音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2012年09月01日
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テーマ: Jazz(1974)
カテゴリ: ジャズ




 ある意味、レッド・ガーランド(Red Garland)らしからぬ盤である。レッド・ガーランドという人は、ピアノ演奏が(いい意味でも悪い意味でも)個性的なだけに、“ピアノの人”という印象が強い。けれども、本盤は二管のクインテット。しかも、トランペットにバリトン・サックス(レッド・ガーランドにとってバリトン・サックスが入りの編成はこの盤だけとのこと)という二管である。お得意のピアノ演奏をじっくり聴かせるというよりも、クインテットの演奏として見事な一枚、そんな印象なのが、本盤『レッズ・グッド・グルーヴ(Red’s Good Groove)』である。

 メンバーを見てみよう。レッド・ガーランドとフィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)はマイルス・デイヴィスのクインテットデの仲間。そのフィリー・ジョーとサム・ジョーンズ(ベース)はリヴァーサイドでのリズム背クッションの常連コンビ。そこにトランペットのブルー・ミッチェル、バリトン・サックスのペッパー・アダムスと、いずれもキャリアの頂点にいる、力量あるホーン奏者が加わっている。レギュラー・メンバーというわけではないが、その演奏は、まるでいつも一緒にやっている仲間の間での演奏であるかのように、一体感がある。

 レッド・ガーランド自作曲の表題曲1.「レッズ・グッド・グルーヴ」は、何ともいい感じのまったり感を持ったブルース・ナンバー。ジャケットの黒字に鮮烈な赤のイメージからすると、若干、拍子抜けするかもしれないが、ガーランドらしさがうまく発揮された1曲で、このおかげでついつい続きを聴きたくなってしまうという、不思議な効果が筆者にはある。

 これ以外で収録曲の中で特に目を引くのは、3.「ディス・タイム・ザ・ドリームズ・オン・ミー」、4.「テイク・ミー・イン・ユア・ドリームズ」と5.「エクセレント!」の3曲。3.は二管の参加とガーランドのピアノのよさが絶妙に絡み合い、本当に即席クインテットなのかと疑問に思うほど安定した流れが印象的。4.はアルバム全体の中ではやや奇抜な感じのするナンバーであるが、ここでもまたトランペットとバリトン・サックスの演奏と、リーダーのガーランドのピアノのバランス・絡み方、そしてその結果としての全体の安定感が絶妙によい。5.「エクセレント!」はバリトン・サックスのペッパー・アダムスのオリジナル曲で、彼のバリトンとブルー・ミッチェルのトランペットによるテーマが実にカッコいい。

 全体をまとめると、即席のクインテットというのが信じられないほどの安定感がある。ブローイング・セッションというよりは、レギュラーの演奏・安定感を聴いているといった気分にすらさせてくれる。リラックス感と、流れの中での緊張感の組み合わせは、各プレイヤーの絶頂期に、偶発的とはいえ、この組み合わせのセッションが実現したからということだろうか。



[収録曲]

1. Red's Good Groove
2. Love Is Here to Stay

4. Excellent!
5. Take Me in Your Arms
6. Falling in Love With Love


[パーソネル、録音]

Red Garland (p)
Blue Mitchell (tp)
Pepper Adams (bs)
Sam Jones (b)
Philly Joe Jones (ds)

1962年3月22日録音。






Red Garland レッドガーランド / Red's Good Groove 輸入盤 【CD】







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Last updated  2012年09月01日 22時58分54秒 コメントを書く


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