音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2014年07月22日
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前編 からの続き)

 さて、ジョニー・ウィンター・アンドという、一風変わった(初めて聞く人は、例外なく“アンド・何?”となるのではないだろうか)バンド名でのライヴ作品について、引き続き見ていくことにしたい。

 前項で述べたように、バンド・スタイルでの演奏だが、その編成は、ギター2本、ベース、ドラムという構成。メンバーの中で注目は、もう一人のギタリスト、リック・デリンジャー(「ロックンロール・フーチー・クー」の作者としても知られ、ウィンターとの共演の他、80年代にはプロデューサーとして アル・ヤンコヴィック を世に送り出してもいる)の参加。もちろん、ギターをメインで聴かせるのはジョニー本人だが、バンドとしての塊(敢えて“まとまり”というのではなく、一塊になっている感じ)が抜群の演奏を繰り広げている。ちなみに、ベースはランディ・ジョー・ホッブス、ドラムはボビー・コールドウェル(AORシンガーとは別人)である。

 もちろん、ジョニー・ウィンター自身のギター・プレイは、聴きどころ満載である。ブルース・ギタリストとしての真骨頂を示しているのは、B・B・キングの2.「イッツ・マイ・オウン・フォールト」で、本人自作曲の5.「ミーン・タウン・ブルース」とあわせればブルース・プレイヤーとしての彼の本領発揮ということになるのだろう。

 けれども、これら2曲で終わりにしてしまってはもったいないのが、この盤だと思う。冒頭の1.「リトル・スクール・ガール」のように、ロックのノリが強い(しかもそれがサニー・ボーイ・ウィリアムソンの曲!)中に、ジョニー・ウィンターのギターが生かされた演奏こそが、むしろアルバム作品としては聴きどころになっているようにすら感じる。その意味でのハイライトは、“ブルース的”な聴かせどころよりも、むしろ4.「ロックンロール・メドレー」のような部分だと言えるかもしれない。ロックバンドをやるのなら、誰しもがこのような一体感と個性の融合を試みたいと思うに違いない。その意味では、絶好の“教科書”的アルバムでもある。そんな風に考え出すと、ストーンズの3.「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」も、チャック・ベリーの6.「ジョニー・B・グッド」も聴き逃せない演奏という風になってくる。

 最後に、先週のジョニー・ウィンターの訃報についてあらためて振り返っておきたい。ツアー先のヨーロッパのホテル(スイスのチューリッヒ)で亡くなったとのことで、死因は今のところよくわからないのだけれど、70歳(それも近年は来日も含め比較的活発に活動していた)というのは、惜しむほかない。そう言えば、昨年亡くなったルー・リードも71歳と、ほぼ同じ世代だった。これからもこの世代のミュージシャンの訃報を時折耳にすることになるのかもしれないが、時代の移り変わりを再認識させるこうしたニュースには、何とも言えない寂しさが伴う。





[収録曲]

1. Good Morning Little School Girl
2. It's My Own Fault
3. Jumpin' Jack Flash
4. Rock And Roll Medley: 1) Great Balls Of Fire~2) Long Tall Sally~3) Whole Lotta Shakin' Goin' On
5. Mean Town Blues
6. Johnny B. Goode

1971年リリース







Johnny Winter ジョニーウィンター / Live 輸入盤 【CD】






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Last updated  2014年07月22日 06時43分45秒 コメントを書く
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