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こんにちは。
久しぶりに、新刊 「 おもしろ歴史ウォーキング 関東編
」
からのネタです。
今回、ご紹介するのは、 第4章の「高速バスで東京からわずか2時間! 房総山中にある徳川四天王の城下町を歩く 千葉県大多喜町」 。
それは、 こちら 。
千葉県の大多喜町へ行ったのは少し前になりますが、ここは知る人ぞ知る徳川四天王、本多平八郎の城下町。
江戸時代のものではありませんが、関東では貴重な城の天守もありますよ。
日常生活の中で、天守が眺められる町は素敵ですね。たとえ復興であったとしても、城好きには、毎日、楽しく暮らせそう。
いすみ鉄道の本社もあって、鉄道ファンからも注目を集めているとか。
ただ、知名度がイマイチなのは、首都圏から遠いという偏見があるからではないか。
もちろん、鉄道を使って千葉市を経由すると若干時間がかかります。しかし、東京湾アクアラインを使えば浜松町駅からバスだけで大多喜町へ行けるのですよ。
たった2時間、ゆったり座席に腰かけているだけで、歴史スポットとして関東屈指の城下町に行けるのは、お得感バツグンかも。
バスからの車窓の風景も、海の上を走ったり、房総の深い緑の中をくぐり抜けたりと、それだけでも楽しめますし。
…ということで、ご興味のあるかたは、是非一度お出かけください。
1.海の上を走っているような気分になる高速バス
今回は、かなり前に行った場所ですが、千葉県の大多喜町をご紹介します。
大多喜城がある町ということで、20年以上前から行きたかったのです。しかし、房総半島の中央部にあり交通の便がイマイチなので、なかなか行く機会がありませんでした。
最近、東京湾アクアラインを使えば浜松町駅からバスだけで行けることを発見したのですよ。
…
ということで、早起きして浜松町バスターミナルから高速バスへ乗り込みます。平日だったので、中はすいていました。
首都高速から羽田、川崎と通りいよいよ東京湾アクアラインへ。
どこまでも広がる海の中の一本道をバスは走り続けます。車窓からタンカーやフェリーが見える景色は、自分がバスではなく船に乗っているような気分。
海ほたるを通過し、木更津から房総の山の中へと分け入ります。大多喜町の中心部は盆地にあるのでバスは坂を下り、ようやく国道のショッピングセンター前のバス停に到着。
東京の人間からすると、かなり遠いイメージなのですが、バスに乗っている時間は2時間ないのですね。
従って時間はまだ午前9時前。じっくり町を見学できるぞ、とウォーキング魂が漲ります。
町をぐるりと取り囲む夷隅川には赤く古い鉄橋がかかっています。
そこを渡っていよいよ房総山中の城下町・大多喜へ。
2.城内に現存する日本一の大井戸がある
まずは駅へ行って観光パンフレットをゲッツ。とりあえず、今回の旅の最大の目的地・大多喜城を目指すことにします。
しかし突然、空には私の城攻めに抗うかのような雨雲が …
。
うわっと思う間もなく、大粒の雨が降り出し、一瞬で辺りは滝壺のような状態に。
急いで近くにあった神社の本殿の軒先へ逃げ込んだものの、びしょ濡れになってしまいました。折りたたみ傘を出す暇もないほどの急襲。
でも、旅のアクシデントもあとで考えると良い思い出になるとポジティブに考えました。
しばらく待っていたら止んだので、再び城跡目指して進軍します。
曲がりくねった坂道を登ると、大多喜高校。
ここの校庭に、江戸時代中期に作られたという城内御殿の薬医門が移築されていました。
しばらく校内を歩くと、巨大な井戸が目の前に現れます。
周囲10m、深さ20mの城内に現存する井戸としては日本一の大きさらしい。
高校の校内に城門や井戸があるなんてすごいと思ったら、もともとここは大多喜城の二の丸だった場所ですね。
城跡にある高校なんて、城好きからしたら最高の贅沢ですよ。
