高2500m級となると、こうした設備が無ければ、とてもやっていけません。そのあたりの投資も含めて、どうしても高コストにならざるを得ないので、梨山のお茶はそれなりのお値段になります。それでも大陸の一部のブランド茶などに比較すれば、大変良心的なプライスだと思います。コスパはずっと高いな、と。各参加者の方に生葉が振り分けられ、それを各自が担当するザルに移します。1人3枚を担当。日光萎凋が終わった段階のお茶は、こんな感じ。これを揺すって、静置してを繰り返すことで、水を少しずつ抜きながら、発酵を進めていきます。今回の参加者の方は製茶経験者もおりましたが、初めての方もいらっしゃるので、丁寧に解説も。工場内には、特設教室が設けられ、ジョニーの講義。今回は華剛茶業の社内でも、貴重な交流の機会と設定いただいていたようで、スタッフの方に非常に協力的にしていただきました。普通は外部から製茶体験を受け入れるようなことは無い工場なので、まさに特別な機会でした。続く。にほんブログ村行けるときに行っておかないと、ですね
2016.01.14
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<大禹嶺のあれこれ>バスで梨山の街を出発。大禹嶺までは片道30分ちょっとかかります。地図で見ると、直線距離では近いのですが、谷を避け、山に沿って道が付いているので、道のりは結構あるんですね。台湾の地方に行くと、場所がどこにあるかを示す場合に、省道の何Kmポスト付近にあるか、という表現があります。大禹嶺のお茶が語られる際に耳にする、105Kとか103Kというのは、それぞれ、105km・103kmポスト付近にある茶園、ということになります。いわゆる本家の大禹嶺の茶園というのは、最も古くから開発され、大きな面積を占めていた105Kの他に、103K、102Kなどに茶園が存在していました。梨山の街を出てしばらくすると、碧緑渓という場所を通過します。このへんにも割と大規模に茶園がありました。大体90Kぐらいのところです。90Kというと、いわゆる大禹嶺からは10Km以上、道のりでは離れています。が、このへんの茶園のお茶も大禹嶺として売られていることは多いですね。私が6月に台北で購入した大禹嶺茶も90Kのお茶でした。#90Kと書いてあったので、ある意味正直なお店ですし、美味しいので全く問題無いのですが。途中、派手に崖崩れをしている場所がありました。工事をしているときは、1時間に10分間しか通行できないそうです。脆い岩石でできた山なので、大きな地震や台風で簡単に崩れてしまうんですね。政府が違法な森林伐採や果樹・茶樹栽培を規制する方向に行くのも、これと無関係ではありません。<大禹嶺103K茶園>深い山の中に入ってしばらくすると、時折、道路のそばにポツンポツンと小屋のようなものが見えてきます。大禹嶺の茶園に近づいてきたようです。到着したのは、大禹嶺103Kの茶園です。が、省道8号線の上の斜面に目をやると、このような景色が。元々はお茶の木あるいは果樹があった場所ですが、このように伐採されてしまっています。そうなんです。9年前にも反対運動がされていましたが、遂に茶樹や果樹栽培を行っている農家さんへの執行がされていたんですね。理由は後述しますが、環境保護の名目と土地の使用用途の問題です。大禹嶺の多くの場所は伐採を受けてしまった(もしくは執行予定)ため、2015年の大禹嶺の春茶は産量が激減しています。2014年には約1万斤(6000kg)の産量があったそうですが、2015年の春の時点では約半分になったとのこと。そんななかでも、ここの103K茶園の一部は私有地にあるということで、伐採を免れたのだそうです。他に残っているのは、最も歴史があり、規模の大きい105K茶園だったのですが、大変センシティブな時期ということで、今回の訪問は叶いませんでした(そして、2015年11月に大部分が伐採されてしまいました)。103Kの茶園は、急斜面を下りたところにあります。雨で濡れていたこともあり、足元は悪く、慎重に斜面を下りていきます。山の天気は変わりやすい、と言いますが、このくらいの標高になると、晴れていたかと思っても油断できません。