地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

2006.11.27
XML
カテゴリ: マルチチュード
「現代思想」2005/11 その4
ピエール・マシュレへの応答(1) アントニオ・ネグリ / 桑田光平訳

 前回のマシュレに対する、アントニオ・ネグリの返信である。

news_book_seijikanren_negri.jpg

二段書きとはいうものの、わずか5ページほどのコンパクトな文章なので全体を把握するのは比較的容易だ。ネグリはマシュレの問いかけについて3点において応答する。1)労働と言う概念 2)コミュニケーションと「共同的なもの」との間の関係 3)マルチチュードの定義 である。

 ひとつひとつについては、この記事では引用しないことにしよう。というのは、逆に言えば、いままで、これらについてはたくさん読んできたはずなのであり、これだけ読んでもよく理解していないとすれば、いくら短文であっても、その文脈は必ずしも簡単ではなく、その修辞法をいずれあらためて一から学びなおさなければならないと思うからだ。

1)についての、労働のという概念については、グルジェフやOshoが使ったワークという言葉を対峙しておくと面白いかもしれない。しかしながら現代社会におけるニートやフリーターといった疎外された労働環境におかれている若者層や、有償ボランティアやNPOといった新しい労働形態もでてきている時代に、マルクス主義的な、資本家によるプロレタリアートの労働の搾取、という概念だけではカバーしきれない時代になっていることは確かだ。ネグリがやろうとしている新しい概念に可能性が多く含まれるが、マルクス主義的な陰影は色濃く残っているのであり、グルジェフたちがつかったワークという概念は、まずほとんど採用されていない、というのは当然のことだ。しかしながら、もし、そこまで視野にいれることができれば、ネグリ&ハートの「ワーク」はさらに可能性に満ち満ちたものになるのに、と、ちょっと残念ではある。

2)マルキスト達には当然、「赤の広場」での満場一致へのノスタルジアというものがある。それに対峙するには、たとえば私は、Oshoにおけるブッタホールにおけるホワイトローブ・ブラザーズフッドなどを想起する。いまでも不気味な風景として、この「満場一致」は戯画化されているが、ホワイトローブなどの風景も、場合によっては、異様な風景に取られないともいえない。しかし、そこにおけるコミュニケーションや「共同的なもの」は、ハートからなのか、ヘッドからなのか、理論的なものか、感性的なものか、という面で、まったく次元の違うものになっている。ネグリたちがいう「愛」という概念も、常にヘッドから「説明」されているようで、この辺の差異もそうとうに大きい。

3)革命の主体としての存在の概念を定義しようという時、結局はネグリにしてもOshoにしても、結局は「私をみよ」という以外にないだろうと思う。OshoはOshoで自らの存在(あるいは非在)をもってさししめす以外にないのであれば、本来ネグリはネグリで、構想ではなく、自らの存在として指し示す必要が本当はあるのだろうと思う。しかしながら、そえはネグリにできるわけでもなく、それをやろうともしていない。まぁ、そこがいわゆる「マルチチュード」と言われるものの弱さでもあり、どこまで行ってもいまだに曖昧な原因でもあるだろう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.02.09 22:58:18
コメント(0) | コメントを書く
[マルチチュード] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Profile

Bhavesh

Bhavesh

Archives

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07
2025.06
2025.05
2025.04
2025.03
2025.02

Comments

聖書預言@ Re:60日記037 アリバイ 生存証明(07/28) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
BHavesh@ Re[1]:アガルタの凱旋(12/15) subaru2012さんへ ああ、久しぶりにこの…
subaru2012@ Re:アガルタの凱旋(12/15) Miles Davis / Agharta 1 <small> <a hre…
Bhavesh @ Re:禅と戦争 禅仏教は戦争に協力したか(11/16) 現在、日曜早朝座禅会に参加している禅寺…
Bhavesh @ Re:セックスから超意識へ<1>(11/13) Oshoの記念碑的1968年のレクチャー。当時…
把不住y@ Re:編集雑記(07/25) 新ブログはここです。 <small> <a href="…
Bhavesh@ Re:グルジェフ・ワーク 生涯と思想(01/12) 武邑光裕、の名前を検索していて我が読書…
abhi@ Re:編集雑記(07/25) お疲れ様。 新ブログ立ち上げたら教えてく…
Bhavesh@ Re:極秘捜査 警察・自衛隊の「対オウム事件ファイル」(03/03) 私は、最近になって 、そう2015年頃になっ…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: