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. ★ ご訪問くださり、有り難うございます ★ *------*------*------*------*------*------*------* ★ 哀悼 ★ 梅雨の雨に打たれ 貴女を想い その姿を追った 走って走って 追い付けなかった 雨の夜 まぼろしの影が ふと 消えた 貴女の姿が ぽっかり 消えた 誰か 教えてください 深い穴を 埋める術を 誰か教えてください 忘れる術を あの日も 雨 雨が降っていた 目覚めたら きょうも 雨 目覚めた朝が 雨音に 濡れていた By.星原女瑪(2014.7.13)2018.5.30. 再掲です。 (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) ★2010年のクリスマスを目前に、 最愛の姉を亡くしました。 末期癌と宣告されて、残ったのは延命措置だけだった。 息を引き取るまで明るく、涙ひとつ見せなかった。 そんな姉に、死の訪れを感じられずにいた私。 一年と七か月を延命した姉の死は、突然だった。 そう、余りにも突然だった。 せめて、泣き縋ってくれたなら。 せめて、愚痴ってくれたなら。 少しは覚悟もできたであろうに。 最愛の姉であり、 最愛の親友だった。 そして、テニスのパートナーであった。 ああ---。 これくらいにしましょう。 姉を亡くし、8年近くが経とうとしている。 しかし、悲しみは増すばかり。 眠れぬ夜の、 悲しい夜の、独り言でした。 By.LAME39・(2014.9.17) 2018.5.30. . 皆さん、 梅雨時の毎日を如何お過ごしでしょうか。 LAME39は、アクセス数が伸びないので、 とても落胆しています。 この時代、詩という分野は敬遠され勝ちで、 本当に読みたい方が少ないのは、 承知している筈なのですが、 それでも結果が悪いと気が重くなります。 まあ、未熟な作品なので致し方ありません。 本日も、詩を読んで下さった方々に、 心よりお礼申し上げます。 是非、またお立ち寄りくださいね。 LAME39.2018.5.30. *------*------*------*------* 【【書画肆しみづ】 ★http://www.rakuten.co.jp/sim444009/ *------*------*------*------*🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは執筆中です。全てではありませんが、 次の更新で掲載できると思います。 もう少しお待ち下さい~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* 心ゆくまで 終章【5】『近場のデパートでいいですか。』柿谷に言われて、『楽しみだわ』玉子色のワンピースに、オリーブグリーンのカーディガンを羽織った沙織は、努めて明るく答えた。二人で歩くデパートは、想像も出来なかったほどに楽しかった。沙織の散歩用のシューズを買おうと立ち寄った店では、『サイズは幾つ』『22.5よ。深いブラウンが好いわ』すると柿谷は、ウィンクしてから、『22.5のブラウン系を見せて貰えますか』という調子で、全てが軽快に運んだ。柿谷はダークグレーの大き目なショルダーバッグを買ってから、『君にバッグは、大丈夫だろうか...』と言って、首を傾げた。『掛けてみましょうか』沙織は言うなり、店員の視界を外れた場所に立った。柿谷は慌てて近付くと、ショルダーバッグを掛けてみた。『ああOKですね、見えません。 躰に着いてる物は見えない様です』柿谷はホッとした顔付で、深いワイン色のショルダーバッグも購入した。夕食にヒレカツが食べたいと言うので、二人は上の階の食事処に入った。柿谷は身を乗り出すと、『沙織さんの躰に間接的にでも触れている物は、 透けて見えなくなる様です。 まあ色々と試しながら、気を付けて行きましょう』『はい、気を付けましょうね』柿谷は運ばれて来たヒレカツ御膳を、美味しそうに平らげた。沙織は不思議と空腹感が無く、喉の渇きも感じなかった。緑茶を口にしてから、柿谷が口を開いた。『実は沙織さん。貴女の遺体は消えてなかった様なのですよ。 僕は先走って、テレビを見たら大変だ。なんて言って しまいましたが、何の騒ぎにもなっていなかったのです。 僕も救命士として関わったひとりですから、 色々と訊かれた時の為に気持ちの準備はしていたのですがね... ...』『そうですか...。テレビは全く点けてませんし、 新聞は届きませんから知りませんでした。そうでしたか...。 母や姉たちは、悲しんだことでしょうね。胸が痛みます』『そうですね。沙織さんを亡くされて、凄く辛かったと思います』『でも、柿谷さんに嫌疑もかけられたりせずに過ぎて、 本当に良かったわ』そう言ってから、奥村沙織は視線を落とした。夜更けて帰宅した二人はシャワーを済ませると、それぞれの部屋に引きとった。それから二週間ほどした夕食のテーブルで、『沙織さん大事な話が有るので、 明日の夜は僕の部屋に来て貰えませんか。 そうだな、8時にお願い出来ますか』柿谷は、心配そうな顔つきだった。『明日の夜ですね、承知しました』柿谷は沙織の返事を聞くと、安堵した様子で夕食に手を付けた。 By.星原女瑪.2018.5.9. 【最終章】へ続く終章【4】夜の11時を過ぎて、柿谷はオンザロックを片手に、2階へ上がって行った。その夜、丘の上には柔らかな早春の風が、吹いていた。あくる日も、晴天の穏やかな日だった。昼食のサンドイッチを前に、『柿谷さん、宜しかったら散歩に出ませんか』沙織が誘うと、『いいですね。出ましょう。 帰ってきたら買物に付き合ってください』『お買い物ですか...』『あなたに必要な物を、買いたいのですよ。 夕食は、その時に済ませましょう』『柿谷さん、 本当に有りがとうございます』沙織は礼を言ってから、コーヒーポットに手を伸ばした。表に出て肩を並べると、ライトグレーのウィンドブレイカーの柿谷は、思いのほか背が高かった。『私ね、リスをみたんです。 とっても艶の良い可愛いリスでしたわ』『リスですか、それはいい。 昨日の散歩ですね』『ええ。上に、梅の老木が花を付けていますわ』『そうですか。案内をお願いしましょう』和やかな会話の合間に、鶯のさえずりが聞こえた。丘の上で足を止めると、梅の木にリスが遊んでいるのが見えた。『おっ、古い梅ですね』柿谷の声にリスは逃げて行ったが、梅の香は漂っていた。『柿谷さん、お話が有るので掛けませんか』沙織は、ベンチを指さした。『私ね、影が無いんです』『影ですか...』『そうなんですの。ほら、見て』沙織は立ち上がって見せた。『沙織さん、その事なら知っていました。 残念ですが気付いていました』『そう......。どうしてかしら、 私ったら変ですよね』奥村沙織は、珍しく声を荒げた。『沙織さん、 安心して落ち着いてください』柿谷貴次{かきたにこうじ}は手を差し出して、沙織を座らせた。『実は、あの晩なのです。 貴女を此処まで運ぶ途中で、 不思議な体験をしたのです。府中を過ぎた頃に、 不意に現れた光が凄いスピードで追いかけて来て、 貴女に当たった瞬間、天高く昇って行ったのです。 沙織さんの肉体が天高く舞い上がり、消えて行きました。 あの光は、分離した貴女の魂だったのだと、 僕は感じました。魂は車に残り、 仮の姿の中に入った様です。 だから形ある沙織さんの肉体は天に消えて、 不確かな肉体に、魂が宿ったのだと思いました。 着いて、車から抱き上げた貴女は、 空気の様に軽かった......。 しかし僕にとって沙織さんは、存在しています。 僕には、貴女を感じる事が出来るのですよ。 不思議ですがね...』『そうでしたか...。 それにしても不思議な事ですね......』二人の沈黙の間に、鶯の囀りが木霊した。『沙織さん。僕には見えますが、誰にも貴女は見えません。 だから、気を付けましょう』『柿谷さん、一つだけ教えてくださる。 貴方は、こんな私を受け入れてくださるのですか』『勿論ですよ。 沙織さんは僕にとって掛け替えのない人ですからね。 大切にして行きます』柿谷貴次は、きっぱりとした声で言った。『そうですか......』奥村沙織は複雑な心境の侭、黙り込んでしまった。やや経って、『沙織さん』柿谷が呼びかけた。『僕は今の侭の貴女を、ずっと大切にして行きたいのです。 どうか心配せずに、生きてください』柿谷の面持ちは、真剣そのものだった。その真剣さに圧倒されそうされそうになったが、沙織は柿谷の愛情深さが、身に滲みて有り難かった。すると、見上げた柿谷が滲んだ。そして滲んだ指が伸び、沙織の涙を押さえた。『沙織さん、出掛けましょう。 気分転換には、もってこいですよ。さあ歩きましょう』言いながら、柿谷は手を伸ばした。 By星原女瑪・2018.2.7. *----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.05.30
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2018.05.26
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(注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) 何気なく見ている夢。 そんな夢に、ふと気付かされることが有る。 ふと、教えられることが有る。 今回は、亡姉が夢で教えてくれた事を、 作品にしてみました。 By.星原女瑪.(2014.7.20)2016.10.6.*------*------*------* 昨年2017の春まで、 毎年賑やかだった{雀のお宿} 薔薇の手入れで、頻繁にベランダに出ていたら、 今年は来てくれませんでした。 とっても寂しく複雑な心境です。 *------*------*------*------*【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・ お待たせしました~🙇 読んでいただけましたら幸いです。 ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★終章【4】の続き(下に記述)終章【5】に続く(下段に記述)夜の11時を過ぎて、柿谷はオンザロックを片手に、2階へ上がって行った。その夜、丘の上には柔らかな早春の風が、吹いていた。あくる日も、晴天の穏やかな日だった。昼食のサンドイッチを前に、『柿谷さん、宜しかったら散歩に出ませんか』沙織が誘うと、『いいですね。出ましょう。 帰ってきたら買物に付き合ってください』『お買い物ですか...』『あなたに必要な物を、買いたいのですよ。 夕食は、その時に済ませましょう』『柿谷さん、 本当に有りがとうございます』沙織は礼を言ってから、コーヒーポットに手を伸ばした。表に出て肩を並べると、ライトグレーのウィンドブレイカーの柿谷は、思いのほか背が高かった。『私ね、リスをみたんです。 とっても艶の良い可愛いリスでしたわ』『リスですか、それはいい。 昨日の散歩ですね』『ええ。上に、梅の老木が花を付けていますわ』『そうですか。案内をお願いしましょう』和やかな会話の合間に、鶯のさえずりが聞こえた。丘の上で足を止めると、梅の木にリスが遊んでいるのが見えた。『おっ、古い梅ですね』柿谷の声にリスは逃げて行ったが、梅の香は漂っていた。『柿谷さん、お話が有るので掛けませんか』沙織は、ベンチを指さした。『私ね、影が無いんです』『影ですか...』『そうなんですの。ほら、見て』沙織は立ち上がって見せた。『沙織さん、その事なら知っていました。 残念ですが気付いていました』『そう......。どうしてかしら、 私ったら変ですよね』奥村沙織は、珍しく声を荒げた。『沙織さん、 安心して落ち着いてください』柿谷貴次{かきたにこうじ}は手を差し出して、沙織を座らせた。『実は、あの晩なのです。 貴女を此処まで運ぶ途中で、 不思議な体験をしたのです。府中を過ぎた頃に、 不意に現れた光が凄いスピードで追いかけて来て、 貴女に当たった瞬間、天高く昇って行ったのです。 沙織さんの肉体が天高く舞い上がり、消えて行きました。 あの光は、分離した貴女の魂だったのだと、 僕は感じました。魂は車に残り、 仮の姿の中に入った様です。 だから形ある沙織さんの肉体は天に消えて、 不確かな肉体に、魂が宿ったのだと思いました。 着いて、車から抱き上げた貴女は、 空気の様に軽かった......。 しかし僕にとって沙織さんは、存在しています。 僕には、貴女を感じる事が出来るのですよ。 不思議ですがね...』『そうでしたか...。 それにしても不思議な事ですね......』二人の沈黙の間に、鶯の囀りが木霊した。『沙織さん。僕には見えますが、誰にも貴女は見えません。 だから、気を付けましょう』『柿谷さん、一つだけ教えてくださる。 貴方は、こんな私を受け入れてくださるのですか』『勿論ですよ。 沙織さんは僕にとって掛け替えのない人ですからね。 大切にして行きます』柿谷貴次は、きっぱりとした声で言った。『そうですか......』奥村沙織は複雑な心境の侭、黙り込んでしまった。やや経って、『沙織さん』柿谷が呼びかけた。『僕は今の侭の貴女を、ずっと大切にして行きたいのです。 どうか心配せずに、生きてください』柿谷の面持ちは、真剣そのものだった。その真剣さに圧倒されそうされそうになったが、沙織は柿谷の愛情深さが、身に滲みて有り難かった。すると、見上げた柿谷が滲んだ。そして滲んだ指が伸び、沙織の涙を押さえた。『沙織さん、出掛けましょう。 気分転換には、もってこいですよ。さあ歩きましょう』言いながら、柿谷は手を伸ばした。 終章【5】『近場のデパートでいいですか。』柿谷に言われて、『楽しみだわ』玉子色のワンピースに、オリーブグリーンのカーディガンを羽織った沙織は、努めて明るく答えた。二人で歩くデパートは、想像も出来なかったほどに楽しかった。沙織の散歩用のシューズを買おうと立ち寄った店では、『サイズは幾つ』『22.5よ。深いブラウンが好いわ』すると柿谷は、ウィンクしてから、『22.5のブラウン系を見せて貰えますか』という調子で、全てが軽快に運んだ。柿谷はダークグレーの大き目なショルダーバッグを買ってから、『君にバッグは、大丈夫だろうか...』と言って、首を傾げた。『掛けてみましょうか』沙織は言うなり、店員の視界を外れた場所に立った。柿谷は慌てて近付くと、ショルダーバッグを掛けてみた。『ああOKですね、見えません。 躰に着いてる物は見えない様です』柿谷はホッとした顔付で、深いワイン色のショルダーバッグも購入した。夕食にヒレカツが食べたいと言うので、二人は上の階の食事処に入った。柿谷は身を乗り出すと、『沙織さんの躰に間接的にでも触れている物は、 透けて見えなくなる様です。 まあ色々と試しながら、気を付けて行きましょう』『はい、気を付けましょうね』柿谷は運ばれて来たヒレカツ御膳を、美味しそうに平らげた。沙織は不思議と空腹感が無く、喉の渇きも感じなかった。緑茶を口にしてから、柿谷が口を開いた。『実は沙織さん。貴女の遺体は消えてなかった様なのですよ。 僕は先走って、テレビを見たら大変だ。なんて言って しまいましたが、何の騒ぎにもなっていなかったのです。 僕も救命士として関わったひとりですから、 色々と訊かれた時の為に気持ちの準備はしていたのですがね... ...』『そうですか...。テレビは全く点けてませんし、 新聞は届きませんから知りませんでした。そうでしたか...。 母や姉たちは、悲しんだことでしょうね。胸が痛みます』『そうですね。沙織さんを亡くされて、凄く辛かったと思います』『でも、柿谷さんに嫌疑もかけられたりせずに過ぎて、 本当に良かったわ』そう言ってから、奥村沙織は視線を落とした。夜更けて帰宅した二人はシャワーを済ませると、それぞれの部屋に引きとった。それから二週間ほどした夕食のテーブルで、『沙織さん大事な話が有るので、 明日の夜は僕の部屋に来て貰えませんか。 そうだな、8時にお願い出来ますか』柿谷は、心配そうな顔つきだった。『明日の夜ですね、承知しました』柿谷は沙織の返事を聞くと、安堵した様子で夕食に手を付けた。 By.星原女瑪.2018.5.9. 【最終章】へ続く*------*------*------* 終章【3】 沙織が深い眠りから目覚めたのは、 翌日の午後の事だった。 電話のベルに驚いて起き上がると、 携帯電話から柿谷の声がした。 『沙織さん、どうですか...。大丈夫ですか』 『はい、大丈夫です。私ったら、 昨日から眠っていました。変ですわね』 『そうですか、それは良かった。 まあ、眠れた方が良いですから、大丈夫ですよ。 何か気になる事でもありますか...』 『いえ、その.....』 沙織は影の事を言いそうになって、 それを押し留めた。 『今夜には帰りますから、 何か有ったのでしたら、後でゆっくり聞きますよ。 ひとりで待たせておくのは心配ですが、 頑張って待っていてください。それでは、また後で』 『はい。電話を、ありがとうございました』 『あっ、そうだ。書斎とリビングに、 画集が有りますから、眺めてみてはどうですか』 『はい。ありがとうございます』 電話を切った沙織の顔に、笑みが零れた。 寝覚めの耳に、柿谷の穏やかな口調が心地よかった。 戸惑いを察してくれた心配りは、それにも増して心に浸みた。 沙織はベッドを抜け出した。 その足でクローゼット開けると、 素早く着替えをした。 その後はキッチンで珈琲を要れてから、 リビングの画集を眺めて過ごした。 美しい装丁の画集は、見事だった。 その画集に、 沙織は思わず引き込まれて行った。 ふと気付くと、夕刻になっていた。 慌ててシャワーを済ませてから、 沙織は再び、画集を眺めて過ごした。 その夜、柿谷が帰宅したのは、 8時を大分に過ぎてからだった。 寿司屋の握りと出来合いのサラダを携えての、 帰宅だった。 柿谷は寿司を摘みながら、 『沙織さん、着替えたのですね。 ラベンダー色のセーターが似合って、素敵ですよ』 『まあ、嬉しいわ。ありがとうございます』 沙織は軽い恥じらいを感じながら、 茶碗の美しい玉露に、視線を落とした。 『お部屋のクローゼットやタンスに、 サイズと色合いの合いそうな衣類が沢山有ったので、 お借りしています』 『ああ、そうですね。気に入ったものが有ったら、 ぜひ使ってください......。 実は亡くなった姉の物で...。 あの部屋を使っていた時期があったのです』 『そうだったのですか。 お姉さまは亡くなられたのですね』 『沙織さん、今夜は疲れているので、 この話は止めましょう。 近い内に話しますので、待って貰えますか...』 『もちろん、柿谷さんにお任せしますわ』 『良かった、それでは近い内に話します。 そろそろシャワーを浴びたいので、失礼しますよ。 そうだ。出来たらコーヒーか紅茶でも入れて置いて下さい』 『夜も更けて来ましたから、お紅茶にしますね。 アイスティーにしましょうか』 『それは嬉しいですね。 シャワーの後には最高ですよ。 そうだ、チョコレートを買って来たんだった。 荷物の中に有りますので、適当にお願いします』 『はい、分かりました』 柿谷は食事を済ませると、 慌ただしく浴室に向かった。 続く】 By.星原女瑪.2018.3.23. 終章【2】 沙織は眩暈を覚えてベンチに座り込んだ。 胸が俄かに高鳴り、額には冷たい汗が滲んだ。 『わたしは......』 奥村沙織は額の汗を拭い、目を閉じた。 影が無いことでショックを受けた沙織は、 なんの躊躇いもなく歩いて来たことを思い、 困惑した。 当たり前のように乗っていた車椅子は、 何処に置いて来たのか覚えがなかった。 奥村沙織は胸に手を当てて、 目を開けてみた。 梅の白い花が見え、 陽の光が柔らかく降り注いでいた。 『緊急時には、遠慮なく使ってください。』 そう言われ、 渡された携帯電話が、ポケットの中に有った。 左手を伸ばして触れると、幾らか気分が落ち着き、 沙織は深く息を吸うことが出来た。 山の奥の方から、 デデッポッポ、デデッポッポと、 山鳩の鳴き声が聞こえ、 それは寂しく木霊した。 その鳴き声を聴きながら、 奥村沙織は立ち上がった。 緩やかな坂道を歩きながら、柿谷の事を思ってみた。 しかし仕事の事を考えると、 電話に触れることは出来なかった。 帰路は永遠に続くのかと思われる程に長く、 その間じゅう何故なのかと言う疑問を、 自分に打つけては苦しくなって足を止めた。 早春の陽光の下で、 トンネルを歩き続けている心地だった。 漸く玄関の前に立つと、 鍵をしまってダイニングへ向かった。 柿谷が座っていた傍らに、車椅子が有った。 だとすれば、 柿谷は立っている私に向かって挨拶をして、 出掛けて行ったのだ。 沙織は一抹の不安と寂しさを抱いて、 ベッドにもぐり込んだ。 一度は火葬場で燃やされるはずだった自分なのだ。 奥村沙織は目を閉じて、自分を鼓舞してみた。 幾らか落ち着くと、 沙織は深い眠りに落ちた。 続く】 By星原女瑪・2018.2.7. *----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.05.16
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. ★ご訪問くださり、有り難うございます。★ *------*------*------* ★ うつろい ★ ひと雨ごとに 温かくなり ひと雨ごとに 冬 とおく ひと雨ごとに 暖かくなり 春は とおく ひと雨ごとに 冷え込んで 秋 ふかく ひと雨ごとに 寒くなり 雨は 雪に 恋は とおく 想いは 胸に By.星原女瑪.(2016.9.01.)2018.5.09. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) *------*------*------*------*【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・ お待たせしました~🙇 読んでいただけましたら幸いです。 ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★終章【4】の続き(下に記述)終章【5】に続く(下段に記述)夜の11時を過ぎて、柿谷はオンザロックを片手に、2階へ上がって行った。その夜、丘の上には柔らかな早春の風が、吹いていた。あくる日も、晴天の穏やかな日だった。昼食のサンドイッチを前に、『柿谷さん、宜しかったら散歩に出ませんか』沙織が誘うと、『いいですね。出ましょう。 帰ってきたら買物に付き合ってください』『お買い物ですか...』『あなたに必要な物を、買いたいのですよ。 夕食は、その時に済ませましょう』『柿谷さん、 本当に有りがとうございます』沙織は礼を言ってから、コーヒーポットに手を伸ばした。表に出て肩を並べると、ライトグレーのウィンドブレイカーの柿谷は、思いのほか背が高かった。『私ね、リスをみたんです。 とっても艶の良い可愛いリスでしたわ』『リスですか、それはいい。 昨日の散歩ですね』『ええ。上に、梅の老木が花を付けていますわ』『そうですか。案内をお願いしましょう』和やかな会話の合間に、鶯のさえずりが聞こえた。丘の上で足を止めると、梅の木にリスが遊んでいるのが見えた。『おっ、古い梅ですね』柿谷の声にリスは逃げて行ったが、梅の香は漂っていた。『柿谷さん、お話が有るので掛けませんか』沙織は、ベンチを指さした。『私ね、影が無いんです』『影ですか...』『そうなんですの。ほら、見て』沙織は立ち上がって見せた。『沙織さん、その事なら知っていました。 残念ですが気付いていました』『そう......。どうしてかしら、 私ったら変ですよね』奥村沙織は、珍しく声を荒げた。『沙織さん、 安心して落ち着いてください』柿谷貴次{かきたにこうじ}は手を差し出して、沙織を座らせた。『実は、あの晩なのです。 貴女を此処まで運ぶ途中で、 不思議な体験をしたのです。府中を過ぎた頃に、 不意に現れた光が凄いスピードで追いかけて来て、 貴女に当たった瞬間、天高く昇って行ったのです。 沙織さんの肉体が天高く舞い上がり、消えて行きました。 あの光は、分離した貴女の魂だったのだと、 僕は感じました。魂は車に残り、 仮の姿の中に入った様です。 だから形ある沙織さんの肉体は天に消えて、 不確かな肉体に、魂が宿ったのだと思いました。 着いて、車から抱き上げた貴女は、 空気の様に軽かった......。 しかし僕にとって沙織さんは、存在しています。 僕には、貴女を感じる事が出来るのですよ。 不思議ですがね...』『そうでしたか...。 それにしても不思議な事ですね......』二人の沈黙の間に、鶯の囀りが木霊した。『沙織さん。僕には見えますが、誰にも貴女は見えません。 だから、気を付けましょう』『柿谷さん、一つだけ教えてくださる。 貴方は、こんな私を受け入れてくださるのですか』『勿論ですよ。 沙織さんは僕にとって掛け替えのない人ですからね。 大切にして行きます』柿谷貴次は、きっぱりとした声で言った。『そうですか......』奥村沙織は複雑な心境の侭、黙り込んでしまった。やや経って、『沙織さん』柿谷が呼びかけた。『僕は今の侭の貴女を、ずっと大切にして行きたいのです。 どうか心配せずに、生きてください』柿谷の面持ちは、真剣そのものだった。その真剣さに圧倒されそうされそうになったが、沙織は柿谷の愛情深さが、身に滲みて有り難かった。すると、見上げた柿谷が滲んだ。そして滲んだ指が伸び、沙織の涙を押さえた。『沙織さん、出掛けましょう。 気分転換には、もってこいですよ。さあ歩きましょう』言いながら、柿谷は手を伸ばした。 終章【5】『近場のデパートでいいですか。』柿谷に言われて、『楽しみだわ』玉子色のワンピースに、オリーブグリーンのカーディガンを羽織った沙織は、努めて明るく答えた。二人で歩くデパートは、想像も出来なかったほどに楽しかった。沙織の散歩用のシューズを買おうと立ち寄った店では、『サイズは幾つ』『22.5よ。深いブラウンが好いわ』すると柿谷は、ウィンクしてから、『22.5のブラウン系を見せて貰えますか』という調子で、全てが軽快に運んだ。柿谷はダークグレーの大き目なショルダーバッグを買ってから、『君にバッグは、大丈夫だろうか...』と言って、首を傾げた。『掛けてみましょうか』沙織は言うなり、店員の視界を外れた場所に立った。柿谷は慌てて近付くと、ショルダーバッグを掛けてみた。『ああOKですね、見えません。 躰に着いてる物は見えない様です』柿谷はホッとした顔付で、深いワイン色のショルダーバッグも購入した。夕食にヒレカツが食べたいと言うので、二人は上の階の食事処に入った。柿谷は身を乗り出すと、『沙織さんの躰に間接的にでも触れている物は、 透けて見えなくなる様です。 まあ色々と試しながら、気を付けて行きましょう』『はい、気を付けましょうね』柿谷は運ばれて来たヒレカツ御膳を、美味しそうに平らげた。沙織は不思議と空腹感が無く、喉の渇きも感じなかった。緑茶を口にしてから、柿谷が口を開いた。『実は沙織さん。貴女の遺体は消えてなかった様なのですよ。 僕は先走って、テレビを見たら大変だ。なんて言って しまいましたが、何の騒ぎにもなっていなかったのです。 僕も救命士として関わったひとりですから、 色々と訊かれた時の為に気持ちの準備はしていたのですがね... ...』『そうですか...。テレビは全く点けてませんし、 新聞は届きませんから知りませんでした。そうでしたか...。 母や姉たちは、悲しんだことでしょうね。胸が痛みます』『そうですね。沙織さんを亡くされて、凄く辛かったと思います』『でも、柿谷さんに嫌疑もかけられたりせずに過ぎて、 本当に良かったわ』そう言ってから、奥村沙織は視線を落とした。夜更けて帰宅した二人はシャワーを済ませると、それぞれの部屋に引きとった。それから二週間ほどした夕食のテーブルで、『沙織さん大事な話が有るので、 明日の夜は僕の部屋に来て貰えませんか。 そうだな、8時にお願い出来ますか』柿谷は、心配そうな顔つきだった。『明日の夜ですね、承知しました』柿谷は沙織の返事を聞くと、安堵した様子で夕食に手を付けた。 By.星原女瑪.2018.5.9. 【最終章】へ続く*------*------*------* 終章【3】 沙織が深い眠りから目覚めたのは、 翌日の午後の事だった。 電話のベルに驚いて起き上がると、 携帯電話から柿谷の声がした。 『沙織さん、どうですか...。大丈夫ですか』 『はい、大丈夫です。私ったら、 昨日から眠っていました。変ですわね』 『そうですか、それは良かった。 まあ、眠れた方が良いですから、大丈夫ですよ。 何か気になる事でもありますか...』 『いえ、その.....』 沙織は影の事を言いそうになって、 それを押し留めた。 『今夜には帰りますから、 何か有ったのでしたら、後でゆっくり聞きますよ。 ひとりで待たせておくのは心配ですが、 頑張って待っていてください。それでは、また後で』 『はい。電話を、ありがとうございました』 『あっ、そうだ。書斎とリビングに、 画集が有りますから、眺めてみてはどうですか』 『はい。ありがとうございます』 電話を切った沙織の顔に、笑みが零れた。 寝覚めの耳に、柿谷の穏やかな口調が心地よかった。 戸惑いを察してくれた心配りは、それにも増して心に浸みた。 沙織はベッドを抜け出した。 その足でクローゼット開けると、 素早く着替えをした。 その後はキッチンで珈琲を要れてから、 リビングの画集を眺めて過ごした。 美しい装丁の画集は、見事だった。 その画集に、 沙織は思わず引き込まれて行った。 ふと気付くと、夕刻になっていた。 慌ててシャワーを済ませてから、 沙織は再び、画集を眺めて過ごした。 その夜、柿谷が帰宅したのは、 8時を大分に過ぎてからだった。 寿司屋の握りと出来合いのサラダを携えての、 帰宅だった。 柿谷は寿司を摘みながら、 『沙織さん、着替えたのですね。 ラベンダー色のセーターが似合って、素敵ですよ』 『まあ、嬉しいわ。ありがとうございます』 沙織は軽い恥じらいを感じながら、 茶碗の美しい玉露に、視線を落とした。 『お部屋のクローゼットやタンスに、 サイズと色合いの合いそうな衣類が沢山有ったので、 お借りしています』 『ああ、そうですね。気に入ったものが有ったら、 ぜひ使ってください......。 実は亡くなった姉の物で...。 あの部屋を使っていた時期があったのです』 『そうだったのですか。 お姉さまは亡くなられたのですね』 『沙織さん、今夜は疲れているので、 この話は止めましょう。 近い内に話しますので、待って貰えますか...』 『もちろん、柿谷さんにお任せしますわ』 『良かった、それでは近い内に話します。 そろそろシャワーを浴びたいので、失礼しますよ。 そうだ。出来たらコーヒーか紅茶でも入れて置いて下さい』 『夜も更けて来ましたから、お紅茶にしますね。 アイスティーにしましょうか』 『それは嬉しいですね。 シャワーの後には最高ですよ。 そうだ、チョコレートを買って来たんだった。 荷物の中に有りますので、適当にお願いします』 『はい、分かりました』 柿谷は食事を済ませると、 慌ただしく浴室に向かった。 続く】 By.星原女瑪.2018.3.23. 終章【2】 沙織は眩暈を覚えてベンチに座り込んだ。 胸が俄かに高鳴り、額には冷たい汗が滲んだ。 『わたしは......』 奥村沙織は額の汗を拭い、目を閉じた。 影が無いことでショックを受けた沙織は、 なんの躊躇いもなく歩いて来たことを思い、 困惑した。 当たり前のように乗っていた車椅子は、 何処に置いて来たのか覚えがなかった。 奥村沙織は胸に手を当てて、 目を開けてみた。 梅の白い花が見え、 陽の光が柔らかく降り注いでいた。 『緊急時には、遠慮なく使ってください。』 そう言われ、 渡された携帯電話が、ポケットの中に有った。 左手を伸ばして触れると、幾らか気分が落ち着き、 沙織は深く息を吸うことが出来た。 山の奥の方から、 デデッポッポ、デデッポッポと、 山鳩の鳴き声が聞こえ、 それは寂しく木霊した。 その鳴き声を聴きながら、 奥村沙織は立ち上がった。 緩やかな坂道を歩きながら、柿谷の事を思ってみた。 しかし仕事の事を考えると、 電話に触れることは出来なかった。 帰路は永遠に続くのかと思われる程に長く、 その間じゅう何故なのかと言う疑問を、 自分に打つけては苦しくなって足を止めた。 早春の陽光の下で、 トンネルを歩き続けている心地だった。 漸く玄関の前に立つと、 鍵をしまってダイニングへ向かった。 柿谷が座っていた傍らに、車椅子が有った。 だとすれば、 柿谷は立っている私に向かって挨拶をして、 出掛けて行ったのだ。 沙織は一抹の不安と寂しさを抱いて、 ベッドにもぐり込んだ。 一度は火葬場で燃やされるはずだった自分なのだ。 奥村沙織は目を閉じて、自分を鼓舞してみた。 幾らか落ち着くと、 沙織は深い眠りに落ちた。 続く】 By星原女瑪・2018.2.7. *----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.05.09