どこからともなく、雲が現れ、雨になるという感じです。華剛のスタッフの方によると「5分で天気が変わる」とのことです。お茶の栽培もそうですが、製茶にとっても非常に難しい天気の場所ですね。それなりの設備が必要です。大禹嶺103Kの茶園がこちら。深い森の中に囲まれた茶園という感じですね。茶樹を見ていても葉に厚みがあり、なんというか潤いがある印象の茶葉です。同じ梨山茶区ではあるのですが、周辺の環境がまるで違うので、同じ品種でも育ち方は違います。このへんの微妙な差が、やはりお茶にも出てくるので、大禹嶺は大禹嶺なんですよね。<伐採された大禹嶺102K茶園>梨山の街への戻りがけに102K茶園にも寄ってみました。こちらも大手の会社が製茶を手がけていた茶園で、小屋などがあったそうなのですが、今ではこのありさま。伐採しただけでして、法面の保護なども特にされていません。環境保護が名目だったはずですが、このままだと余計に土壌の流出とか、崖崩れが心配のような気がします。最高峰の茶園を潰すことでの見せしめが目的だったのか、どうも一貫性を感じない政府の対応です(日本でも良くありますが、台湾では結構多いパターン)。ほんの僅かに残っている茶樹も、すっかり雑草に埋もれています。今年の初めに伐採されたとのことですが、それから1年経たずで、このような状態になるわけです。<土地の使用目的の問題か>諸説ある大禹嶺が伐採になってしまった理由ですが、色々な報道を見てみると、政府側には執行に足るだけの十分な根拠があるようです。それは、「国有林を林業目的で借りたのにもかかわらず、果樹栽培や茶樹の栽培を行った」という主張です。そもそも、やっちゃいけないことでしょ、というわけです。法治国家としては当然のことです。この問題を知るには、少々、歴史を紐解かなければなりません。梨山を通っている省道8号線は、中部横貫公路という名前の道で、蒋介石とともに台湾に逃げてきた退役軍人(台湾では「栄民」と呼ばれます)の方々によって開発が行われた道路です。言うなれば、失業対策の公共事業でできた道路です。国主導の道路なので、道の周囲は基本的には国有地となっています。大変な難工事で多くの犠牲者を出した中部横貫公路。花蓮のタロコに行かれると、それを祀っている廟もあるので、ご存じの方も多いかもしれません。さて、道路が完成した後、当然、道路工事の仕事は無くなります。しかし、大陸の各地からやってきていた、彼ら。ふるさとは海の向こうで戻るわけにもいかず、かと言って、台湾には帰るべき場所がありません。そこで、この土地に留まり、一から開拓をして農業を始める人たちもいました。その流れで政府が国有地を使用して、彼らのために作ったのが国営の福寿山農場だったり武陵農場だったりします。国営の開拓農場です。なかには農場には入らない、あるいはそこから独立したい人が、国有地の使用許可を得て、林業などに携わるケースもあったようです。今回の問題になっている茶園は、大体こうした経緯で貸し出されていたわけです。彼らは蒋介石の忠実なる部下たちであったわけですし、ふるさとに帰れない、非常に気の毒な境遇でもあります。何かあっても大目に見る風潮もあったのかも、と思います。当初は申請通り、林業を行っていたのかもしれません。が、林業はそんなに儲かるものではありませんし、輸入材に押されるのはどこの国も一緒。なので、生活のために果樹栽培を行ったり、茶園に転換した例もあったのだろうと思います。それも、上記のような理由で(なにしろ、相手は栄民です)黙認されてきた、というのが実際のところなんじゃないかと思います。たらればですが、用途変更申請をどこかのタイミングでしていたら、結果は変わっていたのかもしれません。時代は過ぎ、大陸から渡ってきた栄民の人たちも亡くなられて、次の世代の人たちが相続するようになってきています。初代は大目に見ても、二代目は、というのもあるかもしれません。さらには、話題になった映画「看見台湾」で環境破壊の現状が浮き彫りになったことや1斤12,000元(600gで48,000円)という高値になったお茶へのやっかみ、はては総統選挙等々、様々な要因が重なって、このタイミングになったのかも、と思います。