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久しぶりの更新です。妊娠判定から、心拍確認までの経過を簡単に説明します。多くのクリニックでは、4週から5週にかけて血液あるいは尿で妊娠反応陽性かどうかを確認5週から6週にかけて胎嚢(GS)があるかどうかエコーで確認6週から7週にかけて心拍を確認という流れだと思います。一般に、「臨床的妊娠」とは、胎嚢が確認されることを言います。
2017年03月05日
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あけましておめでとうございます。新年早々に体外受精に関する件でマスコミが騒がしいですね。体外受精顕微授精については、技術的にはある程度落ち着いてきており、これからは、こういった民事的な案件が増えるのかもしれませんね。法整備等、まだまだ課題はいっぱいですので、我々も襟を正して頑張らないといけません。今年もよろしくお願い致します。
2017年01月09日
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皆さまこんにちは。今年も終わりが見えてきましたね。今年はいろいろ仕事で忙殺され、この日記も過去最低の更新率となってしまいました。続けようかどうかも悩んでいるところですが、もう少し引退は先延ばししようと思います。皆さまどうぞ良いお年を。
2016年12月15日
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皆さま耳慣れないとは思いますが、今回はAZF(AZoospermia Factor;無精子症因子)遺伝子についてお話いたします。男性のY染色体上にある“AZF遺伝子”は、精子形成に大きく関与していることが知られています。AZF遺伝子にはa、b、cの三つの領域があり、この領域は精子形成に必須であるタンパク質合成に関わっていることが分かっています。近年の研究でこれらの領域に欠失が生じると、精子形成能に悪影響が出ることが分かってきました。これらの領域の中でもとりわけ、a、bは重要と言われており、a、bのいずれか一つでも欠失していると、精巣内精子採取術(TEsticular Sperm Extraction;TESE)という手術を行っても、精子が回収できない可能性が高いということも明らかになってきました。よって、施設によっては、このa、b領域の欠失によってTESEを行わないこともあるのかもしれませんね。Cの欠失については必ずしも無精子症になるわけではないようですが、男性不妊の原因になりうるわけですし、子供さんができてもCの欠失自体は遺伝しますので、カウンセリングはさらに重要なのかもしれませんね。
2016年09月26日
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先日、血液型と卵巣予備能との関係を大真面目に調べた論文を見つけました。35,479名の中国人女性を対象に卵巣予備能に血液型がどのような影響を及ぼすか後方視的検討を行い、B抗原をもつ、「B型」と「AB型」の血液型において卵巣予備能が低下する割合が多いとのこと。この論文だけで、血液型と卵巣予備能と関連付ける自信はまったくないですが(笑)、このようなことを調べたことには意義があると思います。日本人は特に血液型が好きですからね。これに性格とかの話を引っ付けるともっと面白いのでしょうが、やはり信ぴょう性の問題がね(笑)。でも、このあたりのことももっともっと症例数を増やして検討していくと真実が見えてくるのかもしれません。ひきつづきこれに関するもっと大規模な検討をしてほしいですね。
2016年07月29日
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最近は月1ペースでの更新になっていますが、まだ続けているというしぶとさ(笑)。継続は力なりですので、まだまだ頑張ります。さて、ここ最近個人的に気になっている記事は、黄体期での採卵です。高齢の方で、クロミッドや自然周期で卵胞期に採卵できなくても、黄体期にもクロミッドやレトロゾールなどで刺激して、採卵できるというものです。基本的には、黄体期採卵で得られた受精卵、胚はいったん全胚凍結して次周期以降に移植するようですね。最近、ちらほらこの話題があります。成績が良いのなら、導入してみる価値はあるかもしれませんね。
2016年06月23日
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卵巣を刺激してもなかなか卵胞が育たない方は、若年の方でもいらっしゃいますが、そういう方は、果たして妊娠しているのでしょうか?ある論文によると、自然周期採卵にて、a)35歳以下、b)35-39歳、c)40歳以上という3群にわけて移植あたりの妊娠率を比較したところ、a)では29.2%、b)では20.6%、c)では10.5%という結果であったとのことでした。 年齢が若くとも卵巣の反応が良くない場合は、妊娠率が悪いことが予想されましたが、この論文の結果だけ見ますと、思いのほか、移植あたりの妊娠率は良い様にも思えます。ですから、たとえ、卵巣の反応が良くなくとも、年齢因子が一番重要だということになりますね。
2016年05月27日