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2018.05.04
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. ★ご訪問くださり、有り難うございます。★ ★ 昼と夜の交差点 ★ 黄昏に見る君は 陶器の肌が なお白く 僕の心を躍らせる 太陽は沈み 未だ夜の来ない カフェテラス 全ての影は失せ 灯りが浮かぶ その合間 ニンフが踊る 天使が運ぶ 魔法の瞬間に 全てが神に平伏して 夜の帳の入り口で 深い吐息をつく 口元のピンク その隙間から 零れる笑み それは 何物にも代え難い 宝物 昼と夜の交差点で 僕らは 口づけを交わした この詩を、愛息に贈る By.星原女瑪(2016.7.23.新作)2018.4.30. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) 参照 題名を元に戻しました。 幻惑=げんわく【 うっとりさせること・まどわすこと 】 瞬間=よみ{とき} 太陽が沈み 夜の帳に包まれるまでの束の間。 その瞬間は、あらゆる物の影が消えるそうです。 その瞬間を、マジックアワーと呼びます。 今回の新作は、 その瞬間を、 マジックアワーと言う言葉を使わずに、 詩にしました。 詩を読んで下さった方々に、 心より感謝いたします。 By.星原女瑪(LAME39) 以前に掲載した夕焼けです。 *------*------*------*------*【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・ お待たせしています~🙇 執筆中ですので、今少しお待ち下さい。 ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 終章【4】夜の11時を過ぎて、柿谷はオンザロックを片手に、2階へ上がって行った。その夜、丘の上には柔らかな早春の風が、吹いていた。あくる日も、晴天の穏やかな日だった。昼食のサンドイッチを前に、『柿谷さん、宜しかったら散歩に出ませんか』沙織が誘うと、『いいですね。出ましょう。 帰ってきたら買物に付き合ってください』『お買い物ですか...』『あなたに必要な物を、買いたいのですよ。 夕食は、その時に済ませましょう』『柿谷さん、 本当に有りがとうございます』沙織は礼を言ってから、コーヒーポットに手を伸ばした。表に出て肩を並べると、ライトグレーのウィンドブレイカーの柿谷は、思いのほか背が高かった。『私ね、リスをみたんです。 とっても艶の良い可愛いリスでしたわ』『リスですか、それはいい。 昨日の散歩ですね』『ええ。上に、梅の老木が花を付けていますわ』『そうですか。案内をお願いしましょう』和やかな会話の合間に、鶯のさえずりが聞こえた。丘の上で足を止めると、梅の木にリスが遊んでいるのが見えた。『おっ、古い梅ですね』柿谷の声にリスは逃げて行ったが、梅の香は漂っていた。『柿谷さん、お話が有るので掛けませんか』沙織は、ベンチを指さした。『私ね、影が無いんです』『影ですか...』『そうなんですの。ほら、見て』沙織は立ち上がって見せた。『沙織さん、その事なら知っていました。 残念ですが気付いていました』『そう......。どうしてかしら、 私ったら変ですよね』奥村沙織は、珍しく声を荒げた。『沙織さん、 安心して落ち着いてください』柿谷貴次{かきたにこうじ}は手を差し出して、沙織を座らせた。『実は、あの晩なのです。 貴女を此処まで運ぶ途中で、 不思議な体験をしたのです。府中を過ぎた頃に、 不意に現れた光が凄いスピードで追いかけて来て、 貴女に当たった瞬間、天高く昇って行ったのです。 沙織さんの肉体が天高く舞い上がり、消えて行きました。 あの光は、分離した貴女の魂だったのだと、 僕は感じました。魂は車に残り、 仮の姿の中に入った様です。 だから形ある沙織さんの肉体は天に消えて、 不確かな肉体に、魂が宿ったのだと思いました。 着いて、車から抱き上げた貴女は、 空気の様に軽かった......。 しかし僕にとって沙織さんは、存在しています。 僕には、貴女を感じる事が出来るのですよ。 不思議ですがね...』『そうでしたか...。 それにしても不思議な事ですね......』二人の沈黙の間に、鶯の囀りが木霊した。『沙織さん。僕には見えますが、誰にも貴女は見えません。 だから、気を付けましょう』『柿谷さん、一つだけ教えてくださる。 貴方は、こんな私を受け入れてくださるのですか』『勿論ですよ。 沙織さんは僕にとって掛け替えのない人ですからね。 大切にして行きます』柿谷貴次は、きっぱりとした声で言った。『そうですか......』奥村沙織は複雑な心境の侭、黙り込んでしまった。 終章【4】に続く 2018.4.20.星原女瑪. 終章【3】 沙織が深い眠りから目覚めたのは、 翌日の午後の事だった。 電話のベルに驚いて起き上がると、 携帯電話から柿谷の声がした。 『沙織さん、どうですか...。大丈夫ですか』 『はい、大丈夫です。私ったら、 昨日から眠っていました。変ですわね』 『そうですか、それは良かった。 まあ、眠れた方が良いですから、大丈夫ですよ。 何か気になる事でもありますか...』 『いえ、その.....』 沙織は影の事を言いそうになって、 それを押し留めた。 『今夜には帰りますから、 何か有ったのでしたら、後でゆっくり聞きますよ。 ひとりで待たせておくのは心配ですが、 頑張って待っていてください。それでは、また後で』 『はい。電話を、ありがとうございました』 『あっ、そうだ。書斎とリビングに、 画集が有りますから、眺めてみてはどうですか』 『はい。ありがとうございます』 電話を切った沙織の顔に、笑みが零れた。 寝覚めの耳に、柿谷の穏やかな口調が心地よかった。 戸惑いを察してくれた心配りは、それにも増して心に浸みた。 沙織はベッドを抜け出した。 その足でクローゼット開けると、 素早く着替えをした。 その後はキッチンで珈琲を要れてから、 リビングの画集を眺めて過ごした。 美しい装丁の画集は、見事だった。 その画集に、 沙織は思わず引き込まれて行った。 ふと気付くと、夕刻になっていた。 慌ててシャワーを済ませてから、 沙織は再び、画集を眺めて過ごした。 その夜、柿谷が帰宅したのは、 8時を大分に過ぎてからだった。 寿司屋の握りと出来合いのサラダを携えての、 帰宅だった。 柿谷は寿司を摘みながら、 『沙織さん、着替えたのですね。 ラベンダー色のセーターが似合って、素敵ですよ』 『まあ、嬉しいわ。ありがとうございます』 沙織は軽い恥じらいを感じながら、 茶碗の美しい玉露に、視線を落とした。 『お部屋のクローゼットやタンスに、 サイズと色合いの合いそうな衣類が沢山有ったので、 お借りしています』 『ああ、そうですね。気に入ったものが有ったら、 ぜひ使ってください......。 実は亡くなった姉の物で...。 あの部屋を使っていた時期があったのです』 『そうだったのですか。 お姉さまは亡くなられたのですね』 『沙織さん、今夜は疲れているので、 この話は止めましょう。 近い内に話しますので、待って貰えますか...』 『もちろん、柿谷さんにお任せしますわ』 『良かった、それでは近い内に話します。 そろそろシャワーを浴びたいので、失礼しますよ。 そうだ。出来たらコーヒーか紅茶でも入れて置いて下さい』 『夜も更けて来ましたから、お紅茶にしますね。 アイスティーにしましょうか』 『それは嬉しいですね。 シャワーの後には最高ですよ。 そうだ、チョコレートを買って来たんだった。 荷物の中に有りますので、適当にお願いします』 『はい、分かりました』 柿谷は食事を済ませると、 慌ただしく浴室に向かった。 続く】 By.星原女瑪.2018.3.23. 終章【2】 沙織は眩暈を覚えてベンチに座り込んだ。 胸が俄かに高鳴り、額には冷たい汗が滲んだ。 『わたしは......』 奥村沙織は額の汗を拭い、目を閉じた。 影が無いことでショックを受けた沙織は、 なんの躊躇いもなく歩いて来たことを思い、 困惑した。 当たり前のように乗っていた車椅子は、 何処に置いて来たのか覚えがなかった。 奥村沙織は胸に手を当てて、 目を開けてみた。 梅の白い花が見え、 陽の光が柔らかく降り注いでいた。 『緊急時には、遠慮なく使ってください。』 そう言われ、 渡された携帯電話が、ポケットの中に有った。 左手を伸ばして触れると、幾らか気分が落ち着き、 沙織は深く息を吸うことが出来た。 山の奥の方から、 デデッポッポ、デデッポッポと、 山鳩の鳴き声が聞こえ、 それは寂しく木霊した。 その鳴き声を聴きながら、 奥村沙織は立ち上がった。 緩やかな坂道を歩きながら、柿谷の事を思ってみた。 しかし仕事の事を考えると、 電話に触れることは出来なかった。 帰路は永遠に続くのかと思われる程に長く、 その間じゅう何故なのかと言う疑問を、 自分に打つけては苦しくなって足を止めた。 早春の陽光の下で、 トンネルを歩き続けている心地だった。 漸く玄関の前に立つと、 鍵をしまってダイニングへ向かった。 柿谷が座っていた傍らに、車椅子が有った。 だとすれば、 柿谷は立っている私に向かって挨拶をして、 出掛けて行ったのだ。 沙織は一抹の不安と寂しさを抱いて、 ベッドにもぐり込んだ。 一度は火葬場で燃やされるはずだった自分なのだ。 奥村沙織は目を閉じて、自分を鼓舞してみた。 幾らか落ち着くと、 沙織は深い眠りに落ちた。 続く】 By星原女瑪・2018.2.7. *----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.04.30
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. ご訪問くださり、誠に有り難うございます ★ 私の孤独 ★ 遠い銀河の果てから 日暮れると 咽び泣きが聞こえる 遠く 追い遣られた星の 咽び泣きが 聞こえる 遠い宙の彼方で 蒼白く瞬く星よ お前は いったい 何時から そこで 咽び泣いている さあ 今夜は降りて来ないか 私の 孤独よ By.星原女瑪.(2014.12.30)2018.4.23. (注意・詩の転載を禁ずるシェアはご遠慮下さい) 今年は薔薇が、早めに開花しました。 紅茶色が、ブラックティーです。 黄色が、ロイヤルサンセットです。 ブラックティーは{薔薇の家}にて、 ロイヤルサンセットは{吉本園芸}さんで購入しました。 狭いベランダ園芸で鉢植えですが、 薔薇は一生懸命に咲いてくれます。 2018.4.23.LAME39. ブラックティーです。 肉厚になり、色も深くなって来ました。 ロイヤルサンセットです。 昨年の秋に買い、初めての開花です *------*------*------*------*【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・掲載しました。 お待たせました~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 終章【4】夜の11時を過ぎて、柿谷はオンザロックを片手に、2階へ上がって行った。その夜、丘の上には柔らかな早春の風が、吹いていた。あくる日も、晴天の穏やかな日だった。昼食のサンドイッチを前に、『柿谷さん、宜しかったら散歩に出ませんか』沙織が誘うと、『いいですね。出ましょう。 帰ってきたら買物に付き合ってください』『お買い物ですか...』『あなたに必要な物を、買いたいのですよ。 夕食は、その時に済ませましょう』『柿谷さん、 本当に有りがとうございます』沙織は礼を言ってから、コーヒーポットに手を伸ばした。表に出て肩を並べると、ライトグレーのウィンドブレイカーの柿谷は、思いのほか背が高かった。『私ね、リスをみたんです。 とっても艶の良い可愛いリスでしたわ』『リスですか、それはいい。 昨日の散歩ですね』『ええ。上に、梅の老木が花を付けていますわ』『そうですか。案内をお願いしましょう』和やかな会話の合間に、鶯のさえずりが聞こえた。丘の上で足を止めると、梅の木にリスが遊んでいるのが見えた。『おっ、古い梅ですね』柿谷の声にリスは逃げて行ったが、梅の香は漂っていた。『柿谷さん、お話が有るので掛けませんか』沙織は、ベンチを指さした。『私ね、影が無いんです』『影ですか...』『そうなんですの。ほら、見て』沙織は立ち上がって見せた。『沙織さん、その事なら知っていました。 残念ですが気付いていました』『そう......。どうしてかしら、 私ったら変ですよね』奥村沙織は、珍しく声を荒げた。『沙織さん、 安心して落ち着いてください』柿谷貴次{かきたにこうじ}は手を差し出して、沙織を座らせた。『実は、あの晩なのです。 貴女を此処まで運ぶ途中で、 不思議な体験をしたのです。府中を過ぎた頃に、 不意に現れた光が凄いスピードで追いかけて来て、 貴女に当たった瞬間、天高く昇って行ったのです。 沙織さんの肉体が天高く舞い上がり、消えて行きました。 あの光は、分離した貴女の魂だったのだと、 僕は感じました。魂は車に残り、 仮の姿の中に入った様です。 だから形ある沙織さんの肉体は天に消えて、 不確かな肉体に、魂が宿ったのだと思いました。 着いて、車から抱き上げた貴女は、 空気の様に軽かった......。 しかし僕にとって沙織さんは、存在しています。 僕には、貴女を感じる事が出来るのですよ。 不思議ですがね...』『そうでしたか...。 それにしても不思議な事ですね......』二人の沈黙の間に、鶯の囀りが木霊した。『沙織さん。僕には見えますが、誰にも貴女は見えません。 だから、気を付けましょう』『柿谷さん、一つだけ教えてくださる。 貴方は、こんな私を受け入れてくださるのですか』『勿論ですよ。 沙織さんは僕にとって掛け替えのない人ですからね。 大切にして行きます』柿谷貴次は、きっぱりとした声で言った。『そうですか......』奥村沙織は複雑な心境の侭、黙り込んでしまった。 終章【4】に続く 2018.4.20.星原女瑪. 終章【3】 沙織が深い眠りから目覚めたのは、 翌日の午後の事だった。 電話のベルに驚いて起き上がると、 携帯電話から柿谷の声がした。 『沙織さん、どうですか...。大丈夫ですか』 『はい、大丈夫です。私ったら、 昨日から眠っていました。変ですわね』 『そうですか、それは良かった。 まあ、眠れた方が良いですから、大丈夫ですよ。 何か気になる事でもありますか...』 『いえ、その.....』 沙織は影の事を言いそうになって、 それを押し留めた。 『今夜には帰りますから、 何か有ったのでしたら、後でゆっくり聞きますよ。 ひとりで待たせておくのは心配ですが、 頑張って待っていてください。それでは、また後で』 『はい。電話を、ありがとうございました』 『あっ、そうだ。書斎とリビングに、 画集が有りますから、眺めてみてはどうですか』 『はい。ありがとうございます』 電話を切った沙織の顔に、笑みが零れた。 寝覚めの耳に、柿谷の穏やかな口調が心地よかった。 戸惑いを察してくれた心配りは、それにも増して心に浸みた。 沙織はベッドを抜け出した。 その足でクローゼット開けると、 素早く着替えをした。 その後はキッチンで珈琲を要れてから、 リビングの画集を眺めて過ごした。 美しい装丁の画集は、見事だった。 その画集に、 沙織は思わず引き込まれて行った。 ふと気付くと、夕刻になっていた。 慌ててシャワーを済ませてから、 沙織は再び、画集を眺めて過ごした。 その夜、柿谷が帰宅したのは、 8時を大分に過ぎてからだった。 寿司屋の握りと出来合いのサラダを携えての、 帰宅だった。 柿谷は寿司を摘みながら、 『沙織さん、着替えたのですね。 ラベンダー色のセーターが似合って、素敵ですよ』 『まあ、嬉しいわ。ありがとうございます』 沙織は軽い恥じらいを感じながら、 茶碗の美しい玉露に、視線を落とした。 『お部屋のクローゼットやタンスに、 サイズと色合いの合いそうな衣類が沢山有ったので、 お借りしています』 『ああ、そうですね。気に入ったものが有ったら、 ぜひ使ってください......。 実は亡くなった姉の物で...。 あの部屋を使っていた時期があったのです』 『そうだったのですか。 お姉さまは亡くなられたのですね』 『沙織さん、今夜は疲れているので、 この話は止めましょう。 近い内に話しますので、待って貰えますか...』 『もちろん、柿谷さんにお任せしますわ』 『良かった、それでは近い内に話します。 そろそろシャワーを浴びたいので、失礼しますよ。 そうだ。出来たらコーヒーか紅茶でも入れて置いて下さい』 『夜も更けて来ましたから、お紅茶にしますね。 アイスティーにしましょうか』 『それは嬉しいですね。 シャワーの後には最高ですよ。 そうだ、チョコレートを買って来たんだった。 荷物の中に有りますので、適当にお願いします』 『はい、分かりました』 柿谷は食事を済ませると、 慌ただしく浴室に向かった。 続く】 By.星原女瑪.2018.3.23. 終章【2】 沙織は眩暈を覚えてベンチに座り込んだ。 胸が俄かに高鳴り、額には冷たい汗が滲んだ。 『わたしは......』 奥村沙織は額の汗を拭い、目を閉じた。 影が無いことでショックを受けた沙織は、 なんの躊躇いもなく歩いて来たことを思い、 困惑した。 当たり前のように乗っていた車椅子は、 何処に置いて来たのか覚えがなかった。 奥村沙織は胸に手を当てて、 目を開けてみた。 梅の白い花が見え、 陽の光が柔らかく降り注いでいた。 『緊急時には、遠慮なく使ってください。』 そう言われ、 渡された携帯電話が、ポケットの中に有った。 左手を伸ばして触れると、幾らか気分が落ち着き、 沙織は深く息を吸うことが出来た。 山の奥の方から、 デデッポッポ、デデッポッポと、 山鳩の鳴き声が聞こえ、 それは寂しく木霊した。 その鳴き声を聴きながら、 奥村沙織は立ち上がった。 緩やかな坂道を歩きながら、柿谷の事を思ってみた。 しかし仕事の事を考えると、 電話に触れることは出来なかった。 帰路は永遠に続くのかと思われる程に長く、 その間じゅう何故なのかと言う疑問を、 自分に打つけては苦しくなって足を止めた。 早春の陽光の下で、 トンネルを歩き続けている心地だった。 漸く玄関の前に立つと、 鍵をしまってダイニングへ向かった。 柿谷が座っていた傍らに、車椅子が有った。 だとすれば、 柿谷は立っている私に向かって挨拶をして、 出掛けて行ったのだ。 沙織は一抹の不安と寂しさを抱いて、 ベッドにもぐり込んだ。 一度は火葬場で燃やされるはずだった自分なのだ。 奥村沙織は目を閉じて、自分を鼓舞してみた。 幾らか落ち着くと、 沙織は深い眠りに落ちた。 続く】 By星原女瑪・2018.2.7. *----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.04.23
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. ご訪問くださり、誠に有り難うございます ★ 風の色 ★ 漸く上がった雨の後を 湿り気をおびた 翠い風が吹いている 野山は すっかり色を深めた 五月の風は 湿りかけた手を揺らし 束の間の季節に 別れを告げる 稲田の苗は地に託され 五月雨の恵みに 感謝する その仔らが 五月の風に揺れている By.星原女瑪.(2011.5.13)2018.4.20 (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) ミニ薔薇ロンダ・2017に咲いた写真です。 *------*------*------*------*【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・掲載しました。 お待たせました~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 終章【4】夜の11時を過ぎて、柿谷はオンザロックを片手に、2階へ上がって行った。その夜、丘の上には柔らかな早春の風が、吹いていた。あくる日も、晴天の穏やかな日だった。昼食のサンドイッチを前に、『柿谷さん、宜しかったら散歩に出ませんか』沙織が誘うと、『いいですね。出ましょう。 帰ってきたら買物に付き合ってください』『お買い物ですか...』『あなたに必要な物を、買いたいのですよ。 夕食は、その時に済ませましょう』『柿谷さん、 本当に有りがとうございます』沙織は礼を言ってから、コーヒーポットに手を伸ばした。表に出て肩を並べると、ライトグレーのウィンドブレイカーの柿谷は、思いのほか背が高かった。『私ね、リスをみたんです。 とっても艶の良い可愛いリスでしたわ』『リスですか、それはいい。 昨日の散歩ですね』『ええ。上に、梅の老木が花を付けていますわ』『そうですか。案内をお願いしましょう』和やかな会話の合間に、鶯のさえずりが聞こえた。丘の上で足を止めると、梅の木にリスが遊んでいるのが見えた。『おっ、古い梅ですね』柿谷の声にリスは逃げて行ったが、梅の香は漂っていた。『柿谷さん、お話が有るので掛けませんか』沙織は、ベンチを指さした。『私ね、影が無いんです』『影ですか...』『そうなんですの。ほら、見て』沙織は立ち上がって見せた。『沙織さん、その事なら知っていました。 残念ですが気付いていました』『そう......。どうしてかしら、 私ったら変ですよね』奥村沙織は、珍しく声を荒げた。『沙織さん、 安心して落ち着いてください』柿谷貴次{かきたにこうじ}は手を差し出して、沙織を座らせた。『実は、あの晩なのです。 貴女を此処まで運ぶ途中で、 不思議な体験をしたのです。府中を過ぎた頃に、 不意に現れた光が凄いスピードで追いかけて来て、 貴女に当たった瞬間、天高く昇って行ったのです。 沙織さんの肉体が天高く舞い上がり、消えて行きました。 あの光は、分離した貴女の魂だったのだと、 僕は感じました。魂は車に残り、 仮の姿の中に入った様です。 だから形ある沙織さんの肉体は天に消えて、 不確かな肉体に、魂が宿ったのだと思いました。 着いて、車から抱き上げた貴女は、 空気の様に軽かった......。 しかし僕にとって沙織さんは、存在しています。 僕には、貴女を感じる事が出来るのですよ。 不思議ですがね...』『そうでしたか...。 それにしても不思議な事ですね......』二人の沈黙の間に、鶯の囀りが木霊した。『沙織さん。僕には見えますが、誰にも貴女は見えません。 だから、気を付けましょう』『柿谷さん、一つだけ教えてくださる。 貴方は、こんな私を受け入れてくださるのですか』『勿論ですよ。 沙織さんは僕にとって掛け替えのない人ですからね。 大切にして行きます』柿谷貴次は、きっぱりとした声で言った。『そうですか......』奥村沙織は複雑な心境の侭、黙り込んでしまった。 終章【4】に続く 2018.4.20.星原女瑪. 終章【3】 沙織が深い眠りから目覚めたのは、 翌日の午後の事だった。 電話のベルに驚いて起き上がると、 携帯電話から柿谷の声がした。 『沙織さん、どうですか...。大丈夫ですか』 『はい、大丈夫です。私ったら、 昨日から眠っていました。変ですわね』 『そうですか、それは良かった。 まあ、眠れた方が良いですから、大丈夫ですよ。 何か気になる事でもありますか...』 『いえ、その.....』 沙織は影の事を言いそうになって、 それを押し留めた。 『今夜には帰りますから、 何か有ったのでしたら、後でゆっくり聞きますよ。 ひとりで待たせておくのは心配ですが、 頑張って待っていてください。それでは、また後で』 『はい。電話を、ありがとうございました』 『あっ、そうだ。書斎とリビングに、 画集が有りますから、眺めてみてはどうですか』 『はい。ありがとうございます』 電話を切った沙織の顔に、笑みが零れた。 寝覚めの耳に、柿谷の穏やかな口調が心地よかった。 戸惑いを察してくれた心配りは、それにも増して心に浸みた。 沙織はベッドを抜け出した。 その足でクローゼット開けると、 素早く着替えをした。 その後はキッチンで珈琲を要れてから、 リビングの画集を眺めて過ごした。 美しい装丁の画集は、見事だった。 その画集に、 沙織は思わず引き込まれて行った。 ふと気付くと、夕刻になっていた。 慌ててシャワーを済ませてから、 沙織は再び、画集を眺めて過ごした。 その夜、柿谷が帰宅したのは、 8時を大分に過ぎてからだった。 寿司屋の握りと出来合いのサラダを携えての、 帰宅だった。 柿谷は寿司を摘みながら、 『沙織さん、着替えたのですね。 ラベンダー色のセーターが似合って、素敵ですよ』 『まあ、嬉しいわ。ありがとうございます』 沙織は軽い恥じらいを感じながら、 茶碗の美しい玉露に、視線を落とした。 『お部屋のクローゼットやタンスに、 サイズと色合いの合いそうな衣類が沢山有ったので、 お借りしています』 『ああ、そうですね。気に入ったものが有ったら、 ぜひ使ってください......。 実は亡くなった姉の物で...。 あの部屋を使っていた時期があったのです』 『そうだったのですか。 お姉さまは亡くなられたのですね』 『沙織さん、今夜は疲れているので、 この話は止めましょう。 近い内に話しますので、待って貰えますか...』 『もちろん、柿谷さんにお任せしますわ』 『良かった、それでは近い内に話します。 そろそろシャワーを浴びたいので、失礼しますよ。 そうだ。出来たらコーヒーか紅茶でも入れて置いて下さい』 『夜も更けて来ましたから、お紅茶にしますね。 アイスティーにしましょうか』 『それは嬉しいですね。 シャワーの後には最高ですよ。 そうだ、チョコレートを買って来たんだった。 荷物の中に有りますので、適当にお願いします』 『はい、分かりました』 柿谷は食事を済ませると、 慌ただしく浴室に向かった。 続く】 By.星原女瑪.2018.3.23. 終章【2】 沙織は眩暈を覚えてベンチに座り込んだ。 胸が俄かに高鳴り、額には冷たい汗が滲んだ。 『わたしは......』 奥村沙織は額の汗を拭い、目を閉じた。 影が無いことでショックを受けた沙織は、 なんの躊躇いもなく歩いて来たことを思い、 困惑した。 当たり前のように乗っていた車椅子は、 何処に置いて来たのか覚えがなかった。 奥村沙織は胸に手を当てて、 目を開けてみた。 梅の白い花が見え、 陽の光が柔らかく降り注いでいた。 『緊急時には、遠慮なく使ってください。』 そう言われ、 渡された携帯電話が、ポケットの中に有った。 左手を伸ばして触れると、幾らか気分が落ち着き、 沙織は深く息を吸うことが出来た。 山の奥の方から、 デデッポッポ、デデッポッポと、 山鳩の鳴き声が聞こえ、 それは寂しく木霊した。 その鳴き声を聴きながら、 奥村沙織は立ち上がった。 緩やかな坂道を歩きながら、柿谷の事を思ってみた。 しかし仕事の事を考えると、 電話に触れることは出来なかった。 帰路は永遠に続くのかと思われる程に長く、 その間じゅう何故なのかと言う疑問を、 自分に打つけては苦しくなって足を止めた。 早春の陽光の下で、 トンネルを歩き続けている心地だった。 漸く玄関の前に立つと、 鍵をしまってダイニングへ向かった。 柿谷が座っていた傍らに、車椅子が有った。 だとすれば、 柿谷は立っている私に向かって挨拶をして、 出掛けて行ったのだ。 沙織は一抹の不安と寂しさを抱いて、 ベッドにもぐり込んだ。 一度は火葬場で燃やされるはずだった自分なのだ。 奥村沙織は目を閉じて、自分を鼓舞してみた。 幾らか落ち着くと、 沙織は深い眠りに落ちた。 続く】 By星原女瑪・2018.2.7. *----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.04.20
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. ★ 本日も、ご訪問有り難うございます。★ ★ あけぼの ★ ひと滴が 雪解けの嶺より 零れ落ち また ひと滴が 零れ落ち 嶺の谷間に 細やかな流れが 春の音色を奏でる 鹿は その匂いに誘われ 栗鼠は その調べに誘われ 乾きを癒す 獣たちよ 君らは 春の訪れを 感受する 幽弦に 緑が芽吹き 降り注ぐ雨は 炭色の里に 彩りをもたらす ああ 春よ たおやかで 強き春よ その源は 零れ落ちた ひと滴 参照= ひと滴(ひとしずく)・細やか(こまやか) ・栗鼠(りす)・嶺(みね) By.星原女瑪(2015.3.26)2018.4.14. (注意・詩の転載を禁ずる;シェアはご遠慮下さい) *------*------*------*【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、執筆中です。 お待たせして、御免なさい~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 終章【3】 沙織が深い眠りから目覚めたのは、 翌日の午後の事だった。 電話のベルに驚いて起き上がると、 携帯電話から柿谷の声がした。 『沙織さん、どうですか...。大丈夫ですか』 『はい、大丈夫です。私ったら、 昨日から眠っていました。変ですわね』 『そうですか、それは良かった。 まあ、眠れた方が良いですから、大丈夫ですよ。 何か気になる事でもありますか...』 『いえ、その.....』 沙織は影の事を言いそうになって、 それを押し留めた。 『今夜には帰りますから、 何か有ったのでしたら、後でゆっくり聞きますよ。 ひとりで待たせておくのは心配ですが、 頑張って待っていてください。それでは、また後で』 『はい。電話を、ありがとうございました』 『あっ、そうだ。書斎とリビングに、 画集が有りますから、眺めてみてはどうですか』 『はい。ありがとうございます』 電話を切った沙織の顔に、笑みが零れた。 寝覚めの耳に、柿谷の穏やかな口調が心地よかった。 戸惑いを察してくれた心配りは、それにも増して心に浸みた。 沙織はベッドを抜け出した。 その足でクローゼット開けると、 素早く着替えをした。 その後はキッチンで珈琲を要れてから、 リビングの画集を眺めて過ごした。 美しい装丁の画集は、見事だった。 その画集に、 沙織は思わず引き込まれて行った。 ふと気付くと、夕刻になっていた。 慌ててシャワーを済ませてから、 沙織は再び、画集を眺めて過ごした。 その夜、柿谷が帰宅したのは、 8時を大分に過ぎてからだった。 寿司屋の握りと出来合いのサラダを携えての、 帰宅だった。 柿谷は寿司を摘みながら、 『沙織さん、着替えたのですね。 ラベンダー色のセーターが似合って、素敵ですよ』 『まあ、嬉しいわ。ありがとうございます』 沙織は軽い恥じらいを感じながら、 茶碗の美しい玉露に、視線を落とした。 『お部屋のクローゼットやタンスに、 サイズと色合いの合いそうな衣類が沢山有ったので、 お借りしています』 『ああ、そうですね。気に入ったものが有ったら、 ぜひ使ってください......。 実は亡くなった姉の物で...。 あの部屋を使っていた時期があったのです』 『そうだったのですか。 お姉さまは亡くなられたのですね』 『沙織さん、今夜は疲れているので、 この話は止めましょう。 近い内に話しますので、待って貰えますか...』 『もちろん、柿谷さんにお任せしますわ』 『良かった、それでは近い内に話します。 そろそろシャワーを浴びたいので、失礼しますよ。 そうだ。出来たらコーヒーか紅茶でも入れて置いて下さい』 『夜も更けて来ましたから、お紅茶にしますね。 アイスティーにしましょうか』 『それは嬉しいですね。 シャワーの後には最高ですよ。 そうだ、チョコレートを買って来たんだった。 荷物の中に有りますので、適当にお願いします』 『はい、分かりました』 柿谷は食事を済ませると、 慌ただしく浴室に向かった。 続く】 By.星原女瑪.2018.3.23. 終章【2】 沙織は眩暈を覚えてベンチに座り込んだ。 胸が俄かに高鳴り、額には冷たい汗が滲んだ。 『わたしは......』 奥村沙織は額の汗を拭い、目を閉じた。 影が無いことでショックを受けた沙織は、 なんの躊躇いもなく歩いて来たことを思い、 困惑した。 当たり前のように乗っていた車椅子は、 何処に置いて来たのか覚えがなかった。 奥村沙織は胸に手を当てて、 目を開けてみた。 梅の白い花が見え、 陽の光が柔らかく降り注いでいた。 『緊急時には、遠慮なく使ってください。』 そう言われ、 渡された携帯電話が、ポケットの中に有った。 左手を伸ばして触れると、幾らか気分が落ち着き、 沙織は深く息を吸うことが出来た。 山の奥の方から、 デデッポッポ、デデッポッポと、 山鳩の鳴き声が聞こえ、 それは寂しく木霊した。 その鳴き声を聴きながら、 奥村沙織は立ち上がった。 緩やかな坂道を歩きながら、柿谷の事を思ってみた。 しかし仕事の事を考えると、 電話に触れることは出来なかった。 帰路は永遠に続くのかと思われる程に長く、 その間じゅう何故なのかと言う疑問を、 自分に打つけては苦しくなって足を止めた。 早春の陽光の下で、 トンネルを歩き続けている心地だった。 漸く玄関の前に立つと、 鍵をしまってダイニングへ向かった。 柿谷が座っていた傍らに、車椅子が有った。 だとすれば、 柿谷は立っている私に向かって挨拶をして、 出掛けて行ったのだ。 沙織は一抹の不安と寂しさを抱いて、 ベッドにもぐり込んだ。 一度は火葬場で燃やされるはずだった自分なのだ。 奥村沙織は目を閉じて、自分を鼓舞してみた。 幾らか落ち着くと、 沙織は深い眠りに落ちた。 続く】 By星原女瑪・2018.2.7. *----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.04.14