法律的にグレーな部分があった大禹嶺茶が高値で取引される状況は、他の産地の方からすると決して面白くはなかったでしょう。しかし、その産地が無くなったことで、これである意味フェアな競争になるとも言えます。台湾の茶業全体という視点で見れば、健全な方向に行くかもしれません。いずれにしても、大禹嶺の大部分の茶園は、2015年の冬茶をもって大部分が無くなりました。大禹嶺は、もはや台湾茶の歴史の1ページになってしまった、ということです。残念ですが、仕方ないです(でも、きっと代わりの産地がそのうち出てくるでしょう。台湾人、日本人が思うよりずっとしたたかです)。それにしても、こういうタイミングのぎりぎりで訪問できたのは良かったと思います。実に貴重な機会でした。続く。にほんブログ村外省人といっても色々ですからね
2016.01.13
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<福寿山農場の近くの茶園へ>ジョニーの車に先導されて、一行は早速茶園に。福寿山農場の近くの茶園です。途中の道には見覚えがありました(←9年前に歩いた人)。途中でバスを降り、徒歩で茶園へ。やってきたのは、こちら。華剛茶業が契約して栽培してもらっている農家さんの畑です。梨山の土地の事情はちょっと特殊なので、こうした土地を持っているオーナーさんにお茶を栽培してもらい、それを全量買い上げて、製茶をする、というスタイルが多いそうです。向かいに見えるのは、ゴンドラでしか行けない茶園として有名な天府農場です。道路が通っていないので、製茶機械を分解して、ゴンドラに乗る大きさにし、現地で組み立て直して作ったらしいです。ただ、そんな苦労をして開拓した天府農場ですが、2年後に政府に返還されることが決まっているそうです。これは大禹嶺とも共通する問題です。 茶園では、ちょうど茶摘みをしておりました。ジョニーからは梨山の土壌の特徴の説明などが。茶摘みの班長さんからは摘み方の方法伝授があり、参加者のみなさんでほんの少しだけ茶摘みをお手伝い。製茶をする立場から言うと、理想の茶摘みの状態はこんな感じだそうです。が、実際問題、そうはならないんですよね。農家と茶摘みさんは重量で実入りが決まってくるので、どうしても下に1枚とか場合によっては2枚も余計なものが付いてきます。柔らかい葉っぱと硬い葉っぱの両方が混在するお茶というのは、水分の抜け方が違いますし、お茶の強度が違うために、製茶は非常に難しくなります。今回の製茶に利用したのは、このとき摘んでいた茶葉だったのですが、やっぱりそういうものがとても多く、製茶に苦労することになります。茶摘みは重労働で危険も多く(斜面ですし、虫とか蛇とかも多いですし)、かといって給料が良いわけでも無いので(給料が良い=茶の値段が高いですから)、慢性的に人手不足。こういう現実の狭間で生産者の人は苦労しているというのが、非常に良く分かりました。一旦、街に戻って昼食。お、ここは9年前に来たレストランですね。やはり美味しいと地元で評判のようです。商売が上手く行っているのか、2階が増築されていました。食事をしながら、天候も良いので大禹嶺に行きますか、ということになりました。大禹嶺までの省道8号線(実質、一般国道。台湾の場合、国道は高速道路を指すので)が割と派手に崩れるので、どうなることやらと思っていたのですが、天候が良いので、これなら行けるとのこと。ただ、あまり積極的に連れて行こうとはしていませんでした。大禹嶺は、非常に厄介な状況下にあって、それが現在進行形だったからです。続く。にほんブログ村いよいよ大禹嶺へ
2016.01.13