それが気持ちに余裕を与えるのか、出会う高校生は皆、「こんにちは」と、明るい笑顔で挨拶してくれたのでした。
3.断崖絶壁の上に建つ白亜の天守閣
高校は城内にあるので裏手の道を登ると本丸まで行けそうです。しかし、城見学では楽な道を選んでも面白くありませぬ。
一旦、二の丸を出て、城攻めルートで本丸まで攻め上ろうと考えました。
そこで、広々とした夷隅川沿いの舗装道路を西に向かって歩きます。
左手の夷隅川を覗き込むと、まさに断崖絶壁。
しかも右手、つまり城があるほうもはるかに見上げる断崖絶壁になっておりまする。
これは、スパイダーマンでもない限り登れないかも。
城の南側は、深い渓谷と見上げるような高い崖で守られてまさに鉄壁の守備体制ですな。
これだけ南側が厳重なのは、当時の仮想敵国・安房の里見氏に備えたからでしょうか。
夷隅川沿いの舗装道路を歩き、左手の崖が途切れたあたりから回りこんで本丸目指して登ることにします。
道は細くなり、しかもかなり急。右手は高い崖になっていて、戦時はそこから矢が雨のように飛んでくるのでしょうね。
ようやく本丸へたどりつくと、白亜の天守閣がそびえていました。
本丸からは、さきほど訪れた大多喜高校のグランドや大井戸を眺めることができます。
天守閣は、江戸時代のものではありませぬ。じつは当時、天守があったかどうかということも定かではないらしい。

それでも、江戸時代にあったという天守の図面が存在するそうで、それを元に建てられたというから、まったくの飾りというわけではないのですね。
その図面を発見したのが、なんでも鑑定団の鑑定士として有名な故・渡邉包夫氏だったそうですよ。
ちなみに、渡邉氏は大多喜町の旧家の出身らしいです。
それでも、関東には珍しい天守が目の前にあるのでバシバシ写真を撮ってしまうのは城好きの悲しい性なのでした。
大多喜城は、徳川四天王の一人、本多忠勝が天正18年に築城したとされています。これだけの立地ですから、その前にも砦的なものがあったらしいですが …
。
当時の本多忠勝の石高は10万石。これはすごいですよ。
江戸時代でも10万石の大名はそれなりの格式で迎えられました。大多喜の町も当時は、今では考えられないくらい関東有数の都市だったと感じます。
当時はまだ豊臣時代。安房の里見氏に備えるため名将を配置し、名城を作ったのでしょう。
天守閣は、千葉県中央博物館大多喜城分館とも呼ばれているそうな。
中では、「房総の城と城下町」をテーマに刀や鎧、衣裳などの歴史資料が展示されていました。
もっとも興味深かったのは、大多喜城の当時の復元模型。時間も忘れるくらい食い入るように現在との違いを探してしまいました。
4.人気のいすみ鉄道の本社がある
天守閣を出て、再び城内を通り抜け、城下町散策を行います。
再び駅前に出ると、イエローのかわいらしい車両が止まっていました。
最近、いすみ鉄道を紹介する旅番組をよく目にします。沿線は、菜の花が美しく、車体の黄色が景色に溶け込んで走る姿が印象的。
いすみ鉄道は、大原から上総中野まで26.8 km
の路線。この大多喜駅は主要駅で、鉄道の本社も置かれているみたい。
…
といっても、シンプルな平屋建てでしたが …
。
近くの踏切から線路を眺めると、やけに空が広いと思ったら、電線がないのですね。
電車ではなくディーゼル気動車だからなのですか。最近、乗った記憶がないので、乗り心地をためしてみたいと思いました。
大多喜城の城門を模した門と黄色い車両とのコラボがなかなかいいですな。
5.なんでも鑑定団の元鑑定士の実家は重要文化財
窓が大きくハイカラな町役場を横目に、いよいよ大多喜町の目抜き通り、その名も城下町通りへ。
(以下略)
このあと、町の中を歩いて、今も数多く残る風情ある建物を見学します。博物館になっている古い商店には、昭和のアイテムがいっぱいでした。
ほかにも、本多平八郎忠勝のお墓や.金田一耕助シリーズの舞台になった旅館など、見どころが目白押し!
