音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2009年10月11日
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テーマ: 洋楽(3408)




 読書の秋、食欲の秋…。読書に秋という季節感は特段求められるものではないが、食欲の方は秋という季節に結びついた味覚を求める人もいるかもしれない。それでは、音楽鑑賞の秋の場合どうだろうか。時として、個別的に秋をテーマにした楽曲などがあるが、そうした場合はともかく、ふつうは"秋にあう音楽"が事前に用意されているということはない(そんなことをしたら秋にしか売れない商品になってしまうのでレコード会社は嫌がるだろう…)。したがって、クリスマスソング集のごとく、"秋用"に用意された曲やアルバムが聴き手個人の"秋物"になるというわけではなく、1編の楽曲や1枚のアルバムをたまたま秋に聴いて、それが聴き手の気分に何かの理由で合致した時、ある曲や特定のアルバムが"秋にあう音楽"になるのだと思う。その意味では、きわめて個人的な体験であり、万人に一致する"秋のアルバム"が存在するということではない。

 そんなわけで、"秋におすすめの1枚"などと言っておきながら、あくまで筆者にとっての"秋の1枚"に過ぎない。けれど、この駄文を読んだことがきっかけで、筆者にとっての"秋の1枚"が、これを読んだ方にとっての"秋の1枚"になるかもしれない。そんなことを願いながら、ニール・ヤングの『ハーヴェスト(Harvest)』を紹介したい。前もって明言してしまえば、秋のドライブや紅葉を見ながらの一人散歩にぴったりで、静かに物思いにふけりたい時に最適というのが、筆者にとっての本盤のイメージである。

 本作『ハーヴェスト』は1972年に発表されたもので、1969年にニール・ヤングがソロ活動を開始した第1作から数えて4枚目のアルバムにあたる。一般に、ニール・ヤングはアルバム毎に作風が大きく異なり、当たり外れも激しければ、聴き手による好みも分かれるとよく言われる。本作は"秋の1枚"に相応しく(?)、静かに落ち着いて聴ける作風である。

 アルバムは、控えめなハーモニカのイントロを含む1.「週末に」、およびアルバム表題曲の2.「ハーヴェスト」という、ゆったりとした、いくぶんのどかなメロディから始まる。ニール・ヤングの頼りなげな声のヴォーカルが、いい意味で生かされている。続く各曲もどこか物悲しげな曲調のものが多い。思わず聴き入ってしまうのは、3.「男は女が必要 」、 4.「孤独の旅路」 、6.「オールド・マン」、9.「ダメージ・ダン」といった、落ち着いた本盤の中でも特に孤独や寂しさを滲ませる曲である。

 ずっとおとなしい曲が淡々と続くというのでは飽きが来そうなものであるが、途中、5.「国のために用意はいいか?」や8.「アラバマ」、あるいは10.「歌う言葉」のように盛り上がりを持たせた曲も配されていて、そのために退屈することがない。また、本盤の音作りの特徴として、オーケストラを組み入れた点が挙げられる(3.と7.でロンドン交響楽団が参加)。さらに、ゲストも多彩で、リンダ・ロンシュタット(4.、6.)、ジェームズ・テイラー(4.)、デヴィッド・クロスビー(5.、8.)、グレアム・ナッシュ(5.、10.)、スティヴン・スティルス(8.、10.)といった面々がバックのヴォーカルに参加している。


[収録曲]
1. Out on the Weekend

3. A Man Needs a Maid
4. Heart of Gold
5. Are You Ready for the Country?
6. Old Man
7. There's a World
8. Alabama
9. The Needle and the Damage Done
10. Words (Between the Lines of Age)

1972年リリース。





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