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<本吉真希記者>
道徳はこれまで「教科外の活動」の位置づけで、成績評価の対象外でした。安倍晋三政権はこれを「特別の教科」に”格上げ”し、評価の対象に。通知表には1学期から、記述式の道徳の評価欄が加わった小学校もあります。
教職員や保護者が語り合う「教育のつどい」(8月)の分科会では、教育現場の困惑が出されました。
◆校長にいわれて
クラス15人の担任をする香川県の男性教諭(28)は1学期末、評価を書くことに苦悩しました。校長にいわれて購入した道徳の通知表文例集を参考にしました。しかし校長と教頭の決裁が下りず、2度の書き直しで深夜までかかりました。
「何をどう書けばいいか悩んだ。 学習した題材を引いて『○○ができるようになりました』というのが果たして道徳なのか。 疑問と矛盾だらけでした」。学期末は水泳の記録会などもあり、いつも以上に多忙です。そのような状況で、ほとんどの教員が書き直しをさせられたといいます。
文部科学省は、各学年の子どもに身につけてほしいとする19~22の内容項目=徳目を明示。項目には「規則の尊重」「国や郷土を愛する態度」「家族愛」「畏敬の念」などがあります。
教科書の題材は、これらの項目に合うように設問が作られています。中には別冊のノートがつき、教科書の内容に沿った設問が並びます。それらの設問通りに授業を進めると、 個人を犠牲にして国家や共同体に尽くすなどの考え方を押しつける危険性 があります。
教育委員会が別冊のノートの使用を決めた地域もあります。福岡県の女性教諭(47)は、ノートの使用は道徳科にとりくんだ証拠と見なされ、「その脅迫感から、ノートを子どもたちに使わせる授業になってしまう」という同僚の声を紹介。
ノートへの記入が増え、文章表現が苦手な子は「道徳が嫌いになった」といいました。「評価のためだけに書かせるノートのあり方や指導方法は、あまりにも安易すぎないか。 子どもたちが本音で発言できる授業をつくっていきたい 」
◆保護者も反対を
埼玉県で昨春発足した「子どもだちと共に楽しい道徳の授業をつくる会」の貝田久事務局長(69)=元小学校教員=は指摘します。
「 道徳の評価は内心の自由の侵害であり、教育現場を苦しめている。 教員が評価にかける手間と労力を子どもとの対話に向けられたら、どんなに子どもはうれしく、励まされ、成長するか。 評価は心の支配につながっていくもの。保護者も反対の声を上げてほしい 」
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