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. ★ 本日も、ご訪問有り難うございます。★ . *------*------*------* ★ うつろい ★ ひと雨ごとに 温かくなり ひと雨ごとに 冬 とおく ひと雨ごとに 暖かくなり 春は とおく ひと雨ごとに 冷え込んで 秋 ふかく ひと雨ごとに 寒くなり 雨は 雪に 恋は とおく 想いは 胸に By.星原女瑪.(2016.9.01.)2018.4.8. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) *------*------*------*【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、執筆中です。 お待たせして、御免なさい~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 終章【3】 沙織が深い眠りから目覚めたのは、 翌日の午後の事だった。 電話のベルに驚いて起き上がると、 携帯電話から柿谷の声がした。 『沙織さん、どうですか...。大丈夫ですか』 『はい、大丈夫です。私ったら、 昨日から眠っていました。変ですわね』 『そうですか、それは良かった。 まあ、眠れた方が良いですから、大丈夫ですよ。 何か気になる事でもありますか...』 『いえ、その.....』 沙織は影の事を言いそうになって、 それを押し留めた。 『今夜には帰りますから、 何か有ったのでしたら、後でゆっくり聞きますよ。 ひとりで待たせておくのは心配ですが、 頑張って待っていてください。それでは、また後で』 『はい。電話を、ありがとうございました』 『あっ、そうだ。書斎とリビングに、 画集が有りますから、眺めてみてはどうですか』 『はい。ありがとうございます』 電話を切った沙織の顔に、笑みが零れた。 寝覚めの耳に、柿谷の穏やかな口調が心地よかった。 戸惑いを察してくれた心配りは、それにも増して心に浸みた。 沙織はベッドを抜け出した。 その足でクローゼット開けると、 素早く着替えをした。 その後はキッチンで珈琲を要れてから、 リビングの画集を眺めて過ごした。 美しい装丁の画集は、見事だった。 その画集に、 沙織は思わず引き込まれて行った。 ふと気付くと、夕刻になっていた。 慌ててシャワーを済ませてから、 沙織は再び、画集を眺めて過ごした。 その夜、柿谷が帰宅したのは、 8時を大分に過ぎてからだった。 寿司屋の握りと出来合いのサラダを携えての、 帰宅だった。 柿谷は寿司を摘みながら、 『沙織さん、着替えたのですね。 ラベンダー色のセーターが似合って、素敵ですよ』 『まあ、嬉しいわ。ありがとうございます』 沙織は軽い恥じらいを感じながら、 茶碗の美しい玉露に、視線を落とした。 『お部屋のクローゼットやタンスに、 サイズと色合いの合いそうな衣類が沢山有ったので、 お借りしています』 『ああ、そうですね。気に入ったものが有ったら、 ぜひ使ってください......。 実は亡くなった姉の物で...。 あの部屋を使っていた時期があったのです』 『そうだったのですか。 お姉さまは亡くなられたのですね』 『沙織さん、今夜は疲れているので、 この話は止めましょう。 近い内に話しますので、待って貰えますか...』 『もちろん、柿谷さんにお任せしますわ』 『良かった、それでは近い内に話します。 そろそろシャワーを浴びたいので、失礼しますよ。 そうだ。出来たらコーヒーか紅茶でも入れて置いて下さい』 『夜も更けて来ましたから、お紅茶にしますね。 アイスティーにしましょうか』 『それは嬉しいですね。 シャワーの後には最高ですよ。 そうだ、チョコレートを買って来たんだった。 荷物の中に有りますので、適当にお願いします』 『はい、分かりました』 柿谷は食事を済ませると、 慌ただしく浴室に向かった。 続く】 By.星原女瑪.2018.3.23. 終章【2】 沙織は眩暈を覚えてベンチに座り込んだ。 胸が俄かに高鳴り、額には冷たい汗が滲んだ。 『わたしは......』 奥村沙織は額の汗を拭い、目を閉じた。 影が無いことでショックを受けた沙織は、 なんの躊躇いもなく歩いて来たことを思い、 困惑した。 当たり前のように乗っていた車椅子は、 何処に置いて来たのか覚えがなかった。 奥村沙織は胸に手を当てて、 目を開けてみた。 梅の白い花が見え、 陽の光が柔らかく降り注いでいた。 『緊急時には、遠慮なく使ってください。』 そう言われ、 渡された携帯電話が、ポケットの中に有った。 左手を伸ばして触れると、幾らか気分が落ち着き、 沙織は深く息を吸うことが出来た。 山の奥の方から、 デデッポッポ、デデッポッポと、 山鳩の鳴き声が聞こえ、 それは寂しく木霊した。 その鳴き声を聴きながら、 奥村沙織は立ち上がった。 緩やかな坂道を歩きながら、柿谷の事を思ってみた。 しかし仕事の事を考えると、 電話に触れることは出来なかった。 帰路は永遠に続くのかと思われる程に長く、 その間じゅう何故なのかと言う疑問を、 自分に打つけては苦しくなって足を止めた。 早春の陽光の下で、 トンネルを歩き続けている心地だった。 漸く玄関の前に立つと、 鍵をしまってダイニングへ向かった。 柿谷が座っていた傍らに、車椅子が有った。 だとすれば、 柿谷は立っている私に向かって挨拶をして、 出掛けて行ったのだ。 沙織は一抹の不安と寂しさを抱いて、 ベッドにもぐり込んだ。 一度は火葬場で燃やされるはずだった自分なのだ。 奥村沙織は目を閉じて、自分を鼓舞してみた。 幾らか落ち着くと、 沙織は深い眠りに落ちた。 続く】 By星原女瑪・2018.2.7. *----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.04.08
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. ★ 本日も、ご訪問有り難うございます。★ 自作詩は、後述しています。 *------*【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・を、掲載いたしました。 お待たせしたのに、少しで御免なさい~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 終章【3】 沙織が深い眠りから目覚めたのは、 翌日の午後の事だった。 電話のベルに驚いて起き上がると、 携帯電話から柿谷の声がした。 『沙織さん、どうですか...。大丈夫ですか』 『はい、大丈夫です。私ったら、 昨日から眠っていました。変ですわね』 『そうですか、それは良かった。 まあ、眠れた方が良いですから、大丈夫ですよ。 何か気になる事でもありますか...』 『いえ、その.....』 沙織は影の事を言いそうになって、 それを押し留めた。 『今夜には帰りますから、 何か有ったのでしたら、後でゆっくり聞きますよ。 ひとりで待たせておくのは心配ですが、 頑張って待っていてください。それでは、また後で』 『はい。電話を、ありがとうございました』 『あっ、そうだ。書斎とリビングに、 画集が有りますから、眺めてみてはどうですか』 『はい。ありがとうございます』 電話を切った沙織の顔に、笑みが零れた。 寝覚めの耳に、柿谷の穏やかな口調が心地よかった。 戸惑いを察してくれた心配りは、それにも増して心に浸みた。 沙織はベッドを抜け出した。 その足でクローゼット開けると、 素早く着替えをした。 その後はキッチンで珈琲を要れてから、 リビングの画集を眺めて過ごした。 美しい装丁の画集は、見事だった。 その画集に、 沙織は思わず引き込まれて行った。 ふと気付くと、夕刻になっていた。 慌ててシャワーを済ませてから、 沙織は再び、画集を眺めて過ごした。 その夜、柿谷が帰宅したのは、 8時を大分に過ぎてからだった。 寿司屋の握りと出来合いのサラダを携えての、 帰宅だった。 柿谷は寿司を摘みながら、 『沙織さん、着替えたのですね。 ラベンダー色のセーターが似合って、素敵ですよ』 『まあ、嬉しいわ。ありがとうございます』 沙織は軽い恥じらいを感じながら、 茶碗の美しい玉露に、視線を落とした。 『お部屋のクローゼットやタンスに、 サイズと色合いの合いそうな衣類が沢山有ったので、 お借りしています』 『ああ、そうですね。気に入ったものが有ったら、 ぜひ使ってください......。 実は亡くなった姉の物で...。 あの部屋を使っていた時期があったのです』 『そうだったのですか。 お姉さまは亡くなられたのですね』 『沙織さん、今夜は疲れているので、 この話は止めましょう。 近い内に話しますので、待って貰えますか...』 『もちろん、柿谷さんにお任せしますわ』 『良かった、それでは近い内に話します。 そろそろシャワーを浴びたいので、失礼しますよ。 そうだ。出来たらコーヒーか紅茶でも入れて置いて下さい』 『夜も更けて来ましたから、お紅茶にしますね。 アイスティーにしましょうか』 『それは嬉しいですね。 シャワーの後には最高ですよ。 そうだ、チョコレートを買って来たんだった。 荷物の中に有りますので、適当にお願いします』 『はい、分かりました』 柿谷は食事を済ませると、 慌ただしく浴室に向かった。 続く】 By.星原女瑪.2018.3.23. 終章【2】 沙織は眩暈を覚えてベンチに座り込んだ。 胸が俄かに高鳴り、額には冷たい汗が滲んだ。 『わたしは......』 奥村沙織は額の汗を拭い、目を閉じた。 影が無いことでショックを受けた沙織は、 なんの躊躇いもなく歩いて来たことを思い、 困惑した。 当たり前のように乗っていた車椅子は、 何処に置いて来たのか覚えがなかった。 奥村沙織は胸に手を当てて、 目を開けてみた。 梅の白い花が見え、 陽の光が柔らかく降り注いでいた。 『緊急時には、遠慮なく使ってください。』 そう言われ、 渡された携帯電話が、ポケットの中に有った。 左手を伸ばして触れると、幾らか気分が落ち着き、 沙織は深く息を吸うことが出来た。 山の奥の方から、 デデッポッポ、デデッポッポと、 山鳩の鳴き声が聞こえ、 それは寂しく木霊した。 その鳴き声を聴きながら、 奥村沙織は立ち上がった。 緩やかな坂道を歩きながら、柿谷の事を思ってみた。 しかし仕事の事を考えると、 電話に触れることは出来なかった。 帰路は永遠に続くのかと思われる程に長く、 その間じゅう何故なのかと言う疑問を、 自分に打つけては苦しくなって足を止めた。 早春の陽光の下で、 トンネルを歩き続けている心地だった。 漸く玄関の前に立つと、 鍵をしまってダイニングへ向かった。 柿谷が座っていた傍らに、車椅子が有った。 だとすれば、 柿谷は立っている私に向かって挨拶をして、 出掛けて行ったのだ。 沙織は一抹の不安と寂しさを抱いて、 ベッドにもぐり込んだ。 一度は火葬場で燃やされるはずだった自分なのだ。 奥村沙織は目を閉じて、自分を鼓舞してみた。 幾らか落ち着くと、 沙織は深い眠りに落ちた。 続く】 By星原女瑪・2018.2.7. *----* ★ あけぼの ★ ひと滴が 雪解けの嶺より 零れ落ち また ひと滴が 零れ落ち 嶺の谷間に 細やかな流れが 春の音色を奏でる 鹿は その匂いに誘われ 栗鼠は その調べに誘われ 乾きを癒す 獣たちよ 君らは 春の訪れを 感受する 幽弦に 緑が芽吹き 降り注ぐ雨は 炭色の里に 彩りをもたらす ああ 春よ たおやかで 強き春よ その源は 零れ落ちた ひと滴 参照= ひと滴(ひとしずく)・細やか(こまやか) ・栗鼠(りす)・嶺(みね) By.星原女瑪(2015.3.26)2018.3.23. (注意・詩の転載を禁ずる;シェアはご遠慮下さい) *------*------*------*------* クリックしてくださいね。 【【書画肆しみづ】 ★http://www.rakuten.co.jp/sim444009/ 笹倉鉄平 ヴァカンス. *------*------*------* 【新・ラクマ出品】 今日の1品 出品しています。 ストアー名は、LAME39 です。 ひと品づつ、ご紹介します。 今回のひと品は、 50年ほど前に、飛騨高山で購入した皿です。 渋草焼き・ということでした。*------* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.03.23
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. ★ 本日も、ご訪問有り難うございます。★ ★ パンドラの箱 ★ 偶然が 二人を引き寄せた そう あれはクラブハウス 入口の前でした 不意の出逢いに 戸惑い 揺れた心が 言葉を失くした 束の間の沈黙の隙間を 天使が 通り過ぎてゆく 「雪ですね」 君の語り掛けに 手をかざし 「風花ですね」 ぎこちなく応えた 一瞬の沈黙の隙間を 天使が 通り過ぎてゆく 本当に言いたい言葉は 臆病な心に沈み 生意気な言葉が 独り歩き 君は 苦い顔つきで クラブハウスに消えた 雪の舞う空を仰ぎ 火照った心を 冷やしながら 「臆病者」 何度も 何度も 罵ってみた 君が語り掛けた あの時 ふたりの心は 確かに 触れ合っていた だから もう一度だけ あの時に戻れたなら 「好きです」 そう 言えるだろうか 遥かの昔が あの光景が 還暦を迎える この胸に 今も息衝いている クラブハウスに居るだろうか 真っ黒に焼けた肌 痩せた顔で 君は 寡黙に コーラを飲んでいますか 明日こそ ダイヤルを回してみようか 明日こそ ダイヤルを回してみようか 桜舞う 春の庭で 天使が囁く 『パンドラの箱は 開けないほうがいい』 By.星原女瑪(2014.4.03)2018.3.17. ★近頃は、再読してくださるブロガーさんが増え、 とっても嬉しく感謝です。 再掲が多くなりましたこと、ご容赦ください。 私には、想いの世界がある。 それは、希望へと繋がる虹の道。 皆様に幸運が訪れます様に--- チチンプイプイ。 By.星原女瑪.2018.3.17. *------*------*------*------* クリックしてくださいね。 【【書画肆しみづ】 ★http://www.rakuten.co.jp/sim444009/ 笹倉鉄平 ヴァカンス. *------*------*------* 【新・ラクマ出品】 今日の1品 出品しています。 ストアー名は、LAME39 です。 ひと品づつ、ご紹介します。 今回のひと品は、 50年ほど前に、飛騨高山で購入した皿です。 渋草焼き・ということでした。 *------*【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは執筆中です。お待たせして御免なさい~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 終章【2】 沙織は眩暈を覚えてベンチに座り込んだ。 胸が俄かに高鳴り、額には冷たい汗が滲んだ。 『わたしは......』 奥村沙織は額の汗を拭い、目を閉じた。 影が無いことでショックを受けた沙織は、 なんの躊躇いもなく歩いて来たことを思い、 困惑した。 当たり前のように乗っていた車椅子は、 何処に置いて来たのか覚えがなかった。 奥村沙織は胸に手を当てて、 目を開けてみた。 梅の白い花が見え、 陽の光が柔らかく降り注いでいた。 『緊急時には、遠慮なく使ってください。』 そう言われ、 渡された携帯電話が、ポケットの中に有った。 左手を伸ばして触れると、幾らか気分が落ち着き、 沙織は深く息を吸うことが出来た。 山の奥の方から、 デデッポッポ、デデッポッポと、 山鳩の鳴き声が聞こえ、 それは寂しく木霊した。 その鳴き声を聴きながら、 奥村沙織は立ち上がった。 緩やかな坂道を歩きながら、柿谷の事を思ってみた。 しかし仕事の事を考えると、 電話に触れることは出来なかった。 帰路は永遠に続くのかと思われる程に長く、 その間じゅう何故なのかと言う疑問を、 自分に打つけては苦しくなって足を止めた。 早春の陽光の下で、 トンネルを歩き続けている心地だった。 漸く玄関の前に立つと、 鍵をしまってダイニングへ向かった。 柿谷が座っていた傍らに、車椅子が有った。 だとすれば、 柿谷は立っている私に向かって挨拶をして、 出掛けて行ったのだ。 沙織は一抹の不安と寂しさを抱いて、 ベッドにもぐり込んだ。 一度は火葬場で燃やされるはずだった自分なのだ。 奥村沙織は目を閉じて、自分を鼓舞してみた。 幾らか落ち着くと、 沙織は深い眠りに落ちた。 続く】 By星原女瑪・2018.2.7. *----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.03.17
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. ★ 本日も、ご訪問有り難うございます。★ *------* ★ かすみ ★ 足早に通り過ぎる 春よ 雪を溶かし 雨を降らせ 樹々に芽吹きを齎す 春よ 花を散らせ 霞のように消えゆく 春よ 君とまた 逢えるだろうか By.星原女瑪(2017.4.26.作)2018.3.7. (注意・詩の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい) 笹倉鉄平作 *------*------*------*------* クリックしてくださいね。 【【書画肆しみづ】 ★http://www.rakuten.co.jp/sim444009/ 笹倉鉄平 ヴァカンス. *------*------*------* 【新・ラクマ出品】 今日の1品 RAKUTEN・FURILに出品しています。 ストアー名は、LAME39 です。 ひと品づつ、ご紹介します。 今回のひと品は、 ❤バレンタイン*セール】ナイルの庭オードトワレ30ml・2本 \6300-. *------*【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは執筆中です。お待たせして御免なさい~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 終章【2】 沙織は眩暈を覚えてベンチに座り込んだ。 胸が俄かに高鳴り、額には冷たい汗が滲んだ。 『わたしは......』 奥村沙織は額の汗を拭い、目を閉じた。 影が無いことでショックを受けた沙織は、 なんの躊躇いもなく歩いて来たことを思い、 困惑した。 当たり前のように乗っていた車椅子は、 何処に置いて来たのか覚えがなかった。 奥村沙織は胸に手を当てて、 目を開けてみた。 梅の白い花が見え、 陽の光が柔らかく降り注いでいた。 『緊急時には、遠慮なく使ってください。』 そう言われ、 渡された携帯電話が、ポケットの中に有った。 左手を伸ばして触れると、幾らか気分が落ち着き、 沙織は深く息を吸うことが出来た。 山の奥の方から、 デデッポッポ、デデッポッポと、 山鳩の鳴き声が聞こえ、 それは寂しく木霊した。 その鳴き声を聴きながら、 奥村沙織は立ち上がった。 緩やかな坂道を歩きながら、柿谷の事を思ってみた。 しかし仕事の事を考えると、 電話に触れることは出来なかった。 帰路は永遠に続くのかと思われる程に長く、 その間じゅう何故なのかと言う疑問を、 自分に打つけては苦しくなって足を止めた。 早春の陽光の下で、 トンネルを歩き続けている心地だった。 漸く玄関の前に立つと、 鍵をしまってダイニングへ向かった。 柿谷が座っていた傍らに、車椅子が有った。 だとすれば、 柿谷は立っている私に向かって挨拶をして、 出掛けて行ったのだ。 沙織は一抹の不安と寂しさを抱いて、 ベッドにもぐり込んだ。 一度は火葬場で燃やされるはずだった自分なのだ。 奥村沙織は目を閉じて、自分を鼓舞してみた。 幾らか落ち着くと、 沙織は深い眠りに落ちた。 続く】 By星原女瑪・2018.2.7. *----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.03.08
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. ★ 本日も、ご訪問有り難うございます。★ *------* ★ なごりゆき ★ 焚火の煙を 叩く風 乾いた光景に 注いだ眼差し 行く冬と 来る春の狭間で 天が雪を散らす 名残り雪 降りかかる 街 ネオンに染まる 雪を仰ぎ 私は冬に 別れを 告げた (参照)読み:狭間=はざま. 温い=ぬくい. 嘆息=嘆息 By.星原女瑪.2016.2.19.】準新作2018.2.28. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) *------*------*------* 【FURIL.フリル】 今日の1品 RAKUTEN・FURILに出品しています。 ストアー名は、LAME39 です。 ひと品づつ、ご紹介します。 今回のひと品は、 ❤バレンタイン*セール】ナイルの庭オードトワレ30ml・2本 \6300-. *------*【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは執筆中です。お待たせして御免なさい~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 終章【2】 沙織は眩暈を覚えてベンチに座り込んだ。 胸が俄かに高鳴り、額には冷たい汗が滲んだ。 『わたしは......』 奥村沙織は額の汗を拭い、目を閉じた。 影が無いことでショックを受けた沙織は、 なんの躊躇いもなく歩いて来たことを思い、 困惑した。 当たり前のように乗っていた車椅子は、 何処に置いて来たのか覚えがなかった。 奥村沙織は胸に手を当てて、 目を開けてみた。 梅の白い花が見え、 陽の光が柔らかく降り注いでいた。 『緊急時には、遠慮なく使ってください。』 そう言われ、 渡された携帯電話が、ポケットの中に有った。 左手を伸ばして触れると、幾らか気分が落ち着き、 沙織は深く息を吸うことが出来た。 山の奥の方から、 デデッポッポ、デデッポッポと、 山鳩の鳴き声が聞こえ、 それは寂しく木霊した。 その鳴き声を聴きながら、 奥村沙織は立ち上がった。 緩やかな坂道を歩きながら、柿谷の事を思ってみた。 しかし仕事の事を考えると、 電話に触れることは出来なかった。 帰路は永遠に続くのかと思われる程に長く、 その間じゅう何故なのかと言う疑問を、 自分に打つけては苦しくなって足を止めた。 早春の陽光の下で、 トンネルを歩き続けている心地だった。 漸く玄関の前に立つと、 鍵をしまってダイニングへ向かった。 柿谷が座っていた傍らに、車椅子が有った。 だとすれば、 柿谷は立っている私に向かって挨拶をして、 出掛けて行ったのだ。 沙織は一抹の不安と寂しさを抱いて、 ベッドにもぐり込んだ。 一度は火葬場で燃やされるはずだった自分なのだ。 奥村沙織は目を閉じて、自分を鼓舞してみた。 幾らか落ち着くと、 沙織は深い眠りに落ちた。 続く】 By星原女瑪・2018.2.7. *----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.02.28
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. ★ 本日も、ご訪問有り難うございます。★ . *------*------*------* ★ 早春 ★ 沈丁花に降る 雨 なんて 細やかな よろこび この 暗い 一日の向うに 暖かな 救いの日 そんな 香りが 庭一面に 漂っている By.星原女瑪(2014.5.01)2018.2.21. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) 【ご報告と謝意】 皆様、心配をお掛けしてしまい失礼しました。 高熱は何十年かぶりで、 本当に辛かったです。 吐き気、寒気、高熱、発汗を、 数日繰り返して、漸く熱がりました。 2月8日から12日が、一番苦しかったです。 8日ごろより始まった悪寒は、今も残っています...。 温かな言葉や励ましの言葉を下さった皆様、 本当に癒されました。 誠に有り難うございました。 ブログの更新が、 滞ってしまいましたので、 この様なかたちで更新いたしました。 匙を投げずにコメントを下さった皆様に、 励まされ慰めを感じました。 心より感謝の意を、伝えたいです。 もう一度、ありがとうございました。 皆様の元に幸運と安らかな時が、 注がれ続きます様にと、 心より願っています。 これからも、 LAME39と*真夜中の独り言*を、 宜しくお願い致します。 2018.2.21.LAME39. 【岡信孝】 「丹波路」 日本画(紙本・岩彩) 【【書画肆しみづ】 撮影者.MASAさん. *------*------*------* 【FURIL.フリル】 今日の1品 RAKUTEN・FURILに出品しています。 ストアー名は、LAME39 です。 ひと品づつ、ご紹介します。 今回のひと品は、 ❤バレンタイン*セール】ナイルの庭オードトワレ30ml・2本 \6300-. *------*【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは執筆中です。お待たせして御免なさい~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 終章【2】 沙織は眩暈を覚えてベンチに座り込んだ。 胸が俄かに高鳴り、額には冷たい汗が滲んだ。 『わたしは......』 奥村沙織は額の汗を拭い、目を閉じた。 影が無いことでショックを受けた沙織は、 なんの躊躇いもなく歩いて来たことを思い、 困惑した。 当たり前のように乗っていた車椅子は、 何処に置いて来たのか覚えがなかった。 奥村沙織は胸に手を当てて、 目を開けてみた。 梅の白い花が見え、 陽の光が柔らかく降り注いでいた。 『緊急時には、遠慮なく使ってください。』 そう言われ、 渡された携帯電話が、ポケットの中に有った。 左手を伸ばして触れると、幾らか気分が落ち着き、 沙織は深く息を吸うことが出来た。 山の奥の方から、 デデッポッポ、デデッポッポと、 山鳩の鳴き声が聞こえ、 それは寂しく木霊した。 その鳴き声を聴きながら、 奥村沙織は立ち上がった。 緩やかな坂道を歩きながら、柿谷の事を思ってみた。 しかし仕事の事を考えると、 電話に触れることは出来なかった。 帰路は永遠に続くのかと思われる程に長く、 その間じゅう何故なのかと言う疑問を、 自分に打つけては苦しくなって足を止めた。 早春の陽光の下で、 トンネルを歩き続けている心地だった。 漸く玄関の前に立つと、 鍵をしまってダイニングへ向かった。 柿谷が座っていた傍らに、車椅子が有った。 だとすれば、 柿谷は立っている私に向かって挨拶をして、 出掛けて行ったのだ。 沙織は一抹の不安と寂しさを抱いて、 ベッドにもぐり込んだ。 一度は火葬場で燃やされるはずだった自分なのだ。 奥村沙織は目を閉じて、自分を鼓舞してみた。 幾らか落ち着くと、 沙織は深い眠りに落ちた。 続く】 By星原女瑪・2018.2.7. *----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.02.21
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★ 本日も、ご訪問有り難うございます。★🙇.インフルエンザを引き込みました。状態が非常に悪いです。本日の挨拶や応援は、休ませて頂きます。 *------*------*------* ★ うつろい ★ ひと雨ごとに 温かくなり ひと雨ごとに 冬 とおく ひと雨ごとに 暖かくなり 春は とおく ひと雨ごとに 冷え込んで 秋 ふかく ひと雨ごとに 寒くなり 雨は 雪に 恋は とおく 想いは 胸に By.星原女瑪.(2016.9.01.)2018.2.7. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい)*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.02.10
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. ★ 本日も、ご訪問有り難うございます。★ . *------*------*------* ★ うつろい ★ ひと雨ごとに 温かくなり ひと雨ごとに 冬 とおく ひと雨ごとに 暖かくなり 春は とおく ひと雨ごとに 冷え込んで 秋 ふかく ひと雨ごとに 寒くなり 雨は 雪に 恋は とおく 想いは 胸に By.星原女瑪.(2016.9.01.)2018.2.7. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) *------*------*------* 【FURIL.フリル】 今日の1品 RAKUTEN・FURILに出品しています。 ストアー名は、LAME39 です。 ひと品づつ、ご紹介します。 今回のひと品は、 ❤バレンタイン*セール】ナイルの庭オードトワレ30ml・2本 \6300-. *------*【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 短いですが続きを掲載しました。ご一読ください~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 終章【2】 沙織は眩暈を覚えてベンチに座り込んだ。 胸が俄かに高鳴り、額には冷たい汗が滲んだ。 『わたしは......』 奥村沙織は額の汗を拭い、目を閉じた。 影が無いことでショックを受けた沙織は、 なんの躊躇いもなく歩いて来たことを思い、 困惑した。 当たり前のように乗っていた車椅子は、 何処に置いて来たのか覚えがなかった。 奥村沙織は胸に手を当てて、 目を開けてみた。 梅の白い花が見え、 陽の光が柔らかく降り注いでいた。 『緊急時には、遠慮なく使ってください。』 そう言われ、 渡された携帯電話が、ポケットの中に有った。 左手を伸ばして触れると、幾らか気分が落ち着き、 沙織は深く息を吸うことが出来た。 山の奥の方から、 デデッポッポ、デデッポッポと、 山鳩の鳴き声が聞こえ、 それは寂しく木霊した。 その鳴き声を聴きながら、 奥村沙織は立ち上がった。 緩やかな坂道を歩きながら、柿谷の事を思ってみた。 しかし仕事の事を考えると、 電話に触れることは出来なかった。 帰路は永遠に続くのかと思われる程に長く、 その間じゅう何故なのかと言う疑問を、 自分に打つけては苦しくなって足を止めた。 早春の陽光の下で、 トンネルを歩き続けている心地だった。 漸く玄関の前に立つと、 鍵をしまってダイニングへ向かった。 柿谷が座っていた傍らに、車椅子が有った。 だとすれば、 柿谷は立っている私に向かって挨拶をして、 出掛けて行ったのだ。 沙織は一抹の不安と寂しさを抱いて、 ベッドにもぐり込んだ。 一度は火葬場で燃やされるはずだった自分なのだ。 奥村沙織は目を閉じて、自分を鼓舞してみた。 幾らか落ち着くと、 沙織は深い眠りに落ちた。 続く】 By星原女瑪・2018.2.7.*---* 終章【1】 柿谷貴次が出掛けると、 部屋が一段と広く感じられた。 鍵を掛けてリビングに入ったが、 テレビは観る気になれなかった。 もう再びは会えないだろう母の顔でも見たら、 泣き崩れて仕舞いそうだった。 沙織はキッチンに入って食器でも洗おうとしたが、 柿谷は綺麗に片付けけていた。『 ふうぅ…』溜め息をひとつ漏らすと、 奥村沙織は時計に視線を当てた。 時計の針は、1時近かった。 沙織は部屋に戻ると、クローゼットを開けてみた。 上品なキャメル色のダスターコートが下がっていた。 手を伸ばして羽織ると、玄関に向かった。 約束通り鍵をポストの隠し箱にしまい、 奥村沙織は歩き出した。 門の外に出ると、初春の風が頬を撫でた。 さすがに八王子の丘は未だ春浅く、 頬に感じる風は冷たかった。 何処に隣の建物が在るのか、 辺りは緑に囲まれ人気もなかった。 沙織が屋敷前の緩やかな坂道を上り始めると、 小鳥の囀ずりが心地よく響き、その背を押した。 30分ほど登り続けると、山の木々に囲まれた。 其処でアスファルトの路が途絶え、山道が延びていた。 小高い丘の一角は少しばかり平に削られ、 素朴なベンチが据え付けて有った。 コートの侭で腰かけると、梅の香がした。 何とも優しく、気持ちの良い香りだった。 奥村沙織は、そっと辺りを見回した。 右手の斜面に、白い花を付けた梅の木が見えた。 香りに誘われて、沙織は腰を上げた。 苔むした老梅の木が数本あって、 それぞれが白い梅の花を咲かせていた。 沙織は目を閉じて、梅の香を堪能した。 暫し動かずにいると、 『ガサガサ...』 足元に何かが動く気配がした。 叫びそうになるのを抑えて目を開けると、 野生のリスが2匹、梅の木を登っていた。 リスが仲睦まじく遊ぶのを眺めるのは、楽しかった。 奥村沙織は、その癒しに暫く甘んじていた。 しかし野生のリスは素早く木を下りて、 平地を横切り去って行った。 太い尻尾の影が重なり合い、 リス達は尚更に仲睦まじく見えた。 奥村沙織はベンチに戻りかけて、ハッと足を止めた。 足元に視線を落とした侭で、 ゆっくりと360度回ってみた。 気を取り直した様に、もう一度回ってから、 沙織は叫びそうになった。 何処にもなかったのだ、 奥村沙織には影が無かった。 続く】 By.星原女瑪・2018.1.26.*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.02.07
