地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

2006.10.23
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カテゴリ: マルチチュード
「マルクスを超えるマルクス」
アントニオ・ネグリ 2003 原書1979

 マルチチュードを探求する過程で、その提唱者であるネグリという人物の業績をより知りたいと思い、その過去の著書に触れてみたということである。過去の著書と言っても、2002年にでた「<帝国>」の評判がよかったので、一連の著書に脚光があたった、ということだろう。さらに、他の「構成的権力」「転覆の政治学」の既訳のほかに、「野生の異例性」や「ディオニソスの労働」などがある。

 このような本をどのように読めばよいのか、私にはニワカには分からない。本著は、アカデミックな研究者たちの書架を飾る一冊になるのではなく、革命的な活動家のために書かかれた本だということだが、研究者でもなく、ましてや活動家でもない私はどのように読んだらいいのか、戸惑ってしまうことになる。

 いずれにせよ、この本の原書は1979年以前に書かれたものであり、60年代70年代の反体制運動の熱き日々は遠く、また、91年のソビエト連邦崩壊以前ながら、その時点において、共産主義者ネグリは、マルクスを批判的に再構成し、新たな革命理論を模索する作業を始めていた、ということだろう。まさにマルクスを超えるマルクスの探求である。

 マルクスの「経済学批判要綱」を研究しながら、ここには、21世紀になってやってくるマルチチュードという着想の萌芽がしっかりと見て取れるようだ。この本の邦訳は「<帝国>」出版の成功を踏まえたうえで訳出されたものであり、序文や解説は、当然、その状況を反映させた内容となっている。

 難解であり、また時代的な背景を考慮するなど、この本を読むにはさまざまな予備知識を必要とするのだが、マルチチュードを理解するうえで、ネグリを多面的に把握するためには、この程度の読書しかできなくとも、いくらかのプラスにはなるだろう。 





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Last updated  2009.02.04 19:25:56
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