地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2007.10.11
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「市民のための『遺伝子問題』」入門 奥野卓司 /ヒューマンルネッサンス研究所 2004/03 岩波書店 単行本 229p
No.817
★★★☆☆



 このブログでは、森健の
「人体改造の世紀 」 が、この問題に触れている本としては唯一のものかもしれない。私個人的には苦手な話題であり、出来れば避けたい、と思う。

 この本は、奥野と医療機器メーカーの研究所の協力で行われた5人の専門家達の研究会の成果が一冊の本となっているようだ。断片的に読んだだけでは、なんのことやらさっぱりわからないということになるが、私程度の理解力では、一生懸命読んでも、なにやら大変なことではありそうだな、と分る程度だ。

2003年4月15日、ヒトのゲノムの全塩基配列の解読に成功したという衝撃的なニュースが世界に伝わり、一挙にバイオテクノロジーの新段階が到来したのです。 p42

 遺伝子問題も、例えばエンドウ豆のメンデルの法則とか、農業作物の品種改良など、あるいは競馬馬の血統書などのレベルなら、それほど苦痛もなく話題についていけるのだけれども、ことその遺伝子工学が人間そのものに適用される可能性がでてきたとき、それをどのように受け止めたらよいのか、今はまだよくわからない、というのが本当だ。

 遺伝子工学で思い出すのは、87年にOshoがこの問題に触れ、当時インドでそのレクチャーを聴いたばかりのSタンが、 日本にいたY福さんやPブッタにそのレクチャーテープを送った時に、かなりの軋轢が発生したことだ。この経緯についてはもう20年前のことなので、詳しい経過は忘れてしまったが、とにかく、Y福さんやPブッタがよりOsho批判を強め、ひいては「グルイズム」批判、というところまで行ってしまったのだった。当時二人はケン・ウィルバーを初めとするトランスパーソナル関連の翻訳をムーブメント的に進めており、私は、これを契機に、二人ばかりか、ウィルバーのことも嫌いになってしまったのだった。この時期の「遺伝子工学」発言がなければ、長澤靖浩の
「魂の螺旋ダンス」 などにもよく登場する「グルイズム」という単語さえ、あまり話題になることはなかったのかな、とさえ今でも思っている。

 いずれにせよ、このOshoの発言も含まれる形で
「大いなる挑戦-黄金の未来」 1988年に一冊の本として発行された。この本は現在では入手不能だろうが、ネット上では 第一部 第二部 第三部 とも、全文が読めるようだ。特に第二部に含まれている 「受胎調節と遺伝子工学」 ついては、いまだ賛否両論の面から論議を呼ぶことがある。

 私ははっきり言って、どちらとも言いがたい。この問題についてはほとんど思考停止だ。しかし、このことをもってOsho全体を否定的に評価するという態度になる必要はなく、むしろ、将来において、このビジョンが限りなく人類に大いなる道を残すのではないか、という可能性のほうに賭けている。

よく言われることですが、新しい優生主義につながるのではないかという危険もあります。学問としての優生学そのもののどこが悪いのか、という議論もありますが、それが誤用ないしは悪用されてきた歴史には、再度注意をはる必要があるでしょう。
 優生主義は、ナチズムとの関係で議論されることが多く、そでは「滑りやすい坂道」という表現が使われることがあります。「滑りやすい坂道」とは、一歩踏み出すと、破滅的な結果までまっしくぐらに落ちていく、ということです。優生学、あるいは優生主義の問題は、そのような危険性とまったく無縁ではありません。
p86

 この問題は、とにかく慎重を期す問題だ。しかし、問題を直視せず、無知であることもまた危険であるだろう。

専門家以外の普通の市民、一人ひとりがこの分野に理解をもつ必要があります。またこの分野にかかわる専門家は、市民たちに自分たちの仕事を理解してもらうよう説明する義務があるでしょう。そのためには、その仲介を果たす役割が必要ではないかと思い、しかしながら、サイエンスライターという職業が成り立たないこの国では、それがほとんどなされていないのではないかと、ぼくはつねづね考えてきました。 p227

 ところで、この本、
荒川じんぺい さんが装幀を担当している。





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Last updated  2009.01.23 08:38:41
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