歴史ウォーキングの醍醐味が味わえる続きは、是非、こちらをご覧ください。
「
おもしろ歴史ウォーキング 関東編
」
(参考)
目次より
はじめに
第1章 ユネスコの無形文化遺産・和紙の里だけではない、攻め手を惑わせる山城散歩 埼玉県小川町・東秩父村
1.和紙の里だけではない小川町と東秩父村
2.つい足が止まってしまう、小川町の魅力的な建築物
3.つつじに彩られた山城ファン必見の腰越城
4.攻め手を惑わせる罠が仕掛けられた囮小口
5.東京近郊で「村」の魅力を堪能できる東秩父村
6.妖怪アンテナならぬ城アンテナが反応した寺院がある
第2章 あじさいと川辺と太陽がいっぱい! 癒しスポット満載の東日本最小面積の町を歩く 神奈川県開成町
1.あこがれのロマンスカーの運転席に座ろう
2.酒匂川沿いの遊歩道には、昔の治水工法の展示物がある
3.あじさいと水田や山、青空との相性はバツグン
4.町民が手作りで盛り上げる開成あじさい祭り
5.あじさいと水車小屋との相性もバツグン
6.開成町の重要文化財第一号は江戸時代の豪邸
第3章 徳川家康が愛した日本の原風景が味わえる町は、古城と湖のミステリースポットも魅力的 千葉県東金市
1.東金の地名にまつわるエトセトラ
2.池に見える美しい湖・八鶴湖
3.心に染み入る美しい鐘の音色のお寺
4.昭和の時代にも活用された可能性がある東金城
5.徳川家康が寄進した杉並木の巨木がある
6.湖に見える東金のミステリースポット・雄蛇ヶ池
第4章 高速バスで東京からわずか2時間! 房総山中にある徳川四天王の城下町を歩く 千葉県大多喜町
1.海の上を走っているような気分になる高速バス
2.城内に現存する日本一の大井戸がある
3.断崖絶壁の上に建つ白亜の天守閣
4.人気のいすみ鉄道の本社がある
5.なんでも鑑定団の元鑑定士の実家は重要文化財
6.徳川四天王の勇将が今も守る城下町
7.金田一耕助シリーズの舞台になった旅館がある
第5章 下野国国分寺、国分尼寺、栃木県最大規模の古墳など古代史ファン垂涎の観光スポットが目白押し 栃木県下野市
1.古代の栃木県の県庁所在地・下野市
2.古の風景をイメージできる静かな散歩道
3.栃木県最大規模の古墳がある
4.紫式部の墓があるってホント?
5.礎石だけでも一見の価値ある国分寺跡と最近まで幻の寺だった国分尼寺
第6章 江戸時代の庶民の心を鷲づかみにした秘密に迫る! 成田山新勝寺を歩く 千葉県成田市
1.初詣人出ランキング全国第3位の秘密に迫る旅
2.門前町も、魅力的な木造建築がいっぱい
3.新勝寺と市川団十郎の深い関係
4.成田には知る人ぞ知る剣豪の墓がある
5.壮大な建築物で埋め尽くされる新勝寺の境内
6.新勝寺の名前は、有名な武将の乱に由来する
7.成田は江戸時代のワンダーランド?
8.たっぷり仏教世界に浸ることができる平和大塔
9.三つの池が縦に並ぶ成田山公園
第7章 ハイカラな街の歴史的住宅と路面電車、昔あった競馬場をめぐる横浜・根岸散歩 横浜市中区
1.洋画のワンシーンのような根岸外人墓地
2.昔は競馬場だった根岸森林公園
3.馬に興味がなくても意外と面白い、馬の博物館
4.起伏ある土地に建つ白滝不動尊と根岸八幡神社
5.港が見えた大正時代の名建築・柳下邸
6.本物の市電に触れることができる横浜市電保存館
第8章 日本の川の長男・坂東太郎に抱かれる花の町は、魅力的な歴史スポットがいっぱい 千葉県神崎町
1.田園風景を描いた洋画のような風景
2.多くの城跡にわくわくする神崎城
3.戦国の城跡と貝塚、古墳、古刹が一度に楽しめる
4.日本の川の長男・坂東太郎の絶景が拝める
5.神崎神社と水戸光圀ゆかりのなんじゃもんじゃの木
第9章 昭和の風景を楽しみながら、関東三大不動尊や白龍伝説のある古刹などを巡る旅 埼玉県加須市
1.加須の読み方と由来にまつわるエトセトラ
2.加須の歴史を感じさせる古社と古刹
3.昭和をイメージするアイテムがいっぱいの加須市内
4.邪悪な白龍伝説と大イチョウが注目の龍蔵寺
5.加須には関東三大不動尊のひとつがある
歴史ファン必見の観光スポットが満載! … 2023年01月12日
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