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久しぶりの更新です。皆さまお元気でしょうか?さて、今回はAIDについての話題です。AIDとは第三者からの提供精子を用いた人工授精のことです(AIHはご主人の精子を用いた人工授精を指します)。AIDにおいて、同じ月経周期で2回実施したら効果的なのでは?という話があり、1回 VS 2回で検討した論文を見ました。その報告によると、1回群は16.4%、2回群は13.6%で統計学的に有意差は認めないというものでした。つまり、効果はなかったとのことですね。日本国内では、AIDではなく、AIHにおいて、同一月経周期で2回実施すると効果があるかも?という発表を目にしたことがあるような気がするのですが、今回の論文から判断する限りでは、AIHでも2回実施の劇的な効果は期待できないのでしょうかね。
2016年05月11日
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2つの胚盤胞が合体してしまう現象があります。胚盤胞の栄養膜細胞同士が融合して、ひとつの胚盤胞のようになってしまいます。こうなると、「胎盤共有型2卵性双胎」になってしまう可能性があります。本来、2卵性の双胎は胎嚢(たいのう)がそれぞれ1個づつ独立しているはずなのに、「胎盤共有型2卵性双胎」では、胎嚢が1個になってしまい(エコー像では、1卵性双胎のように見えます)、結果として1個の胎嚢に遺伝的に異なる胎児が2人いる特殊な状態になってしまいます。胎盤共有型2卵性双胎では、性別が違ったりすると、性成熟に影響がでたり、血液型が違った場合には、2種類の血液型が混在したりするという、特殊な状況になることもありえます。このような事を起きにくくするためにも移植胚数は出来るだけ1個にして、多胎妊娠を避ける努力をしたほうが良いですね。
2016年03月31日
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最近は新聞などでも施設ごとの成績が公表されますが、その際の注意点として、「体外受精」、「顕微授精」、などの件数の見方を知っておく必要があります。新聞などに出てくる、「体外受精」、「顕微授精」で成績を算出する際の件数は、”新鮮胚移植”を指すことが多いです。最近は、新鮮胚移植をせずに、いったん胚をすべて凍結して、凍結融解移植することも多くなっており、この場合は、受精法に関係なく、「凍結胚移植」に分類されてしまうので、このように全胚凍結した件数は「体外受精」・「顕微授精」から除外されてしまうことが多いように思います。ですから、「あんな大きなクリニックなのに、体外受精や顕微授精の件数が少ない?」という見方になってしまいます。その場合は、凍結胚移植に移行していないか確認してくださいね。
2016年03月13日
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先日、受精卵をピペットでつついて、そのときの膜の反発力が、受精卵の質を反映する可能性があるという発表がありました。女性のお肌のハリと同じく、受精卵のハリもとても重要ということなのでしょう。今後、この現象がいろいろと臨床応用されていくといいですね。
2016年03月03日
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久々の更新です。顕微授精を実施しても受精率が著しく低い、あるいは、まったく受精しない場合は、このカルシウムイオノフォアという薬剤が受精成立に奏功する可能性があります。特に、奇形精子しか存在しないような患者様の場合は、奇形精子そのものが卵子を活性化する能力に乏しいため、顕微授精実施前あるいは後に、このカルシウムイオノフォアを使って補助的に卵子を活性化すると、効果が高いようです。卵子側が原因と考えられる、顕微授精での受精障害でも、この薬剤で奏功することもあるようです。ただ、この薬剤の使用経験は症例数そのものが少ないため、安全性が確立したとは言えない状況です。ですが、この方法でしか受精しない場合もあるようなので、充分に説明を受けたうえで使用をご検討いただくと良いのかもしれません。
2016年02月13日
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あけましておめでとうございます。そろそろ治療を開始している方も多いのではないでしょうか。今年も頑張っていきましょう。皆さまの成功を心より願っております。当ブログにつきましては、マイペースでのんびり続けていこうと思っています。また何かご質問があれば、よろしくお願いいたします。
2016年01月14日
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先日、PCOSと自閉症が関係あるのでは?というニュースがありました。PCOSのホルモン環境が自閉症に影響する可能性を指摘していました。自閉症についてはいまだ謎が多いのでこれからも研究が進んでほしいものです。さて、今年も皆さまありがとうございました。細々とやっていますが、なんとか来年もやっていこうと思います。皆さまも良いお年をお迎えください。
2015年12月17日
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これは精子頭部にはいっている酵素で、卵子のまわりを覆っている「卵丘細胞」を溶かすためのものです。精子はヒアルロニダーゼを分泌しながら卵子にたどりつくわけですね。 さて、われわれ培養士がICSIを実施する際は、卵子のまわりを覆っている卵丘細胞を取り除かないといけませんので、このヒアルロニダーゼを使って、卵丘細胞を溶かします。このヒアルロニダーゼ処理を手際よくするのがICSIの成績を安定させるうえで非常に重要かもしれませんね。