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昨年の台湾旅行記がすっかり滞っています。そうしている間に今年の旅行が・・・という感じなので、取り急ぎ、昨年夏に行った梨山製茶ツアーの様子を簡単にご紹介します。台湾茶ファンの憧れの土地・大禹嶺にも行ってきました。情報の早い方はご存じかもしれませんが、昨年の冬に大禹嶺は大きな転機を迎えました。そんな最新情報も織り交ぜてレポートしたいと思います。このツアーは、NPO法人中国茶文化協会の中国茶現地視察ツアーの第一弾として行われたものです。#第二弾は、大陸の献上茶の産地と宜興紫砂を巡る旅です。詳しくはこちらへ<まずは永康街へ>一行は東京、福岡、那覇の三カ所から出発しまして、桃園空港のロビーで集合しました。参加者の方は、インストラクター資格を持つ方からこれから勉強しようと思っているんです、という方まで様々。会員さん以外の方も参加しており、今回の旅行が初めましての方もおりました。現地のガイドさんと合流して、バスに乗り込み、永康街を目指します。永康街では、まず冶堂の新店舗(入口が分かりづらい)へ。こちらはお店も広く、ある程度の人数で行っても、少しゆったりできる空間。日本語のできるスタッフさんがおり、今までの本店よりも日本人の方は行きやすいかも、と思います。※ここのブログでは、まだきちんと紹介していないので、詳細は後日。急なスコールでもあったので、ここでお茶を飲んでまったりと。もっとも、こちらには口当たりの良さそうな茶杯や茶席づくりには非常に使い勝手の良さそうな布・道具類があるので、インストラクターの方々は素早く反応し、お買い物をしておりました(笑)雨も小降りになったところで、自由行動開始。参加者の方から、お茶の服が欲しいという声があったので、李堯棉衣店や中国っぽい小物のお店にご案内しました。そうしたところ、「女子力高いですね」と言われましたwぶらりと永康街を巡った後、定番ですが鼎泰豊でお食事。翌日から梨山なので、変なものを食べて体調を崩すといけませんからね。敢えて定番のお店で、定番のメニューをいただきました。<礁渓温泉>食事の後、高速道路に乗って、宜蘭方面へ。梨山への安全なアクセス路として強く勧められたのが、宜蘭経由だったもので。礁渓温泉のホテルへ。翌日の製茶がしんどい可能性もあるので、今日はちょっとゴージャスなホテルに。部屋のお風呂も豪華な感じです。私はしっかりと水着&帽子持参で来たので、大浴場の方へ。全般的にお湯の温度が低めで、スパリゾートハワイアンズみたいな温水プールな感じでした。チェックイン後、ぶらぶらと街を散策。東部で流行っているというスイーツ屋さんにも行ってみました。初日は、ここで終了。<梨山へ>翌朝、7時にホテルを出発します。午前中のうちに梨山に着きたいので、早めの出発です。朝食は、サンドイッチのボックスを車内でモグモグと。序盤は川沿いの快走路で快適なドライブでしたが、徐々に山の中へ。険しい山道をクネクネと登っていきます。「険しい」とは言っても、以前、霧社や清境農場の方から登ってきたよりは、かなり道が良いと感じました。途中の集落で休憩を挟みながら、走ること3時間半。割と快適に梨山へ到着しました。ここで今回お世話になる、華剛茶業の副総経理(副社長)である、杜蒼林先生(通称・ジョニー)と合流。さっそく茶園の見学に向かうことになりました。続く。にほんブログ村ちょっと駆け足旅行記になりますが(^^;)
2016.01.12
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<嗜好品の飲み物には一定のニーズが>”冬の時代”と言われて久しい中国茶ですが、だからといって悲観するものではないな、と個人的には思っています。というのも、いわゆる”嗜好品”の飲み物には、必ずどこかで見直され、ブームの波がやってくるからです。たとえば、お酒ならば日本酒、本格焼酎、ワイン、ウイスキー。非アルコール飲料でもコーヒーなど。一旦盛り上がって、忘れられた頃に必ず第二波、第三波の波がやってきたりします。ブームが再発するきっかけは、さまざまです。今のブームでいえば、ウイスキーならドラマかもしれませんし、日本酒は獺祭のような特定の商品かもしれませんし、コーヒーならブルーボトルコーヒーのような店だったり、サードウェーブという新しいコンセプトかもしれません。ひょんなことから火がつき始めるので、”燃え広がりやすい状態”を整備しておくことが大切なのではないかと思います。これまでの10年間ぐらいを見ていても、火が付きかかったケースは結構あると思うんですよね。ただ、燃え広がるほどの環境に無かった、というのが実際のところかと思います。