音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2011年05月22日
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 プリンス(Prince)、日本語ではこの名の翻訳から“殿下”とも呼ばれたアーティスト。こともあろうに、本名からしてプリンスで、しかも後にはアーティスト名をよくわからん記号の羅列に変えてしまったという奇才…。

 いきなり個人的な好き嫌いの話で恐縮だけれども、筆者はプリンスの声があまり好みではない。顔も、というよりあの風貌全体も、ファッションも気に入らない(いやはや、こればかりは私的な好みの問題なので、ファンの方はお許しを…)。けれども、彼が創り出す音楽が凄いことはよくわかっているつもりである。彼の作品、特に1980年代の諸作には、活力と創造性が満ち溢れている。1970年代のスティーヴィー・ワンダーが繰り広げていたあの創造性を思い出す。スティーヴィーのそれは80年代には薄れていってしまったが、入れ替わるようにして、これと同等レベルのことを見事にやってのけたのが80年代のプリンスであったことは間違いない。

 プリンス(Prince)ことプリンス・ロジャーズ・ネルソン(繰り返しになるが、本名がプリンスなのです!)は、1958年ミネアポリス生まれで、現在もそこに居を構える。これまで発表したアルバムは、ライブやサントラなども含めると既に30枚ほどに上る。そんな彼のデビュー盤はあまり広く聴かれてはいないようだが、1978年発表の『フォー・ユー(For You)』という作品である。

 1958年生まれと言えばマドンナや故マイケル・ジャクソンが同い年なのだけれど、同世代の彼らに比し、プリンスはスパースター的と言うよりは天才肌な、少し違う感じがする。両親はジャズ・ミュージシャンで、幼いころから友人やいとことバンド活動をしていたという。そんなプリンス少年は、1977年、数社が競い合った結果、ワーナー・ブラザーズと契約。翌1978年に本作『フォー・ユー』を発表した。

 この『フォー・ユー』が驚きなのは、まず、1976年の時点で既にほぼ出来上がっていたという点である。つまり、デビュー作(デビュー作となり得る作品)を既に有する少年がいて、それに目を付けたレコード会社が複数あったわけである。さらに驚きなのは、この19歳が一人で全部をやってしまっている点にある。“Produced, arranged, composed, and performed by Prince”(プリンスによるプロデュース、アレンジ、作曲、演奏)という表示に見られるように、演奏自体もそうならばプロデュースも全部丸ごと自身による。




[収録曲]

1. For You
2. In Love

4. Crazy You
5. Just As Long As We’re Together
6. Baby
7. My Love Is Forever
8. So Blue
9. I’m Yours

1978年リリース。



関連記事リンク:


才能を感じさせるデビュー盤 ~その1~(ジョニー・ウィンター)

才能を感じさせるデビュー盤 ~その3(ブライアン・アダムス)~






[CD] プリンス/Forever YOUNG フォー・ユー






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