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2017/05/04
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カテゴリ: 本の紹介
姜尚中(カンサンジュ)さんは在日韓国人二世で、父親が仕事を求めて日本へ来た経緯のある方です。

先日久しぶりに市の図書館に行きました。新聞の本の紹介欄で目にしていた本を探していたところ、姜尚中さんのコーナーがありました。
「生と死についてわたしが思うこと」 という題名の単行本です。
題名にひかれて、姜尚中さんの本はまだ1度も読んだことが無かった私でしたが、早速借りることにしました。姜尚中さんは息子さんを亡くされて書かれたようでした。
息子さんはまだ26歳という若さで、逝かれたようでした。
心の病を持っておられた息子さんが、沢山の薬を飲んでおられたようでしたが、直接の死因は呼吸困難だったとの事です。この情報は こちら のサイトで知りました。
私も一昨年主人を亡くし「死」について考えることが増えていました。
「私の家族を襲った不幸は、筆舌に尽くしがたく、今でも鉛を飲み込んだような苦しみと悲しみは癒されていない。極度の神経症という不治にも思われる病に苦しんだ息子は、さながら旧約聖書「ヨブ記」のヨブと同じようにうめき声を上げていた。」 と書かれていました。
「なぜ、生まれてきたのか?どうして生きなければならないのか?なぜ、世界には幸福な者がいれば、不幸な者がいるのか?人生に意味はあるのか?なぜ、生きていかなければならないのか?」
息子の問いにはこの世界を切り裂くほどの切迫感が漂っていた。だが、私たち大人は、その問いに答えてやることは出来なかった。、、、、
「世界が滅びるか、自分が滅びるか?そもそもこの世界は、不平等と不正に満ち、正直者が馬鹿を見、不正の人々が幸福の饗宴に酔いしれ、一皮剥けば、妬みや嫉み、羨望や蔑視、敵意や憎悪の渦巻く世界ではないのか。こんな世界は生きるに値するのか。どうして神はこんなつまらない世界をお創りになられたのか」
「世界の悲惨が自分たちの外にあるとは思って欲しくない。世界の悲惨は、自分たちの中にあるんだ」こう呟いた息子の言葉を忘れることができない。、、、、
息子はやがて柔和で優しいヨブのように無垢な表情を取り戻すようになった。息子は片っ端から哲学書や宇宙論、生命論の本を読みあさり、、、、、
「生きとし生けるもの、末永く元気で、さようなら」とい言葉を残して、帰らぬ人になったのである。
父として姜尚中さんはどんなに辛かったことでしょうね。

【中古】 生と死についてわたしが思うこと 朝日文庫/姜尚中【著】 【中古】afb
「母(オモニ)」という本も探してもらって、こちらも借りてきました。

【中古】 母 オモニ 集英社文庫/姜尚中【著】 【中古】afb





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最終更新日  2017/05/04 03:40:43 PM
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