猪突猛進 その2

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2014.05.27
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カテゴリ: カテゴリ未分類
ぼろっぼろの顔をしていても、こんな時ほど手当たり次第に仕事があるくらいに忙しく、
悲しいかな、嬉しいかな、寝ていてもデートの心配などしなくてもいいくらいに、
夢まで仕事一色の日々です。

そんな中、寝ながらも、うなされるくらいの事件が起こりました。

私のお仕事シリーズは、なかなか人気があるらしく、反響が大きくて、
そんな中でも今回は、こんなことがあるの??てくらいの事件だったので、公開します。

これを読んだ人が、こんなこともあるのだと心の隅に置き、
今後、患者側になった時、損をしないよう、賢く参考にしていただければと思います。


私も、新卒時から大学病院勤めで、今でも病院の一職員のため、

かなり我慢ができる方だと思ってはいたのですが、今回ばかりは堪忍袋の緒がぶっつりと・・・

それは、ある病院の、一患者さんへの対応です。

Yさんは、63歳女性、要介護1。独身独居。頼りにできる親戚は遠方に住む妹さんだけです。
妹さんも家庭があり、なかなかYさんに関わることのできない状況です。

介護保険と言うものは、65歳以上にならないと適応ではないのですが、
特定疾患を認定されれば、65歳に満たなくても認定を受け利用することができます。

Yさんも、58歳の時に特定疾患を発症され、それまで勤めていた職場を早期退職されました、
その疾病の薬は、とても副作用の強いもので、血栓が次々にできてしまうため
血栓予防の薬も併用して飲むのですが、60歳の時に大きな脳梗塞を起こしてしまいます。

右半身に軽度の麻痺と、思いを言葉にすることに障害がでる言語障害と、感情が溢れる感情失禁、
言葉やしぐさや反応がその場にそぐわなかったり危なげだったりする失行という障害もみられました。


まじめにリハビリを行うことで要介護1まで回復し、ヘルパーが家事援助に入るだけで
生活が送れるようになりました。

もともと精神科に通われて安定剤の処方が必要だった方で、
気質的に不安が強く、その不安を、物で埋めようとされる傾向でした。

家の中には、溜めておけるものは溜めておきたい、という彼女の気持ちが溢れるような光景でした。

たくさんあればあるほど、安心できるのでしょう。
とにかく、なんでこんなに・・・お店ですか?というくらいの在庫の量、まさにストック魔。

病気になってからはさらにその傾向に拍車がかかり、買い物援助に入ったヘルパーさんは
すでに家に山ほどあるのに同じものばかりの買い物を頼まれました。

「ケアマネさーん、いいんですかー?」という質問はたびたび入りましたが、
妹さんに了解をいただき、それで気持ちが安定するならと、
本人の好きなようにさせてあげることになりました。

通院は自分で管理して自分でする。とうことが希望であり、目標で、
私も、通院や薬の管理については、口出ししてもらいたくないという雰囲気を配慮し、
本人の好きに通院してもらい、お任せして見守っている、という状況でした。

ま、少々変わったところや、家事ができないところがあっても、なんといってもお若いし、
通院日をしっかりスケジュール帳に書くなどして病識の面ではしっかりしていたわけです。
そのまま3年ほど、特に支障なく特変なく、趣味の読書を嗜みつつ
病気と付き合い生活されていたので、私もすっかり安心していました。

事件が起こったのは5月の半ば。
Yさんからの電話をとったのは事務所の後輩君で、「誰だろう、ちょっと話がかみ合わない・・・」
と電話口を抑えました。こういうとき、ぱぱっと頭に浮かぶのは言語障害のある方や
気切していて声の出しにくい方で。

ばき「『名前』と言って・・・」
後輩「はい、あのお名前、名前です、な・ま・え・・・Yさん?」
ばき「あーーーYさんね、私の担当だわ」

と、とっさに電話をかわったのですが、微妙に話がかみ合わないのはいつものことだけれど、
今日の電話はいつもよりさらになにかがおかしく、言語障害は元から言語障害なのだけれど、
明らかに悪化しているのが電話口でもわかる、という状況でした。

Yさんは脳梗塞でお世話になってからずっと主治医になっている、ある病院の名前をあげ、
帰れない、歩けない、となんとか伝えてくれました。

時間の空いているヘルパーに通院介助を依頼して、私もヘルパーと一緒にその病院へ向かいました。

病院内をうろうろと探し回ると、検査室の前に車椅子に座るYさんを見つけました、
ゆっくり話をすると、外を歩いていたらふらついて倒れた、後頭部を打ちコブができた、
足元がフラついて危ないからと、その場に居合わせた人がタクシーに乗せてくれたから
なんとか病院名を言い病院にたどり着いた。
頭を打っているのでこれから頭のCTと撮るところだと。

そこにやってきたドクターに、頭のコブの部分の検査だと聞いたため、
「明らかに足がふらついており、立てない歩けないという症状は頭を打ったこととは別の要因が
 つまりは、転んでけがをしたことが問題なのではなく、なぜ転んだかを調べてほしい」ことをお願いし、
「言語障害や会話が的を得ていないのはもともとあったことだけれど、
 今日は格別様子がおかしい」ことをお伝えして、ヘルパーには入院になるかもしれないけれど、
帰ることになっても入院になっても、とにかくどちらにせよ一人では対応できないから、
付き添ってほしいことをお願いして、私はいったん帰ることにした。

8割がた、入院だと思っていたところに、ヘルパーから
CTの検査結果は問題なく、こぶができているだけで問題ないと診断され
帰されたと電話があったのは1時間後だった。

対応に出た先生の専門は、脳外科であり、外傷の脳外科の診断はついたというお話、
ん?神経内科の話は??

