音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2011年07月15日
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 ブルース・ロックを語る際、外せない存在の一つが英国の サヴォイ・ブラウン である。フォガット(Foghat)は、そのサヴォイ・ブラウンから派生したバンドで、70年代半ばにそこそこのヒットを飛ばし、途中、バンドが割れたり、中心人物が死去したりしたものの、現在まで細々と活動を続けているバンドである。

 バンド結成の発端はサヴォイ・ブラウンからの3名のメンバーの脱退。“ロンサム・デイヴ”ことデイヴ・ぺヴァレット(ヴォーカル、ギター)が、ロジャー・アール(ドラム)とトニー・スティーヴンス(ベース)を引き連れてサヴォイ・ブラウンから独立し、ギターのロッド・プライスを加えて新バンドを結成した。フォガット(フォグハット、霧の帽子)というのがその新しいバンド名であり、1972年発表のセルフ・タイトルの本盤がそのデビュー・アルバムとなった。

 フォガットの特徴はブルース・ロックから派生したブギー・サウンドにある。第1作の本盤ではその特徴はある程度顔を見せてはいるものの、まだまだ彼ら流のサウンドが十分に確立されているわけではない。むしろ、ブルース・ロックがハード・ロック化していく時代背景の中で、世の流れに簡単に流されまいとする頑なさという印象が筆者の中では強い。

 その頑なさはカヴァー曲によく表れている(本盤でのカヴァーは1.、7.、9.の3曲ある)。そのうち1.「君を愛したい」は圧巻。マディ・ウォーターズはじめ数々のアーティストがこれまでに演じている曲だが、強くたたきつけるようなロック・ヴァージョンはフォガットの演奏曲の中でも1、2を争う出来だと思う。他方、チャック・ベリーの7.「メイベリーン」は後々のフォガットの方向性を考えると、勢いとヘヴィさと明るさがうまく調和した演奏。

 残る6曲(2.~6.、8.)がメンバーのオリジナルで、いずれもロンサム・デイヴがソングライティングに加わっている。総じて英国系ブルース・ロックのイメージに反し、どこかにカラっとした明るさがあるのが特徴。筆者の好みで2つばかり挙げると、2.「トラブル・トラブル」は明るい曲調の中でブルース・ロック的ギタープレイがうまく組み合わされている。8.「ホール・トゥ・ハイド・イン」もアメリカン・テイストの強い曲でありながらブルース・ロックの要素をうまく保ち続けている。

 ちなみに、ベアズヴィル・レーベルということで、当初はベアズヴィルの所属アーティストだったトッド・ラングレンがプロデューサーだったとのこと。けれども、意見が合わず、結局、プロデュースはデイヴ・エドモンズが担当することになり、後者の名がクレジットされている。




[収録曲]


2. Trouble Trouble
3. Leavin' Again (Again!)
4. Fool's Hall of Fame
5. Sara Lee
6. Highway (Killing Me)
7. Maybellene
8. A Hole to Hide In
9. Gotta Get to Know You

1972年リリース。


関連過去記事リンク:
フォガット『フォガット・ライヴ(Foghat Live)』







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