地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2007.02.26
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「芸術人類学」
中沢新一 2006/3 みすず書房



沢新一 が、
レヴィ=ストロース とバタイユを根底にすえて新しい学問領域を樹てようとしている。その名も「芸術人類学」。先日読んだ 「宗教人類学入門 」 にどこか 通じるものがあるような気もするが、結局は一つのジャンルというより、ひとりのかなり個性の強いパーソナリティを持った学者によって、学問の世界のジャンルも作られていくのだろう。なるほど、中沢新一は日本における現代のニューアカデミズムといわれた世界のスターだ。彼が新しい境地を開いた、というより、彼の今後の活動をこの名前で読んだらどうか、という提案にすぎないのではないか。

 このような言葉で、私の印象深 いのは
ジェームズ・スワン の環境 心理学という概念。91年に国際シンポジウムの企画に携わったことがある。企画としては画期的な成果を挙げた。この時のこととそのあとの経過についていつかまとめようと思っているが、いまだに作業は進んでいない。一つの学問の領域を作るのはかまわない。しかし、いち読者としてはあまり目くらましにごまかされないで、ものの本質に迫っていくしかない。

 さて、ほぼ日刊イトイ 新聞
「はじめての中沢新一」 という連載記事がある。この本とかなりの部分でリンクしており、一緒に読んでみると面白い。そちらのほうの 第33回「ぼくは、あるきはじめました」 の文章のほ うが面白いで、転載。


ベットでの体験を3年ほどしました。
日本へ帰ってきて、さぁこれから
その体験と自分が抱えてきた重い主題、
つまり構造主義の先を行くこと、
それを仏教の考え方と結合していくこと、
岡潔の夢のようなものに近づいていくこと、
そういうことに取り組んでいこう、
と意気ごんでいたわけです。

これは孤独な状況の中で
やらなければいけないから、
ぼくはその頃、
山梨にひっこんでいましたから
ここで岡潔みたいに百姓でもやって、
そういうことを
考えようと思っていましたが、
ニューアカデミズムという流行が
はじまってしまったんですね。

いきなりぼくは東京のど真ん中に
連れ出されてしまって、
ニューアカデミズムの
疾風怒濤の中に巻きこまれてしまったわけです。
これがもう10年ぐらい続いてしまって、
なかなか集中して考える時間というのが
取れなくなってしまいました。

これは辛いなぁ、
このままこれで疲れて死んでしまったら、
ぼくの人生ってなんだろうと思いました。
チベット人の先生にも
しかられてしまうしなぁ、とか
ずいぶん悩みました。
そうしたら、幸い神様の働きというか、
マスコミの世界から
脱出できる機会が与えられました。

ちょっと辛い思いもしましたけれど、
外へ出ていいということになって、
ぼくにはずいぶん時間ができたのです。

マスコミから追い出される感じで、
外へ出されて
すごく自由になったわけですね。

そこで、もう一回、
インドやネパールやチベットを歩いたわけです。
そうしたらなんだか
今まで一つに結びつかなかったもの、
つまり自分の主題と
自分がチベット人の老人たちから
学んできたものとが
一体どういう風に結びついていくのか、
だんだんだんだん
はっきり見えてくるようになったわけです。

ついに見えてきた。

そうして、
今から4年くらい前ですかね、
急にあなたは縄文時代の探検をしなさい、
というお告げを受けました(笑)。



 「ちょっと辛い思いもしましたけれど、/外へ出ていいということになって、/ぼくにはずいぶん時間ができたのです。」

の部分はあきらかに90年代中ごろのことを言っているのであり、その原因は島田裕巳が「バッシング」と呼んでいるものと同質のものであることは明白である。島田はけっきょくそこからまだ完全に脱出しきれておらず体調まで崩しているのに、中沢は、なんとか致命傷をうけずに、あらたな境地を開こうとしているかに見える。結果論的であるにせよ、当時のように大きく社会的な糾弾を受けるような結果にさえならないのであれば、私はこの人々が元気になってくれることは大いに歓迎する。

 本当は、私にとっても「はじめての中沢新一」である。何冊か目を通し、蔵書としてもっているが、中沢という人に影響を受けたことも、感心したこともない。これから、すこしづつ関連を読んでいこうと思 っている。
「僕の叔父さん 網野善彦」 なんて 本があるから、なにかのアナロジーかな、と思ったら、ホントに叔父さんだった、ということがこの本でわかった。とりあえず、「はじめに」の一番最初の部分を引用しておく。

術人類学」の企ての基礎をなしているのは、私が数年前から展開してきた「対象性人類学」という、ヒトの心の働きを探求するための新しい方法である。心の働きのおおもとに部分に、論理的矛盾を飲み込みながら全体的な作動をおこなう「対象性」と呼ばれる知性の働きを据えることによって、宗教から経済、科学から芸術にいたるまでの広大な領域でおこっている心の活動を、一貫した視点から再編成しなおしてみることを、この新しいサイエンスはめざしている。しかも私たちのめざしているのは実践的なサイエンスの構築である。新しい認識が新しい生き方の創出に結びついていけるような、現実の中でも効力を発揮できる実践的なサイエンスことが、私たちの求めるものである。 pV






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Last updated  2009.02.10 18:21:42
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