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★ 本日も、ご訪問有り難うございます。★ . ★ 薄氷粧 ★ 薄氷粧 割ってごらん 赤い魚が見えるから 凍える指で捕まえて 午後の陽射しに 翳してごらん 生きているなら 跳ねるから 薄氷粧 割ってごらん 水があったら 泳いでごらん 赤い魚が住んでたら 溺れたふりして 呼んでごらん 聞こえていたら 来てくれるから 大きな声で 呼んでごらん 少しは躰があたたまるから 見詰めていないで 割ってごらん 参照・薄氷粧(うすらいしょう) By.星原女瑪(2013.11.01)2015.1.06. (注意・文章と写真の転載を禁ずる)この作品は、氷と赤い金魚が主題です。 これは、恋愛と友情の機微と共に人生を描いています。 105歳【小倉遊亀】 「赤富士」 版画6号 ★★★ 最近は再掲が多くなり、 大変に恐縮しております。 新しい詩を産み出すことは、 詩を完成させるのは、 実に難しいです。 何度も推敲を繰り返し、出来上がります。 それでも満足な詩は、 なかなか書けません。 多分、私の力不足なのでしょう。 詩を作品として放つことには、 勇気が要ります。 詩人、萩原朔太郎は、 【詩は、言葉以上の言葉】 と言っています。 その様なものが、簡単に出来る筈もなく、 もちろん作為では出来ません。 拙い詩ですが、 読んで下さり、有り難うございました。 By.星原女瑪.2018.2.06. ランキングに参加しています。ポチお願い致します。小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました *------*------*------* 【FURIL】 今日の1品 RAKUTEN・FURILに出品しています。 ストアー名は、LAME39 です。 ひと品づつ、ご紹介します。 今回のひと品は、*------* グッチ・GG柄ベージュ・シェリー・ブラウンレザー・長財布 \8300-. *------*------*------*------*【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは執筆中です。もう少しお待ち下さいね...🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 最終【1】柿谷貴次が出掛けると、部屋が一段と広く感じられた。鍵を掛けてリビングに入ったが、テレビは観る気になれなかった。もう再びは会えないだろう母の顔でも見たら、泣き崩れて仕舞いそうだった。沙織はキッチンに入って食器でも洗おうとしたが、柿谷は綺麗に片付けけていた。『ふうぅ…』溜め息をひとつ漏らすと、奥村沙織は時計に視線を当てた。時計の針は、1時近かった。沙織は部屋に戻ると、クローゼットを開けてみた。上品なキャメル色のダスターコートが下がっていた。手を伸ばして羽織ると、玄関に向かった。約束通り鍵をポストの隠し箱にしまい、奥村沙織は歩き出した。門の外に出ると、初春の風が頬を撫でた。さすがに八王子の丘は未だ春浅く、頬に感じる風は冷たかった。何処に隣の建物が在るのか、辺りは緑に囲まれ人気もなかった。沙織が屋敷前の緩やかな坂道を上り始めると、小鳥の囀ずりが心地よく響き、その背を押した。30分ほど登り続けると、山の木々に囲まれた。其処でアスファルトの路が途絶え、山道が延びていた。小高い丘の一角は少しばかり平に削られ、素朴なベンチが据え付けて有った。コートの侭で腰かけると、梅の香がした。何とも優しく、気持ちの良い香りだった。奥村沙織は、そっと辺りを見回した。右手の斜面に、白い花を付けた梅の木が見えた。香りに誘われて、沙織は腰を上げた。苔むした老梅の木が数本あって、それぞれが白い梅の花を咲かせていた。沙織は目を閉じて、梅の香を堪能した。暫し動かずにいると、『ガサガサ...』足元に何かが動く気配がした。叫びそうになるのを抑えて目を開けると、野生のリスが2匹、梅の木を登っていた。リスが仲睦まじく遊ぶのを眺めるのは、楽しかった。奥村沙織は、その癒しに暫く甘んじていた。しかし野生のリスは素早く木を下りて、平地を横切り去って行った。太い尻尾の影が重なり合い、リス達は尚更に仲睦まじく見えた。奥村沙織はベンチに戻りかけて、ハッと足を止めた。足元に視線を落とした侭で、ゆっくりと360度回ってみた。気を取り直した様に、もう一度回ってから、沙織は叫びそうになった。何処にもなかったのだ、奥村沙織には影が無かった。続く】 By.星原女瑪・2018.1.26. 其の四【3】目覚めると、コーヒーの香りがした。『柿谷さん』沙織が声を掛けると、開いたドアの所から、『沙織さん、おはようございます』柿谷の爽やかな笑顔が見えた。『柿谷さん、おはようございます』沙織が挨拶をすると、『車椅子に乗りましょう』そう言って、柿谷は部屋に入って来た。リビングの奥のキッチンに入ると、トーストの香りがした。『朝食だったのですね。いい香りだわ』柿谷は沙織の横で、パンを頬張った。『どうですか、食欲は出て来ましたか』柿谷はコーヒーカップを手に、佐織を見た。『柿谷さん、不思議だと思いませんか…』『はあ、何か…』『ええ、私ったら人間らしい欲が無くなってしまって…。 あれきりトイレも食欲も…、お水も飲んで無いんですもの。 変ですよね。柿谷さん、そうでしょ………』柿谷は幾らか顔を曇らせて、僅かのあいだ沈黙した。『どんな力が働いたら、 こんな不思議な現象が起こるのかしら…』畳み込む様に尋ねた沙織に、『沙織さん、取り敢えず落ち着いてください。 今は気分が悪い訳ではない様ですし、 その事は後で話しませんか』いつの間にか柿田の瞳は、沙織の顔に当てられていた。『僕の仕事は、今日の13時から明日の18時迄なので、 明日の夜には帰宅できます。夕食は買って来ますから、 一緒に過ごしましょう。その後で話しましょう。 それで良いですか…』話終えて、柿谷はコーヒーを飲み干した。『沙織さん、留守中のことが心配なのですが、 一人で過ごせそうですが…』沙織は改めて訊かれるまで気付かなかったが、不安は感じなかった。柿谷は12時前に支度を済ませ、玄関に立った。『沙織さん、ひとつだけ聞いてください。 テレビを観ても構わないのですが、 世間は貴女の失踪で大騒ぎになっています。 テレビでは、貴女の失踪を躍起になって放送しています。 テレビを観る時には、 どうか心して観ててぐださい。いいですね』柿谷に視線を当てられて、沙織は力なく返事を返した。続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.02.06
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ご訪問下さり、有り難うございます ★ 寒椿 ★ 雪の中に ぽつん 寒さの中で燃えている 凍えた心に ぽつん 温もりが 灯った ありがとう 寒椿 君は強いね 寒椿 By.星原女瑪(2013.1.3)2018.2.1 (注意:詩の転載を禁ずる.シェアはご遠慮ください) ランキングに参加しています。ポチお願い致します。小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました 【FURIL】 今日の1品 RAKUTEN・FURILに出品しています。 ストアー名は、LAME39 です。 ひと品づつ、ご紹介逸します。 今回のひと品は、フォーターオパールのリングです。 ❤バレンタイン*セール】 圧巻の美K18ウォターオパール2.95CT.ダイヤリング ¥134,000 送料込 すぐに購入可 2018.2.03. *------*------*------*------* 【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは執筆中です。もう少しお待ち下さいね...🙇. ***------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 最終章【1】柿谷貴次が出掛けると、部屋が一段と広く感じられた。鍵を掛けてリビングに入ったが、テレビは観る気になれなかった。もう再びは会えないだろう母の顔でも見たら、泣き崩れて仕舞いそうだった。沙織はキッチンに入って食器でも洗おうとしたが、柿谷は綺麗に片付けけていた。『ふうぅ…』溜め息をひとつ漏らすと、奥村沙織は時計に視線を当てた。時計の針は、1時近かった。沙織は部屋に戻ると、クローゼットを開けてみた。上品なキャメル色のダスターコートが下がっていた。手を伸ばして羽織ると、玄関に向かった。約束通り鍵をポストの隠し箱にしまい、奥村沙織は歩き出した。門の外に出ると、初春の風が頬を撫でた。さすがに八王子の丘は未だ春浅く、頬に感じる風は冷たかった。何処に隣の建物が在るのか、辺りは緑に囲まれ人気もなかった。沙織が屋敷前の緩やかな坂道を上り始めると、小鳥の囀ずりが心地よく響き、その背を押した。30分ほど登り続けると、山の木々に囲まれた。其処でアスファルトの路が途絶え、山道が延びていた。小高い丘の一角は少しばかり平に削られ、素朴なベンチが据え付けて有った。コートの侭で腰かけると、梅の香がした。何とも優しく、気持ちの良い香りだった。奥村沙織は、そっと辺りを見回した。右手の斜面に、白い花を付けた梅の木が見えた。香りに誘われて、沙織は腰を上げた。苔むした老梅の木が数本あって、それぞれが白い梅の花を咲かせていた。沙織は目を閉じて、梅の香を堪能した。暫し動かずにいると、『ガサガサ...』足元に何かが動く気配がした。叫びそうになるのを抑えて目を開けると、野生のリスが2匹、梅の木を登っていた。リスが仲睦まじく遊ぶのを眺めるのは、楽しかった。奥村沙織は、その癒しに暫く甘んじていた。しかし野生のリスは素早く木を下りて、平地を横切り去って行った。太い尻尾の影が重なり合い、リス達は尚更に仲睦まじく見えた。奥村沙織はベンチに戻りかけて、ハッと足を止めた。足元に視線を落とした侭で、ゆっくりと360度回ってみた。気を取り直した様に、もう一度回ってから、沙織は叫びそうになった。何処にもなかったのだ、奥村沙織には影が無かった。続く】 By.星原女瑪・2018.1.26. 其の四【3】目覚めると、コーヒーの香りがした。『柿谷さん』沙織が声を掛けると、開いたドアの所から、『沙織さん、おはようございます』柿谷の爽やかな笑顔が見えた。『柿谷さん、おはようございます』沙織が挨拶をすると、『車椅子に乗りましょう』そう言って、柿谷は部屋に入って来た。リビングの奥のキッチンに入ると、トーストの香りがした。『朝食だったのですね。いい香りだわ』柿谷は沙織の横で、パンを頬張った。『どうですか、食欲は出て来ましたか』柿谷はコーヒーカップを手に、佐織を見た。『柿谷さん、不思議だと思いませんか…』『はあ、何か…』『ええ、私ったら人間らしい欲が無くなってしまって…。 あれきりトイレも食欲も…、お水も飲んで無いんですもの。 変ですよね。柿谷さん、そうでしょ………』柿谷は幾らか顔を曇らせて、僅かのあいだ沈黙した。『どんな力が働いたら、 こんな不思議な現象が起こるのかしら…』畳み込む様に尋ねた沙織に、『沙織さん、取り敢えず落ち着いてください。 今は気分が悪い訳ではない様ですし、 その事は後で話しませんか』いつの間にか柿田の瞳は、沙織の顔に当てられていた。『僕の仕事は、今日の13時から明日の18時迄なので、 明日の夜には帰宅できます。夕食は買って来ますから、 一緒に過ごしましょう。その後で話しましょう。 それで良いですか…』話終えて、柿谷はコーヒーを飲み干した。『沙織さん、留守中のことが心配なのですが、 一人で過ごせそうですが…』沙織は改めて訊かれるまで気付かなかったが、不安は感じなかった。柿谷は12時前に支度を済ませ、玄関に立った。『沙織さん、ひとつだけ聞いてください。 テレビを観ても構わないのですが、 世間は貴女の失踪で大騒ぎになっています。 テレビでは、貴女の失踪を躍起になって放送しています。 テレビを観る時には、 どうか心して観ててぐださい。いいですね』柿谷に視線を当てられて、沙織は力なく返事を返した。続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.02.03
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ご訪問下さり、有り難うございます ★ 寒椿 ★ 雪の中に ぽつん 寒さの中で燃えている 凍えた心に ぽつん 温もりが 灯った ありがとう 寒椿 君は強いね 寒椿 By.星原女瑪(2013.1.3)2018.2.1 (注意:詩の転載を禁ずる.シェアはご遠慮ください) プロフが終了しましたね。 とても便利な機能だったので、 実に残念です.........。 これからはブログだけの世界。 皆様、宜しくお願い致します。 お知らせしたいことが有ります。 私のブログでは、返信は書き込みません。 一部の例外を除き、 自身のブログに返信は書き込みません。。 出来るだけ、 皆様のブログに書き込みをする様、 努力いたします。 🙇 どうか、ご容赦ください。 これからも、 【真夜中の独り言】を、 宜しくお願い致します。 LAME39(星原女瑪)2018.2.1 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました 【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きを読んで頂けましたら、幸いです...🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 最終章【1】柿谷貴次が出掛けると、部屋が一段と広く感じられた。鍵を掛けてリビングに入ったが、テレビは観る気になれなかった。もう再びは会えないだろう母の顔でも見たら、泣き崩れて仕舞いそうだった。沙織はキッチンに入って食器でも洗おうとしたが、柿谷は綺麗に片付けけていた。『ふうぅ…』溜め息をひとつ漏らすと、奥村沙織は時計に視線を当てた。時計の針は、1時近かった。沙織は部屋に戻ると、クローゼットを開けてみた。上品なキャメル色のダスターコートが下がっていた。手を伸ばして羽織ると、玄関に向かった。約束通り鍵をポストの隠し箱にしまい、奥村沙織は歩き出した。門の外に出ると、初春の風が頬を撫でた。さすがに八王子の丘は未だ春浅く、頬に感じる風は冷たかった。何処に隣の建物が在るのか、辺りは緑に囲まれ人気もなかった。沙織が屋敷前の緩やかな坂道を上り始めると、小鳥の囀ずりが心地よく響き、その背を押した。30分ほど登り続けると、山の木々に囲まれた。其処でアスファルトの路が途絶え、山道が延びていた。小高い丘の一角は少しばかり平に削られ、素朴なベンチが据え付けて有った。コートの侭で腰かけると、梅の香がした。何とも優しく、気持ちの良い香りだった。奥村沙織は、そっと辺りを見回した。右手の斜面に、白い花を付けた梅の木が見えた。香りに誘われて、沙織は腰を上げた。苔むした老梅の木が数本あって、それぞれが白い梅の花を咲かせていた。沙織は目を閉じて、梅の香を堪能した。暫し動かずにいると、『ガサガサ...』足元に何かが動く気配がした。叫びそうになるのを抑えて目を開けると、野生のリスが2匹、梅の木を登っていた。リスが仲睦まじく遊ぶのを眺めるのは、楽しかった。奥村沙織は、その癒しに暫く甘んじていた。しかし野生のリスは素早く木を下りて、平地を横切り去って行った。太い尻尾の影が重なり合い、リス達は尚更に仲睦まじく見えた。奥村沙織はベンチに戻りかけて、ハッと足を止めた。足元に視線を落とした侭で、ゆっくりと360度回ってみた。気を取り直した様に、もう一度回ってから、沙織は叫びそうになった。何処にもなかったのだ、奥村沙織には影が無かった。続く】 By.星原女瑪・2018.1.26. 其の四【3】目覚めると、コーヒーの香りがした。『柿谷さん』沙織が声を掛けると、開いたドアの所から、『沙織さん、おはようございます』柿谷の爽やかな笑顔が見えた。『柿谷さん、おはようございます』沙織が挨拶をすると、『車椅子に乗りましょう』そう言って、柿谷は部屋に入って来た。リビングの奥のキッチンに入ると、トーストの香りがした。『朝食だったのですね。いい香りだわ』柿谷は沙織の横で、パンを頬張った。『どうですか、食欲は出て来ましたか』柿谷はコーヒーカップを手に、佐織を見た。『柿谷さん、不思議だと思いませんか…』『はあ、何か…』『ええ、私ったら人間らしい欲が無くなってしまって…。 あれきりトイレも食欲も…、お水も飲んで無いんですもの。 変ですよね。柿谷さん、そうでしょ………』柿谷は幾らか顔を曇らせて、僅かのあいだ沈黙した。『どんな力が働いたら、 こんな不思議な現象が起こるのかしら…』畳み込む様に尋ねた沙織に、『沙織さん、取り敢えず落ち着いてください。 今は気分が悪い訳ではない様ですし、 その事は後で話しませんか』いつの間にか柿田の瞳は、沙織の顔に当てられていた。『僕の仕事は、今日の13時から明日の18時迄なので、 明日の夜には帰宅できます。夕食は買って来ますから、 一緒に過ごしましょう。その後で話しましょう。 それで良いですか…』話終えて、柿谷はコーヒーを飲み干した。『沙織さん、留守中のことが心配なのですが、 一人で過ごせそうですが…』沙織は改めて訊かれるまで気付かなかったが、不安は感じなかった。柿谷は12時前に支度を済ませ、玄関に立った。『沙織さん、ひとつだけ聞いてください。 テレビを観ても構わないのですが、 世間は貴女の失踪で大騒ぎになっています。 テレビでは、貴女の失踪を躍起になって放送しています。 テレビを観る時には、 どうか心して観ててぐださい。いいですね』柿谷に視線を当てられて、沙織は力なく返事を返した。続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.02.01
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★ ご訪問くださり、有り難うございます ★ *------*------*-----*------* ★ 雪夜の情景 ★ しんしんと降る しんしんと降る 音もなく 静寂に しんしんと降り積もる 白い雪 窓ガラス一枚の 境界線 孤独な者 その眼が見詰める 雪夜の情景 そこに在る 冷たい温もり 雪と戯れ 雪と話し 雪の精と語り続ける 寂寥に満ちたこころ ガラス一枚の 境界線 暖炉の薪が弾ける パチパチと 炎が踊る 静かに流れる スティーブン.シュラックス 向うに在る 静寂 ここに在る 夜想曲 ガラス一枚の 境界線が 冷たい温もりを与え しんしんと降る 雪の夜 優しく 過ぎて行く By.星原女瑪(2014.1.19)2018.1.28. (注意・詩や文章の転載を禁ずる.) 最近は再掲が殆どになり、大変に恐縮しております。 今回は、【雪夜の情景】を再掲しました。 この作品は、2014年の冬に出来上がったものです。 再び読む事になる皆さん、ご容赦ください。 By.星原女瑪.2018.1.28.【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きを読んで頂けましたら、幸いです...🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 最終章【1】柿谷貴次が出掛けると、部屋が一段と広く感じられた。鍵を掛けてリビングに入ったが、テレビは観る気になれなかった。もう再びは会えないだろう母の顔でも見たら、泣き崩れて仕舞いそうだった。沙織はキッチンに入って食器でも洗おうとしたが、柿谷は綺麗に片付けけていた。『ふうぅ…』溜め息をひとつ漏らすと、奥村沙織は時計に視線を当てた。時計の針は、1時近かった。沙織は部屋に戻ると、クローゼットを開けてみた。上品なキャメル色のダスターコートが下がっていた。手を伸ばして羽織ると、玄関に向かった。約束通り鍵をポストの隠し箱にしまい、奥村沙織は歩き出した。門の外に出ると、初春の風が頬を撫でた。さすがに八王子の丘は未だ春浅く、頬に感じる風は冷たかった。何処に隣の建物が在るのか、辺りは緑に囲まれ人気もなかった。沙織が屋敷前の緩やかな坂道を上り始めると、小鳥の囀ずりが心地よく響き、その背を押した。30分ほど登り続けると、山の木々に囲まれた。其処でアスファルトの路が途絶え、山道が延びていた。小高い丘の一角は少しばかり平に削られ、素朴なベンチが据え付けて有った。コートの侭で腰かけると、梅の香がした。何とも優しく、気持ちの良い香りだった。奥村沙織は、そっと辺りを見回した。右手の斜面に、白い花を付けた梅の木が見えた。香りに誘われて、沙織は腰を上げた。苔むした老梅の木が数本あって、それぞれが白い梅の花を咲かせていた。沙織は目を閉じて、梅の香を堪能した。暫し動かずにいると、『ガサガサ...』足元に何かが動く気配がした。叫びそうになるのを抑えて目を開けると、野生のリスが2匹、梅の木を登っていた。リスが仲睦まじく遊ぶのを眺めるのは、楽しかった。奥村沙織は、その癒しに暫く甘んじていた。しかし野生のリスは素早く木を下りて、平地を横切り去って行った。太い尻尾の影が重なり合い、リス達は尚更に仲睦まじく見えた。奥村沙織はベンチに戻りかけて、ハッと足を止めた。足元に視線を落とした侭で、ゆっくりと360度回ってみた。気を取り直した様に、もう一度回ってから、沙織は叫びそうになった。何処にもなかったのだ、奥村沙織には影が無かった。続く】 By.星原女瑪・2018.1.26. 其の四【3】目覚めると、コーヒーの香りがした。『柿谷さん』沙織が声を掛けると、開いたドアの所から、『沙織さん、おはようございます』柿谷の爽やかな笑顔が見えた。『柿谷さん、おはようございます』沙織が挨拶をすると、『車椅子に乗りましょう』そう言って、柿谷は部屋に入って来た。リビングの奥のキッチンに入ると、トーストの香りがした。『朝食だったのですね。いい香りだわ』柿谷は沙織の横で、パンを頬張った。『どうですか、食欲は出て来ましたか』柿谷はコーヒーカップを手に、佐織を見た。『柿谷さん、不思議だと思いませんか…』『はあ、何か…』『ええ、私ったら人間らしい欲が無くなってしまって…。 あれきりトイレも食欲も…、お水も飲んで無いんですもの。 変ですよね。柿谷さん、そうでしょ………』柿谷は幾らか顔を曇らせて、僅かのあいだ沈黙した。『どんな力が働いたら、 こんな不思議な現象が起こるのかしら…』畳み込む様に尋ねた沙織に、『沙織さん、取り敢えず落ち着いてください。 今は気分が悪い訳ではない様ですし、 その事は後で話しませんか』いつの間にか柿田の瞳は、沙織の顔に当てられていた。『僕の仕事は、今日の13時から明日の18時迄なので、 明日の夜には帰宅できます。夕食は買って来ますから、 一緒に過ごしましょう。その後で話しましょう。 それで良いですか…』話終えて、柿谷はコーヒーを飲み干した。『沙織さん、留守中のことが心配なのですが、 一人で過ごせそうですが…』沙織は改めて訊かれるまで気付かなかったが、不安は感じなかった。柿谷は12時前に支度を済ませ、玄関に立った。『沙織さん、ひとつだけ聞いてください。 テレビを観ても構わないのですが、 世間は貴女の失踪で大騒ぎになっています。 テレビでは、貴女の失踪を躍起になって放送しています。 テレビを観る時には、 どうか心して観ててぐださい。いいですね』柿谷に視線を当てられて、沙織は力なく返事を返した。続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.01.28
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ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* 2013.1.14.の大雪です。 過日の雪の方が、ずっと多かったです。 ★ 根雪 ★ サラサラサラ サラサラサラと降り積もる 雪 雪 雪 終夜燈に照されて 君たちは 澄まし顔 この胸の 底までも 凍てつかせ この躰の 芯までも凍てつかせ サラサラサラ サラサラサラと雪が降る 遠い昔 傷心に泣き 遠い昔 不信の焼き印に怯え そして 生きる術を亡くした 遥かの私が サラサラサラ サラサラサラの雪を見詰め 雪に願う どうか 根雪にはならないで 遥かの昔 疵を負い 傷心に泣いた娘は 遥かの今 サラサラサラ サラサラサラの雪を見詰め 雪に願う どうか 根雪にならないで By.星原女瑪(2014.2.18)2018.1.26. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きを読んで頂けましたら、幸いです...🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 最終章【1】柿谷貴次が出掛けると、部屋が一段と広く感じられた。鍵を掛けてリビングに入ったが、テレビは観る気になれなかった。もう再びは会えないだろう母の顔でも見たら、泣き崩れて仕舞いそうだった。沙織はキッチンに入って食器でも洗おうとしたが、柿谷は綺麗に片付けけていた。『ふうぅ…』溜め息をひとつ漏らすと、奥村沙織は時計に視線を当てた。時計の針は、1時近かった。沙織は部屋に戻ると、クローゼットを開けてみた。上品なキャメル色のダスターコートが下がっていた。手を伸ばして羽織ると、玄関に向かった。約束通り鍵をポストの隠し箱にしまい、奥村沙織は歩き出した。門の外に出ると、初春の風が頬を撫でた。さすがに八王子の丘は未だ春浅く、頬に感じる風は冷たかった。何処に隣の建物が在るのか、辺りは緑に囲まれ人気もなかった。沙織が屋敷前の緩やかな坂道を上り始めると、小鳥の囀ずりが心地よく響き、その背を押した。30分ほど登り続けると、山の木々に囲まれた。其処でアスファルトの路が途絶え、山道が延びていた。小高い丘の一角は少しばかり平に削られ、素朴なベンチが据え付けて有った。コートの侭で腰かけると、梅の香がした。何とも優しく、気持ちの良い香りだった。奥村沙織は、そっと辺りを見回した。右手の斜面に、白い花を付けた梅の木が見えた。香りに誘われて、沙織は腰を上げた。苔むした老梅の木が数本あって、それぞれが白い梅の花を咲かせていた。沙織は目を閉じて、梅の香を堪能した。暫し動かずにいると、『ガサガサ...』足元に何かが動く気配がした。叫びそうになるのを抑えて目を開けると、野生のリスが2匹、梅の木を登っていた。リスが仲睦まじく遊ぶのを眺めるのは、楽しかった。奥村沙織は、その癒しに暫く甘んじていた。しかし野生のリスは素早く木を下りて、平地を横切り去って行った。太い尻尾の影が重なり合い、リス達は尚更に仲睦まじく見えた。奥村沙織はベンチに戻りかけて、ハッと足を止めた。足元に視線を落とした侭で、ゆっくりと360度回ってみた。気を取り直した様に、もう一度回ってから、沙織は叫びそうになった。何処にもなかったのだ、奥村沙織には影が無かった。続く】 By.星原女瑪・2018.1.26. 其の四【3】目覚めると、コーヒーの香りがした。『柿谷さん』沙織が声を掛けると、開いたドアの所から、『沙織さん、おはようございます』柿谷の爽やかな笑顔が見えた。『柿谷さん、おはようございます』沙織が挨拶をすると、『車椅子に乗りましょう』そう言って、柿谷は部屋に入って来た。リビングの奥のキッチンに入ると、トーストの香りがした。『朝食だったのですね。いい香りだわ』柿谷は沙織の横で、パンを頬張った。『どうですか、食欲は出て来ましたか』柿谷はコーヒーカップを手に、佐織を見た。『柿谷さん、不思議だと思いませんか…』『はあ、何か…』『ええ、私ったら人間らしい欲が無くなってしまって…。 あれきりトイレも食欲も…、お水も飲んで無いんですもの。 変ですよね。柿谷さん、そうでしょ………』柿谷は幾らか顔を曇らせて、僅かのあいだ沈黙した。『どんな力が働いたら、 こんな不思議な現象が起こるのかしら…』畳み込む様に尋ねた沙織に、『沙織さん、取り敢えず落ち着いてください。 今は気分が悪い訳ではない様ですし、 その事は後で話しませんか』いつの間にか柿田の瞳は、沙織の顔に当てられていた。『僕の仕事は、今日の13時から明日の18時迄なので、 明日の夜には帰宅できます。夕食は買って来ますから、 一緒に過ごしましょう。その後で話しましょう。 それで良いですか…』話終えて、柿谷はコーヒーを飲み干した。『沙織さん、留守中のことが心配なのですが、 一人で過ごせそうですが…』沙織は改めて訊かれるまで気付かなかったが、不安は感じなかった。柿谷は12時前に支度を済ませ、玄関に立った。『沙織さん、ひとつだけ聞いてください。 テレビを観ても構わないのですが、 世間は貴女の失踪で大騒ぎになっています。 テレビでは、貴女の失踪を躍起になって放送しています。 テレビを観る時には、 どうか心して観ててぐださい。いいですね』柿谷に視線を当てられて、沙織は力なく返事を返した。続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.01.26
