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・読んだ時、私は自分が言いたくてもうまく表現できなかったことを実に的確に文章化されていることを嬉しく、有り難く思った。スポーツを介して国際平和を築くことを私たちは願っているのであり、他の特定の国に対する憎しみをスポーツという手段によってぶつけるというやり方はどう見てもおそろしい。(女性、年齢不詳)
・星野さんの評は、よく掘り下げ、日本人の深層心理を読んだもので、溜飲を下げた。冷静に見ている人もいるのだと。(男性、60代)
・どこの国にも過激でナショナリスティックな国民感情がある。WBC時についてもそうだった。だからといってわれわれ日本人にもその権利があるというのは誤りである。とりわけ野球先進国という地位から行動は「紳士的」であるべきだ。(男性、年齢不詳)
・イチロー選手の言動も、それを称える日本の世論も、ただ自分たちが勝って優越感が満たされたことに酔っているだけで、いびつな運営で不利益をこうむった隣国への気遣いの言葉もなく、偏狭なナショナリズムに燃え上がって、心の狭さをあらわにしたようだった。(性別、年齢とも不詳)
*発言はいずれも抜粋であり、語尾を省くなどしています。
今月(4月のこと)3日の本欄で、作家星野智幸さんの寄稿「差別はなかったか WBCがまとう暗いナショナリズム」を掲載したところ、10日間で反対の意見を17件、賛成の意見を13件いただきました。ナショナリズムに対する関心の高さがうかがわれます。メールやファクスなどで届いたご意見を整理しながら、担当記者として考えたことをお伝えします。
反対の理由として寄せられたのは、まず「イチロー選手は差別主義者ではない」「発言はスポーツの世界のことだ」という意見。この点については、星野さんの寄稿をもう一度読んでいただければと思います。 その主眼はイチロー選手個人への非難ではなく、スポーツの世界の問題を通じて今の日本社会の在り方を問う点にある と思うからです。
「ナショナリズムなら韓国の方がひどい」「韓国が好きなら韓国へ行け」という趣旨の意見もありました。これについて、星野さんは「私は韓国のナショナリズムに責任を負う立場にない」「私が責任を負っているのは、日本という国家に対してである。だから、日本のナショナリズムを批判する」(自身のブログより)との立場です。
記者も同感です。 日本という国の責任ある一員であろうと思うからこそ、現状に意見を持ち、時に批判する。それが排除されてしまっては、自由で民主的な社会は成り立ちません。
「売国奴」などといった言葉、あるいは差別的な言葉を用いた投書もあったのは残念です。自分と意見や立場の違う人たちを差別的に排除する傾向は、近年、強まっています。星野さんが書いた「他人を貶めることで自我を強固にしたいという、攻撃欲が含まれていないか」という指摘を読み返したいものです。
さて、星野さんに賛成の意見を寄せた一人は「最近は知人などの間でも、私のような考えをうっかり口にすると総攻撃を受ける」と書いていました。
折しも教育基本法に「愛国心」を盛り込もうとするなど、権力を持つ人たちの側から、国民すべてを同じ方向に向かせようとする動きも感じます。日本が異論を封じ込める圧政の国にならないためにも、新聞を通じて多様な意見を届けられるよう努めたい。多くのご意見を拝見しながら、あらためてその思いを強くしました。
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