時折、気まぐれに吹いてくる風を受けるような”帆”になる部分が不足していたのだろうと思います。ちゃんとした帆が上がっていれば、そよ風であっても進むことができます。こんなに長期間停滞することはありません。<優れた入門書・ガイドの必要性>まず必要なのは、初めての人が入ってきて、そのまま無理なく中級者、上級者へと駆け上がっていける道筋があることだと思います。登山道が整備されていない山には、低い山であってもなかなか人は登りません。おどろおどろしい、いわくめいたものがあれば、なおさらです。#中国茶は奥が深いとか、お茶にハマると身上潰すとか、言い過ぎだと思います。が、登山道がきちんと整備されていれば、標高3776mの富士山にだって、多くの人が登るのです。具体的には、優れたお茶の入門書が必要なのかな、と思います。入門書というと、分かりやすく簡単なものが良いという印象があるからなのか、簡単に書けるように思われがちです。が、本来、入門書こそ書くのが一番難しいのです。理解の前提となる様々な知識が無い方に、新しい物事を分かりやすく伝えるのは、ものすごく難しいからです。様々な分野で言われているように、幅広い知識と見識を有する碩学の方でないと書けないのが入門書なのです。これもバイブル的な本が一冊あれば、良いのです。そこからの派生形として、より読みやすい本(たとえば「マンガで読む~」とか「図解~」とか)が出てきますから。ただ、現在の中国茶の世界を見渡すと、現状に即した良書がなかなか見あたりません。ここが一番の課題だと思います。<中国茶の論拠に変化が>きちんとした入門書を書く上では、論拠(エビデンス)が必要です。個人の思い込みや記憶に頼ったものは、随筆・エッセイにはなるでしょうが、到底、理想的な入門書にはなり得ません。第2次ブームの初期までに書かれた本は、論拠を定説もしくは、それ以前に書かれた本の記述の引用に頼らざるを得ませんでした。中国の茶業自体が、実質的には1980年代からがスタートだったので、理論的な部分の整備がその当時は不十分だったからです。ところが、中国の茶業の発展に伴い、この論拠の整備が急ピッチで進んでいます。2000年代に入ってから、お茶に関する国家標準・地方標準といったものが続々と発表されています。国あるいは地方政府主導で、特定のお茶に関する様々な情報を文書で定義し始めているのです。例えば、「龍井茶とは何か」「プーアル茶とは何か」ということが、文章で明快に定義されるようになりました。もちろん、これらの標準は数年ごとに見直されるものですし、一種の妥協の産物という側面もあるので神聖視できるものではありません。が、それでも俗説などを頼りに書くよりは、随分マシだと思います。しっかりした論拠をベースに組み立てることで、中国茶の世界は、かなり分かりやすくなるように思います。もっとも、国家標準もまだまだ制定されていないお茶の方が多いのが現状です。しかし、中国の茶業界のスピード感はかなりのものなので、じきに出揃うことでしょう。次世代の入門書を書こうとする方は、こうした標準を意識されると良いと思います。#評茶員の勉強をされている方は、とっつきやすいはずです。<追い風だって吹いています>業界の人ほど「状況が悪い、悪い」というのですが、実際にはかなり強烈な追い風もあります。まず1つには、台湾への好意的なイメージと旅行客の増加ですね。それも旅行社が連れて行くようなお店では無いところに行く、個人旅行客。本当に美味しいお茶に出会い、興味を持つ方も増えています。台湾リピーターの方は増えてきていますが、台湾もお茶の国です。なので、お茶について、もう少しきちんとした情報が入っていたら、今まで以上に台湾旅行を楽しめると思うんですよね。お茶を通じて話が膨らむことは良くありますから。もう1つは、前回も触れましたが、お茶の知識を有する方が大分増えてきていることです。こうした方々は一時のマニアのように、お店に対して道場破り感覚で行く人は、だいぶ少なくなっています(いないとは言いません)。お茶の世界の幅広さや深さ、価値も分かっていますし、探究心旺盛だったり、お茶を広めたいという気持ちを持つ方も多いです。