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ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* ★ 刹那 ★ 疎らに集う 観客の 遠くに佇む 小さなツリー ディッセンバー 足を止め 耳を澄ます コンサート 風に晒され 流されそうな 歌声は 燃え上がり 北風を 撥ね退ける ひとりが 手を叩き ふたりが 手を叩き みんなが手を叩く ディッセンバー 駅前の 路上コンサート 彼らの歌が 燃え上がり 不覚にも 私は路上で 泪した この刹那 永久につづいたら ずっと 続いたら 冷たい風に 頬濡らし ディッセンバー 泪した 刹那を歌う 若者に ディッセンバー 路上の私は 泪した この詩を{ふたば}に捧ぐ *------* 参照 刹那{せつな}・ 疎ら{まばら}・佇む{たたずむ} 晒され{さらされ}・撥ね退ける{はねのける} *------*------*------* 推敲を重ね、 新たな詩として発表しました。 By.星原女瑪.(2017.12.19)2018.1.14. (注意・詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) ラインケ狐】さんより、 嬉しく素晴らしい言葉を頂きましたので、 紹介いたします。*---*ラインケ狐http://plaza.rakuten.co.jp/systemblog/diary/201612080000/ラインケ狐LAME39さんの詩は「節と節の間の緊迫感」があって、音読するとすっごく良いんですよ。今回のでは「そう 僕らは確かな温もりの 中にいた」から、「 あの春の夜は遠く~」のところとか。再掲も大歓迎。季節ごとに自身の選りすぐりをUPしてもらえると嬉しいです。でもどうか更新はマイペースでね。2016.12/9 6:55ラインケ狐四行詩のようにスタンザを重ねていく詩も大好きです。まるで言葉が織り上げられていくようですからね。でも今回の「朝の気配」のような短い詩形にも惹かれます。詩を構成する言葉同士の緊張感が好きなんです。尾崎放哉のように、「言葉を削ぎ落としていく」と、言葉は最後に何が残るのか、興味があります。2016.10.6*------*------*-----*------*------******* 【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きの掲載が遅れています...🙇. もう少しお待ち下さいね~❤ ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 其の四【3】目覚めると、コーヒーの香りがした。『柿谷さん』沙織が声を掛けると、開いたドアの所から、『沙織さん、おはようございます』柿谷の爽やかな笑顔が見えた。『柿谷さん、おはようございます』沙織が挨拶をすると、『車椅子に乗りましょう』そう言って、柿谷は部屋に入って来た。リビングの奥のキッチンに入ると、トーストの香りがした。『朝食だったのですね。いい香りだわ』柿谷は沙織の横で、パンを頬張った。『どうですか、食欲は出て来ましたか』柿谷はコーヒーカップを手に、佐織を見た。『柿谷さん、不思議だと思いませんか…』『はあ、何か…』『ええ、私ったら人間らしい欲が無くなってしまって…。 あれきりトイレも食欲も…、お水も飲んで無いんですもの。 変ですよね。柿谷さん、そうでしょ………』柿谷は幾らか顔を曇らせて、僅かのあいだ沈黙した。『どんな力が働いたら、 こんな不思議な現象が起こるのかしら…』畳み込む様に尋ねた沙織に、『沙織さん、取り敢えず落ち着いてください。 今は気分が悪い訳ではない様ですし、 その事は後で話しませんか』いつの間にか柿田の瞳は、沙織の顔に当てられていた。『僕の仕事は、今日の13時から明日の18時迄なので、 明日の夜には帰宅できます。夕食は買って来ますから、 一緒に過ごしましょう。その後で話しましょう。 それで良いですか…』話終えて、柿谷はコーヒーを飲み干した。『沙織さん、留守中のことが心配なのですが、 一人で過ごせそうですが…』沙織は改めて訊かれるまで気付かなかったが、不安は感じなかった。柿谷は12時前に支度を済ませ、玄関に立った。『沙織さん、ひとつだけ聞いてください。 テレビを観ても構わないのですが、 世間は貴女の失踪で大騒ぎになっています。 テレビでは、貴女の失踪を躍起になって放送しています。 テレビを観る時には、 どうか心して観ててぐださい。いいですね』柿谷に視線を当てられて、沙織は力なく返事を返した。続く】………~~~… 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.01.18
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. ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 星月夜 ★ 滴り落ちた汗に 君の笑顔が浮かぶ 僕はドラムを叩いてる 一心不乱に叩いてる ピアノは今夜も即興で ジャズを奏でる 君は部屋の隅に踞り 細い躰を小さく揺らす 今夜は星月夜 風が流れ 梢の音がボーカルで 静かに夜が更けて行く だから今夜も 眠れそうかい By.星原女瑪.(2013.8.23)2018.1.12. (注意・詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 東京武蔵野の【深大寺】に行って来ました。 そば処で、更科を食べました。 🍢味噌おでんもGOOD! 広くて温かな、お店でした。 天ざるは、凄いコシで美味しかったです。 海老天の甘み旨味が、堪りません。 お土産に、柴犬の置物を買ったLAME39です。 次回は、その2を載せるかもです。 間もなくプロフが終了しますね。 とても便利な機能だったので、 実に残念です.........。 ブログだけの世界は、 闇の中を手探りで歩く...。 そんな心境の日々が続いています。 皆様に、 お知らせしたいことが有ります。 私のブログでは、返信は書き込みません。 一部の例外を除き、 自身のブログに返信は書き込みません。。 出来るだけ、 皆様のブログに書き込みをする様、 努力いたします。 🙇 どうか、ご容赦ください。 これからも、 【真夜中の独り言】を、 宜しくお願い致します。 LAME39(星原女瑪)2018.1.8. 【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きの掲載が遅れています...🙇. もう少しお待ち下さいね~❤ ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 其の四【3】目覚めると、コーヒーの香りがした。『柿谷さん』沙織が声を掛けると、開いたドアの所から、『沙織さん、おはようございます』柿谷の爽やかな笑顔が見えた。『柿谷さん、おはようございます』沙織が挨拶をすると、『車椅子に乗りましょう』そう言って、柿谷は部屋に入って来た。リビングの奥のキッチンに入ると、トーストの香りがした。『朝食だったのですね。いい香りだわ』柿谷は沙織の横で、パンを頬張った。『どうですか、食欲は出て来ましたか』柿谷はコーヒーカップを手に、佐織を見た。『柿谷さん、不思議だと思いませんか…』『はあ、何か…』『ええ、私ったら人間らしい欲が無くなってしまって…。 あれきりトイレも食欲も…、お水も飲んで無いんですもの。 変ですよね。柿谷さん、そうでしょ………』柿谷は幾らか顔を曇らせて、僅かのあいだ沈黙した。『どんな力が働いたら、 こんな不思議な現象が起こるのかしら…』畳み込む様に尋ねた沙織に、『沙織さん、取り敢えず落ち着いてください。 今は気分が悪い訳ではない様ですし、 その事は後で話しませんか』いつの間にか柿田の瞳は、沙織の顔に当てられていた。『僕の仕事は、今日の13時から明日の18時迄なので、 明日の夜には帰宅できます。夕食は買って来ますから、 一緒に過ごしましょう。その後で話しましょう。 それで良いですか…』話終えて、柿谷はコーヒーを飲み干した。『沙織さん、留守中のことが心配なのですが、 一人で過ごせそうですが…』沙織は改めて訊かれるまで気付かなかったが、不安は感じなかった。柿谷は12時前に支度を済ませ、玄関に立った。『沙織さん、ひとつだけ聞いてください。 テレビを観ても構わないのですが、 世間は貴女の失踪で大騒ぎになっています。 テレビでは、貴女の失踪を躍起になって放送しています。 テレビを観る時には、 どうか心して観ててぐださい。いいですね』柿谷に視線を当てられて、沙織は力なく返事を返した。続く】………~~~… 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603a
2018.01.12
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. ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* ★ 靄 ★ {もや} 立ち込める靄 セセラギの音 冷たい水に 足を濡らし 静寂の岸辺で 息を凝らした 迷い込んだ山奥 ツクツクホウシの 木霊 そして セセラギの音 私は 足を濡らし 静寂の岸辺で 息を凝らす 川面を這う 靄の囁き 川面に浮かぶ 靄に魅せられ 私は まるで童の瞳 そう 靄は全ての浄化 此処には 伏魔殿うずまく 世間は無い たから 此処には 寂寥がない 此処には 淋しさも無い 誰もいない それで 寂寥の崖に 転がり落ちる そんな 詰まらぬ こともない 靄と戯れ 靄に抱かれ 私は靄の 妖精になる 私は靄の 妖精になる 【参照】 ★{靄(もや)} ★{伏魔殿(ふくまでん)} ★{寂寥(せきりょう)} By 星原女瑪.(2014.8.04)2018.1.8. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) 間もなくプロフが終了しますね。 とても便利な機能だったので、 実に残念です.........。 ブログだけの世界は、 闇の中を手探りで歩く...。 そんな心境の日々が続いています。 皆様に、 お知らせしたいことが有ります。 私のブログでは、返信は書き込みません。 一部の例外を除き、 自身のブログに返信は書き込みません。。 出来るだけ、 皆様のブログに書き込みをする様、 努力いたします。 🙇 どうか、ご容赦ください。 これからも、 【真夜中の独り言】を、 宜しくお願い致します。 LAME39(星原女瑪)2018.1.8. 【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きの掲載が遅れています...🙇. もう少しお待ち下さいね~❤ ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 其の四【3】目覚めると、コーヒーの香りがした。『柿谷さん』沙織が声を掛けると、開いたドアの所から、『沙織さん、おはようございます』柿谷の爽やかな笑顔が見えた。『柿谷さん、おはようございます』沙織が挨拶をすると、『車椅子に乗りましょう』そう言って、柿谷は部屋に入って来た。リビングの奥のキッチンに入ると、トーストの香りがした。『朝食だったのですね。いい香りだわ』柿谷は沙織の横で、パンを頬張った。『どうですか、食欲は出て来ましたか』柿谷はコーヒーカップを手に、佐織を見た。『柿谷さん、不思議だと思いませんか…』『はあ、何か…』『ええ、私ったら人間らしい欲が無くなってしまって…。 あれきりトイレも食欲も…、お水も飲んで無いんですもの。 変ですよね。柿谷さん、そうでしょ………』柿谷は幾らか顔を曇らせて、僅かのあいだ沈黙した。『どんな力が働いたら、 こんな不思議な現象が起こるのかしら…』畳み込む様に尋ねた沙織に、『沙織さん、取り敢えず落ち着いてください。 今は気分が悪い訳ではない様ですし、 その事は後で話しませんか』いつの間にか柿田の瞳は、沙織の顔に当てられていた。『僕の仕事は、今日の13時から明日の18時迄なので、 明日の夜には帰宅できます。夕食は買って来ますから、 一緒に過ごしましょう。その後で話しましょう。 それで良いですか…』話終えて、柿谷はコーヒーを飲み干した。『沙織さん、留守中のことが心配なのですが、 一人で過ごせそうですが…』沙織は改めて訊かれるまで気付かなかったが、不安は感じなかった。柿谷は12時前に支度を済ませ、玄関に立った。『沙織さん、ひとつだけ聞いてください。 テレビを観ても構わないのですが、 世間は貴女の失踪で大騒ぎになっています。 テレビでは、貴女の失踪を躍起になって放送しています。 テレビを観る時には、 どうか心して観ててぐださい。いいですね』柿谷に視線を当てられて、沙織は力なく返事を返した。続く】………~~~… 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*
2018.01.08
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. 🎍 謹賀新年 🎍. ★ご訪問くださり、有り難うございます。★ *------*------*------* ★ しじま ★ 夜と朝の間 しじまが目醒める 時がある 巷は眠り 誰も居ない公園を 月が照す 全てが黙り込み しじまが僕を包み込む頃 僕は 世間に別れを告げる 僕はテラスに踞り しじまの中で夢見心地 しじまが誘うから 星達は 囁き 梢の葉で ニンフが踊る しじまに包まれ 僕は 夢見心地 星座の動きも 忘れ 巷の全ても 忘れた僕は ふわり 浮きそうだ テラスで微睡み ふと気付くと しじまが 背を押していた 曙が忍び寄る気配 また逢おう 僕は ぽつりと 呟いた 参照 巷(ちまた)・ しじま=無言(意味=静けさ・沈黙・寡黙・無言) 踞り(うずくまり)・ニンフ(妖精)・微睡み(まどろみ) 呟いた(つぶやいた) By.星原女瑪.(2013.8.26)2018.1.04. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい)*------*------*------*------*------*------*------* LAME39の、いたずら書きをみて下さいね~。 2017年。絵手紙より 2018.息子が買って来てくれた、鏡餅。 柴犬親子が、可愛いかったです。 むかし買った狛犬のスケッチ画です...妙に色っぽい...。 千両に見えるかしら......。 【【書画肆しみづ】 ★http://www.rakuten.co.jp/sim444009/ クリックしたら、キャンセルを押すと見れま~す。 笹倉鉄平 ヴァカンス 昨年に咲いた、私のブラックティーです。***~~~~~~***【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きを掲載しましたが...少しです🙇.。 ご容赦くださいね~❤ ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 其の四【3】目覚めると、コーヒーの香りがした。『柿谷さん』沙織が声を掛けると、開いたドアの所から、『沙織さん、おはようございます』柿谷の爽やかな笑顔が見えた。『柿谷さん、おはようございます』沙織が挨拶をすると、『車椅子に乗りましょう』そう言って、柿谷は部屋に入って来た。リビングの奥のキッチンに入ると、トーストの香りがした。『朝食だったのですね。いい香りだわ』柿谷は沙織の横で、パンを頬張った。『どうですか、食欲は出て来ましたか』柿谷はコーヒーカップを手に、佐織を見た。『柿谷さん、不思議だと思いませんか…』『はあ、何か…』『ええ、私ったら人間らしい欲が無くなってしまって…。 あれきりトイレも食欲も…、お水も飲んで無いんですもの。 変ですよね。柿谷さん、そうでしょ………』柿谷は幾らか顔を曇らせて、僅かのあいだ沈黙した。『どんな力が働いたら、 こんな不思議な現象が起こるのかしら…』畳み込む様に尋ねた沙織に、『沙織さん、取り敢えず落ち着いてください。 今は気分が悪い訳ではない様ですし、 その事は後で話しませんか』いつの間にか柿田の瞳は、沙織の顔に当てられていた。『僕の仕事は、今日の13時から明日の18時迄なので、 明日の夜には帰宅できます。夕食は買って来ますから、 一緒に過ごしましょう。その後で話しましょう。 それで良いですか…』話終えて、柿谷はコーヒーを飲み干した。『沙織さん、留守中のことが心配なのですが、 一人で過ごせそうですが…』沙織は改めて訊かれるまで気付かなかったが、不安は感じなかった。柿谷は12時前に支度を済ませ、玄関に立った。『沙織さん、ひとつだけ聞いてください。 テレビを観ても構わないのですが、 世間は貴女の失踪で大騒ぎになっています。 テレビでは、貴女の失踪を躍起になって放送しています。 テレビを観る時には、 どうか心して観ててぐださい。いいですね』柿谷に視線を当てられて、沙織は力なく返事を返した。続く】………~~~… 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*
2018.01.04
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🎍 謹賀新年 🎍. ★ご訪問くださり、有り難うございます。★ *------*------*------* ★ 翠い風 ★ 愛しく纏わり この頬に口付する 愛しく纏わり この髪に戯れる 君よ その源が何処か 知らない 何処で産まれ 何処から来るのか 水無月の窓辺に 愛しく吹き寄せる 風よ 雨上がり 窓辺に佇み 両手を広げて 君を抱こう ああ 自然の息吹が 天然へと誘う さあ吹いて来い 翡翠色の 濡れた風よ By.星原女瑪.(2014.7.21)2018.1.02.再掲 (注意・詩の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい) 【【書画肆しみづ】 ★http://www.rakuten.co.jp/sim444009/ クリックしたら、キャンセルを押すと見れま~す。 笹倉鉄平 ヴァカンス 昨年に咲いた、私のブラックティーです。***~~~~~~***【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きを掲載しましたが...少しです🙇.。 ご容赦くださいね~❤ ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 其の四【3】目覚めると、コーヒーの香りがした。『柿谷さん』沙織が声を掛けると、開いたドアの所から、『沙織さん、おはようございます』柿谷の爽やかな笑顔が見えた。『柿谷さん、おはようございます』沙織が挨拶をすると、『車椅子に乗りましょう』そう言って、柿谷は部屋に入って来た。リビングの奥のキッチンに入ると、トーストの香りがした。『朝食だったのですね。いい香りだわ』柿谷は沙織の横で、パンを頬張った。『どうですか、食欲は出て来ましたか』柿谷はコーヒーカップを手に、佐織を見た。『柿谷さん、不思議だと思いませんか…』『はあ、何か…』『ええ、私ったら人間らしい欲が無くなってしまって…。 あれきりトイレも食欲も…、お水も飲んで無いんですもの。 変ですよね。柿谷さん、そうでしょ………』柿谷は幾らか顔を曇らせて、僅かのあいだ沈黙した。『どんな力が働いたら、こんな不思議な現象が起こるのかしら…』畳み込む様に尋ねた沙織に、『沙織さん、取り敢えず落ち着いてください。今は気分が悪い訳ではない様ですし、その事は後で話しませんか』いつの間にか柿田の瞳は、沙織の顔に当てられていた。『僕の仕事は、今日の13時から明日の18時迄なので、 明日の夜には帰宅できます。夕食は買って来ますから、 一緒に過ごしましょう。その後で話しましょう。 それで良いですか…』話終えて、柿谷はコーヒーを飲み干した。『沙織さん、留守中のことが心配なのですが、 一人で過ごせそうですが…』沙織は改めて訊かれるまで気付かなかったが、不安は感じなかった。柿谷は12時前に支度を済ませ、玄関に立った。『沙織さん、ひとつだけ聞いてください。 テレビを観ても構わないのですが、 世間は貴女の失踪で大騒ぎになっています。 テレビでは、貴女の失踪を躍起になって放送しています。 テレビを観る時には、どうか心して観ててぐださい。いいですね』柿谷に視線を当てられて、沙織は力なく返事を返した。続く】………~~~… 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*
2018.01.02
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. ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* ★ 時の息吹 ★ 今年が 心残りに背を向け 星が流れた また ひとつ 歳が去り行き 光の流れは 新たな歳を 我が身に残す 新たな年の 息吹が聴こえ 母のいる 勝手から 湯気が立ち昇る どうやら 我等は 時の壁を超えそうだ この恵みに こうべを垂れ しじまの中で 感謝の祈りを 捧げよう By.星原女瑪・(2016.12.29作)2017.12.31. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) 今回の詩は、推敲し直して、 新たな作品として掲載しました。 長年の時間の経過が怠慢を生み、 推敲の大切さを忘れさせていました。 読者の皆様に、 改めてお詫び申し上げます。 本年も、 誠に有り難うございました。 By.星原女瑪.2017.12.31. *------*------*------*------*🙇 お知らせ 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは、もう少しお待ち下さい。~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問、誠に有り難うございました ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*
2017.12.31
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. ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* ★ 私の孤独 ★ 遠い銀河の果てから 日暮れると 咽び泣きが聞こえる 遠く 追い遣られた星の 咽び泣きが 聞こえる 遠い宙の彼方で 蒼白く瞬く星よ お前は いったい 何時から そこで 咽び泣いている さあ 今夜は降りて来ないか 私の 孤独よ By.星原女瑪.(2014.12.30)2017.12.30. (注意・詩の転載を禁ずるシェアはご遠慮下さい) 2017年末になりました。 今年の歳の瀬は、 LAME39が大好きな自作詩を掲載して行きます。 思えば...。 ブログに詩を掲載してから、 幾つもの新作が誕生牛ました。 駄作と自覚しながらも、 愛着の有る自作詩を掲載いたします。 皆様に、 ご一読いただけましたら幸いです。 By.星原女瑪{LAME39}2017.12.30. *------*------*-----*------*------*------*------**** 【宝物】(1) 誰にでも宝物が有る。 何が宝物かは、人によって違うだろう。 それこそ千差万別だろう。 金銀財宝、貴金属やジュエリィーをはじめ、 食物からメイク品、乗物から書籍や音楽、 昔に使った面子やビー玉。 それは、数限りない。 実は私は、6年前に末期癌の姉を失った。 それ以来、悲しみのあまり鬱病になってしまった。 感情も意欲も酷く低下してしまった。 そんな私が詩にした【ノレル】 それも私の大切な宝物だ。 私が良くなって来た兆しを感じたのは、 7年ぶりに、楽天レンタルをした時の事だ。 そう、まだ最近である。 スポットレンタルで借りたDVD、 それこそは、私の宝物である。 DVDドラマの名前は、【秋の童話】である。 登場する人達の心の葛藤が見事に描かれている、 完成度の高い作品だ。 ・お兄ちゃん役の、ソンスンホン(役名.ジュンソ) ・訳有の妹役の、ソン.ヘギョ(役名.ウンソ) ・財閥の御曹子で仮の恋人役の(ウォンビン) この三人を中心に、物語が進行してゆく話である。 家族、身内、恋人や知人も大きく関わって来る。 ああ、【秋の童話】が観たい。 その想いは、既に回復への兆しだったと思う。 そして、 届いたDVDの7枚を、夢中で観ている私が居た。 60歳を超えた私が、姉を亡くし傷心した私が、 心を込めて観ていた。 観終わって感じた複雑な想い。 それこそが、新たな宝物となった。 皆さんにも、沢山の宝物が有ると思う。 どうか、それらを大切にしてほしいと、 心から願っています。 また、宝物(2)の話を読んで下さいね。 最後まで読んで下さり、ありがとうございました。 💛最後に告白 ソンスンホンも好きですが、 ウォンビンが大好きなんです。 By.LAME39.(星原女瑪.2016.4.14)2017.12.30. (注意:詩や文章の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) *------*-----*------*------*------*------* ..........【中古レンタルアップ】 DVD アジア・韓国ドラマ 秋の童話 オータム・イン・マイ・ハート 全9巻セット ソン・ヘギョ ムン・グニョン価格:9800円(税込、送料別) .【【書画肆しみづ】 ★★★ *------*------*------*------*🙇 お知らせ 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは、もう少しお待ち下さい。~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。応援有り難うございました ご訪問くださり、誠に有り難うございました http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*
2017.12.30
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. ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* ★ 月が見ていた夜 ★ 煙草の煙りに 開けた窓 吹き寄せる風に 寒いね ぽつりと言って きみが笑う 寒いね 僕がこたえる 窓越しの月あかり あの夜 僕等は確かに 繋がっていた 君と語り明かした あの夜 君がぶつける若さに 何度も戸惑い 何度も君を引き寄せた 月が笑っていた あの夜 僕は君を愛し そして君は 僕を好んでくれた そう 僕らは確かな温もりの 中にいた あの春の夜は遠く 僕は 秋を彷徨う子羊 何回めのコール 何回めのコール その数が 別れを告げていた そして僕は 秋を彷徨う子羊 今夜も月が見ている ほら 目を細めて By.星原女瑪(2013.9.7)2017.12.26. (注意・詩の転載を禁ずるシェアはご遠慮下さい) . 随想 宝物(3) さあ、宝物の話をしよう。 それは、電子辞書。 キャノンの黒い電子辞書は、 20年以上も私を助けていて呉れる。 現在は店頭で見られない、旧式の電子辞書。 その辞書が無ければ、私はお手上げだ。 漢字、その書き方や読み方、 そして、言葉の持つ意味。 言葉を漢字にしたら、あぁ...こう書くんだ。 ボタン電池で動いてくれる、黒い電子辞書。 これが無ければ、星原女瑪も存在しない。 大切な、私の宝物のひとつだ。 未だ未だ頑張って、助けてくれている。 ずっとずっと先まで、助けてください。 頑張って、壊れないでいて下さい。 私の大切な、キャノンの電子辞書。 私の宝物。 By.星原女瑪(2017.3.31)2017.12.26 *------*------*------*------*🙇 お知らせ 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは、もう少しお待ち下さい。~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。応援有り難うございました ご訪問くださり、誠に有り難うございました http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*a
2017.12.26
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. ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* 【随想 ★ ハレルヤ ★】 ★ハレルヤ★ 今の日本、クリスマスは当たり前の行事になった。 誰もが楽しみ、商戦は増すばかりだ。 クリスマスを楽しむのは、大いに結構だが、 クリスマスが何故あるのか---。 その事に、思いを馳せて戴きたい。 『ハレルヤ』 この言葉は、 主(神とキリストと精霊)を、賛美します。 神に対する喜びを表した言葉である。 如何だろう---。 一生に一度で構わないから、 教会でキリストの降誕を祝って見て欲しい。 『ハレルヤ』 その言葉が、心の底から湧き上がる。 大切な時を、感じて欲しいと願っています。 By.星原女瑪.2017.12.23. ★ともしび★ もしも 恋に永遠が 与えられたなら 恋は深まりゆくであろうか あるいは 褪めてゆくであろうか もしも それが 愛であったなら きっと 愛は深まってゆく もしも 愛を 命尽きるまで 深めることが できたなら それは 燭台の上に灯りつづける 蝋燭のように ささやかにも 美しい By.星原女瑪.(2014.7.11.)2017.12.23. (注意・詩の転載を禁ずる) *------*------*------*------*🙇 お知らせ 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは、もう少しお待ち下さい。~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。応援有り難うございました ご訪問くださり、誠に有り難うございました http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*a
2017.12.23
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. ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* 参照 刹那{せつな}・ 疎ら{まばら}・佇む{たたずむ} 晒され{さらされ}・撥ね退ける{はねのける} *------*------*------* ★ 刹那 ★ 疎らに集う 観客の 遠くに佇む 小さなツリー ディッセンバー 足を止め 耳を澄ます コンサート 風に晒され 流されそうな 歌声は 燃え上がり 北風を 撥ね退ける ひとりが 手を叩き ふたりが 手を叩き みんなが手を叩く ディッセンバー 駅前の 路上コンサート 彼らの歌が 燃え上がり 不覚にも 私は路上で 泪した 冷たい風に 頬濡らし ディッセンバー 泪した 刹那を歌う 若者に ディッセンバー 路上の私は 泪した この詩を{ふたば}に捧ぐ 2017.12.17 By.星原女瑪 {2017.12.19. . . *------*------*------*------*🙇 お知らせ 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは、もう少しお待ち下さい。~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。応援有り難うございました ご訪問くださり、誠に有り難うございました http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*a
2017.12.20
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. ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* ★ 翳した手 ★ 真冬の海 北風に 点かない 貴方の煙草 ほら 私の手を翳したら 赤く燃えたマッチ あれは 遠い昔 ふたりの心に火が点いた あれが 恋の はじまりだった 参照・ 翳した=かざした{(かげをつくるように)さしかける。の意} By.星原女瑪(2014.2.08)2017.12.18. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) . ヒロ.ヤマガタ{サンライズ} . .【【書画肆しみづ】 ★★★ *------*------*------*------*🙇 お知らせ 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは、もう少しお待ち下さい。~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------* ★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。応援有り難うございました ご訪問くださり、誠に有り難うございました http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*
2017.12.16
