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明日はどこの市が豪雨の海に沈められるのか。次はどこの町でクマが人を襲うのか。そこへ重なる地震、酷暑、山火事、季節外れの感染症。天から地から未経験の災厄がいのちを脅かす。
トランプ米大統領は今日もデタラメを言い散らし世界秩序を破壊する。ウクライナや中東の戦火はやまず、玉突きで日本の防衛費は増え、食料や原材料、エネルギー資源の価格は上がり、海の向こうからくらしを圧迫する。
ところが国内政治のニュースが伝えるのは、自壊を繰り返す野党の体たらくと、大半が留任らしい内閣改造・自民党役員人事で、高市早苗首相が麻生太郎党副総裁にペコペコしている姿だ。
首相は連日X(ツイッター)で一方的に発信する。内容は公邸でゴキブリにおびえたり、「皇室典範改正で女性天皇の道は閉ざされない」と言い訳したり・・・。
来年度予算概算要求で内閣広報室経費は、今年度の7億円から72億円へ10倍増となっている。
空騒ぎの楽屋裏で、食料品の消費税減税を柱とする来年度税制大綱は淡々と決まっていく。財源もひずみへの手当ても税率の戻し方も決まらないのに、減税することだけは決まっていく。
今週の自民党の会議でも異論は出たが素通りされた。説明も議論も手続きも省いて「決まっていく政治」が、「SNS政治」「推し活政治」の流儀らしい。
消費税減税がなぜ邪道か。反対派の一人、稲田朋美元防衛相が10日発売の「文芸春秋」10月号で語る通り論点は出そろっている。
さらに大きな視野で減税の非を説く論客がいる。党税調副会長ながら小野寺五典会長に反対の意見書を出した古川禎久元法相。
「いくつもの危機が連鎖し、非常事態が長期化、複合化、日常化した時代をどう生き抜くか。危機が終わるのを待つのでなく、続いても暮らせる国をつくるには何をすべきかと訴えたい」
世界は長い「秩序の空白期」に入った。 カネさえ出せば買えた食料や資源は政治力に従って配分される。安さや効率だけ追うのでなく、別の危機に生き残れる余力を保つ国でなければならない。
物価を減税で抑えれば財政が傷む。財政が市場の信認を失えば円は売られる。円を守れば金利が上がる。円・金利・物価の三すくみ状態は構造化している。
「防衛費を増やすだけでは国は守れない。円を守り、命とくらしと尊厳を守る財政が必要だ」
気がかりは、非常事態の日常化という危機概念が、旧枢軸国を連想させる点か。
(専門編集委員)
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