地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

2007.10.26
XML
テーマ: 本日の1冊(3751)
カテゴリ: 2nd ライフ
<1>よりつづく


「セカンドライフを読む。」 <2> ティム・ゲスト /笹森三和子 2007/11 エンターブレイン 単行本 399p

 この本は、著者がセカンドライフとの出会いやそこでの出来事をことこまかく書いてあるわけだが、その周辺についても、ちらちら覗き見えてくる。私には、むしろこちらのほうが興味深かったりするので、 むしろ
前作 入手して読む工夫をする必要があるのかもしれない。

そこには何か別なものもあった。リンデンラボはそのアバターにエロール・リンデンラボという名前をつけたが、私が新しい名前をあたえられたのはそれが最初ではなかった。完璧な世界という夢は、私にとっては目新しい夢ではない。幼いころ、母親と一緒にインドとオレゴン州のコミューンで生活していたからだ。母は崇敬する導師(グル)のもとで、友人たちとともに、洋服をオレンジ色に染めて、地上の天国を建設しようとしていた。母たちも、やはり現実世界を後にして、よりよい何かを見つけようとしていた人たちだ。彼らが建設したのは一種の天国で、一種の地獄だった。母は29才のとき、家を捨て、インド人の導師バグワン・シュリ・ラジニーシが率いるコミューンの生活に飛び込んだ。母と一緒にいたかった私は、彼女の後をついてコミューンを転々とすることになった。私は母の決定に何の役割も果たさなかったし、まだ子どもだったから、母が家を飛び出す原因になったプレッシャーを感じることもなかった。今、母が現実世界を離れる決意をしたときと同じ年齢にいたた私は、母を苦しめていたのと同じプレッシャーをすべて抱えこんでいる。おそらく、今の時代のほうが、もっと重くのしかかっている。70年代に比べて、孤独に暮らす人の数は倍になた。個人破産する人も倍になった。人々はプレッシャーに押しつぶされそうになっている。母が資本主義の自由市場経済に代わる生き方として創造しようとしたものが、今は世界中の人たちの夢になった。母と友人たちは、自分たちをおさえつけようとする勢力との戦いの夢に敗れたのだ。当時と比べたらその社会がよくなったか悪くなったかはわらないが、私たちが同じ占領勢力の下で生きているのは確かだ。  p46

 どこかに81年の段階で6歳だった、というような記述があったような気がするが、それが正解だとすると、著者は現在32歳前後ということになるだろうか。いわゆるネット世代としては、まさに真っ只中のピークの年代と言える。ここに書かれている母親は、多分ほぼ私と同世代。私もオレゴンにもインドにもいたし、どこかで一緒にいたかもしれない。とくに著者ヨゲシュの面影に記憶がないわけではない。

 ただ、ここに書かれている内容については、年代の違いもあるだろうし、お互いの民族性もあるだろうし、すこし理解が違うところもある。翻訳の不備によるものかもしれない。「地上の天国を建設」という言葉も、翻訳を繰り返すと、このような日本語に先祖がえりしてしまうかも知れない。「母と友人たちは、自分たちをおさえつけようとする勢力との戦いの夢に敗れたのだ」という記述にも、素直にうなづくことはできない。なぜなら、ドラマはまだ終わっていないからだ。

 ここで著者がさかんに「自分たちをおさえつけようとする勢力」とか「同じ占領勢力の下」とか表現するときには、十分注意しなくてはいけない。陰謀論も成り立つだろうし、守旧派を意味する場合もあるだろう。場合によってはネグリ&ハートがいうところのネットワーク化する構造的権力<帝国>を意味しているかもしれない。しかし、ここでは、あまり急いで決め付けることは控えておこう。

私は、以前、リンデンラボを訪れた際、自分の前の
著書 をフィリップに手渡しておいたが、2006年11月に再び会った時に、母が従っていた同士の信奉者たちとリンデンラボの社員たちとの間には類似点があるという話しをしてみた。両方ともよりよい世界をつくろうと躍起になっており、別の名前を使い、同じようなロゴのペンダントを下げているのだ。(ただし、リンデンラボの場合、70年代の導師の教えである「この瞬間のこの場にいなさい」の”この場”のが、新たな遠くへの存在に置き換えられ、「この瞬間にもあちらの世界にいなさい」となっている。)驚いたことに、その話しを聞いてフィリップは笑った。彼の話によると、セカンドライフという名前に落ち着く前、自分たちがつくり上げた新しい世界にヒンドゥー教の名前を付けるつもりだったという。  p390

 時間も空間も違うのだから、同じものが作られることはありえない。しかし、「作ろう」とするエネルギーそのものは、著者がいうとおり、ほとんど「同じ」ものである可能性はある。らせん状に物事が進行しているかもしれない。セカンドライフそのものについては、もともとSF映画や、PCゲーム、CGグラフィックスなどにはあまり関心ない私としては、なかなかついていけないものを感じるが、その社会的な意味合いについては、なんとも心そそられるところがある。

<3>につづく





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.01.27 19:23:44
コメント(0) | コメントを書く
[2nd ライフ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Profile

Bhavesh

Bhavesh

Archives

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07
2025.06
2025.05
2025.04
2025.03
2025.02

Comments

聖書預言@ Re:60日記037 アリバイ 生存証明(07/28) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
BHavesh@ Re[1]:アガルタの凱旋(12/15) subaru2012さんへ ああ、久しぶりにこの…
subaru2012@ Re:アガルタの凱旋(12/15) Miles Davis / Agharta 1 <small> <a hre…
Bhavesh @ Re:禅と戦争 禅仏教は戦争に協力したか(11/16) 現在、日曜早朝座禅会に参加している禅寺…
Bhavesh @ Re:セックスから超意識へ<1>(11/13) Oshoの記念碑的1968年のレクチャー。当時…
把不住y@ Re:編集雑記(07/25) 新ブログはここです。 <small> <a href="…
Bhavesh@ Re:グルジェフ・ワーク 生涯と思想(01/12) 武邑光裕、の名前を検索していて我が読書…
abhi@ Re:編集雑記(07/25) お疲れ様。 新ブログ立ち上げたら教えてく…
Bhavesh@ Re:極秘捜査 警察・自衛隊の「対オウム事件ファイル」(03/03) 私は、最近になって 、そう2015年頃になっ…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: