私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2017年05月11日
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カテゴリ: 千の朝


 ある俳人の弟子が
 「板の間に下女とり落すなまこかな」
 という俳句を作った。

 そうすると先生が、
 これは道具立てが多いと言って却下した。

 これでは
 下女が主か、板の間が主か、なまこが主か、
 はっきりせんわけであります。


 「板の間にとり落したるなまこかな」
 と下女を省略しました。

 そうすると先生は、
 だいぶ良くなったが、まだいかん。

 というので更に苦心惨憺、遂に
 「とり落しとり落したるなまこかな」
 とやったところが、先生が、
 それでこそ本当の句だと評したということであります。

 こういうところに、
 こちらの方の詩の精神がよく表われております。

「活眼・活学」 安岡正篤 PHP





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最終更新日  2017年05月11日 07時18分28秒
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