以前であれば、「お茶を勉強したら、お店をやる」ぐらいしか選択肢が無かったのですが、現在では趣味としてお茶会を開いたり、お茶を飲み回ったりと、程良いお付き合いをされている方も多いです。プロになるにしても、教室を開くなど、お茶の販売以外の方向に向いているケースが多いかと。こうした方々の知識・経験やお茶を広めたいというエネルギーが上手く噛み合ったら、ものすごいパワーになるように思います。かつては、マニアがお店の敵になることもありましたが、今やそういう時代では無くて、有力な応援団になります。そういう意識で見ると、可能性は非常に大きいと思います。物は考えよう、気は持ちようです。見方を変えれば、冬は冬でも、春に向かう前の段階なのかもしれません。ひとまず、完。記事一覧は こちら にまとめました にほんブログ村夜明けは近いぜよ
2016.01.11
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<お茶ブロガーの登場>冬の時代に突入してから、中国茶関連の書籍は年に1冊か2冊程度の刊行になりました。第2次ブームの初期は、次々に刊行される本こそが有力な情報源でしたが、あまり目新しさの無い書籍の発刊が続いたこともあって、その地位は徐々に低下していきます。代わりに主流となったのは、インターネット上での情報です。もっとも、比較的中立な立場から継続して情報提供を行っていた有力メディアは、2001年スタートのAll About 中国茶ぐらい。あとは中国茶専門店の情報(商品説明、ブログ、メルマガ等)を頼りにする、といった形でした。情報が少ない中で、お茶好きさんたちの注目と共感を集めていったのはブログでした。2004年頃、大手のプロバイダが続々とブログサービスを投入。これをきっかけに個人が日記感覚で情報を綴る”ブログブーム”が日本にやって来ていたのです。Webサイト(当時はホームページと呼んでました)を作るよりも簡単で、気軽に思ったことを書ける、という特性が当時としては画期的でした。そんなブログブームのなかで、お茶をテーマにブログを書く方も出てきました。中国茶専門店など、いわゆる業界関係者や専門家の綴るブログももちろんありましたが、一般の愛好家のブログが出て来たというのがとても大きかったと思います。愛好家のお茶ブログでは、様々なスタイルのお茶の楽しみ方が見えてきました。古くからの愛好家のブログでは、お茶にまつわる知識が披露されたり、一歩進んだ楽しみ方が垣間見えたり。最近勉強を始めたばかりの方は、勉強した内容がアップされたり、失敗談などもあって、「うんうん、そうだよね」という共感があったり。一般の愛好家がお茶を楽しんだり、学んだりしている姿がブログを通じて、リアルタイムに見えてきて、その共感で広がっていった、というのはあると思います。ブログは書きやすさもあって、更新頻度も多めでした。そうしたことは、情報収集意欲旺盛なお茶好きさんたちの好みにも合いました。さらにコメント欄などを通じて、気軽にコミュニケーションが取れることもあり、徐々に中国茶情報を得る場としての地位を高めていきます。<ブロガーのオフ会が「お茶会」へ>初期の頃、お茶ブロガーの中心的な存在だったのはAll About 中国茶のガイドもされていた平田さんとこれまたAll Aboutのガイドをされていた納富さんのお二人。納富さんはブログをまとめた本まで出されています。このお二人とお茶仲間の方が企画したイベント「春のお昼の中国茶話会」が、2008年3月に開催されました。青海のパレットタウンにあるTOKYO CULTURE CULTUREで行われたイベントでしたが、ブログ愛読者な方々を中心に百数十名集まるという一大イベントに。OZONE夏の大茶会がなくなってから、こんなにお茶好きさんが集まることはあまり無かったので、画期的なイベントでした。この会場で初顔合わせになったのが、地球にやさしい中国茶交流会の呼びかけ人のブロガー3名。上海小町さんは、上海から日本に拠点を移したばかりで、まさにこれから教室を始めようというタイミングでした。このイベントの後に集まり、「ブログの愛読者さんたちと美味しいお茶を、みんなでワイワイ飲む会をやろう」という話に発展。