地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

2009.01.10
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カテゴリ: mandala-integral

「精神療法と瞑想」 心を解くセラピー&メディテーションガイダンス
宝島編集部 1991/08 宝島社 単行本 237p
Vol.2 No.508   ★★★★★

年末の大掃除の時に、納戸の段ボール箱をひっくり返したら、この本がでてきたので、とても懐かしくて、掃除の手を止めて見とれてしまった。1991年発行、そうそう、こういう本もあったのだよなぁ。

 この本、宝島編集部・編とはなっているが、OSHO関連の記事がかなりのスペースを占めている。10数名の執筆者の中には、チダカッシュがいたり、もとやま・ゆうほ、がいたりする。片桐ユズルは著名な学者・訳者でもあるが、彼もまたPuneを訪れたことのあるサニヤシン名を持つひとの一人だ。

 回し者(爆)たちの活躍により、この本は、あたかもOSHOワールドへの招待状のような事態になっているが、網羅している範囲は広く、さまざまなボディ・ワークやサイコセラピー、グループセラピーなどが紹介されている。仏教、チベット密教、禅、ハタ・ヨーガ、道教、仙道、カバラ、スーフィー、グルジェフ、シュタイナー、エサレン、トランスパーソナル、などなど、今見てもなかなか興味深いことがたくさんある。

 とくに「セラピー最前線」というコーナーでは、フィンドホーン・ファウンデーションも紹介されており、この本が出版された時点では、まったく目を通す気にもならなかったページが、今回はなんだか、別な形で興味深く見えてきた。当ブログにおいても、ひょんなきっかけで、 フィンドホーン関連本 をひととおり目を通してはみたが、正直申し上げて、私には退屈だった。私は、なにはさておいてもこのオランダのアムステルダム近郊のコミューンを訪問してみよう、という気にはならない。

 しかし、実際には、私のこのような態度に大きな落とし穴がある可能性は大きい。本を読んだり、紹介記事を見ただけで判断できないことは多くある。いや、いままでのほとんどのことがそうではなかっただろうか。かくいうOSHOコミューンにしたところで、私は本を読んだり、紹介記事を読んだりしただけでは、ほとんど99%何もわからなかったに等しい。ただ、OSHOコミューンの場合は、「不思議な力」で、いつのまにやら、OSHOワールドに拉致されてしまった、ということだったのだろう。

 だから、この本に書かれている数々の道、メソッド、グループ、そして、巻末に紹介してある本たちが、私と関係がないとは言い切れない。今後、どのようなきっかけで、どのような展開になるかなんて、わからないのだ。人生は未知なることでいっぱいだ。

 逆に考えてみる。じゃぁ、1991年にこのような世界が紹介されていて、あれから20年近く経過するのに、これらの世界観は、どのように成長したのであろうか、と。私の目には、これらの世界が素直にのびのびと現在に至るまで成長して、大木になっている、という風には見えない。この本の執筆者になった人たちの顔ぶれを見ていても、あるいは、ここに紹介されている流れの数々を追いかけてみても、それぞれに紆余曲折あったことが容易に想像し得る。

 少なくとも日本においてのこれらのムーブメントには、なにか大きな影が落ちている。この本の発行もとは「宝島」を発行していたJICC出版になっているが、当時は、日本のバブル景気をバックとして、人びとは、精神療法や瞑想に期待するものも大きかったはずである。ところが、その後のそのバブル景気の崩壊とともに長引く不景気の風は、のびのびと成長しようとした精神世界ムーブメントを大きく揺るがしてしまった。

 特に、1995年の3つの事件はかなり大きなエポックになった。阪神淡路大震災、そして暮れにウィンドウズ95の発売と並んで称されるのが、この年の3月に起きたあの 忌まわしい事件 である。直接この本と、あの事件に関わるものはなにひとつないが、しかし、このような本がのびのびと出版される背景のなかで、あの忌まわしい集団もまた成長を続けていたのだ、という同時代性を見落とすわけにはいかない。

 私はこの本を読みなおしてみたいと思う。しかし、それはただただ過去を振り返るというものにはしたくない。読むなら批判的に、検証的に読みなおしてみるのはどうだろう。車社会も、一定程度の車の普及があり、交通事故の多発の段階を経て、セーフティの考え方が発展した。ネット社会もまた、ある程度の普及を経過して、現在はかなりのジャンクな情報にまみれてしまっている段階にある。しかし、いずれは克服されなければならないのだ。

 それと同じように、「精神療法と瞑想」も、ある程度の認知の段階を経て、あるいは、とんでもない事件に巻き込まれながらも、そして停滞し、衰退し、一部は消滅しながらも、もし、車社会や、ネット社会が、人類にとってほとんど不可欠であるのと同じように、「精神療法や瞑想」の世界が、人類にとって不可欠なものであってみれば、一定程度の起伏はあっても、必ずや、人類史のなかの大きな関心事に成長していくことは間違いないのだ。

 だから、この本を突き合わせながら、 「エスリンとアメリカの覚醒」 をもう少し読み進めるのも一興かと思う。






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Last updated  2009.01.10 16:36:00
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