私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2017年01月10日
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カテゴリ: 千の朝


 と日本は思った。

 それで日本は中国人青年に教育の場を提供し、
 彼らの軍の近代化も図った。

 欧米はそれを恐れた。

 「極東の小さな巨人が
 眠れる隣人を目覚めさせたとき、
 この二国が世界のヘゲモニーを取らないと
 だれが言い切れるか」

 その思いをよく言い表している。

 だから英米は蒋介石を抱き込んで
 日中の離間を図った。

 蒋に金をやるだけでなく、英領ビルマから
 武器弾薬を蒋のもとに送り込んで
 日本と戦わせた。

 これが援蒋ルートである。

 日本はそれを断ち切りたかった。

 折りしもフランスがドイツに降伏し、
 親独のビシー政権が成立した。

 日独は同盟国だ。


 仏印植民地政府もお友達になる。

 それで日本は援蒋ルートを叩くために
 ビシー政権に仏印に進駐したいといった。

 一九四〇年のことだ。

 日本人は無理のない頼みだと思ったが、

 最大のショックだったと
 英戦史家クリストファー・ソーンは書いている。

 なぜなら植民地はその資源も労働力も
 宗主国の不可侵の財産であって、
 その不可侵性はガマがアジアを発見して以来、
 白人国家が第三世界に確立した
 尊厳に裏打ちされたものだった。

 しかし非白人の日本人に白人の尊厳に従えとは言えない。

 ビシー政権は中立の米国に働きかけ、
 さらにはヒトラーにまで頼んで
 日本の仏印進駐を思いとどまらせようとした。

「サダム・フセインは偉かった」 高山 正之 新潮社





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最終更新日  2017年01月10日 06時19分59秒
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