その年の秋、恵比寿の古めかしい公民館の一室で、第1回の地球にやさしい中国茶交流会が開かれました。その後の地球にやさしい中国茶交流会は、紆余曲折を経ながらも碧眼猫さん、ちょしさん、うらりんさん、荷花さんなど多くのブロガーさんと読者さんを中心に、その輪を広げていきます。このあたりの出来事をきっかけに、東京近郊では一般の愛好家がブログ等で参加者を募ってお茶会を開催する、というスタイルが形作られていったように思います。ブログがメディアになったとも言えますし、ブロガーのオフ会がお茶会になったとも言えると思います。<お茶会ブームへ>お茶会の流れは、色々なところへ波及していきます。まず、日本に数多くある中国茶の団体。こうしたところで学んだ方々が、組織主催のお茶会・イベントなどを定期的に行うようになりました。セミナーよりもお茶会の方が、活躍の場を作りやすいし、初めての方でも取り組みやすいという面もあると思います。続いて、お茶教室の方。気軽に教室の雰囲気を体験できる場として、また生徒さんの発表の場として。中国茶専門店さんも、お店に来てもらうスタイルの1つとして、お茶会を企画するようになっています。さらに、普通の愛好者の方。様々なスタイルの趣向を凝らしたお茶会が開かれるようになりました。東京近郊では、春や秋の週末には複数のお茶会が重なることも多くなり、ダブルヘッダーで参加する方も多くいます。こうしたお茶会も、当初は本当に素朴な、茶器とお茶とお菓子があるだけ、というスタイルでした。が、様々なお茶会に参加し、また主催するという経験を重ねることにより、次第に内容が高度化していきます。茶芸師を取得した方だったり、台湾の茶会の影響を受けた方が多くいらっしゃるので、お茶そのものへの関心から、「茶器」「茶席」「茶空間」へと関心の範囲が広がっているように思います。<SNSの時代へ>最近では、お茶の情報が、TwitterやFacebookなどのSNSで流通することも多くなりました。少ない文字数や写真だけで情報共有が出来るSNSは、ブログよりもさらに発信が容易ですし、拡散効果も大きくなっています。メッセージ機能などで、コミュニケーションが容易になったことも大きいですし、Facebookのイベント機能などを使えば、お茶会の募集もやりやすくなりました。SNSの場合、ユーザーで無いと情報は全然入ってこなくなること、特定のメンバー内で情報が行き来するので、ややもすると先鋭化するきらいはあります。が、このSNSへの流れは、そうしたものを乗り越えて、また新しい形に動いていくことでしょう。続くにほんブログ村いつの時代も情報の流れが大事ですね
2016.01.09
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<中国茶団体が多いワケ>中国の国家資格について触れましたが、日本の民間資格についても触れておく必要があると思います。民間資格といっても、例えば日本茶なら日本茶インストラクター協会(かつては社団法人日本茶業中央会)が認定する「日本茶インストラクター」。紅茶なら日本紅茶協会が認定する「ティーインストラクター」など、業界を1つに束ねる有力な組織と認定資格があります。が、日本国内においては、中国茶にはそのような絶対的な存在はなく、小さな団体が多数あるというのが現状です。ゆえに「ここが絶対的に強い」という資格はありません。中国茶の資格を発行していたり、中国の国家資格への橋渡しをしている団体は、私の把握している限りでも11団体ほどあります。多くの団体は中国茶の第2次ブームである2000年前後かそれ以降に設立されています。量より質、知識面重視の流れから生まれたものです。各団体の設立の母体になったのは、多くの場合、有力な中国茶専門店であったり、中国茶教室を行っている講師の方です。NPO法人になっている日本中国茶芸師協会、中国茶文化協会などの例外を除けば、ほとんどは任意団体であり、事務についても、ごく一部の例外を除いて、設立母体の方が運営事務をこなしています。各団体の活動状況には、だいぶ差があり、Webサイトがあってもほとんど更新されない、というところも結構あります。