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. ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* ★ 中秋 ★ 秋淋の終わりか 薄陽が射した 尾花の群れが 銀色に光だし 湿った風は 遥かの地に流れ 天は 恵みの時を 撒き散らす さあ 今宵は月を愛でよう 丘の草むらで 孤独な私は ひと言 呟いた By.星原女瑪.2016.10.8.作.2017.12.13. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) 前回も掲載した詩ですが、 久し振りに手ごたえを感じたので、 もういちど再掲いたしました。 三度お付き合いいただき、恐縮です...🙇。 皆様、 これからはプロフがなくなりますが、 【真夜中の独り言】 今後も宜しくお願い致します。 皆様のブログにメッセージを残すべく、 努力して行きます。 LAME39より.2017.12.13. *------*------*------*------*🙇 お知らせ 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは、もう少しお待ち下さい。~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------*★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。応援有り難うございました ご訪問くださり、誠に有り難うございました http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*
2017.12.13
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ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* ★ 中秋 ★ 秋淋の終わりか 薄陽が射した 尾花の群れが 銀色に光だし 湿った風は 遥かの地に流れ 天は 恵みの時を 撒き散らす さあ 今宵は月を愛でよう 丘の草むらで 孤独な私は ひと言 呟いた By.星原女瑪.2016.10.8.作.2017.12.11. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) . 前回は再掲の事で、 愚痴ってしまいました。 愚痴にもかかわらず、 皆様には励まされ、慰められました。 ひとこと掲載して、好かったと感じています。 本当に、有り難うございました。 LAME39.2017.12.11. *------*------*------*------*🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは、もう少しお待ち下さい。~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 *------*------*------*------*★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】*----* ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。応援有り難うございました ご訪問くださり、誠に有り難うございました http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*
2017.12.11
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ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* ★ 雪夜の情景 ★ しんしんと降る しんしんと降る 音もなく 静寂に しんしんと降り積もる 白い雪 窓ガラス一枚の 境界線 孤独な者 その眼が見詰める 雪夜の情景 そこに在る 冷たい温もり 雪と戯れ 雪と話し 雪の精と語り続ける 寂寥に満ちたこころ ガラス一枚の 境界線 暖炉の薪が弾ける パチパチと 炎が踊る 静かに流れる スティーブン.シュラックス 向うに在る 静寂 ここに在る 夜想曲 ガラス一枚の 境界線が 冷たい温もりを与え しんしんと降る 雪の夜 優しく 過ぎて行く By.星原女瑪(2014.1.19)2017.12.9.再掲 (注意・詩や文章の転載を禁ずる.) 最近は再掲が殆どになり、大変に恐縮しております。 今回は、【雪夜の情景】を再掲しました。 この作品は、2014年の冬に出来上がったものです。 再び読む事になる皆さん、ご容赦ください。 By.星原女瑪.2017.12.9 *------*------*------*------*.🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは、もう少しお待ち下さい。~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 ★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】 *----* ご訪問、誠に有り難うございました. ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問くださり、誠に有り難うございました http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*
2017.12.09
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ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* ★ 泣かないで ★ これで終わり そんな恋 これでお終い そんな恋 たぶんなかった 秋の窓から眺めた 海 それは寒く 蒼かった 言いたいことが言えず 言ってはいけない事ばかり 口にして 泣きたい想い 泣いたら後がない だから くちびる噛み締めてみた これで終わり これでお終い そんな恋は たぶんなかった 春の海を眺めています また くちびる噛み締めて ねえ君 もう 忘れても いいですか By.星原女瑪.2016.5.10.作{推敲・2017.12.6.} (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) 以前に書いた詩{★ 泣かないで ★} 今回、推敲して掲載しました。 泣かないで・は、 自分に言い聞かせている言葉です。 ほんの少しの違いですが、 読んでいただけましたら幸いです。 *------*------*------*------*.🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは、もう少しお待ち下さい。~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 ★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】 *----* ご訪問、誠に有り難うございました. ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問くださり、誠に有り難うございました http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*
2017.12.06
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ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* ★ 幻惑の時 ★ 黄昏に見る君は 陶器の肌が なお白く 僕の心を躍らせる 太陽は沈み 未だ夜の来ない カフェテラス 全ての影が失せ 灯りが浮かぶ その前に ニンフが踊る 天使が運ぶ 魔法の瞬間 全ての者が神に平伏し 夜の帳の その前で 深い深い 吐息をつく 口元のピンク その隙間から 零れる笑み それは 何物にも代え難い 宝物 昼と夜の交差点で 僕らは 口づけを交わした By.星原女瑪.2016.7.23.新作.2017.12.3.再掲 (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) 参照 題名を変更しました。 幻惑=げんわく【 うっとりさせること・まどわすこと 】 太陽が沈み 夜の帳に包まれるまでの束の間。 その瞬間は、あらゆる物の影が消えるそうです。 その瞬間を、マジックアワーと呼びます。 今回の新作は、 その瞬間を、 マジックアワーと言う言葉を使わずに、 詩にしました。 By.星原女瑪.(2016.9.05)2017.12.3. ✿.LAME39のベランダです。 小さな憩いの場所です。 ここで、コーヒーを頂きます。 *------*------*------*------*.🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは、もう少しお待ち下さい。~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 ★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】 *----* ご訪問、誠に有り難うございました. ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問くださり、誠に有り難うございました http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*
2017.12.03
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. ご訪問下さり、有り難うございます *------*------*------* ★私のレモン★ 黄色いレモンが 微笑みかける 初冬の風の中 鮮やかに笑いかける ほんのり香る レモンの実 励ましの色に 心ぬくもり 初冬の寒気は 束の間 遠ざかる レモンを噛んで ふっと 笑みが零れた 私のレモン 今年も ありがとう By.星原女瑪.(2013.12.4)2016.1.6. {詩、レモンの写真。再掲です} (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) 皆さん聞いて下さい。 今年は、4個しか成らなかった。 鉢の土壌が枯れて来たのか...。 人工授粉を怠ったのが障ったのか...。 何んとも寂しい数だ。 怠った犯人は、この私!!! まあまあ~体と相談しながらの生活。 致し方なかろう...。 と、自衛の言葉...トホホホ。 兎に角、貴重な4個のレモン。 大切に味わおう~~~ 鉢植えのレモンを収穫しました。実が付いている時の写真です。 2016.1.6に18個収穫しました。 . 上下2枚の写真は、レモンのアップ。12月の中旬から色が濃くなります。 . 自家製のレモンは皮が薄く実が多いです。3か月くらい持ちます。 *------*------*------*------*.🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは、もう少しお待ち下さい。~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 ★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】 *----* ご訪問、誠に有り難うございました. ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ ★【ブログの書き込みに返信しないを、基本にしている事を、ご承知ください】 返信は、プロフや相手の書き込み欄で、済ませる様に努力しています。 未だ返信が滞っている方、ごめんなさい。 ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました ご訪問くださり、誠に有り難うございました http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*
2017.11.29
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. ご訪問下さり、ありがとうございます *------*------*------*------* ★ 紅葉 ★ 紅葉が手を振る また来年 また春に 紅葉が手を振る 頑張って お元気で 逝く秋を惜しむように 紅葉が 手を振っている By.星原女瑪.(2013.11.19)2017.11.26.再掲. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) ★紅葉の写真は全て、昭和記念公園で撮影したものです。 近くの川沿いの柿です。 🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは、もう少しお待ち下さい。~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 ★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】 *----* ご訪問、誠に有り難うございました. ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ ★【ブログの書き込みに返信しないを、基本にしている事を、ご承知ください】 返信は、プロフや相手の書き込み欄で、済ませる様に努力しています。 未だ返信が滞っている方、ごめんなさい。 ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました . .菊正宗 日本酒の美容液 150ml 弱酸性・無着色・無鉱物油(4971650800776) とっても潤う美容液。LAME39の愛用品です。 . サンカット ウルトラUV アクアリィジェル 無香料 ポンプタイプ SPF50+ PA++++ 160g【楽天24】[サンカット UVジェル]価格:1209円(税込、送料別)レビューを読んで下さいね。 http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603
2017.11.26
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. ☆ ご訪問くださり、誠に有り難うございます ☆ ★ 初冬の衣替え ★ 包み込んできた 多くの沈黙 投げ出せば それは 一塊の白い息 ある時は 寂寥という 囁きを ある時は 苦しみという 囁きを そして 孤独という 呟きを 痛い程に 噛み尽くしてきた者 覆い隠し 包み込み 沈黙してしまった 多くの 自我 さあ 初冬 大気に向かって 吐き出そう 痛手を負った 長い過去 強く生きるには 過酷過ぎた 日々 不安を伴わずには 訪れなかった 未来 全てを包み 隠していた 哀しき 徒労の時代 風の中 彼らに向かって 別れを告げたら 初冬 白い息は 大気に溶け 消えてゆく ああ 初冬 数え切れない 魂たち 我 いとうしく 我を語り 我 忌々しく 我を語り 尚 生き永らえる この身なら 季節外れ 衣替えに心弾ませ 羞恥の内に 我を語ろう 忌々しくも 我を語ろう きのうと きょうと そして 明日を きのうと きょうと そして 明日を 精一杯 生き抜くために By.星原女瑪(2012.12.09)2017.11.22. 再掲 (注意・詩の転載を禁ずる) . *千住博 森の朝* *------*------*------*------*.🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは、もう少しお待ち下さい。~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 ★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】 *----* ご訪問、誠に有り難うございました. ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ ★【ブログの書き込みに返信しないを、基本にしている事を、ご承知ください】 返信は、プロフや相手の書き込み欄で、済ませる様に努力しています。 未だ返信が滞っている方、ごめんなさい。 ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました . .菊正宗 日本酒の美容液 150ml 弱酸性・無着色・無鉱物油(4971650800776) とっても潤う美容液。LAME39の愛用品です。 . サンカット ウルトラUV アクアリィジェル 無香料 ポンプタイプ SPF50+ PA++++ 160g【楽天24】[サンカット UVジェル]価格:1209円(税込、送料別)レビューを読んで下さいね。 . このクレンジングシート、大好きです。 美容液でクレンジング オールインワンコットンシート 50枚【楽天24】[美容液でクレンジング …価格:679円(税込、送料別) レビューも読んで下さいね。 .とても美味しい紅茶です。 茶葉が大きく広がります。 LAME39は、ミルクティーで楽しんでいます。レビューを読んで下さいね。 http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*
2017.11.22
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. ご訪問下さり、ありがとうございます ★ 湯気 ★ 雨が 霙に変わっても 誰ひとり 不思議になど思わない そんな季節は とても寂しい 紅茶に 湯気が立ったりすると もう こんな季節かと 呟きながら 砂糖を入れる 湯気の向こうに 過ぎた夏が 浮かんでる 私は 呟きながら 砂糖を入れる By.星原女瑪.(2013.10.10)2015.10.30.2017.11.21. (注意.文章と写真の転載を禁ずる) LAME39が 愛用しているヘレンドのカップ&ソーサーです。 楽天市場【輸入ブランド洋食器専門店2本の剣】で、購入しました。 ご訪問、誠に有り難うございました★LAME39大好きな茶葉。ミルクティーで飲んでいます.【全国送料無料】紅茶葉 アッサム紅茶(300g)【150g×2】:【RCP】【HLS_DU】% http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1
2017.11.21
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. ☆ ご訪問くださり、誠に有り難うございます ☆ ★ しじま ★ 夜と朝の間 しじまが目醒める 時がある 巷は眠り 誰も居ない公園を 月が照す 全てが黙り込み しじまが僕を包み込む頃 僕は 世間に別れを告げる 僕はテラスに踞り しじまの中で夢見心地 しじまが誘うから 星達は 囁き 梢の葉で ニンフが踊る しじまに包まれ 僕は 夢見心地 星座の動きも 忘れ 巷の全ても 忘れた僕は ふわり 浮きそうだ テラスで微睡み ふと気付くと しじまが 背を押していた 黄昏が忍び寄る気配 また逢おう 僕は ぽつりと 呟いた By.星原女瑪.(2013.8.26)2017.9.1. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) 参照 【しじま】=静寂=寡黙・何も言わない事。 【微睡み】=まどろみ。 【黄昏】=曙・(朝が近づいた未明の頃) 皆様、こんばんは。 沢山のコメントやナイスを有り難うございました。 慰めの温かな言葉。 励ましの熱い言葉。 沢山の言葉を掛けて下さり、 本当に有り難うございました。 LAME39は、胸の板に確り刻みました。 🙇.少し気分が楽なので、 ブログを更新してみました。 力及ばずの稚拙なブログですが、 応援いただけましたら、幸いです。 どうか、今後も、 【真夜中の独り言】を、 そしてLAME39を、 よろしくお願い申し上げます。 2017.9.1. *------*------*------*------* クリックしてくださいね。 【【書画肆しみづ】 ★http://www.rakuten.co.jp/sim444009/ 🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 体調が悪く、少しだけ掲載しました。 読んでいただけます様に、~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 ★心ゆくまで★ 其の四の(2)4月間近の風が、そっと窓を叩き、夜中の郊外は穏やかな静けさで、二人を包んでいた。『沙織さん、僕とこの家で暮らしませんか…』『はぁ………』突然の申し出に、沙織が返答に困っていると、『余り大袈裟に考えないで下さい。 取り敢えず、この家で暮らしてみませんか…』柿谷は心配そうな面持ちで顔で、沙織の目を覗き込んだ。『そうですわ。私には、他に行く所が無いんですものね。 それに、この家は別荘か別邸の様で素敵ですものね。』沙織の顔に微笑が浮かぶと、柿谷は安堵した様子で、『この家は、祖父の別邸だったのですよ。 手入れを怠らなかったので、傷んでいないのが幸いしました。 宜しかったら、如何ですか………』『柿谷さん、喜んでお言葉に甘えさせて貰います。 本当に、色々と有り難うございます。 お世話になりますので、宜しくお願いします』 沙織は頭を下げて、柿谷に礼を述べた。沙織は自分の置かれている状況に改めて気付かされ、今は誠実そうな柿谷に、全てを委ねる決意が出来ていた。『実は、沙織さんを搬送してから非番だったので、 きのうから色々と用意してみたのですが…』『まあ、そうだったのですか…』『此処に、車椅子も用意しました。 ベッドカバーは取り敢えず買った物で、 気に入らなかったら遠慮なく言って下さい。 いま正面に見えるのがリビングで、 その奥にダイニングとキッチンが有ります。』『広い部屋で、気持ちが休まります』沙織の視線の先に、ソフトブラウンの長いソファーが見えた広い屋敷の様だったが、華美な装飾の少ない上品な雰囲気が漂うのを、沙織は感じた。『沙織さん、もう3時になります。明日は午後からなので、また話しましょう』柿谷はそう言ってから、寝かせ付けた沙織の枕元の灯りを小さくした。『柿谷さん、本当に有り難うございました。おやすみなさい』『はぃ、ゆっくりおやすみなさい』挨拶を残して、彼はそっと部屋を出て行った。 続く】 *----* 其の四の(1)沙織を抱えた柿谷は、小走りに葬儀場の裏手に周った。鉄扉を押して道路に出ると、すぐ近くにステーションワゴンが止まっていた。ドアを開けて沙織を座らせてから、車のハッチバックを開けた。それから再び沙織を抱き上げて、後ろの広いスペースに寝かせた。『沙織さん、ほんの少し待っていてください』柿谷の言葉に、沙織は『はい』と、素直に答えた。その言葉を聞くと、柿谷は慌てた様に走り去った。半時足らずで戻った柿谷は、運転席から振り向いて、『さあ、これで大丈夫ですよ。 沙織さん、少し長く掛かりますが我慢してくださいね』『はい、何時までも我慢しますわ』柿谷の優しい眼差しに、沙織は力強く答えた。二人を乗せた車は、首都高速を抜けて、中央自動車道に入った様だった。『沙織さん、疲れたら眠ってくださいね』黙り込んでいた柿谷が、言葉を掛けて来た。『柿谷さん、私には気遣いなさらないでね。中央道を走っているのかしら…』『分かりますか。西に向かっています。もう調布ですから、あと少しの我慢です』『あら、だいぶ都心を離れたのね。何処に連れて行って呉れるのか、楽しみだわ』沙織は視線を上げて、声を掛けた。『沙織さんに嬉しいと言われると、僕も嬉しいです』少し弾んだ声に、沙織は味わった事のない喜びと温もりを感じた。沙織は目を閉じて、その至福の時を噛み締めた。ふと眠っていたのか、『沙織さん、やっと着きました』柿谷の言葉に目を開けると、車のガラス越しに木々が見えた。柿谷は一旦おりて戻ると、車を廻してエンジンを切った。『沙織さん、さあ入りましょう』柿谷は言いながら、沙織を抱き上げた。大きめのベッドに降ろされると、ベビーピンクのカバーが優しく目に映った。扉は引き戸になっているらしく、今は開け放たれていた。『沙織さん、ここは八王子の丘の上ですよ。』『あら、いい所ですね。柿谷さん、何から何まで本当に有り難うございます』沙織は軽く頭を下げた。『いやいや、僕の身勝手にした事で…』柿谷は、含羞んだ様に目元を細めた。 続く】 By.星原女瑪 2017.6.03. *------*------*------*------* By.星原女瑪.2017.9.1. (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい) ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ ★【ブログの書き込みに返信しないを、基本にしている事を、ご承知ください】 返信は、プロフや相手の書き込み欄で、済ませる様に努力しています。 未だ返信が滞っている方、ごめんなさい。 ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました . .菊正宗 日本酒の美容液 150ml 弱酸性・無着色・無鉱物油(4971650800776) とっても潤う美容液。LAME39の愛用品です。 . サンカット ウルトラUV アクアリィジェル 無香料 ポンプタイプ SPF50+ PA++++ 160g【楽天24】[サンカット UVジェル]価格:1209円(税込、送料別)レビューを読んで下さいね。 . このクレンジングシート、大好きです。 美容液でクレンジング オールインワンコットンシート 50枚【楽天24】[美容液でクレンジング …価格:679円(税込、送料別) レビューも読んで下さいね。 .とても美味しい紅茶です。 茶葉が大きく広がります。 LAME39は、ミルクティーで楽しんでいます。レビューを読んで下さいね。 http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603*
2017.09.01
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. ✨.★✨.ご訪問メッセージを有り難うございます.✨.★✨. ★ つゆ ★ 降り出しそうだ のしかかる 鉛色の空 嘆息もらす その先に 雫が落ちた まばたく間もなく 一面 ぬれて 天を仰ぎ 六月の慈雨 手に 受け止めた By.星原女瑪.2017.6.30.作 (注意:詩の転載を禁ずる・シェアはご遠慮下さい) 山額紫陽花・中嶋千波作 *------*------*------*------* クリックしてくださいね。 【【書画肆しみづ】 ★http://www.rakuten.co.jp/sim444009/ 🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは執筆中ですが、体調が悪く進みません。 もう少しお待ち下さい~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 ★心ゆくまで★ 其の四の(1)沙織を抱えた柿谷は、小走りに葬儀場の裏手に周った。鉄扉を押して道路に出ると、すぐ近くにステーションワゴンが止まっていた。ドアを開けて沙織を座らせてから、車のハッチバックを開けた。それから再び沙織を抱き上げて、後ろの広いスペースに寝かせた。『沙織さん、ほんの少し待っていてください』柿谷の言葉に、沙織は『はい』と、素直に答えた。その言葉を聞くと、柿谷は慌てた様に走り去った。半時足らずで戻った柿谷は、運転席から振り向いて、『さあ、これで大丈夫ですよ。 沙織さん、少し長く掛かりますが我慢してくださいね』『はい、何時までも我慢しますわ』柿谷の優しい眼差しに、沙織は力強く答えた。二人を乗せた車は、首都高速を抜けて、中央自動車道に入った様だった。『沙織さん、疲れたら眠ってくださいね』黙り込んでいた柿谷が、言葉を掛けて来た。『柿谷さん、私には気遣いなさらないでね。中央道を走っているのかしら…』『分かりますか。西に向かっています。もう調布ですから、あと少しの我慢です』『あら、だいぶ都心を離れたのね。何処に連れて行って呉れるのか、楽しみだわ』沙織は視線を上げて、声を掛けた。『沙織さんに嬉しいと言われると、僕も嬉しいです』少し弾んだ声に、沙織は味わった事のない喜びと温もりを感じた。沙織は目を閉じて、その至福の時を噛み締めた。ふと眠っていたのか、『沙織さん、やっと着きました』柿谷の言葉に目を開けると、車のガラス越しに木々が見えた。柿谷は一旦おりて戻ると、車を廻してエンジンを切った。『沙織さん、さあ入りましょう』柿谷は言いながら、沙織を抱き上げた。大きめのベッドに降ろされると、ベビーピンクのカバーが優しく目に映った。扉は引き戸になっているらしく、今は開け放たれていた。『沙織さん、ここは八王子の丘の上ですよ。』『あら、いい所ですね。柿谷さん、何から何まで本当に有り難うございます』沙織は軽く頭を下げた。『いやいや、僕の身勝手にした事で…』柿谷は、含羞んだ様に目元を細めた。 続く】 By.星原女瑪 2017.6.03. *------*------*------*------* 其の三(3) 柿谷の言葉に少し安堵した沙織は、 優しい陽射しに包まれている様な気分がした。 沙織は、明日は必ず迎えに来ると言った柿谷を、今は信じる事が出来た。 優しい眼差しと、心に染み入って来る穏やかな声が、今は懐かしかった。 軈て沙織は、百合の香を感じながら、いつか深い眠りに落ちた。 沙織がはっと気付くと、音楽や人の声が聞こえた。 目を開けると、母の竹が覗き込んで声を掛けて来た。 『沙織さん、貴女は幾つになっても美しいままね。 死んでしまった今も、なんて美しいの…。』 そこまで言うと、竹の涙がポトポトと沙織の頬を濡らした。 『お母さん、何時までも死人を見ていたらいけないわ。 少し休みましょう。さあ、向こうへ…』 姉の由起子が、丁度いいタイミングで竹を連れて行って呉れた。 沙織は胸苦しいほどに、辛かった。 母親の悲しみは、沙織を苦しみの淵に沈めた。 少しすると、 『ご遺族の皆様、お夕食の支度が整いましたので食堂に起こし下さい。』 アナウンスが流れた。え、私ったら夕暮れまで眠っていたんの…。 驚いた沙織は、思わず呟いた。 暫くして辺りが静まると、柿谷の顔が浮かんだ。 あの時に見た彫りの深い端正な顔が浮かぶと、 沙織は何故か物悲しさを感じた。 私ったら、柿谷さんが恋しいのかしら…。 そんなことを想ってみて、沙織は顔が火照るのを感じた。 それは、輝久には感じた事のない感情だった。 少しすると、夕食の香りが仄かにしたが、沙織は食欲を全く感じなかった。 静まり返った部屋の棺桶の中は薄暗く、 保冷剤でヒンヤリしていたが、寒さも感じず妙に居心地が好かった。 その内に、沙織はまた深い眠りに落ちた。 火葬場の炉に火が入り、台に乗せられた沙織の傍らには、 何人もの人が詰め寄って来た。 『ねえ…待ってよ。お母さん、由起子姉さん、お兄さん、私を焼かないでよ。 お願いだから、焼かないで…。』 沙織は必死に叫ぶと、額に脂汗が滲んだ。 心臓がバクバクと悲鳴をあげ、苦しくて気が遠退きそうだった。 『誰か…誰か助けて』しかし沙織の叫びは聞こえないらしく、 誰もが泪したまま沈黙のうちにいた。 『沙織さん、沙織さん、………。』 誰かの呼び声に、はっと目を開けると、柿谷が覗き込んでいだ。 『柿谷さん。私、あと少しで焼かれる夢を見ていたの…。とても怖かったわ。』 『そうでしたか、額の汗はその所為ですね。』 柿谷は言いながら、沙織の額を優しく拭った。 ハンカチの青葉色が、沙織には新鮮に映った。 『沙織さん、迎えに来ました。さあ、僕と行きましょう』 『柿谷さん、お待ちしていました。本当に嬉しいです。』 柿谷は佐織を軽く掬い上げると、走るように出口へ急いだ。 続く】 By.星原女瑪.2017.5.6~7. (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい)*------*------*------*------*------*------*------* 其の三(2)花束が揺れた所為か、百合の香が一層つよくなり二人を包んだ。『ねえ、柿谷さん。 どうして私の声が聞こえたりするのかしら…』沙織は正直な疑問を、投げ掛けてみた。柿谷は沙織を覗き込む様に少し身を乗り出して、『そうですね。僕にも確かな事は言えませんが、 僕にとって沙織さんは、生きた人なのですよ。』『そう…。』『不思議なことですが、僕の中で貴女は生きているのです。 だから声を聞くことも美しい瞳の様子も、僕には感じられるのです。』『そう…。』会話が途切れると、柿谷は焼香台の小さな遺影を覗き込んで見詰めていた。その柿谷の背中に向かって、沙織は疑問を投げ掛けた。『柿谷さんか私のことに気付いたのは、いつ頃からなのですか』 すると柿谷は、静かに向き直り、『救急車の中で、沙織さんに付き添っていた時です…。 僕が沙織さんの手首に触れたら、 凄い勢いで脈打っているのを感じました。 僕は驚きましたが、嬉しさのほうが先走って…。 咄嗟に笹本さんに声を掛けたのですが、 相手にして貰えませんでした。』『そうだったのですか…。どうも有難う。』沙織の微笑に、柿谷は優しい眼差しで頷いた。『沙織さん。それでは、僕は帰ります。もう30分が過ぎてしまいました。 実は、防犯カメラに細工をしたもので、長くは居られないのです。 増して、警察の安置所ですからね。』『そうだったのね。寂しくなるわ。』沙織が思わず弱音を吐くと、『大丈夫ですよ。沙織さん、よく聞いてくださいよ。 明日は午前中に葬儀場へ移されます。 しかし、心配しないで僕を待っていて下さい。 貴女が火葬場で焼かれる事はありません。僕が必ず迎えに行きますから、 安心して待っていて下さいよ。』柿谷は力強く言うと、沙織の肩にそっと手を置いた。『そう…。私は柿谷さんを信じて、待っています。 本当に有り難うございます。信じています。』沙織の言葉を聞くと、柿谷は間も無く帰って行った。 続く】 By.星原女瑪.2017.4.21 (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい) ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ ★【ブログの書き込みに返信しないを、基本にしている事を、ご承知ください】 返信は、プロフや相手の書き込み欄で、済ませる様に努力しています。 未だ返信が滞っている方、ごめんなさい。 ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました . .菊正宗 日本酒の美容液 150ml 弱酸性・無着色・無鉱物油(4971650800776) 価格:1535円(税込、送料無料) とっても潤う美容液。LAME39の愛用品です。 . サンカット ウルトラUV アクアリィジェル 無香料 ポンプタイプ SPF50+ PA++++ 160g【楽天24】[サンカット UVジェル]価格:1209円(税込、送料別)レビューを読んで下さいね。 . 楽天kobo.愛用しています。 このクレンジングシート、大好きです。 美容液でクレンジング オールインワンコットンシート 50枚【楽天24】[美容液でクレンジング …価格:679円(税込、送料別) レビューも読んで下さいね。 .とても美味しい紅茶です。 茶葉が大きく広がります。 LAME39は、ミルクティーで楽しんでいます。レビューを読んで下さいね。 http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603
