ASTRALPHASIA - プログレ日記(Prog Blog)

2006.12.31
XML








エイジアのジョン・ウェットンとジェフ・ダウンズによるアイコンプロジェクトの2作目。
二人の音楽センスがうまく噛み合って、往年のエイジアを思わせるシンフォニックで、
メロディアスで叙情的なロック・チューンを構築してくれました。


アイコンの来日公演に合わせて10月25日にリリースされた本作の主題は、
ルビコン川に纏わるシーザーの古代物語に由来しています。
2度と元に戻ることは許されない二人の決意を感じさせます。


ウェットンのソロにダウンズが手を貸したような前作「アイコン」とは違って、
本作はダウンズの音楽的センスが前面に出たことによってエイジアの再来を感じさせる
サウンドで貫かれています。


<収録曲>
1. ザ・ダイ・イズ・キャスト

まさにこのアルバムのテーマソング。
アルバムの最後に配置されたルビコンと対称を成す歌詞の内容。
二人が大好きなアバの楽曲「Winner Takes It All」が歌詞中に登場。
歌メロはウェットンだが、イントロとアレンジは明らかにダウンズ。


2. フィンガー・オン・ザ・トリガー

エイジアの3作目「アストラ」収録の「Count Down To Zero」に出てくるテーマ。
曲の全体を支配するダウンズのアレンジが往年のエイジアの楽曲を彷彿とさせる。
携帯電話のボタンを押すのは最後通告を告げるために銃の引き金に手を掛ける女性?


3. リフレクションズ(オヴ・マイ・ライフ)

この曲もどちらかというとダウンズの趣味に近いけど、
人生の黄昏を迎えて天国に行くか地獄へ落ちるかの自身への問いかけがテーマ。
キリスト教の贖罪、そして性善説へと帰結する歌詞が印象的。
これは多分にウェットン先生の人生回顧風(?)ど演歌でしょう。


4. トゥ・キャッチ・ア・シーフ

オランダのゴシックロックバンド、GATHERINGの女性ヴォーカリスト、
アネック・ファン・ガースバーゲンがウェットンとデュエットしている壮大なバラード。
別れた男女が劇的によりを戻す内容がテーマとなっているが、これもルビコンか?
テーマの割には歌詞とアレンジが大仰なのがエイジア風と言えばそれまでの話。
でもこんなバラードも書ける二人の作風には感銘を受けました。


5. ティアーズ・オヴ・ジョイ

UK時代のウェットンの朋友、エディ・ジョブソンが作曲者としてクレジット。
ジョブソンは使用許可を求めるウェットンに「元々君の曲じゃない?」と言ったとか。
本曲には15歳の天才ヴァイオリニスト、ケティ・ヤコビーが参加。
アメリカの「スクール・オブ・ロック」でウェットンが共演して知り合いになったそう。
どんな小さな絵でもそれぞれ違う物語を持っているという出だしの歌詞が、
反戦歌にも通じる普遍のヒューマニズムを感じさせてくれる。


6. シャノン

ズンチャッチャー、ズンチャッチャーとワルツのリズムが印象的なナンバー。
必ず女性の名前が使われた曲を入れるのはウェットンの趣味だと思うけど、
ずいぶんと未練がましいラブソングになってしまっているのは相変わらず。(笑)


7. ザ・ハンギング・トゥリー

元々のピアノ伴奏はウェットンだがメロディはダウンズ。
歌詞の最初の2行はダウンズが書き、後はすべてウェットンとのこと。
ウェットンによれば、もう2度と訪れたくない場所について書いた曲らしい。


8. ザ・グローリー・オヴ・ウィニング

ウェットンとリチャード・パーマージェームスのコンピレーションアルバム
「モンキー・ビジネス」に収録されていた曲の再演。
タイトルの「勝利の栄光」とは無関係な歌詞に見えますが、意味不明。


9. ワールプール

メロディはダウンズ、歌詞はウェットン風。
やはりこの曲もシャノンと同じで○ックスがテーマになっているのか?


10. ルビコン

過去に別れを告げて、新しい道を歩き出した二人の決意を強く感じさせる曲。
裏ジャケに書かれたウェットンのモットー「Just do it!」に通じる内容。
自分たちをジュリアス・シーザーに見立てているのはいいけれど、
ちょっと大げさすぎませんかと言いたくなるようなお話。(笑)


11. ザ・ハーバー・ウォール(ボーナス・トラック)

ボーナストラックは前作「ICON」に収録されていた「Sleep Angel」の歌詞違い曲。
パーマージェイムスが書いた歌詞はウェットン・ダウンズほど大仰ではないが、
ルビコンというテーマに符合しているという点で評価できる。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007.01.01 02:45:59 コメント(7) | コメントを書く
[UK~ASIA~ジョン・ウェットン] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

お気に入りブログ

「#楽天スーパーSAL… New! 楽天アフィリエイト事務局スタッフさん

シニア IIIスタンダ… New! StarTreesさん

☆『SWITCH7月号』♪【… New! ruzeru125さん

モトリー・クルー … New! an-daleさん

楽天ブログからの配… New! 楽天ブログスタッフさん

散歩 tadaniiさん

KINTYRE’S DIARY~… kintyreさん
Midge大佐のCD爆買日… Midge大佐さん
唐辛子 osoba317さん
雑多な趣味のガラク… 天邪鬼の憂鬱さん

コメント新着

aki@ Re:銀座カンカン娘 ・ 収録されなかった幻の歌詞...(01/20) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
ゆきこ@ 日本にとって大切な参院選 初めまして、こちらのブログとは場違いな…
king-joe@ Re:Rock Meets Classic 2015 featuring John Wetton(03/08) こんにちは。25年来のウェットンファンで…
杜のオフミ @ Re:天地真理&堺正章/ 街の灯り(06/30) オフミです。お久しぶりです。画像に感動…
今週末@ Re:Song to Soul: The Making of ITCOTCK with Peter Sinfield & Ian McDonald 2011(02/19) Song to Soul 3月18日(日)放送 「ヒート…
ken_wetton @ Re[1]:THE BEATLES CHRISTMAS RECORDS(12/04) chop100さんへ コメント、ありがとうござ…
chop100 @ Re:THE BEATLES CHRISTMAS RECORDS(12/04) 60年代にファンクラブ向けに制作された…
ken_wetton @ Yes - Owner of a Lonely Heart LIVE at the R&R Hall of Fame Induction - April 7 totoroさん >Howe師匠はbass弾いているん…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: