鎌倉日記(極上生活のすすめ)

笑う万年筆


万年筆に凝ったのも、昔の話になっている。
進学祝いにモンブランの万年筆をもらい、大人の仲間入りしたような気になったのも、懐かしい思い出になってしまった。
平賀源内は蘭語を書くのに、墨を入れた竹筆を作り出したそうだが、初期の万年筆は、ペン先ではなく、毛筆のものであったといわれている。
日本の和紙には、毛筆のものがうまく字がのるから、堅いペン先のものは、なかなか普及しなかったのも、頷ける。
洋紙の普及とともに、今の万年筆は広がっていったようだ。意外と普及には、外的な要因が影響していることが多いが、これもその例だ。

万年筆の話で、もうひとつ。
外国での高級ホテルで気おくれしないための道具として、チェックインするとき、さりげなく、高級万年筆をだすこと。これだけで差がつく。上品にみえる。
ヨーロッパのホテルマンは、客の品定めをするときに、年令、振る舞い、持ち物、を見て判断するということだが、日本人は彼らから見ると年令が読めないうえに、分かりにくい存在らしい。
 そこで、知り合いのホテルマンによると、万年筆でチェックするということだ。
さらに、彼は
「日本人の場合は、ブランドの服は、成り上がりも、庶民もみんな着ているからわからないよ。」と微笑んでおりました。

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