私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2017年03月08日
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カテゴリ: 千の朝


 あらゆる先進諸国において、
 国家と民間企業、国家と市民との関係は
 大きく変っていっている。

 市民との関係においては、
 かつて行き過ぎた国家主義にはしり
 市民の自由を束縛した国、
 好戦的な歴史をたどり
 市民の人倫を踏みにじった国などで、

 国家論の見直しが行なわれている。

 比喩的にいえば、
 国家の(過去帳)みたいなものが
 いま改めて問われているのである。

 市民登録と納税義務、あるいは徴兵制度だけで
 国家にしばられていた人びとが、
 そうされることを拒否する感覚によって、
 いま新しい種類の超国家的発想が生まれつつある。

 そして現に、さまざまなかたちの
 国境を超える人びとの自由なフローを、
 全世界的規模で活性化させていっているのである。


 国家と企業との関係も大きく変っていっている。

 経営活動の範囲を一国内に限定する
 古典的な企業経営の形は無意味になり、
 国家の枠を超えることで
 人為的にさまざまな比較優位の条件を

 急速に世界企業の主流になっていっている。

 日本企業の感覚も、
 円高による(八五年革命)ともいうべき
 経営基盤の変化によって、
 国家の枠にしばられることの不都合さを
 つよく意識する方向に流れていっている。

 そして他方、いずれまもなく、
 外国人労働者の日本流入が現実化する
 時代を迎えないともかぎらない。

 ことごとくが、必然的な時代の流れなのである。

 それを私は、メタ国家状況とよぶ。

 つまり、国家が絶対であった時代が過ぎて、
 国家と市民、ないし民間企業とが
 柔軟な不離不即の関係を結び、
 そのことによって国家の論理そのものが
 抜本的変化を強いられるような状況のことである。

「フローの文明・ストックの文明」 矢野暢 PHP





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最終更新日  2017年03月08日 05時28分41秒
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