BLUE ODYSSEY
1
とたんに睡魔が猛烈に襲って来た。ああ、なんというふとんの心地の良さだ。もう抵抗できない。清潔なふとんのシーツのにおいが、安心感を与えてくれた……、「……………………。」「……………………。」「……………………。」私は寝て、起きた。しばらく寝たままのかっこうでまどろむ。どうやらさっきまで”夢”を見ていたようだ。あの”女の子”の夢だった。女の子が出て来て、私はソファーに腰掛けていて………見ていたのは確かだが、夢の内容がはっきりとは思い出せない。私は女の子と喋っていた。なんだかずっと以前から私はその女の子と暮らしていた気がした。そして夢の中で普通に女の子と日常の会話をしていた。”食事がどうのこうの”と。女の子は”私がいつも食卓に来るのが遅い”とか、そんなことを言っていた気がする。私は黒い大きなソファーに座っていた。女の子がそこにやって来て、何か文句のようなことを言った。女の子はすぐそばまで来て、私の耳元に何かささやく。そして、向こうに行って、台所で食事を用意して、また戻って来て。そんなことを繰り返す。……と、言うような、なんでもない日常風景だった。平和だった頃の。女の子といろいろなことを会話したんだけど、会話内容は思い出せないなあ?何の会話をしてたかなあ?その後、私は覚醒した。はっきりと目を覚ました。見ると、目の前のクッションには女の子の姿がなかった。「はて?」どこに行ったのだろうか?部屋から出たか?私はすぐにその部屋を出て、通路を見てみる。しかしそこには女の子の姿は無かった。そこでこの近くにある洗面所に行く。それは3階のロフト上にもある。でも、いなかった。私はまず女の子の姿を確認しに行くことにした。とても気になったから。まず女の子の無事な姿を確認しておかないと気が落ち着かない。すぐに探しに行く。2階部分を見て歩く。でもまったく気配がない。2階はシーンとしている。物音が無い。おかしいなあ?私はだんだんと気になりだした。どこへ行ったんだろうか?まさか”建物の外に出た”ってことはないよなあ?1階におりた。あの中央通路の吹き抜け部分に行く。ここからだと2階部分も少し見えている。そこで1階をメインに2階にも気をやりながら探索する。どこだろう?広い館内を探して回る。いない。どうしていないんだ?いない、いない、いない。いったいどこに行ったんだ?……すると、ある衣類専門店の前に来た時、その店内で何か動いた気がした。小さな黒髪の頭部が見えた。「あ?」女の子が店内でふく見ていた。何点か服を取ってはいろいろ見ていた。良かった。女の子は無事だ。まったく、こんな状況でなければなあ……、とにかくひどく心配してしまった。女の子は熱心に服を見ていた。私は遠巻きにその様子を見る。なんだかおもしろい。
2013/08/05
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