私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2017年01月20日
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カテゴリ: 千の朝



 欧米では労働に対して
 苦痛や罰というイメージが一番に浮かぶのに対し、
 なぜ日本人はそういったイメージを持たず、
 勤勉なのかを考えてみますと、
 やはり、そこに宗教による「刷り込み」が
 あるのではないかと思うのです。

 例えば、旧約聖書を共通の経典とする
 ユダヤ教や、キリスト教、イスラム教の中において


 それがアダムとイブが
 禁断の果実を食べて神の怒りに触れ、楽園を追い出され、
 罰として男には労働が、女には出産が課せられるのです。

 ただプロテスタントにおいては、
 自分が地獄に堕ちる定(さだ)めになっていないことを
 確信するために一生懸命働くという勤勉さで
 資本主義を栄えさせたと言われますが、
 心の奥底には労働不要の「楽園」の
 イメージが「刷り込み」されています。

 ところが日本では『古事記』を読むと、

 機を織られていたと書かれており、
 ほかの男神たちも
 田畑を耕していたことが記されているのです。

 象徴的な行事ではありますが、
 系譜で神とつながる天皇陛下は、

 田植えをなさり、秋にはそれを刈り取られるのです。

 一国の君主が泥田に入るということは、
 西欧では一般に見られない現象です。

 つまり日本では古来、神様ですら働かれるのです。

 それが国民の「刷り込み」になつていますから、
 決して労働が罰だとか卑しいとかいう
 イメージがないのです。

「私の人生観、歴史観」 渡部昇一 PHP





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最終更新日  2017年01月20日 06時36分09秒
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