2017.06.30
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. ✨ ✨✨✨ ご訪問に、感謝いたします✨✨✨✨ ★✨.★✨.✨.★✨.✨.★✨.✨.★✨. ★ 星満ちて ★ 滴り落ちた汗に 君の笑顔が浮かぶ 僕はドラムを叩いてる 一心不乱に叩いてる ピアノは今夜も 即興で ジャズを奏でる 君は 部屋の隅に踞り 細い躰を小さく揺らす 今夜は星満ちて 風が流れ 梢の音が ボーカルで 静かに夜が更けて行く だから 今夜は 眠れそうかい By.星原女瑪.(2014.4.03)2017.6.24. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) ★★★ 最近は再掲が多くなり、 大変に恐縮しております。 新しい詩を産み出すことは、 詩を完成させるのは、 実に難しいです。 何度も推敲を繰り返し、出来上がります。 れでも満足な詩は、 なかなか書けません。 多分、私の力不足なのでしょう。 詩を作品として放つことには、 勇気が要ります。 詩人、萩原朔太郎は、 【詩は、言葉以上の言葉】 と言っています。 その様なものが、簡単に出来る筈もなく、 もちろん作為では出来ません。 拙い詩ですが、 読んで下さり、有り難うございました。 By.星原女瑪.2017.6.24. *------*------*------*------* クリックしてくださいね。 【【書画肆しみづ】 ★http://www.rakuten.co.jp/sim444009/ 🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは執筆中です...いま少しお待ち下さい~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 ★心ゆくまで★ 其の四の(1)沙織を抱えた柿谷は、小走りに葬儀場の裏手に周った。鉄扉を押して道路に出ると、すぐ近くにステーションワゴンが止まっていた。ドアを開けて沙織を座らせてから、車のハッチバックを開けた。それから再び沙織を抱き上げて、後ろの広いスペースに寝かせた。『沙織さん、ほんの少し待っていてください』柿谷の言葉に、沙織は『はい』と、素直に答えた。その言葉を聞くと、柿谷は慌てた様に走り去った。半時足らずで戻った柿谷は、運転席から振り向いて、『さあ、これで大丈夫ですよ。 沙織さん、少し長く掛かりますが我慢してくださいね』『はい、何時までも我慢しますわ』柿谷の優しい眼差しに、沙織は力強く答えた。二人を乗せた車は、首都高速を抜けて、中央自動車道に入った様だった。『沙織さん、疲れたら眠ってくださいね』黙り込んでいた柿谷が、言葉を掛けて来た。『柿谷さん、私には気遣いなさらないでね。中央道を走っているのかしら…』『分かりますか。西に向かっています。もう調布ですから、あと少しの我慢です』『あら、だいぶ都心を離れたのね。何処に連れて行って呉れるのか、楽しみだわ』沙織は視線を上げて、声を掛けた。『沙織さんに嬉しいと言われると、僕も嬉しいです』少し弾んだ声に、沙織は味わった事のない喜びと温もりを感じた。沙織は目を閉じて、その至福の時を噛み締めた。ふと眠っていたのか、『沙織さん、やっと着きました』柿谷の言葉に目を開けると、車のガラス越しに木々が見えた。柿谷は一旦おりて戻ると、車を廻してエンジンを切った。『沙織さん、さあ入りましょう』柿谷は言いながら、沙織を抱き上げた。大きめのベッドに降ろされると、ベビーピンクのカバーが優しく目に映った。扉は引き戸になっているらしく、今は開け放たれていた。『沙織さん、ここは八王子の丘の上ですよ。』『あら、いい所ですね。柿谷さん、何から何まで本当に有り難うございます』沙織は軽く頭を下げた。『いやいや、僕の身勝手にした事で…』柿谷は、含羞んだ様に目元を細めた。 続く】 By.星原女瑪 2017.6.03. *------*------*------*------* 其の三(3) 柿谷の言葉に少し安堵した沙織は、 優しい陽射しに包まれている様な気分がした。 沙織は、明日は必ず迎えに来ると言った柿谷を、今は信じる事が出来た。 優しい眼差しと、心に染み入って来る穏やかな声が、今は懐かしかった。 軈て沙織は、百合の香を感じながら、いつか深い眠りに落ちた。 沙織がはっと気付くと、音楽や人の声が聞こえた。 目を開けると、母の竹が覗き込んで声を掛けて来た。 『沙織さん、貴女は幾つになっても美しいままね。 死んでしまった今も、なんて美しいの…。』 そこまで言うと、竹の涙がポトポトと沙織の頬を濡らした。 『お母さん、何時までも死人を見ていたらいけないわ。 少し休みましょう。さあ、向こうへ…』 姉の由起子が、丁度いいタイミングで竹を連れて行って呉れた。 沙織は胸苦しいほどに、辛かった。 母親の悲しみは、沙織を苦しみの淵に沈めた。 少しすると、 『ご遺族の皆様、お夕食の支度が整いましたので食堂に起こし下さい。』 アナウンスが流れた。え、私ったら夕暮れまで眠っていたんの…。 驚いた沙織は、思わず呟いた。 暫くして辺りが静まると、柿谷の顔が浮かんだ。 あの時に見た彫りの深い端正な顔が浮かぶと、 沙織は何故か物悲しさを感じた。 私ったら、柿谷さんが恋しいのかしら…。 そんなことを想ってみて、沙織は顔が火照るのを感じた。 それは、輝久には感じた事のない感情だった。 少しすると、夕食の香りが仄かにしたが、沙織は食欲を全く感じなかった。 静まり返った部屋の棺桶の中は薄暗く、 保冷剤でヒンヤリしていたが、寒さも感じず妙に居心地が好かった。 その内に、沙織はまた深い眠りに落ちた。 火葬場の炉に火が入り、台に乗せられた沙織の傍らには、 何人もの人が詰め寄って来た。 『ねえ…待ってよ。お母さん、由起子姉さん、お兄さん、私を焼かないでよ。 お願いだから、焼かないで…。』 沙織は必死に叫ぶと、額に脂汗が滲んだ。 心臓がバクバクと悲鳴をあげ、苦しくて気が遠退きそうだった。 『誰か…誰か助けて』しかし沙織の叫びは聞こえないらしく、 誰もが泪したまま沈黙のうちにいた。 『沙織さん、沙織さん、………。』 誰かの呼び声に、はっと目を開けると、柿谷が覗き込んでいだ。 『柿谷さん。私、あと少しで焼かれる夢を見ていたの…。とても怖かったわ。』 『そうでしたか、額の汗はその所為ですね。』 柿谷は言いながら、沙織の額を優しく拭った。 ハンカチの青葉色が、沙織には新鮮に映った。 『沙織さん、迎えに来ました。さあ、僕と行きましょう』 『柿谷さん、お待ちしていました。本当に嬉しいです。』 柿谷は佐織を軽く掬い上げると、走るように出口へ急いだ。 続く】 By.星原女瑪.2017.5.6~7. (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい)*------*------*------*------*------*------*------* 其の三(2)花束が揺れた所為か、百合の香が一層つよくなり二人を包んだ。『ねえ、柿谷さん。 どうして私の声が聞こえたりするのかしら…』沙織は正直な疑問を、投げ掛けてみた。柿谷は沙織を覗き込む様に少し身を乗り出して、『そうですね。僕にも確かな事は言えませんが、 僕にとって沙織さんは、生きた人なのですよ。』『そう…。』『不思議なことですが、僕の中で貴女は生きているのです。 だから声を聞くことも美しい瞳の様子も、僕には感じられるのです。』『そう…。』会話が途切れると、柿谷は焼香台の小さな遺影を覗き込んで見詰めていた。その柿谷の背中に向かって、沙織は疑問を投げ掛けた。『柿谷さんか私のことに気付いたのは、いつ頃からなのですか』 すると柿谷は、静かに向き直り、『救急車の中で、沙織さんに付き添っていた時です…。 僕が沙織さんの手首に触れたら、 凄い勢いで脈打っているのを感じました。 僕は驚きましたが、嬉しさのほうが先走って…。 咄嗟に笹本さんに声を掛けたのですが、 相手にして貰えませんでした。』『そうだったのですか…。どうも有難う。』沙織の微笑に、柿谷は優しい眼差しで頷いた。『沙織さん。それでは、僕は帰ります。もう30分が過ぎてしまいました。 実は、防犯カメラに細工をしたもので、長くは居られないのです。 増して、警察の安置所ですからね。』『そうだったのね。寂しくなるわ。』沙織が思わず弱音を吐くと、『大丈夫ですよ。沙織さん、よく聞いてくださいよ。 明日は午前中に葬儀場へ移されます。 しかし、心配しないで僕を待っていて下さい。 貴女が火葬場で焼かれる事はありません。僕が必ず迎えに行きますから、 安心して待っていて下さいよ。』柿谷は力強く言うと、沙織の肩にそっと手を置いた。『そう…。私は柿谷さんを信じて、待っています。 本当に有り難うございます。信じています。』沙織の言葉を聞くと、柿谷は間も無く帰って行った。 続く】 By.星原女瑪.2017.4.21 (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい) ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ ★【ブログの書き込みに返信しないを、基本にしている事を、ご承知ください】 返信は、プロフや相手の書き込み欄で、済ませる様に努力しています。 未だ返信が滞っている方、ごめんなさい。 ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました . .菊正宗 日本酒の美容液 150ml 弱酸性・無着色・無鉱物油(4971650800776) 価格:1535円(税込、送料無料) とっても潤う美容液。LAME39の愛用品です。 . サンカット ウルトラUV アクアリィジェル 無香料 ポンプタイプ SPF50+ PA++++ 160g【楽天24】[サンカット UVジェル]価格:1209円(税込、送料別)レビューを読んで下さいね。 . 楽天kobo.愛用しています。 このクレンジングシート、大好きです。 美容液でクレンジング オールインワンコットンシート 50枚【楽天24】[美容液でクレンジング …価格:679円(税込、送料別) レビューも読んで下さいね。 .とても美味しい紅茶です。 茶葉が大きく広がります。 LAME39は、ミルクティーで楽しんでいます。レビューを読んで下さいね。 http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603
2017.06.24
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. ✨✨✨ ご訪問に、感謝いたします。 ✨✨✨ ★ ハートカラー ★ 時の流れ 不思議 生きていること 不思議 そして 運命 不思議すぎる 寂しく 生きてゆく時も 包み込んで 逝ってしまう 死んでゆくこと 淋しい 残されて生きること 淋しい 恋すること淋しすぎる 誰かの涙で パックリ割って 私のハート 掴み出したら どんなカラー しているのだろう 時の流れ 不思議 そして 運命 不思議すぎる 私のハート 掴み出して 温めてくれるもの あるのかなあ By.星原女瑪.{詩集・蜃気楼・より}(2015.6.11)2017.6.20. (注意・詩の転載を禁ずる・シェアは、ご遠慮下さい) アクセスして下さった皆様、 本当に有り難うございます。 今回は私の詩集【蜃気楼】より、 ハートカラー・を掲載しました。 再掲になります。 ご一読いただけましたら、幸いです。 私の病状ですが...。 最悪の症状に苦しんでします。 この度は、 沢山の励ましや慰めのコメントを、 有り難うございました。 とても慰められ、励まされました。 ※アブラゼミが常に鳴いている左耳。 一番辛いのは、 頭がグラグラして吐き気がすること...。 歩くことも出来ない状態です。 皆様にコメントをしたり、 ナイスや応援も出来ない状態です。 どうかご容赦のうえ、 これからも宜しくお願い致します。 By.LAME39.星原女瑪(ほしはらめめ)2017.6.20. *------*------*------*------* クリックしてくださいね。 【【書画肆しみづ】 ★http://www.rakuten.co.jp/sim444009/ 🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは執筆中です...いま少しお待ち下さい~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 ★心ゆくまで★ 其の四の(1)沙織を抱えた柿谷は、小走りに葬儀場の裏手に周った。鉄扉を押して道路に出ると、すぐ近くにステーションワゴンが止まっていた。ドアを開けて沙織を座らせてから、車のハッチバックを開けた。それから再び沙織を抱き上げて、後ろの広いスペースに寝かせた。『沙織さん、ほんの少し待っていてください』柿谷の言葉に、沙織は『はい』と、素直に答えた。その言葉を聞くと、柿谷は慌てた様に走り去った。半時足らずで戻った柿谷は、運転席から振り向いて、『さあ、これで大丈夫ですよ。 沙織さん、少し長く掛かりますが我慢してくださいね』『はい、何時までも我慢しますわ』柿谷の優しい眼差しに、沙織は力強く答えた。二人を乗せた車は、首都高速を抜けて、中央自動車道に入った様だった。『沙織さん、疲れたら眠ってくださいね』黙り込んでいた柿谷が、言葉を掛けて来た。『柿谷さん、私には気遣いなさらないでね。中央道を走っているのかしら…』『分かりますか。西に向かっています。もう調布ですから、あと少しの我慢です』『あら、だいぶ都心を離れたのね。何処に連れて行って呉れるのか、楽しみだわ』沙織は視線を上げて、声を掛けた。『沙織さんに嬉しいと言われると、僕も嬉しいです』少し弾んだ声に、沙織は味わった事のない喜びと温もりを感じた。沙織は目を閉じて、その至福の時を噛み締めた。ふと眠っていたのか、『沙織さん、やっと着きました』柿谷の言葉に目を開けると、車のガラス越しに木々が見えた。柿谷は一旦おりて戻ると、車を廻してエンジンを切った。『沙織さん、さあ入りましょう』柿谷は言いながら、沙織を抱き上げた。大きめのベッドに降ろされると、ベビーピンクのカバーが優しく目に映った。扉は引き戸になっているらしく、今は開け放たれていた。『沙織さん、ここは八王子の丘の上ですよ。』『あら、いい所ですね。柿谷さん、何から何まで本当に有り難うございます』沙織は軽く頭を下げた。『いやいや、僕の身勝手にした事で…』柿谷は、含羞んだ様に目元を細めた。 続く】 By.星原女瑪 2017.6.03. *------*------*------*------* 其の三(3) 柿谷の言葉に少し安堵した沙織は、 優しい陽射しに包まれている様な気分がした。 沙織は、明日は必ず迎えに来ると言った柿谷を、今は信じる事が出来た。 優しい眼差しと、心に染み入って来る穏やかな声が、今は懐かしかった。 軈て沙織は、百合の香を感じながら、いつか深い眠りに落ちた。 沙織がはっと気付くと、音楽や人の声が聞こえた。 目を開けると、母の竹が覗き込んで声を掛けて来た。 『沙織さん、貴女は幾つになっても美しいままね。 死んでしまった今も、なんて美しいの…。』 そこまで言うと、竹の涙がポトポトと沙織の頬を濡らした。 『お母さん、何時までも死人を見ていたらいけないわ。 少し休みましょう。さあ、向こうへ…』 姉の由起子が、丁度いいタイミングで竹を連れて行って呉れた。 沙織は胸苦しいほどに、辛かった。 母親の悲しみは、沙織を苦しみの淵に沈めた。 少しすると、 『ご遺族の皆様、お夕食の支度が整いましたので食堂に起こし下さい。』 アナウンスが流れた。え、私ったら夕暮れまで眠っていたんの…。 驚いた沙織は、思わず呟いた。 暫くして辺りが静まると、柿谷の顔が浮かんだ。 あの時に見た彫りの深い端正な顔が浮かぶと、 沙織は何故か物悲しさを感じた。 私ったら、柿谷さんが恋しいのかしら…。 そんなことを想ってみて、沙織は顔が火照るのを感じた。 それは、輝久には感じた事のない感情だった。 少しすると、夕食の香りが仄かにしたが、沙織は食欲を全く感じなかった。 静まり返った部屋の棺桶の中は薄暗く、 保冷剤でヒンヤリしていたが、寒さも感じず妙に居心地が好かった。 その内に、沙織はまた深い眠りに落ちた。 火葬場の炉に火が入り、台に乗せられた沙織の傍らには、 何人もの人が詰め寄って来た。 『ねえ…待ってよ。お母さん、由起子姉さん、お兄さん、私を焼かないでよ。 お願いだから、焼かないで…。』 沙織は必死に叫ぶと、額に脂汗が滲んだ。 心臓がバクバクと悲鳴をあげ、苦しくて気が遠退きそうだった。 『誰か…誰か助けて』しかし沙織の叫びは聞こえないらしく、 誰もが泪したまま沈黙のうちにいた。 『沙織さん、沙織さん、………。』 誰かの呼び声に、はっと目を開けると、柿谷が覗き込んでいだ。 『柿谷さん。私、あと少しで焼かれる夢を見ていたの…。とても怖かったわ。』 『そうでしたか、額の汗はその所為ですね。』 柿谷は言いながら、沙織の額を優しく拭った。 ハンカチの青葉色が、沙織には新鮮に映った。 『沙織さん、迎えに来ました。さあ、僕と行きましょう』 『柿谷さん、お待ちしていました。本当に嬉しいです。』 柿谷は佐織を軽く掬い上げると、走るように出口へ急いだ。 続く】 By.星原女瑪.2017.5.6~7. (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい)*------*------*------*------*------*------*------* 其の三(2)花束が揺れた所為か、百合の香が一層つよくなり二人を包んだ。『ねえ、柿谷さん。 どうして私の声が聞こえたりするのかしら…』沙織は正直な疑問を、投げ掛けてみた。柿谷は沙織を覗き込む様に少し身を乗り出して、『そうですね。僕にも確かな事は言えませんが、 僕にとって沙織さんは、生きた人なのですよ。』『そう…。』『不思議なことですが、僕の中で貴女は生きているのです。 だから声を聞くことも美しい瞳の様子も、僕には感じられるのです。』『そう…。』会話が途切れると、柿谷は焼香台の小さな遺影を覗き込んで見詰めていた。その柿谷の背中に向かって、沙織は疑問を投げ掛けた。『柿谷さんか私のことに気付いたのは、いつ頃からなのですか』 すると柿谷は、静かに向き直り、『救急車の中で、沙織さんに付き添っていた時です…。 僕が沙織さんの手首に触れたら、 凄い勢いで脈打っているのを感じました。 僕は驚きましたが、嬉しさのほうが先走って…。 咄嗟に笹本さんに声を掛けたのですが、 相手にして貰えませんでした。』『そうだったのですか…。どうも有難う。』沙織の微笑に、柿谷は優しい眼差しで頷いた。『沙織さん。それでは、僕は帰ります。もう30分が過ぎてしまいました。 実は、防犯カメラに細工をしたもので、長くは居られないのです。 増して、警察の安置所ですからね。』『そうだったのね。寂しくなるわ。』沙織が思わず弱音を吐くと、『大丈夫ですよ。沙織さん、よく聞いてくださいよ。 明日は午前中に葬儀場へ移されます。 しかし、心配しないで僕を待っていて下さい。 貴女が火葬場で焼かれる事はありません。僕が必ず迎えに行きますから、 安心して待っていて下さいよ。』柿谷は力強く言うと、沙織の肩にそっと手を置いた。『そう…。私は柿谷さんを信じて、待っています。 本当に有り難うございます。信じています。』沙織の言葉を聞くと、柿谷は間も無く帰って行った。 続く】 By.星原女瑪.2017.4.21 (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい) ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ ★【ブログの書き込みに返信しないを、基本にしている事を、ご承知ください】 返信は、プロフや相手の書き込み欄で、済ませる様に努力しています。 未だ返信が滞っている方、ごめんなさい。 ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました . .菊正宗 日本酒の美容液 150ml 弱酸性・無着色・無鉱物油(4971650800776) 価格:1535円(税込、送料無料) とっても潤う美容液。LAME39の愛用品です。 . サンカット ウルトラUV アクアリィジェル 無香料 ポンプタイプ SPF50+ PA++++ 160g【楽天24】[サンカット UVジェル]価格:1209円(税込、送料別)レビューを読んで下さいね。 . .パンテーン クリニケア ハリ・コシが足りない髪用 シャンプー 550ml【楽天24】[シャンプー SP Pantene Clinicare]【olm6】 楽天kobo.愛用しています。 このクレンジングシート、大好きです。 美容液でクレンジング オールインワンコットンシート 50枚【楽天24】[美容液でクレンジング …価格:679円(税込、送料別) レビューも読んで下さいね。 .とても美味しい紅茶です。 茶葉が大きく広がります。 LAME39は、ミルクティーで楽しんでいます。レビューを読んで下さいね。 http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603
2017.06.20
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. ✨✨✨ ご訪問に、感謝いたします。 ✨✨✨ ★ にわか雨 ★ 林を過ぎる頃になり ポツリと来た 木々の葉が ポトポト音を立て 雨粒が頬を濡らす さっき 後ろに居たはずの影は 何処に逃げ込んだのか 振り向くと 黄昏た林と長い道が伸びていた ふぅぅ 私は溜息を漏らし 駆け出した 濡れた丘に立つと 西の空に 虹が揺れていた By.星原女瑪.(2012.6.10.)2016.8.6.【2017.6.13. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) 詩を読んで下さる皆様 本当に有り難うございます。 前回は余りにも季節外れの詩を掲載して、 恐縮至極です...🙇。 今回の詩は、 とても気になる所が有りましたので、 推敲して、新たな作品に仕上げました。 ご一読いただけましたら、幸いです。 この度は、 沢山の励ましや慰めのコメントを、 有り難うございました。 私の病気は、突発性難聴だと診断されました。 原因はストレスだそうです。 耳鼻科に掛かり、漸く解りました。 主治医によると、 聞こえなくなった耳は、ほぼ治らない。 とのことでした。 この様なLAME39ですが、 これからも宜しくお願い致します。 By.星原女瑪(ほしはらめめ)2017.6.13. *------*------*------*------* クリックしてくださいね。 【【書画肆しみづ】 ★http://www.rakuten.co.jp/sim444009/ 🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは執筆中です...いま少しお待ち下さい~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 ★心ゆくまで★ 其の四の(1)沙織を抱えた柿谷は、小走りに葬儀場の裏手に周った。鉄扉を押して道路に出ると、すぐ近くにステーションワゴンが止まっていた。ドアを開けて沙織を座らせてから、車のハッチバックを開けた。それから再び沙織を抱き上げて、後ろの広いスペースに寝かせた。『沙織さん、ほんの少し待っていてください』柿谷の言葉に、沙織は『はい』と、素直に答えた。その言葉を聞くと、柿谷は慌てた様に走り去った。半時足らずで戻った柿谷は、運転席から振り向いて、『さあ、これで大丈夫ですよ。 沙織さん、少し長く掛かりますが我慢してくださいね』『はい、何時までも我慢しますわ』柿谷の優しい眼差しに、沙織は力強く答えた。二人を乗せた車は、首都高速を抜けて、中央自動車道に入った様だった。『沙織さん、疲れたら眠ってくださいね』黙り込んでいた柿谷が、言葉を掛けて来た。『柿谷さん、私には気遣いなさらないでね。中央道を走っているのかしら…』『分かりますか。西に向かっています。もう調布ですから、あと少しの我慢です』『あら、だいぶ都心を離れたのね。何処に連れて行って呉れるのか、楽しみだわ』沙織は視線を上げて、声を掛けた。『沙織さんに嬉しいと言われると、僕も嬉しいです』少し弾んだ声に、沙織は味わった事のない喜びと温もりを感じた。沙織は目を閉じて、その至福の時を噛み締めた。ふと眠っていたのか、『沙織さん、やっと着きました』柿谷の言葉に目を開けると、車のガラス越しに木々が見えた。柿谷は一旦おりて戻ると、車を廻してエンジンを切った。『沙織さん、さあ入りましょう』柿谷は言いながら、沙織を抱き上げた。大きめのベッドに降ろされると、ベビーピンクのカバーが優しく目に映った。扉は引き戸になっているらしく、今は開け放たれていた。『沙織さん、ここは八王子の丘の上ですよ。』『あら、いい所ですね。柿谷さん、何から何まで本当に有り難うございます』沙織は軽く頭を下げた。『いやいや、僕の身勝手にした事で…』柿谷は、含羞んだ様に目元を細めた。 続く】 By.星原女瑪 2017.6.03. *------*------*------*------* 其の三(3) 柿谷の言葉に少し安堵した沙織は、 優しい陽射しに包まれている様な気分がした。 沙織は、明日は必ず迎えに来ると言った柿谷を、今は信じる事が出来た。 優しい眼差しと、心に染み入って来る穏やかな声が、今は懐かしかった。 軈て沙織は、百合の香を感じながら、いつか深い眠りに落ちた。 沙織がはっと気付くと、音楽や人の声が聞こえた。 目を開けると、母の竹が覗き込んで声を掛けて来た。 『沙織さん、貴女は幾つになっても美しいままね。 死んでしまった今も、なんて美しいの…。』 そこまで言うと、竹の涙がポトポトと沙織の頬を濡らした。 『お母さん、何時までも死人を見ていたらいけないわ。 少し休みましょう。さあ、向こうへ…』 姉の由起子が、丁度いいタイミングで竹を連れて行って呉れた。 沙織は胸苦しいほどに、辛かった。 母親の悲しみは、沙織を苦しみの淵に沈めた。 少しすると、 『ご遺族の皆様、お夕食の支度が整いましたので食堂に起こし下さい。』 アナウンスが流れた。え、私ったら夕暮れまで眠っていたんの…。 驚いた沙織は、思わず呟いた。 暫くして辺りが静まると、柿谷の顔が浮かんだ。 あの時に見た彫りの深い端正な顔が浮かぶと、 沙織は何故か物悲しさを感じた。 私ったら、柿谷さんが恋しいのかしら…。 そんなことを想ってみて、沙織は顔が火照るのを感じた。 それは、輝久には感じた事のない感情だった。 少しすると、夕食の香りが仄かにしたが、沙織は食欲を全く感じなかった。 静まり返った部屋の棺桶の中は薄暗く、 保冷剤でヒンヤリしていたが、寒さも感じず妙に居心地が好かった。 その内に、沙織はまた深い眠りに落ちた。 火葬場の炉に火が入り、台に乗せられた沙織の傍らには、 何人もの人が詰め寄って来た。 『ねえ…待ってよ。お母さん、由起子姉さん、お兄さん、私を焼かないでよ。 お願いだから、焼かないで…。』 沙織は必死に叫ぶと、額に脂汗が滲んだ。 心臓がバクバクと悲鳴をあげ、苦しくて気が遠退きそうだった。 『誰か…誰か助けて』しかし沙織の叫びは聞こえないらしく、 誰もが泪したまま沈黙のうちにいた。 『沙織さん、沙織さん、………。』 誰かの呼び声に、はっと目を開けると、柿谷が覗き込んでいだ。 『柿谷さん。私、あと少しで焼かれる夢を見ていたの…。とても怖かったわ。』 『そうでしたか、額の汗はその所為ですね。』 柿谷は言いながら、沙織の額を優しく拭った。 ハンカチの青葉色が、沙織には新鮮に映った。 『沙織さん、迎えに来ました。さあ、僕と行きましょう』 『柿谷さん、お待ちしていました。本当に嬉しいです。』 柿谷は佐織を軽く掬い上げると、走るように出口へ急いだ。 続く】 By.星原女瑪.2017.5.6~7. (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい)*------*------*------*------*------*------*------* 其の三(2)花束が揺れた所為か、百合の香が一層つよくなり二人を包んだ。『ねえ、柿谷さん。 どうして私の声が聞こえたりするのかしら…』沙織は正直な疑問を、投げ掛けてみた。柿谷は沙織を覗き込む様に少し身を乗り出して、『そうですね。僕にも確かな事は言えませんが、 僕にとって沙織さんは、生きた人なのですよ。』『そう…。』『不思議なことですが、僕の中で貴女は生きているのです。 だから声を聞くことも美しい瞳の様子も、僕には感じられるのです。』『そう…。』会話が途切れると、柿谷は焼香台の小さな遺影を覗き込んで見詰めていた。その柿谷の背中に向かって、沙織は疑問を投げ掛けた。『柿谷さんか私のことに気付いたのは、いつ頃からなのですか』 すると柿谷は、静かに向き直り、『救急車の中で、沙織さんに付き添っていた時です…。 僕が沙織さんの手首に触れたら、 凄い勢いで脈打っているのを感じました。 僕は驚きましたが、嬉しさのほうが先走って…。 咄嗟に笹本さんに声を掛けたのですが、 相手にして貰えませんでした。』『そうだったのですか…。どうも有難う。』沙織の微笑に、柿谷は優しい眼差しで頷いた。『沙織さん。それでは、僕は帰ります。もう30分が過ぎてしまいました。 実は、防犯カメラに細工をしたもので、長くは居られないのです。 増して、警察の安置所ですからね。』『そうだったのね。寂しくなるわ。』沙織が思わず弱音を吐くと、『大丈夫ですよ。沙織さん、よく聞いてくださいよ。 明日は午前中に葬儀場へ移されます。 しかし、心配しないで僕を待っていて下さい。 貴女が火葬場で焼かれる事はありません。僕が必ず迎えに行きますから、 安心して待っていて下さいよ。』柿谷は力強く言うと、沙織の肩にそっと手を置いた。『そう…。私は柿谷さんを信じて、待っています。 本当に有り難うございます。信じています。』沙織の言葉を聞くと、柿谷は間も無く帰って行った。 続く】 By.星原女瑪.2017.4.21 (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい) ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ ★【ブログの書き込みに返信しないを、基本にしている事を、ご承知ください】 返信は、プロフや相手の書き込み欄で、済ませる様に努力しています。 未だ返信が滞っている方、ごめんなさい。 ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました . .菊正宗 日本酒の美容液 150ml 弱酸性・無着色・無鉱物油(4971650800776) 価格:1535円(税込、送料無料) とっても潤う美容液。LAME39の愛用品です。 . サンカット ウルトラUV アクアリィジェル 無香料 ポンプタイプ SPF50+ PA++++ 160g【楽天24】[サンカット UVジェル]価格:1209円(税込、送料別)レビューを読んで下さいね。 . .パンテーン クリニケア ハリ・コシが足りない髪用 シャンプー 550ml【楽天24】[シャンプー SP Pantene Clinicare]【olm6】 楽天kobo.愛用しています。 このクレンジングシート、大好きです。 美容液でクレンジング オールインワンコットンシート 50枚【楽天24】[美容液でクレンジング …価格:679円(税込、送料別) レビューも読んで下さいね。 .とても美味しい紅茶です。 茶葉が大きく広がります。 LAME39は、ミルクティーで楽しんでいます。レビューを読んで下さいね。 http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603
