音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2012年09月16日
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テーマ: 洋楽(3408)
復活ヒット作の真価とは


 ビートルズのメンバーとして活躍し、解散後も2001年に58歳で亡くなるまでソロとしての名声を博したジョージ・ハリスン(George Harrison)。ソロ活動開始後の金字塔と言えば、多くの人が『オール・シングス・マスト・パス』(1970年)を思い浮かべることだろう。その後も好作を作り続けるが、一時は音楽業界と距離を置くようになっていく。そんな中、1980年代後半になってジェフ・リン(E.L.O.)の協力の下で制作され、大ヒットを記録したのが、この『クラウド・ナイン(Cloud Nine)』であった。

 その当時は“久々のヒット作”的な聴き方しかできていなかったように自分では思う。これをお読みの方の中にも“ああ、あの 「セット・オン・ユー」 の頃だね”というイメージを持つ向きもあるんじゃないだろうか。けれども、筆者自身の体験としては、年月が経つにつれてアルバム作品として聴けるようになったという、ちょっと変わった体験の盤である。そして、結論から言うと、“過去と現在”が交錯し見事に融合した快作だったと今では思っている。

 70年代にソロ活動を始めてからのジョージ・ハリスンの特徴は、ビートルズ時代からのインド楽器の使用などといった要素と同時に、“曲の情緒”というのが大きな役割を占めていた。 「マイ・スウィート・ロード」 「美しき人生(ホワット・イズ・ライフ)」 といった有名曲に代表される、どこか慈悲を感じさせるあの曲調である。ソロ活動を続けたジョージは、やがて80年代の曲がり角に来るころには、発表しようとしたアルバム(『想いは果てなく〜母なるイングランド』)が“暗過ぎてキャッチーでない”という理由から曲の差し替えまで要求されるはめに陥る。けれども、その“暗さ”(そしてその暗さの中にはしばしば“優しさ”や“慈悲”がある)は、実は70年代を通してジョージの最もいいところだったんではないだろうか。

 さて、本盤ではその情緒を捨て去ったのかと言えば、決してそうではなかったと筆者は感じている。一見、ポップでキャッチーな曲が多い。ヒット曲の11. 「セット・オン・ユー」 や7. 「デヴィルズ・レイディオ」 「FAB(ホエン・ウィー・ワズ・ファブ)」 や8.「サムプレイス・エルス」)のよさを再認識した。

 ちなみに参加メンバーも豪華で、その中にはビートルズの同僚リンゴ・スターがドラムス、エリック・クラプトンのギター参加、エルトン・ジョンもピアノで参加している。また、上記5.「ディス・イズ・ラヴ」のシングル・カットに際しては、B面曲録音のために有名ミュージシャンが集い、このレコーディングから新たなプロジェクトとしての トラヴェリング・ウィルベリーズ が誕生するという、大きすぎるおまけまでついた。




[収録曲]

1. Cloud 9
2. That's What It Takes
3. Fish On The Sand
4. Just for Today
5. This is Love
6. When We Was Fab
7. Devil's Radio

9. Wreck of the Hesperus
10. Breath Away from Heaven
11. Got My Mind Set on You

1987年リリース。





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Last updated  2021年04月28日 08時29分22秒
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