2015年11月06日
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受精率が良いほうが、受精卵が多くできますし、余剰胚の凍結保存なども試みることが出来ますので、受精率は良いに越したことはないです。ただ、受精率が40%だからといって妊娠しないわけでもないですし、受精率が90%の方が40%の方よりも妊娠しやすいとまでは言えないです。 私の過去の経験では卵子が10個以上採れても、通常の受精法(従来法)で結局1個しか受精せず、その1個の受精卵(胚)を移植し、妊娠・出産に至ったことがあります。 結局は、良い胚ができるかどうかなんですね。もちろん、高率に受精して、胚がたくさんできたほうがいろんな点で有利なんですが、“多ければ多いほど”とまでは言えないです。また、最適な発育卵胞数というのは、いまだ完全には決まっていないようですね。 ですが、統計をとると、どの程度の発育卵胞数が妊娠率が相対的に高くなるかというのは、算出できるのかもしれませんね。そのような論文があればまた、ご紹介したいと思います。
2015年10月16日
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文字通り、子宮外に着床する妊娠をこう呼ぶのですが、正式名称は異所性妊娠と呼びます。症状は人それぞれですが、一般には、無月経、腹痛、不正出血と言われています。診断は、妊娠反応が陽性であるにも関わらず、子宮内に胎嚢が見られない場合に子宮外妊娠が疑われます。治療法は卵管切除する根治療法と、卵管が温存できる可能性があるのなら、薬物療法などが奏功する場合もあります。子宮外妊娠は、とっても怖いので、異常に気付いたらすぐに医療機関を受診しましょう。
2015年10月01日
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通常の受精法(精子の自力に期待する方法)では、卵子がまったく受精しない確率が10%ほどは認められます。よって、このリスクを避けるため、精子と卵子を一緒にして、その6時間後くらいに、受精兆候(卵子は受精が成立している場合に、第二極体というものが見られるので、6時間後に第二極体の有無を判定します)が見られない場合に、ICSI(顕微授精)に切り替える方法を言います。 ただし、この受精兆候だけでは、正確に受精判定ができない場合があり、通常の受精方法で『非受精』と判定して、ICSIに切り替えた場合に、5-6%程度、多精子受精が起きると言われています。 つまり、通常の方法で精子が卵子内に侵入したにも関わらずに、顕微授精をしてしまう可能性があるということですね。
2015年09月13日
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皆様いかがお過ごしでしょうか?今日から日記を再開します。また、何かご質問があればどうぞ。時間はかかるかも知れませんが、なんとかお答えいたします。よろしくお願い致します。
2015年09月06日
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暑いですね。皆様はいかがお過ごしでしょうか?最近は更新頻度が低いものの、なんとか続けております。盆休み以降、また、再開いたしますので、よろしくお願い致します。
2015年08月03日
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よく「異常受精なのになぜ分割するのですか?」と聞かれますが、異常受精でも受精は成立していますので分割することのほうが多いです。ただ、異常受精の場合は分割速度が速かったり遅かったりすることが多いです。 また、意外かも知れませんが、異常受精でも胚盤胞になることはあります。これは別に不思議なことではありませんし、「胚盤胞になること=正常受精」ではないということですね。ですから、異常受精しているかどうかきちんと見極め、異常受精しているものを除外しておくことが重要になりますね。
2015年07月26日
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自然周期の場合には、排卵日=採卵日として、子宮内膜と胚の成長度を同調させます。たとえば、採卵してから3日目のに凍結した8細胞期胚では、排卵してから3日目くらいの子宮内膜に移植してタイミング子宮内膜と凍結胚の成長のタイミングを合わせます。ただ、自然周期の場合は、予定通り、排卵しないことがあったり、予定通り、卵胞が発育しない場合には、大幅に予定がくるったりすることがあり、胚移植の日程が定まりにくいという欠点があります。
2015年07月09日
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培養システムの違いが出生時の体重へ影響するかも知れないという報告があり、培養液の違いが出生体重に影響するかどうか調べた論文がありましたが、その論文では、使用した3種類の培養液において、出生体重の差はなかったそうです。 培養液による出生体重の差が顕著であれば、その培養液の使用について慎重にならなければならないかも知れないので、非常に気になる話題ではありましたが、とりあえず、差がなかったということで一安心です。今後もこういった話題には、アンテナを高くしておかなければなりませんね。
2015年06月22日