こうした団体が数多くある理由ですが、「中国側と色々なお付き合いをする上で、個人名やお店の名前だと都合が悪い」という実務的な面が、かなり大きいです。さらに「店名を表に出すよりも、中立的な「協会」という立場を取った方が、活動にも幅ができる」という狙いもあります。そもそも、中国側の茶業関連団体が、所管官庁の違いで複数あるという事情もあります。例えば中国の国家資格講座を開講できる中国の団体には、農業部管轄の中国茶葉学会・中国国際茶文化研究会、民政部管轄の中国茶葉流通協会と所管省庁によって分かれています。中国側でも一本化できていないので、日本側も一本化するのはなかなか難しいのです。なにより、こうした団体と各お店や教室の先生方が人間関係を構築するという、極めて属人的なお付き合いで様々な交流が実現していますし、複数の先生が絡むとなると調整だけで大変なことになるので、この構図はしばらく変わらないと思います。そんな中でも、2005年に設立された日本中国茶普及協会は、業界の統一団体を目指すという試みがなされました。が、大口の会社に議決権が多く割り与えられる会員制度など、取り扱い量がモノを言う業界団体の体質が強く、第2次ブームを牽引した方々からの賛同は得られなかったようです。”中国茶を広めたい”という総論では、どこの団体も一致するのですが、その先の具体論になると、これまでの経緯もあり、かなり開きがあるというのが現状です。<プログラムと実力には、かなりの差が>どの団体も基本的には、その団体の教育プログラムを受講し、試験なりを行って認定を行うという流れになっています。ただ、前述したように日本国内の教育プログラムは、あくまでその指導講師の匙加減で決まっているところが多いので、内容はかなりバラツキがあります。ある団体では通用しても、隣の団体では通用しないこともあります。ほぼ、「プライベート資格」というおもむきなので、実力も千差万別。中には、「これでインストラクターを名乗らせるのですか?」と思う程度のプログラムもありますし、そんな有資格者の方も、たまに見かけます。そもそも、中国茶の世界は幅広いので、”短期間で講師に育成”というのは、かなり無理があります。できないことをできるように見せかけているなら、資格ビジネスだと断ぜざるを得ません。半年や1年程度の学習では、せいぜい全体像を俯瞰し、勉強の糸口をつかむ程度までです。そこから、自分自身でどれだけ勉強し、経験を積めるかが勝負です。本当の意味で指導できるレベルになれるまでは、最低数年は必要かな、と思います。二しか知らない人が一を教えるのと、十を知っている人が一を教えるのとでは、全然違いますので。もっとも、自分で楽しむだけなら、もちろん半年や1年でも全然問題無いのですが。#ただ、そのレベルであれば、インストラクターなどと名乗らせるべきではないのでは?<中国茶を学んだ人の数は、かなりの数に>ややもすると資格ビジネス化しているケースもあり、色々問題はあると思いますが、様々な団体が全国各地で活動することで、中国茶をある程度、体系的に学んだ人が増えたということも事実です。具体的な数字を出すと、華泰茶荘系の中国茶インストラクターで約300名、中国茶普及協会のインストラクターも同数程度を既に輩出していると聞いていますので、その他の団体もあわせると1000名以上の有資格者の方がいると思います。これと重なることが多いですが、茶芸師や評茶員の資格取得者も同じくらいいらっしゃるでしょう。また、中国や台湾、さらにはシンガポールなどに駐在された方でも、日本語の通じる中国茶教室に通い、中国茶を習って帰国されるケースも良くあります。中には茶芸師などの国家資格だったり師範資格まで取得されて帰国されるという例も最近、よく耳にします。こうした方々まで含めると、何らかの形でかなりのレベルまで中国茶を学んだ方というのは、第2次ブームの時代よりも確実に増えています。組織や団体で縦割りになるのではなく、そうしたものを超えて協力できるような場があれば、大きな可能性に繋がるのではないかと思います。続く。にほんブログ村団体乱立はわかりにくさに繋がってますね
2016.01.08
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