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2-2
赤川は外出を諦めた。そもそも、この司令官に何を言っても無駄なのだ。
「今日はあなたと君島さんの顔合わせですよ。」
「・・・はあ。」
「えーっと、名前はさっき言いましたね。こちらの赤川さんが、ダメ人間マンのレッドです。」
そう司令官がアカリに言うと、アカリはへぇ、というような顔をした。赤川は、そんな突拍子も無いことを聞いたら普通の人はもっと驚くのではないかと思ったが、期待していたほど大きなリアクションはなかった。・・いや、普通の人ならそんな話信じずに、笑うか怪しい目で見るかだろう。
ということは、彼女はダメ人間マンの存在をもともと知っていたのだろうか。
一体このアカリという女はなんなのだろう。司令官とそれほど親しいわけでも無さそうだし、雰囲気から一般人だろうと思うのだけれど。・・そうすると、あと考えられる可能性は・・。
「・・それで、彼女は一体誰なんだ?」
赤川は考えるのも面倒なので、単刀直入に聞いた。
「えっと、ダメ人間マンの新しいメンバーです。」
「やっぱり。」
彼女も、自分と同じようにわけもわからぬままダメ人間マンにされてしまったのだろうと赤川は思った。おとなしくここに居るということは、すでに改造(だと赤川は思っている)されて変身した後なのだろうか。
赤川は、ある日突然改造されてダメ人間レッドになった。初めはヒーローなんてなりたいと思ってはいなかった(というか、信じてもいなかった)。しかし、実際に自分が変身した姿を見ると、諦めてヒーローにならざるを得なかったのである。
「アカリさんは、もう変身したんですか?」
「・・ええ。」
アカリはうなずいた。
「それは・・かわいそうに。」
赤川はアカリが自分に降りかかった突然の不幸に落ち込んでいるだろうと思った。しかし、アカリはきょとんとして聞き返した。
「かわいそう?」
「ええ、だって、突然ヒーローになれだなんて迷惑でしょ。」
「迷惑なんて、そんなこと思わないけど・・。私は、私みたいなダメ人間でもヒーローとして貢献できるなら、良いことだと思うから。」
そう言ったアカリの瞳には、強い意志が宿っているように見えた。
赤川は思った。こんな人もいるんだなと。ダメ人間と言われる自分を肯定し、正義のために戦おうという人も。そう思うと、面倒くさい、恥ずかしいという理由でヒーローなんて今すぐでもやめたいと思っている自分が、ほんとにダメな人間であるように思えた。
そんな赤川に、司令官が言った。
「そういうダメ人間じゃなければ、このダメ人間マンは務まらないんですから。赤川さんはそれでいいんですよ。」
「うるせー。」
司令官はなぜか、赤川の考えていることが手に取るようにわかるようだ。まさか本当に心が読めるわけじゃないと思うのだけれど・・。
「あ、それじゃあ、アカリさんはなぜダメ人間なんだ?見る限り、どこもダメそうな雰囲気は無いけれど・・」
「一昨日の夜、付き合っていた彼氏と別れたの。私の方から一方的に別れようと言って。」
アカリは真剣な顔でそう切り出した。
「はあ、そうですか・・。」
「それで、その別れた原因が凄いんですよ。」
司令官が口を挟んだ。
「別れた原因って?」
「彼、私が欲しいバッグを買ってくれなかったの。」
アカリのその言葉を、赤川は反芻した。・・アカリが欲しいバッグを、彼が買わなかった。
「・・・それで、けんかになったとかですか。」
「いやいや。それがこのアカリさん、買ってくれないってわかったとたん、もうスパッと別れちゃったんですよ。」
司令官はなぜか楽しそうにそう言った。スパッと別れたって、バッグを買わなかっただけで?
