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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.11.22
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カテゴリ: 文芸

『アンダーグラウンド』 の続編である。
 地下鉄サリン事件の被害者側にスポットを当てた『アンダーグラウンド』に対し、
 本著は加害者側となったオウム真理教の信者や元信者たちが主役である。

 村上さんのインタビューに臨む姿勢にも、大きな違いがある。
 『アンダーグラウンド』では、語り手が語りたいことを語りたいように語ってもらう
 徹底した聞き手であったのに対し、
 本著では、村上さんの思ったことや聞きたいことを、相当語り手にぶつけている。


教団内での立場や事件後にとった行動は、それぞれに違いながら、
あちら側にいる彼ら彼女らの心の内に漂っているものには、同じものがあると感じた。
そして、村上さんが言うように、こちら側にいる私たちの心の内にもそれは確かに存在する。

ところで、私自身は、本著の中で、信者や元信者へのインタビューの中よりも、
村上さんと河合隼雄さんとの対談の中に、興味深い部分が断然多かった。

  たとえばさびしい人気のない夜道で棒を持った変な男とすれ違うとします。
  実際には162センチくらいのやせた貧相な男で、
  持っている棒もすりこぎくらいのものだったとします。
  それがファクトです。
  でもすれ違ったときの実感からすると、
  相手は180センチくらいの大男に見えたんじゃないかと僕は思うんです。

  だから心臓がどきどきする。
  それでどっちが真実なのかというと、あとのほうじゃないかと思うんです。
  本当は両方の真実を並列しなくちゃならないんでしょうが、
  どちらかひとつしか取れないとなったら、僕はあくまで断りつきですが、
  ファクトよりは真実を取りたいですね。

  そういうものをたくさん集めて、
  総合していくことによって見えてくる事実もあるのではないかと。(p.282)

この村上さんの発言には「なるほど!」と頷かざるを得ない。
確かに、私たちが感じ、考え、そして生きているのは「真実の世界」の方なのである。
しかし「真実の世界」にばかり生きようとすれば、他者との共存は難しくなってしまう。
なぜなら「真実の世界」は、一人ひとり独自の世界であり、全く別物なのだから。

それ故、人々がこの世に共存し、この社会を成立させていくためには、
共通認識としての「ファクト」が、絶対必要不可欠なものになってくる。
逆にその大前提がなければ、人々は安心して過ごすことができない。
「真実の世界」を社会に持ち込み、共有を強要する人に対し警戒心を抱かずにはいられない。

  たとえば「鉄人28号」という物語がありますね。
  ああいう類のヒーローはばあっと空を飛んで人を助けに行きます。
  小さい子どもがそれを読んで、自分でそのつもりになって、
  風呂敷を首に巻いてパーっとやっているわけです。
  しかし実際にはそれで2階から飛んで死んだ子がいるかというと、それはいません。
  子どもっちゅうのはすごいんですよ。
  ストーリーがものすごく生きているんですが、
  それと外的現実とのあいだをきれいに調整しているんです。
  ときどき物語を真っ向から批判する人がいます。
  ファンタジーとか言って、魔法の杖を使ってひょいと空を飛んだりしている、
  これはけしからんと。
  子どもが魔法の杖を使えば勉強ができるなんて思ったら、
  こつこつと勉強しなくなるじゃないかと。
  でもね、必死に勉強すれば偉くなりますなんて言うほうがもっと大嘘です(笑)。(p.286)

この河合さんの発言こそが、
「ファクト」と「真実の世界」との折り合いのつけ方の極意ではなかろうか。





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Last updated  2009.11.22 11:50:19 コメントを書く
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