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顕微授精は、精子を卵子内に確実に注入しますので、従来法よりも受精障害は起きにくいです。ですが、精子が奇形のものが多い場合や、卵質不良の場合に起きることがあります。こういった場合、電気刺激や、カルシウムイオノフォアという薬剤を併用することで、受精が可能になることがあります。
2015年06月05日
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胚盤胞の到達率は、当ブログでは、年齢差、個人差を無視しておおまかにいうと、約1/3という説明をさせていただいておりました。ただ、自分の勤務している最近の胚盤胞到達率を詳しく見てみると、培養6日目までに、とりあえず胚盤胞に到達した割合は50%程度でした。ただ、この50%のなかには、実際の治療に用いることができないような胚盤胞も多数含まれますので、やはり、実際の治療に用いることができる胚盤胞は約1/3でいいのかなという気も致します。
2015年05月14日
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基礎体温についての質問として、「体温が低いのですが…」というのが非常に多いのですが、基礎体温は誤差や個人差も多いので、まずは、一つの目安くらいに考えておいたほうが良いと思われます。そして、黄体ホルモン値などが充分な値であれば、特に基礎体温を気にしすぎることもないのかも知れませんね。もちろん、ご心配であれば、まずは、担当医師にご質問くださいね。
2015年04月20日
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FSHは卵胞を刺激して、卵胞を大きくする働きがあります。ですから、卵胞が育っている間はこのFSHの血中値も基本的には上昇します。ですが、時期外れの月経周期3日目くらいにFSH値が上昇していると、卵巣機能の低下が疑われます。なぜ、このようにFSH値が上昇するかというと、卵巣の機能の低下があると、脳は、「卵胞を造らなければいけない」という使命にかられ、FSHの分泌が活発になるからです。FSH値上昇から卵巣機能低下を診るには、こういう理屈があるということをおぼえておいてくださいね。
2015年04月04日
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受精障害とは一般に、まったく受精卵が得られない状態を言います。精子と卵子を一緒にして、精子の自力に期待する通常の受精方法においては、受精障害は10-20回に1回程度はおきると思われます。 そして、一度通常の方法で受精しなかった方が再度、通常の受精法にトライして、もう一度受精障害になる確率は、40%程度(10回のうち4回)という報告があります。 不思議なことに、一度通常法で受精しなかった方がもう一度やったら、6割の方が受精するんですね。でも、裏をかえせば、4割も受精しないリスクがあるので、こういう場合、次からは顕微授精が無難ということになります。
2015年03月20日
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卵子が未熟であると、そのような卵子を体外で成熟させても妊娠率は、一般には下がると言われています。 最近では、あえて未熟卵子を採取し、体外で成熟させてから治療する方法も開発されてはいますが、成績はまだまだ不十分というのが一般的な見解です。ですから、単純な理解として、採卵時には卵子が成熟している方が良いと思っておいたほうが良さそうです。
2015年03月02日
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抗がん剤は、増殖能の高い細胞を攻撃します。がん細胞は非常に増殖能が高いので、抗がん剤が効くのですが、同時に、増殖能が高い、精子、卵子などの生殖細胞も攻撃してしまいます。抗がん剤の副作用で、精子、卵子などが少なくなってしまったり、なくなってしまうということは実際には起こりえます。ですから、抗がん剤などの化学療法を受ける前に、まず、精子、卵子を凍結保存できるかどうか検討してくださいね。特に、精子の凍結保存は簡単に行えますので、出来るだけ多く保存しておけば有利になりますし、体外受精・顕微授精でなく人工授精で妊娠成立ができるかもしれませんからね。 また、最近では、未受精の卵子の凍結保存技術も目覚ましい進歩を見せています。未婚であっても採卵が可能な状況であれば、卵子を凍結し、妊娠の可能性を残すことができますからね。医療機関に是非ご相談ください。
2015年02月22日
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逆行性しゃせいとは、精えきが射出されずに、膀胱内へ逆流する状態をいいます。糖尿病などの患者さんなどに多く見られます。 この場合、尿と一緒に、精えきが排出されるので、尿と精えきの混合物から精子を回収することが必要です。精子は尿中に長時間滞在すると、PHや浸透圧なの急な変化によるダメージを受けてしまいますので、できるだけ尿の影響をさけるために、膀胱内の尿を少なくしたうえで膀胱内に培養液を充填しておくなどの工夫が必要になってきます。
2015年02月06日
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サウナを週に数回、15分程度入って数ヶ月経過すると、精子の状態が悪くなるという論文を見つけました。やはり、高温環境が続くと、精子にはよくないのでしょうね。 ただ、サウナ通いをやめて半年くらい経つと元にもどるとも書いてあったので、少なくともお子様が欲しい時にはサウナ通いをお控えになったほうが良いかも知れませんね。
