音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2011年09月07日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ




 ドド・マーマローサ(Dodo Marmarosa, 本名マイケル・マーマローサ)は、1925年生まれの米国の白人ピアニスト。1940年代初頭からプロとしての活動を始め、レスター・ヤングやチャーリー・パーカーとも演奏を経験している。だが、1950年以降、彼の消息は途絶える。麻薬中毒の悪化と精神病で電気ショック療法も受け、どうやら心身ともにボロボロだったようだ。

 ところが、彼は10年後にカムバックした。そうして、1961年に吹き込まれたのが、本盤『ドドズ・バック!(Dodo’s Back!)』であった。ジャケットのタイトルの下には、“輝かしきジャズ・ピアニスト、ドド・マーマローサ復帰(The Return Of Dodo Marmarosa, A Brilliant Jazz Pianist)”と書かれているが、これは上記のような経緯を反映している。本作の後、翌62年にも録音を行っているが、その後はまたもシーンから姿を消してしまう。結局、精神的な病は続いたのだろう。地元のレストランや入院していた医療センターなどでピアノを演奏することはあったようだが、そのまま音楽シーンには戻ることなく、2002年に77歳で亡くなっている。

 そのようなわけで、そもそも作品の数が少なく、したがって注目されることの少ないピアニストである。けれども、この盤が超一級品の名盤であることに変わりはない。ひとことで言えば、バップ・ピアノの流れを見事なまでに受け継ぐスタイルで、精緻でかつ硬質な音のピアノ演奏が特徴である。

 演奏曲は3~4分台の短いものがずらりと並ぶ(いちばん長い曲でも5分半が1曲あるのみ)。いずれも“一球入魂”ならぬ、“一曲入魂”というか、とにかく短時間に欠ける集中力のようなものが凄い。この部分については、有名なピアノ奏者としては、バド・パウエルを思い出していただくとよいかもしれない。瞬間的な閃きというか、冴えの鋭さが際立っている。

 もう一つ特徴を挙げると、ドド・マーマローサのピアノ演奏は、“楽しいジャズ・ピアノ”ならぬ“寂しいジャズ・ピアノ”である。音に孤独さというか寂しげな雰囲気が充満している。きっと、これは上の特徴とも関係していて、まとめるとドド・マーマローサは“孤高のピアニスト”ということに落ち着くのだろう。個人的な好みをいくつか挙げると、1.「メロウ・ムード」は、メロウでありながら、寂しげなのが印象的。5. 「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」 は短いながらも緊張感みなぎるところがいい。9.「トレイシーのブルース」は、ノリのいい演奏になりそうでありながらも、孤独感から抜けきれないところが何とも言えぬいい味を出していて、ある意味、本盤の特徴をよく表していると思う。



[収録曲]

1. Mellow Mood

3. April Played The Fiddle
4. Everything Happens To Me
5. On Green Dolphin Street
6. Why Do I Love You?
7. I Thought About You
8. Me And My Shadow
9. Tracy's Blues
10. You Call It Madness


[パーソネル・録音]

Dodo Marmarosa (p)
Richard Evans (b)


1961年5月9日~10日







ドド・マーマローサ/ドドズ・バック![CD]







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