
「智慧の女たち」
チベット女性覚者の評伝
ツルティム・アリオーネ /三浦順子 1992/12 春秋社 単行本 357p
Vol.2 No.0256 ★★★★☆
正木晃チベット本リスト
の中の一冊。 チョギャム・トゥルンパ
が短い序文を書いている。チベットの女性と言えば 「私のチベット」
のリンチェン・ハモや 「チベットの娘」
のリンチェン・ドルマ・タリンを思い出す。いずれも三浦順子の翻訳でチベットの女性たちではあるが、決して修行者ではない。チョギャム・トゥルンパの女性弟子に 「チベットの生きる魔法」
を書いたぺマ・チョドロンがいるが、こちらは現代のアメリカ人女性。
本書には、おもにカギュー派の女性密教行者の伝承がおさめられている。ひとりひとりの名前や経歴を聞いてもなかなか耳にはいりこまないが、目次から名前だけ列挙しておく。
「死から甦った女-----ナンサ・ウーブム」
「チベット最大の女性覚者----マチク・ラプドゥン」
「埋蔵書を発掘した女-----チョモ・メンモ」
「六波羅密を体現した女-----マチク・オンジョ」
「神通自在の超能力者-----テンチェン・レーマ」
「二十世紀のダーキニー-----アユ・カンド」
この本、原書は84年にでている。翻訳には3年かかって、1992年にでている。この時代背景が微妙だなぁ、と思う。この時代まで結構なチベット本が出そろっているのだが、 95年には例の事件 があったため、その後全体としては、社会的な荒波に洗われることになる。この本もすでに絶版。表紙画像もネット上には見当たらない。
しかし、21世紀もかなりの年月が経過して、今年行われた北京オリンピックの聖火リレーでふたたび注目をあびたチベット問題。この本も復刊されたらいいのに、と思う。ゆっくりとチベット密教が理解される時代が近づいている、と思いたい。
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