2017.06.13
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. ✨✨✨ ご訪問に、感謝いたします。 ✨✨✨ ★ 時の息吹 ★ また ひとつ 歳が去り 星が流れる その光は 新たな歳を躰に残す 今年が こころ残りに 背を向ける 新たな年の息吹が聞こえ 母のいる勝手から 湯気が立ちのぼる どうやら 我らは 時の壁を超えそうだ この恵みに こうべを垂れ しじまの中で 感謝の祈りを捧げよう By.星原女瑪・(2016.12.29.新作)2017.6.10. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) 詩を読んで下さる皆様 本当に有り難うございます。 昨年末に出来た詩ですが、 とても気になる所が有りましたので、 推敲して、新たな作品に仕上げました。 ご一読いただけましたら、幸いです。 By.星原女瑪(ほしはらめめ)2017.6.10. *------*------*------*------* クリックしてくださいね。 【【書画肆しみづ】 ★http://www.rakuten.co.jp/sim444009/ 🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きは執筆中です...いま少しお待ち下さい~🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 ★心ゆくまで★ 其の四の(1)沙織を抱えた柿谷は、小走りに葬儀場の裏手に周った。鉄扉を押して道路に出ると、すぐ近くにステーションワゴンが止まっていた。ドアを開けて沙織を座らせてから、車のハッチバックを開けた。それから再び沙織を抱き上げて、後ろの広いスペースに寝かせた。『沙織さん、ほんの少し待っていてください』柿谷の言葉に、沙織は『はい』と、素直に答えた。その言葉を聞くと、柿谷は慌てた様に走り去った。半時足らずで戻った柿谷は、運転席から振り向いて、『さあ、これで大丈夫ですよ。 沙織さん、少し長く掛かりますが我慢してくださいね』『はい、何時までも我慢しますわ』柿谷の優しい眼差しに、沙織は力強く答えた。二人を乗せた車は、首都高速を抜けて、中央自動車道に入った様だった。『沙織さん、疲れたら眠ってくださいね』黙り込んでいた柿谷が、言葉を掛けて来た。『柿谷さん、私には気遣いなさらないでね。中央道を走っているのかしら…』『分かりますか。西に向かっています。もう調布ですから、あと少しの我慢です』『あら、だいぶ都心を離れたのね。何処に連れて行って呉れるのか、楽しみだわ』沙織は視線を上げて、声を掛けた。『沙織さんに嬉しいと言われると、僕も嬉しいです』少し弾んだ声に、沙織は味わった事のない喜びと温もりを感じた。沙織は目を閉じて、その至福の時を噛み締めた。ふと眠っていたのか、『沙織さん、やっと着きました』柿谷の言葉に目を開けると、車のガラス越しに木々が見えた。柿谷は一旦おりて戻ると、車を廻してエンジンを切った。『沙織さん、さあ入りましょう』柿谷は言いながら、沙織を抱き上げた。大きめのベッドに降ろされると、ベビーピンクのカバーが優しく目に映った。扉は引き戸になっているらしく、今は開け放たれていた。『沙織さん、ここは八王子の丘の上ですよ。』『あら、いい所ですね。柿谷さん、何から何まで本当に有り難うございます』沙織は軽く頭を下げた。『いやいや、僕の身勝手にした事で…』柿谷は、含羞んだ様に目元を細めた。 続く】 By.星原女瑪 2017.6.03. *------*------*------*------* 其の三(3) 柿谷の言葉に少し安堵した沙織は、 優しい陽射しに包まれている様な気分がした。 沙織は、明日は必ず迎えに来ると言った柿谷を、今は信じる事が出来た。 優しい眼差しと、心に染み入って来る穏やかな声が、今は懐かしかった。 軈て沙織は、百合の香を感じながら、いつか深い眠りに落ちた。 沙織がはっと気付くと、音楽や人の声が聞こえた。 目を開けると、母の竹が覗き込んで声を掛けて来た。 『沙織さん、貴女は幾つになっても美しいままね。 死んでしまった今も、なんて美しいの…。』 そこまで言うと、竹の涙がポトポトと沙織の頬を濡らした。 『お母さん、何時までも死人を見ていたらいけないわ。 少し休みましょう。さあ、向こうへ…』 姉の由起子が、丁度いいタイミングで竹を連れて行って呉れた。 沙織は胸苦しいほどに、辛かった。 母親の悲しみは、沙織を苦しみの淵に沈めた。 少しすると、 『ご遺族の皆様、お夕食の支度が整いましたので食堂に起こし下さい。』 アナウンスが流れた。え、私ったら夕暮れまで眠っていたんの…。 驚いた沙織は、思わず呟いた。 暫くして辺りが静まると、柿谷の顔が浮かんだ。 あの時に見た彫りの深い端正な顔が浮かぶと、 沙織は何故か物悲しさを感じた。 私ったら、柿谷さんが恋しいのかしら…。 そんなことを想ってみて、沙織は顔が火照るのを感じた。 それは、輝久には感じた事のない感情だった。 少しすると、夕食の香りが仄かにしたが、沙織は食欲を全く感じなかった。 静まり返った部屋の棺桶の中は薄暗く、 保冷剤でヒンヤリしていたが、寒さも感じず妙に居心地が好かった。 その内に、沙織はまた深い眠りに落ちた。 火葬場の炉に火が入り、台に乗せられた沙織の傍らには、 何人もの人が詰め寄って来た。 『ねえ…待ってよ。お母さん、由起子姉さん、お兄さん、私を焼かないでよ。 お願いだから、焼かないで…。』 沙織は必死に叫ぶと、額に脂汗が滲んだ。 心臓がバクバクと悲鳴をあげ、苦しくて気が遠退きそうだった。 『誰か…誰か助けて』しかし沙織の叫びは聞こえないらしく、 誰もが泪したまま沈黙のうちにいた。 『沙織さん、沙織さん、………。』 誰かの呼び声に、はっと目を開けると、柿谷が覗き込んでいだ。 『柿谷さん。私、あと少しで焼かれる夢を見ていたの…。とても怖かったわ。』 『そうでしたか、額の汗はその所為ですね。』 柿谷は言いながら、沙織の額を優しく拭った。 ハンカチの青葉色が、沙織には新鮮に映った。 『沙織さん、迎えに来ました。さあ、僕と行きましょう』 『柿谷さん、お待ちしていました。本当に嬉しいです。』 柿谷は佐織を軽く掬い上げると、走るように出口へ急いだ。 続く】 By.星原女瑪.2017.5.6~7. (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい)*------*------*------*------*------*------*------* 其の三(2)花束が揺れた所為か、百合の香が一層つよくなり二人を包んだ。『ねえ、柿谷さん。 どうして私の声が聞こえたりするのかしら…』沙織は正直な疑問を、投げ掛けてみた。柿谷は沙織を覗き込む様に少し身を乗り出して、『そうですね。僕にも確かな事は言えませんが、 僕にとって沙織さんは、生きた人なのですよ。』『そう…。』『不思議なことですが、僕の中で貴女は生きているのです。 だから声を聞くことも美しい瞳の様子も、僕には感じられるのです。』『そう…。』会話が途切れると、柿谷は焼香台の小さな遺影を覗き込んで見詰めていた。その柿谷の背中に向かって、沙織は疑問を投げ掛けた。『柿谷さんか私のことに気付いたのは、いつ頃からなのですか』 すると柿谷は、静かに向き直り、『救急車の中で、沙織さんに付き添っていた時です…。 僕が沙織さんの手首に触れたら、 凄い勢いで脈打っているのを感じました。 僕は驚きましたが、嬉しさのほうが先走って…。 咄嗟に笹本さんに声を掛けたのですが、 相手にして貰えませんでした。』『そうだったのですか…。どうも有難う。』沙織の微笑に、柿谷は優しい眼差しで頷いた。『沙織さん。それでは、僕は帰ります。もう30分が過ぎてしまいました。 実は、防犯カメラに細工をしたもので、長くは居られないのです。 増して、警察の安置所ですからね。』『そうだったのね。寂しくなるわ。』沙織が思わず弱音を吐くと、『大丈夫ですよ。沙織さん、よく聞いてくださいよ。 明日は午前中に葬儀場へ移されます。 しかし、心配しないで僕を待っていて下さい。 貴女が火葬場で焼かれる事はありません。僕が必ず迎えに行きますから、 安心して待っていて下さいよ。』柿谷は力強く言うと、沙織の肩にそっと手を置いた。『そう…。私は柿谷さんを信じて、待っています。 本当に有り難うございます。信じています。』沙織の言葉を聞くと、柿谷は間も無く帰って行った。 続く】 By.星原女瑪.2017.4.21 (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい) ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ ★【ブログの書き込みに返信しないを、基本にしている事を、ご承知ください】 返信は、プロフや相手の書き込み欄で、済ませる様に努力しています。 未だ返信が滞っている方、ごめんなさい。 ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました . .菊正宗 日本酒の美容液 150ml 弱酸性・無着色・無鉱物油(4971650800776) 価格:1535円(税込、送料無料) とっても潤う美容液。LAME39の愛用品です。 . サンカット ウルトラUV アクアリィジェル 無香料 ポンプタイプ SPF50+ PA++++ 160g【楽天24】[サンカット UVジェル]価格:1209円(税込、送料別) . .パンテーン クリニケア ハリ・コシが足りない髪用 シャンプー 550ml【楽天24】[シャンプー SP Pantene Clinicare]【olm6】 楽天kobo.愛用しています。 このクレンジングシート、大好きです。 美容液でクレンジング オールインワンコットンシート 50枚【楽天24】[美容液でクレンジング …価格:679円(税込、送料別) LAME39のレビューも読んで下さいね。 .とても美味しい紅茶です。 茶葉が大きく広がります。 LAME39は、ミルクティーで楽しんでいます。 http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603
2017.06.10
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. ☆ ご訪問くださり、誠に有り難うございます ☆ 皆様、今回は優しい労わりの言葉や 温かな励ましの言葉を、有り難うございました。 大変に気落ちする事が有り、気が滅入っている内に、 突然に眩暈と吐き気に襲われました。 何をすることも出来ずで、すぐに医者に診て貰いました。 メニエール病と言う事で、薬を処方して呉れました。 現在、薬を飲みながら生活しています。 ご心配をおかけしてしまいましたが、 今後も六月も、 宜しく願い致します~🙇。 ★ June Bride ★ 降り続く 六月の雨 風もなく 音もなく 降り続き 止んではくれない 降り続く 六月の雨 爽やかな時間を奪い 子供らの 笑い声を 消し 静かに降り続く 六月の雨 全てがスッポリと 悲しみに濡れそうなとき なぜ 幸運な花嫁は 産れるのだろう けさ 紫陽花を眺めていたら 謙虚さは強さなのだと ふと 溜息が零れた 六月 降り続く 雨の中 By.星原女瑪.(2012.6.14)2017.6.03. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) . 欧米にも、色んな縁起事が有るのですね。 例えば婚約者に贈るダイヤモンドリング、 ダイヤモンドは魔除けだそうです。 そうそう、流れ星や虹に、願いを掛けますね。 馬の蹄はお守りで、蛇は縁起が悪い様に考えられています。 JUNE BRID は、どうして好まれるのでしょう。 さあ皆さん、今夜は耳を澄ませて瞑想に耽るのも乙ですね。 By.星原女瑪.(2016.6.8)2017.6.03. . *------*------*------*------* クリックしてくださいね。 【【書画肆しみづ】 ★http://www.rakuten.co.jp/sim444009/ 【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続き掲載しました。少しです...🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンスの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 ★心ゆくまで★ 其の四の(1)沙織を抱えた柿谷は、小走りに葬儀場の裏手に周った。鉄扉を押して道路に出ると、すぐ近くにステーションワゴンが止まっていた。ドアを開けて沙織を座らせてから、車のハッチバックを開けた。それから再び沙織を抱き上げて、後ろの広いスペースに寝かせた。『沙織さん、ほんの少し待っていてください』柿谷の言葉に、沙織は『はい』と、素直に答えた。その言葉を聞くと、柿谷は慌てた様に走り去った。半時足らずで戻った柿谷は、運転席から振り向いて、『さあ、これで大丈夫ですよ。 沙織さん、少し長く掛かりますが我慢してくださいね』『はい、何時までも我慢しますわ』柿谷の優しい眼差しに、沙織は力強く答えた。二人を乗せた車は、首都高速を抜けて、中央自動車道に入った様だった。『沙織さん、疲れたら眠ってくださいね』黙り込んでいた柿谷が、言葉を掛けて来た。『柿谷さん、私には気遣いなさらないでね。中央道を走っているのかしら…』『分かりますか。西に向かっています。もう調布ですから、あと少しの我慢です』『あら、だいぶ都心を離れたのね。何処に連れて行って呉れるのか、楽しみだわ』沙織は視線を上げて、声を掛けた。『沙織さんに嬉しいと言われると、僕も嬉しいです』少し弾んだ声に、沙織は味わった事のない喜びと温もりを感じた。沙織は目を閉じて、その至福の時を噛み締めた。ふと眠っていたのか、『沙織さん、やっと着きました』柿谷の言葉に目を開けると、車のガラス越しに木々が見えた。柿谷は一旦おりて戻ると、車を廻してエンジンを切った。『沙織さん、さあ入りましょう』柿谷は言いながら、沙織を抱き上げた。大きめのベッドに降ろされると、ベビーピンクのカバーが優しく目に映った。扉は引き戸になっているらしく、今は開け放たれていた。『沙織さん、ここは八王子の丘の上ですよ。』『あら、いい所ですね。柿谷さん、何から何まで本当に有り難うございます』沙織は軽く頭を下げた。『いやいや、僕の身勝手にした事で…』柿谷は、含羞んだ様に目元を細めた。 続く】 By.星原女瑪 2017.6.03. *------*------*------*------* 其の三(3) 柿谷の言葉に少し安堵した沙織は、 優しい陽射しに包まれている様な気分がした。 沙織は、明日は必ず迎えに来ると言った柿谷を、今は信じる事が出来た。 優しい眼差しと、心に染み入って来る穏やかな声が、今は懐かしかった。 軈て沙織は、百合の香を感じながら、いつか深い眠りに落ちた。 沙織がはっと気付くと、音楽や人の声が聞こえた。 目を開けると、母の竹が覗き込んで声を掛けて来た。 『沙織さん、貴女は幾つになっても美しいままね。 死んでしまった今も、なんて美しいの…。』 そこまで言うと、竹の涙がポトポトと沙織の頬を濡らした。 『お母さん、何時までも死人を見ていたらいけないわ。 少し休みましょう。さあ、向こうへ…』 姉の由起子が、丁度いいタイミングで竹を連れて行って呉れた。 沙織は胸苦しいほどに、辛かった。 母親の悲しみは、沙織を苦しみの淵に沈めた。 少しすると、 『ご遺族の皆様、お夕食の支度が整いましたので食堂に起こし下さい。』 アナウンスが流れた。え、私ったら夕暮れまで眠っていたんの…。 驚いた沙織は、思わず呟いた。 暫くして辺りが静まると、柿谷の顔が浮かんだ。 あの時に見た彫りの深い端正な顔が浮かぶと、沙織は何故か物悲しさを感じた。 私ったら、柿谷さんが恋しいのかしら…。 そんなことを想ってみて、沙織は顔が火照るのを感じた。 それは、輝久には感じた事のない感情だった。 少しすると、夕食の香りが仄かにしたが、沙織は食欲を全く感じなかった。 静まり返った部屋の棺桶の中は薄暗く、 保冷剤でヒンヤリしていたが、寒さも感じず妙に居心地が好かった。 その内に、沙織はまた深い眠りに落ちた。 火葬場の炉に火が入り、台に乗せられた沙織の傍らには、 何人もの人が詰め寄って来た。 『ねえ…待ってよ。お母さん、由起子姉さん、お兄さん、私を焼かないでよ。 お願いだから、焼かないで…。』 沙織は必死に叫ぶと、額に脂汗が滲んだ。 心臓がバクバクと悲鳴をあげ、苦しくて気が遠退きそうだった。 『誰か…誰か助けて』しかし沙織の叫びは聞こえないらしく、 誰もが泪したまま沈黙のうちにいた。 『沙織さん、沙織さん、………。』 誰かの呼び声に、はっと目を開けると、柿谷が覗き込んでいだ。 『柿谷さん。私、あと少しで焼かれる夢を見ていたの…。とても怖かったわ。』 『そうでしたか、額の汗はその所為ですね。』 柿谷は言いながら、沙織の額を優しく拭った。 ハンカチの青葉色が、沙織には新鮮に映った。 『沙織さん、迎えに来ました。さあ、僕と行きましょう』 『柿谷さん、お待ちしていました。本当に嬉しいです。』 柿谷は佐織を軽く掬い上げると、走るように出口へ急いだ。 続く】 By.星原女瑪.2017.5.6~7. (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい)*------*------*------*------*------*------*------* 其の三(2)花束が揺れた所為か、百合の香が一層つよくなり二人を包んだ。『ねえ、柿谷さん。 どうして私の声が聞こえたりするのかしら…』沙織は正直な疑問を、投げ掛けてみた。柿谷は沙織を覗き込む様に少し身を乗り出して、『そうですね。僕にも確かな事は言えませんが、 僕にとって沙織さんは、生きた人なのですよ。』『そう…。』『不思議なことですが、僕の中で貴女は生きているのです。 だから声を聞くことも美しい瞳の様子も、僕には感じられるのです。』『そう…。』会話が途切れると、柿谷は焼香台の小さな遺影を覗き込んで見詰めていた。その柿谷の背中に向かって、沙織は疑問を投げ掛けた。『柿谷さんか私のことに気付いたのは、いつ頃からなのですか』 すると柿谷は、静かに向き直り、『救急車の中で、沙織さんに付き添っていた時です…。 僕が沙織さんの手首に触れたら、 凄い勢いで脈打っているのを感じました。 僕は驚きましたが、嬉しさのほうが先走って…。 咄嗟に笹本さんに声を掛けたのですが、 相手にして貰えませんでした。』『そうだったのですか…。どうも有難う。』沙織の微笑に、柿谷は優しい眼差しで頷いた。『沙織さん。それでは、僕は帰ります。もう30分が過ぎてしまいました。 実は、防犯カメラに細工をしたもので、長くは居られないのです。 増して、警察の安置所ですからね。』『そうだったのね。寂しくなるわ。』沙織が思わず弱音を吐くと、『大丈夫ですよ。沙織さん、よく聞いてくださいよ。 明日は午前中に葬儀場へ移されます。 しかし、心配しないで僕を待っていて下さい。 貴女が火葬場で焼かれる事はありません。僕が必ず迎えに行きますから、 安心して待っていて下さいよ。』柿谷は力強く言うと、沙織の肩にそっと手を置いた。『そう…。私は柿谷さんを信じて、待っています。 本当に有り難うございます。信じています。』沙織の言葉を聞くと、柿谷は間も無く帰って行った。 続く】 By.星原女瑪.2017.4.21 (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい) ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ ★【ブログの書き込みに返信しないを、基本にしている事を、ご承知ください】 返信は、プロフや相手の書き込み欄で、済ませる様に努力しています。 未だ返信が滞っている方、ごめんなさい。 ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました . .菊正宗 日本酒の美容液 150ml 弱酸性・無着色・無鉱物油(4971650800776) 価格:1535円(税込、送料無料) とっても潤う美容液。LAME39の愛用品です。 . サンカット ウルトラUV アクアリィジェル 無香料 ポンプタイプ SPF50+ PA++++ 160g【楽天24】[サンカット UVジェル]価格:1209円(税込、送料別) . .パンテーン クリニケア ハリ・コシが足りない髪用 シャンプー 550ml【楽天24】[シャンプー SP Pantene Clinicare]【olm6】 楽天kobo.愛用しています。 このクレンジングシート、大好きです。 美容液でクレンジング オールインワンコットンシート 50枚【楽天24】[美容液でクレンジング …価格:679円(税込、送料別) ナットキナーゼα 増量版 180粒入【ゆうメール送料無料】 .とても美味しい紅茶です。 茶葉が大きく広がります。 LAME39は、ミルクティーで楽しんでいます。http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603
2017.06.03
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. ☆ ご訪問くださり、誠に有り難うございます ☆ ★ 我朗 ★ 私は富士五湖が好きだ 中でも 梨ヶ原から山中湖にかけて続く 透き通った気配がすきだ 国道から林に入り込んだ所に 【GARO】というレストランが有ったが 男女ふたり連れの客が多く 心の通い合った恋人達が よく似合う店だった 二人はそこで何を語り 何を感じ そして なにを確認し合ったのだろう 以前は『我朗』という名であった 昔あの辺りは もっと静寂で 趣に満ちていた By.星原女瑪.(2012.6.17)2017.5.27. (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい) 懐かしい昔の【富士レークホテル】です。 . 昔の山中湖。 昔の梨ケ原には、深い思い出が有る。 あの頃は静寂が有り、 自然がその侭に裕であった。 私が愛した【我郎】には、 本当に大切な人とだけ、 食事に行った。 姉を失くして8年、 また、行ってみようか...。 *------*------*------*------* クリックしてくださいね。 【【書画肆しみづ】 ★http://www.rakuten.co.jp/sim444009/ 【 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。 続きを執筆中です、少しお待ち下さい...🙇. ***------*------*-----*------*------*------*------*** 短編小説 ミステリーロマンスの世界へ、ようこそ。 拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。 ★心ゆくまで★ 其の四の(1) 沙織を抱えた柿谷は、小走りに葬儀場の裏手に周った。 鉄扉を押して道路に出ると、 すぐ近くにステーションワゴンが止まっていた。 こんな感じです... 続く】 By.星原女瑪.2017.5.6.~7. *------*------*------*------* 其の三(3) 柿谷の言葉に少し安堵した沙織は、 優しい陽射しに包まれている様な気分がした。 沙織は、明日は必ず迎えに来ると言った柿谷を、今は信じる事が出来た。 優しい眼差しと、心に染み入って来る穏やかな声が、今は懐かしかった。 軈て沙織は、百合の香を感じながら、いつか深い眠りに落ちた。 沙織がはっと気付くと、音楽や人の声が聞こえた。 目を開けると、母の竹が覗き込んで声を掛けて来た。 『沙織さん、貴女は幾つになっても美しいままね。 死んでしまった今も、なんて美しいの…。』 そこまで言うと、竹の涙がポトポトと沙織の頬を濡らした。 『お母さん、何時までも死人を見ていたらいけないわ。 少し休みましょう。さあ、向こうへ…』 姉の由起子が、丁度いいタイミングで竹を連れて行って呉れた。 沙織は胸苦しいほどに、辛かった。 母親の悲しみは、沙織を苦しみの淵に沈めた。 少しすると、 『ご遺族の皆様、お夕食の支度が整いましたので食堂に起こし下さい。』 アナウンスが流れた。え、私ったら夕暮れまで眠っていたんの…。 驚いた沙織は、思わず呟いた。 暫くして辺りが静まると、柿谷の顔が浮かんだ。 あの時に見た彫りの深い端正な顔が浮かぶと、沙織は何故か物悲しさを感じた。 私ったら、柿谷さんが恋しいのかしら…。 そんなことを想ってみて、沙織は顔が火照るのを感じた。 それは、輝久には感じた事のない感情だった。 少しすると、夕食の香りが仄かにしたが、沙織は食欲を全く感じなかった。 静まり返った部屋の棺桶の中は薄暗く、 保冷剤でヒンヤリしていたが、寒さも感じず妙に居心地が好かった。 その内に、沙織はまた深い眠りに落ちた。 火葬場の炉に火が入り、台に乗せられた沙織の傍らには、 何人もの人が詰め寄って来た。 『ねえ…待ってよ。お母さん、由起子姉さん、お兄さん、私を焼かないでよ。 お願いだから、焼かないで…。』 沙織は必死に叫ぶと、額に脂汗が滲んだ。 心臓がバクバクと悲鳴をあげ、苦しくて気が遠退きそうだった。 『誰か…誰か助けて』しかし沙織の叫びは聞こえないらしく、 誰もが泪したまま沈黙のうちにいた。 『沙織さん、沙織さん、………。』 誰かの呼び声に、はっと目を開けると、柿谷が覗き込んでいだ。 『柿谷さん。私、あと少しで焼かれる夢を見ていたの…。とても怖かったわ。』 『そうでしたか、額の汗はその所為ですね。』 柿谷は言いながら、沙織の額を優しく拭った。 ハンカチの青葉色が、沙織には新鮮に映った。 『沙織さん、迎えに来ました。さあ、僕と行きましょう』 『柿谷さん、お待ちしていました。本当に嬉しいです。』 柿谷は佐織を軽く掬い上げると、走るように出口へ急いだ。 続く】 By.星原女瑪.2017.5.6~7. (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい)*------*------*------*------*------*------*------* 其の三(2)花束が揺れた所為か、百合の香が一層つよくなり二人を包んだ。『ねえ、柿谷さん。 どうして私の声が聞こえたりするのかしら…』沙織は正直な疑問を、投げ掛けてみた。柿谷は沙織を覗き込む様に少し身を乗り出して、『そうですね。僕にも確かな事は言えませんが、 僕にとって沙織さんは、生きた人なのですよ。』『そう…。』『不思議なことですが、僕の中で貴女は生きているのです。 だから声を聞くことも美しい瞳の様子も、僕には感じられるのです。』『そう…。』会話が途切れると、柿谷は焼香台の小さな遺影を覗き込んで見詰めていた。その柿谷の背中に向かって、沙織は疑問を投げ掛けた。『柿谷さんか私のことに気付いたのは、いつ頃からなのですか』 すると柿谷は、静かに向き直り、『救急車の中で、沙織さんに付き添っていた時です…。 僕が沙織さんの手首に触れたら、 凄い勢いで脈打っているのを感じました。 僕は驚きましたが、嬉しさのほうが先走って…。 咄嗟に笹本さんに声を掛けたのですが、 相手にして貰えませんでした。』『そうだったのですか…。どうも有難う。』沙織の微笑に、柿谷は優しい眼差しで頷いた。『沙織さん。それでは、僕は帰ります。もう30分が過ぎてしまいました。 実は、防犯カメラに細工をしたもので、長くは居られないのです。 増して、警察の安置所ですからね。』『そうだったのね。寂しくなるわ。』沙織が思わず弱音を吐くと、『大丈夫ですよ。沙織さん、よく聞いてくださいよ。 明日は午前中に葬儀場へ移されます。 しかし、心配しないで僕を待っていて下さい。 貴女が火葬場で焼かれる事はありません。僕が必ず迎えに行きますから、 安心して待っていて下さいよ。』柿谷は力強く言うと、沙織の肩にそっと手を置いた。『そう…。私は柿谷さんを信じて、待っています。 本当に有り難うございます。信じています。』沙織の言葉を聞くと、柿谷は間も無く帰って行った。 続く】 By.星原女瑪.2017.4.21 (注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい) ★宜しかったら 又お立ち寄り下さい★ ★【ブログの書き込みに返信しないを、基本にしている事を、ご承知ください】 返信は、プロフや相手の書き込み欄で、済ませる様に努力しています。 未だ返信が滞っている方、ごめんなさい。 ご訪問くださり、誠に有り難うございました。 ランキングに参加しています。ポチお願い致します。 .小説もこちらにお願いします。 応援有り難うございました . .菊正宗 日本酒の美容液 150ml 弱酸性・無着色・無鉱物油(4971650800776) 価格:1535円(税込、送料無料) とっても潤う美容液。LAME39の愛用品です。 . サンカット ウルトラUV アクアリィジェル 無香料 ポンプタイプ SPF50+ PA++++ 160g【楽天24】[サンカット UVジェル]価格:1209円(税込、送料別) . .パンテーン クリニケア ハリ・コシが足りない髪用 シャンプー 550ml【楽天24】[シャンプー SP Pantene Clinicare]【olm6】 楽天kobo.愛用しています。 このクレンジングシート、大好きです。 美容液でクレンジング オールインワンコットンシート 50枚【楽天24】[美容液でクレンジング …価格:679円(税込、送料別) ナットキナーゼα 増量版 180粒入【ゆうメール送料無料】 .とても美味しい紅茶です。 茶葉が大きく広がります。 LAME39は、ミルクティーで楽しんでいます。http://ping.blogmura.com/xmlrpc/qv94i9tevul1 http://blog.with2.net/link.php?1832603
2017.05.27
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