2015年01月22日
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皆様お変わりはないでしょうか。そろそろ治療が始まっている方も多いのではないかと思います。今年もよろしくお願い申し上げます。
2015年01月15日
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今年は、本当に更新頻度が落ちてしまい、また、お返事が遅くなって本当に申し訳なく思います。かなり、仕事以外のことで、今年は忙しかったのでPCを開ける頻度もすごく下がってしまいました。来年はもう少し改善できればとは思います。 とりあえず、今年の更新はいったん今日をもちまして終了させていただきます。それに伴い、コメント欄にも書き込みが不可能になりますのでご了承願います。また、来年よろしくお願い致します。少し早いですが、良いお年をお過ごしください。
2014年12月10日
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成熟卵子を特徴づける因子として、透明帯と卵子原形質の間(この隙間のことを、囲卵腔:いらんくう)と言います)に、“第1極体”という小さな“つぶ”のようなものが見られます。 そして、受精が成立すると、さらに、もうひとつの“第2極体”が見られるようになり、卵原形質内に、“前核”とよばれる核が2個見えます(当ブログのフリーページ、“ヒトの受精卵の発生”をご覧ください)。これで受精完了です。 前核の数が2個でなかったり、極体の数が2個でなかった場合には異常受精の可能性がでてきます。異常受精では、染色体の総数が変わってきますので、正常には発生できません。よって、一般には、異常受精胚は移植の候補から除外されます。この正常受精における数的な関係(極体数2個、前核数2個)も皆さんよく熟知しておいてくださいね。
2014年11月26日
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久しぶりの更新です。結論を申しますと凍結することによって、染色体異常が増え、先天性の異常が増えたというデータを、私は今のところ拝見したことがないですね。ですから、染色体そのものの異常が増えるとは考えなくても良いと思います。 ただ、数年前に、凍結することで、「染色体異常は増えないけれども、遺伝子の発現異常が増えるのでは?」という仮説が世間をにぎわしましたが、その後、ちっとも話を聞かなくなりました。もう少し、様子を見て結論を出す必要がありますが、いまのところ、凍結しても著しく遺伝子発現異常が起きるとは考えなくても良さそうです。
2014年11月14日
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男性の精えきの状況も加齢の影響を受けると言われていますが、具体的にどの年齢からかは、あまり知られていないと思います。ある論文によると、34歳以降は男性の精えき所見が悪化するとのことです。もちろん、この情報は一説にすぎませんし、この情報だけを鵜呑みにしてはいけませんが、男性も意外と若い年齢から加齢の影響を受けるのかも知れませんね。
2014年10月26日
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成人男性がおたふくかぜになると、重症化して精巣炎を発症し、不妊になることはみなさんよくご存じだと思いますが、精巣炎が両側にできることは比較的少ないようで、「大人になっておたふくかぜになるとすぐに無精子症になるとまでは言えないようです。 それと、女性もおたふくかぜになると卵巣炎を引き起こすことがあるそうです。男性ばかりではないようですね。
2014年10月12日
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移植後の安静時間がまったくない場合と、移植後の安静時間が10分の場合とで妊娠率をくらべたら、まったく安静時間がないほうが出産率が高いという論文がありました。もちろん、ないほうが成績が良いというのは言い過ぎな気もしますし、この論文の情報だけをうのみにしてはいけませんが、移植後の安静時間がなくてもやはり問題はなさそうですね。
2014年09月29日
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「胚盤胞4AAを移植して妊娠しなかったのに3BCを移植して妊娠するんですか?」という質問をよく受けます。これに対する答えは、「妊娠します」ということです。 胚盤胞のグレードは、あくまで妊娠成立の確率論であって、絶対的な胚の優劣ではないですからね。ただ、統計学的な見地でお話をすると、やはり、例数を増やすと、妊娠率は、4AA>4BB>4BCという風にきれいにグレード順にならんできます。
2014年09月19日
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凍結胚の保存期間別に成績を比較した論文があって、それによると、少なくとも6年間の保存期間では、凍結融解の復活率、着床率、妊娠率に差はないようです。また、保存期間とともに出生時の奇形率の上昇もないようですね。
2014年09月14日