ヘルパー「いや、頭打ったから脳外科に来たんでしょ、という話でしたけど」

・・・時間外の救急受診が、それで終了、です。


私の話はどこいったんじゃ~~~~
外科が問題ないなら神経内科を疑い、そっちに回してくれ~~~
暗にそれをお願いしたつもりだったのだけど、ドクターに対して支持する形は失礼だと思い
はっきりと言わなかった私がいかんかったの??

まぁ、とにかくヘルパーの同行で無事に家に帰ったのからもういいや、先生がいいってんなら
どうにもならないのが病院だ。んもー仕方ない。

とにかく、配食を毎日取っている方なので、それを食べてもらい、
ベッドに寝かせて手の届くところに水分おいて、なんとかトイレには行けそうだけれど
念のためパンツ型のおむつを購入して履いてもらい、明日は午前午後とヘルパーを依頼して
明日様子がおかしければまた通院しよう、とにかく今日は終了、ということにした。

次の日、
「ばきさーん、絶対おかしいですよー、足元ふらんふらんで明らかに呂律まわってませんもん」
と連絡を受けたのは、午後のヘルパー。
午前中は「立ち上がりトイレに行ったし、ご機嫌だったけど」という報告をもらっていたため
じゃあ昨日は安定剤でも飲み過ぎたのかな?もう、人騒がせねーと、一安心したところの連絡だった。

午後のヘルパーにそのまま通院できないかと依頼、
行先は昨日お断りされた病院で、Yさんの主治医のいるところです。

そこでは神経内科と内科と精神科にかかっており、もともとの特定疾病や脳梗塞やらの既往を考えると、
山ほど薬がでているし、今までずっとそこばかりにかかっているのだから、今までのことや、
言語障害や失行を把握していないとコミュニケーションが取れないことを考えると
そちらの病院にお願いするのがスジ。
しかもそこそこ大きな病院でないとMRIなどの必要な検査に対応できない。

外来時間の時間外である夕方だったけれど、急病だからと連絡を入れ、
今後は具体的に、とにかく検査入院できないでしょうかとお願いした。

2時間後、ヘルパーより連絡はいる。
タクシーで行った自分たちのほかに、2台の救急車と鉢合わせした、
救急外来のドクターからは、重症の人もいるのだからそちらが優先ですよと、若干のお説教をくらい、
話もできる、顔色もいい、手を引けば、歩こうと思えば歩ける。そんな状態は急病ではない。と。

普段、接している私たちが、明らかにおかしいと思うのだけれど、訴えてもダメ。
本人も、自分が変だという自覚はあるのに、
正確になにがどう変だと体調不良を言葉にできない悔しさから、涙ぽろぽろ。

帰るしかないから、また家に帰るわけだけれど・・・うーん、独居です。無理です。

こんな体調不良で、入院が対象だとケアマネが思う方を、ショートステイに入れるとか
お泊りデイで面倒見てもらうとか、そんなリスキーなこと施設に頼むなんて無責任なことできません。

施設に行ったにせよそちらでも、これはすぐに病院でしょう。という判断になることは間違いないし、
かといって、何度病院に行ってもろくに診察もせずに帰されるってのは、
大変な思いして連れ行った私たちも、そもそも若くて認知症などまったくない本人も、本当に心が折れる。

だんだん私、あることを疑い始めました。
家に行き、本人が大切に持っていたスケジュール帳を勝手に確認します。

入院拒否(ではないけれどそれに近い病院)をしている病院には、主で通っていて、
主に3つの科にまめにまめに通っていました。薬も山ほどでています。
冷蔵庫や、薬箱を、さぐると同じものがごっそりごっそりでてくるのです。
安定剤や睡眠薬、もう、危ないくらいにあるのです。

そう、ストックです。

その病院以外に、皮膚科の病院、ここでは毎度毎度2週間に一度、水虫やかゆみ止めの薬、
それも、同じもので蓋を開けてもいないものがごろごろと・・・・
眼科もしつこく通っていました、そう、まったく同じ新品目薬がざくざく冷蔵庫からでてきます。
歯医者も、耳鼻科も、痛み止めも、アレルギー薬も、こんなにあって、どうするのさ・・・

私は、いらないものは捨てたい人なのからか、彼女のことは全然わかっていなかったのです。

Yさんにとって、物があればあるほど安心するという状態は、薬も一緒なのだ。
それを、部屋をあさり発見するまで、気が付けないでいました。

そうか、これだけの薬をため込めるということは、
病院にしてみれば、Yさんは、いわゆる、通院しまくる通院依存、なのだなとやっとピンと来たわけです。

病院はわかっているんですよ、「ああ、また来た」てね。
きっと今までも何度もそう思わせてきた実績があるわけです。

誰が悪いわけでもない。
動けないYさんの上半身を腕を引き起こして、「どう、立ち上がれる?」
と聞くと、Yさんは言葉が出せずに涙ばかりがぽろぽろと流れ落ちました。

このままではここで、どんどん悪化する。これは本当になにかが起こっている。
排泄は数日でおむつになってきたし、食欲もなくなってきた。足は先の方が硬縮してきている。
寝返りが満足にできていなくて、お尻を痛がり始めました。尿のでも悪いと報告が入る。
数日前には外を独りで歩いていたのに、やはり普通ではない。

生活に関わっているものだけがわかる勘が、騒ぐのです。
でも、所詮ケアマネが騒いだところで、入院できなものはできない、
意識でも失うとか、骨でも折れているとかしてくれないと、
とにかく、もっとわかりやすく病人じゃないと無理ってことです。






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Last updated  2014.05.28 01:08:31
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