「・・・は?」
「私、男の人からプレゼントをもらわないと、その男の人を信用できないんですよ。」
そうアカリは言った。
「・・プレゼントって、誕生日とかクリスマスとかだけじゃなく?」
そう赤川が聞いた。
「そういうイベントがある時はもちろん買ってもらうけど。それだけじゃなくて、街歩いてる時とかに欲しいバッグとか服とかがあったら、それをすぐに買ってくれる人じゃなきゃ、・・じゃなきゃ付き合えない。」
アカリの話を聞きながら赤川は、開いた口がふさがらなかった。これが、世間で言うところの貢がせる女って奴か。
「・・だって、欲しいものはいくらでもあるじゃない。それを男の子が買ってくれるっていうんだから、貰わなきゃ損よ。・・てゆーか、女の子に欲しいものもプレゼントできないってのは、男としてどうかと思う。」
「・・・だからって、それだけで付き合ってた彼氏とわかれるんだ。・・・じゃあ、お金持ちと付き合いたいってこと?」
「もちろん、お金持ちの方がいいけど。でも普通の会社とかに働いてる人でも、稼いだお金は全部私のために使ってくれるって人じゃなきゃ・・・・」
「ぎゃー!!」
アカリの話を聞いていた司令官が、恐怖におののいた顔をしながら両の頬に手をあてて叫んだ。
「お前はアツシかよっ!」
「いやあ、あまりの恐怖に叫んでしまいました。」
司令官のロンブー風リアクションは大げさだとして、確かに男に貢がせるというのはあまりよくないなと赤川は思った。
「・・・でも、プレゼントされると嬉しいし、男の子が好意でしてくれることだから。」
「まあそうだけどさ・・。」
「自分でも、それは悪いことだって思ってる。私はダメな女だってわかってる。・・でも・・・やっぱりプレゼントしてもらいたいって気持ちの方が強い。私のためにお金使ってくれない人は、私のこと思ってくれてないんだって思っちゃう・・・。」
そう言ったアカリは、本当に悲しそうな顔をした。そんなアカリを見て赤川は心が動いた。
そうだよな、確かにプレゼントされたら嬉しいってのは当然のことだよな。それに、これだけ可愛くて心根は良い子なんだから、貢ぐ男がたくさんいるってのもわかるし、ずっとそういう男達に囲まれてたら、そういうのが当たり前になっちゃうのかなー。
と、そんなことを赤川は思った。それは、可哀相だな。とも。
「・・ところで赤川さんは、どうしてダメ人間なの?」
「え、俺?・・俺は、一言で言うと人のこと僻んだりする性格かな。人生上手くいかないのは自分の努力が足りないからなのに、例えば、俺は就職決まらないのにどうしてあいつらばっかり、とかって思っちゃうところ。」
「そしてそんな自分を『俺ってダメだなぁー』って思うマイナス思考なところもですね。」
と、司令官が赤川の説明を補足した。
「・・じゃあ、赤川さんは今大学生?」
アカリが聞いた。
「え、ああそう。来年の春からは・・フリーターかな。」
「貯金とかあるの?」
さらにアカリは質問を重ねる。
「え?いや、全然無い。」
「じゃあ何、全然お金持ってないの?」
アカリは眉間に皺を寄せ、マジで?と言った顔をした。
「え、ああ、そうですけど・・・」
「なーんだ、素直なふりして損しちゃった。」
そう言ったアカリは急に足を崩し、カバンからタバコを取り出した。
「灰皿ある?」
「え、あ、この部屋禁煙なんだけど。」
「なにそんな小さいこと気にしてんのさ。そんなダメな性格でその上お金も無いんじゃ、あんた男としてもどうかと思うよ。」
そう言ってアカリは携帯用の灰皿を自分のカバンから取り出し、くわえたタバコに火をつけた。そして体をのけぞらせながら、堂々と煙を吐き出す。
・・ひょ、豹変した。
そうか、お金を持ってない男の前じゃあこんな感じなのか。と赤川は恐怖を感じた。
司令官はそんなアカリを見てから、自分の両頬に手をあてた。
「ぎゃー!!」
「いちいちうるせえよっ!!」
確かに、ぎゃーって言いたい気持ちはわかるけど・・。
つづく
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