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皆様、こんにちは。夏休みはどうでしたでしょうか?今日から再開いたします。またよろしくお願い致します。
2014年09月02日
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皆様、こんにちは。今年は、仕事ももちろんですが、それ以外のことが忙しすぎて、かなりブログの更新とお返事が遅れています。本当に申し訳なく思います。 お返事が遅れてはいけませんので、とりあえず、8月いっぱいまで夏休みとさせていただき、コメント欄には書き込みができなくなりますので、よろしくお願い申し上げます。
2014年08月06日
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私が勤務しているクリニックでは、人工授精時の必要運動精子数は、洗浄・調整前に総運動精子数が1000万個以上というのを基準にしています。 この基準は比較的多くのクリニックが採用している基準かもしれません。洗浄・調整後であれば、総運動精子数は500万個以上くらいを基準にしていることが多いかも知れませんね。人工授精において、運動精子数が少なくても妊娠する例はもちろんありますが、確率は低くなるというのが実情のようで、運動精子数は多いに越したことはないようです。
2014年07月22日
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子宮以外の場所で着床し、妊娠することを異所性妊娠(子宮外妊娠)と言います。体外受精・顕微授精では、子宮内に胚を移植するので、子宮内で着床するはずなのですが、まれに、胚が子宮から移動して、卵管や、腹膜などで着床してしまうことがあります。こうなると、残念ながら、妊娠維持が不可能になってしまいますし、その後の医学的な処置が必要になります。 発生頻度としては、体外受精・顕微授精で妊娠したうちの5%未満だと思われますし、初期胚移植よりも胚盤胞移植のほうが異所性妊娠の確率は低くなると言われています。
2014年07月09日
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抗がん剤は、増殖能の高いがん細胞に対して抑制的にはたらきます。よって、一定の治療効果があるわけですが、増殖能の高い細胞は何もがん細胞だけではありません。 生殖細胞(卵子、精子)も非常に増殖能が高いので、ケモセラピーをうけると、生殖細胞が深刻なダメージをうけてしまい、不妊になってしまうことがあるわけですね。 ただ、精子はケモセラピーをうけるまえに凍結保存しておけば、治療完了後にチャンスが残りますし、卵子についても場合によっては凍結保存が可能になってきております。ケモセラピーを受ける前に必ずこのことを認識しておいてくださいね。
2014年06月29日
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胚盤胞は、凍結の際、脱水されるので、一旦収縮して一塊のように見えます。そして、融解後にきちんと復活できた胚盤胞は、もう一度、胚盤胞の特徴である「胞胚腔」とよばれる空洞を形成して、もとの形に戻ろうとします。 ですから、その一連の過程において、まれに、凍結と解凍後にグレードが違ったように見えることもあります。凍結・融解過程において、少々の形態変化はあると思ってくださいね。
2014年06月20日
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流産した回数によって使い分けます。・反復流産:流産を2回繰り返した場合をいいます。・習慣性流産:流産を3回以上繰り返した場合をいいます。3回以上流産を繰り返す場合は何らかの流産しやすい原因があることが推定されますが、今の医学でははっきり分からないことも多いです。
2014年06月05日
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ヒトの染色体は23組(そのうち22組44本は常染色体、1組2本は性染色体と呼ばれます)で合計46本あります。そして、この数が狂っていると、染色体異常と判断されます。たとえば、23組のうちの21番目の染色体(常染色体)が、1組(2本)ではなくて、1本多くて3本(トリソミーと言います)になると、いわゆるダウン症とよばれる状態になります。また、男性不妊として有名なクラインフェルター症候群は、23番目の性染色体の1組(XY)で、Xを余分に持ち、XXYになることにより起こります。
2014年05月30日
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不妊治療に用いられる基本的な検査の一つです。性交渉を持った後、子宮頚管粘液の一部を調べ、精子数、運動性などを評価します。これは、出来るだけ排卵前に行うほうが良いようです。というのは、排卵前でないと、子宮頚管粘液があまり出ていませんし、きちんと評価できないということなのでしょう。 あと、この検査自体の精度は、あまり高いとはいえないようですね。検査結果がすごく悪くても、その周期に自然妊娠していた方もたまにいらっしゃいますから。あくまで一つの目安と考えたほうがいいですし、一度の検査だけで判断するのは難しいのかも知れませんね。
2014年05月23日
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全768件 (768件中 1-50件目)