音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2015年08月05日
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 西海岸(ウェスト・コースト)ロックの名盤 『ホテル・カリフォルニア』 に続くイーグルス(Eagles)のアルバムは、2枚組作品として1978年に発売予定だったという。しかし、実際には、レコーディングが難航し、予定よりも1年遅れで、しかも内容は1枚組に縮小されて1979年にリリースされた。それが、結果としてはイーグルス解散前の最後のスタジオ作品となった(ライヴ盤としては解散前に 『イーグルス・ライヴ』 がある)本作『ロング・ラン(The Long Run)』である。

 本盤の全体的な印象を一語で言い表すならば、“貫禄”と言えるだろうか。ランディ・マイズナーの脱退→ティモシー・B・シュミット加入というベーシストの交代、上述のレコーディングの遅れ、何よりも前作を超えるレベルを求められるという暗黙のプレッシャー…。そんな中で制作されたことを考えると、やはり貫禄なのだろう。がむしゃらさよりも落ち着きや余裕、若さよりも円熟、そして、1曲1曲の完成度が高い。かくして、アルバムは全米チャートで8週にわたって1位となり、シングルとしても、6.「ハートエイク・トゥナイト」(全米1位)、1.「ロング・ラン」と2.「言い出せなくて(アイ・キャント・テル・ユー・ホワイ)」(ともに全米8位)と言うヒットを生み出した。

 皮肉なことに、この作品の完成度は、バンドが終焉へ向かっていたことともリンクしていたように思う。既にメンバーはこのレコーディングの段階で限界を感じ始めていたとも言われる。おそらくはその理由から、曲ごとの“個”の存在感が以前よりも増しているというのも事実だろう。

 聴きどころとなる曲をいくつか最後に挙げておきたい。1.「ロング・ラン」は表題曲でシングル・カットもされた。ドン・ヘンリーのヴォーカルとジョー・ウォルシュのスライド・ギターが印象的なナンバーである。2.「言い出せなくて」もシングル発売されたが、新メンバーとなったティモシーのヴォーカルが注目点。3.「イン・ザ・シティ」はジョー・ウォルシュらしさがよく出ている好曲。5.「ハリウッドよ永遠に(キング・オブ・ハリウッド)」は、イーグルスらしい陰を湛えた曲調が印象的。6.「ハートエイク・トゥナイト」は、上にも書いたとおり、言わずと知れたヒット・ナンバー。ラストを飾る9.「サッド・カフェ」は密かな名曲なので聴き逃せない。バンドのロード・マネージャーに捧げた曲で、デビュー前の夢見る時代を回顧した内容。これもやがてバンドが終わりを迎えることをにおわせるナンバーだったのかもしれない。なお、この曲では、サックス奏者のデヴィッド・サンボーンがゲスト参加している。




[収録曲]

1. The Long Run

3. In the City
4. The Disco Strangler
5. King of Hollywood
6. Heartache Tonight
7. Those Shoes
8. Teenage Jail
9. The Greeks Don't Want No Freaks
10. The Sad Café

1979年リリース。






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Last updated  2015年08月05日 06時06分09秒 コメントを書く
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