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2021年01月04日
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テーマ: ニュース(96852)
カテゴリ: ニュース
安倍晋三議員が山口県の有権者を東京に招待して一流ホテルで宴会を開き、参加者からは形ばかりの「会費」を集めたが不足分を安倍事務所の金庫から補填して、そのことを政治資金報告書に記載せずに誤魔化していた問題について、「安倍不起訴」を決めた東京地検を、刑法の専門家で立命館大学教授の松宮孝明氏が、12月24日の毎日新聞Web版で、次のように批判している;



【古川宗/統合デジタル取材センター】


◎「高いハードル」立件してこなかっただけ

――今回の東京地検の判断をどう考えますか。

 ◆まず、告発されていた2つの容疑のうち、収支報告書に記載しなかったという政治資金規正法違反だけの立件になったことに疑問を感じます。公選法は選挙人らへの供応接待や寄付を禁じており、その意味で安倍氏を立件できたと思うからです。

前夜祭に招かれていた人の多くは安倍氏の後援会員であり、安倍氏の地盤培養行為に当たる のは明らかです。前夜祭が行われた時期が選挙間近ではないため、公選法が禁じる「買収」には当たらないという見方がありますが、実は、選挙が直近かどうかは本質的な問題ではないのです。安倍氏側から「支援をしてほしい」という意味で利益供与があれば、公選法違反になる可能性が高いはずで、これを不問に付してしまうのは許されないと思います。


――公選法については、受け取った側に利益を受けた認識が必要など、立件のハードルが高いと言われます。

 ◆検察側が慣例的に今まで適用してこなかったから、「ハードルが高い」と言っているだけだと考えます。前夜祭に参加したのは、後援会員であり、明らかに会費を超える豪華な会食だったのですから接待を受けているという認識はあったと思います。ましてや、 政党の後援会ではなく、安倍前首相個人の地元の後援会ですから、誰に投票するのかは明白 でしょう。検察がこれまで立件してこなかっただけで、検察の起訴基準などは公選法の条文には書かれていません。


◎起訴して正式な裁判を求めるべきだった

――政治資金規正法違反で秘書だけを略式起訴しましたが、妥当でしょうか。

 ◆そこも問題だと思います。1992年に東京佐川急便側からの5億円裏献金事件で、金丸信・元自民党副総裁について、検察は略式起訴で済ませ、世論の大きな批判を浴びました。

 今回は、安倍氏側が開催費約700万円を補填(ほてん)し、前夜祭の収支計約3000万円を記載していなかったようですが、これほど高額なのに略式起訴にしているのは解せません。略式起訴ならば正式な裁判が開かれず、実態が解明されません。

 そもそも、安倍氏本人への捜査をきっちり行ったのかも疑問です。任意で事情聴取すれば捜査を尽くしたと言えるのでしょうか。安倍氏は「補填について知らなかった」と述べているようですが、本当にその通りなのか。 補填の原資も分からないですし、どういう会計処理をされて出てきたお金かも解明が必要 です。強制捜査をして正式裁判を求め、法廷で全容を解明すべきだったと思います。


――安倍氏は国会で説明する予定になっています。

 ◆政治資金の管理責任の問題があり、これまでの答弁との整合性も問われているわけで、当然国会できちんと説明しないといけないでしょう。 補填の事実を知らなかったとしても、政治家としての資質が問われるわけで、その責任は免れません。 政治家として、自らの政治資金の管理に不正があったことや自身が補填を知らなかったことに対して合理的な説明ができるかどうかが焦点になります。


◎うそついた「前科」、証人喚問を

――野党は、虚偽の答弁をすれば偽証罪に問われる証人喚問を求めていました。

 ◆前夜祭について、衆院調査局によると、安倍氏が首相のときに事実と異なる国会答弁を118回していたという報道がありました。いわば、 安倍前首相は、118回うそをついたという「前科」があるわけです。 うそをついたら罰せられる証人喚問を行わなければ意味がないのは常識的なところでしょう。自民党側も証人喚問をしたくないなら、その理由を説明しなければなりません。


――菅義偉首相の責任はどうでしょうか。

 ◆2つの責任があります。1つは官房長官時代、安倍氏を擁護し、うそにお墨付きを与えていました。うそに気づいていたか否かに関わらず、調べなかった責任があります。もう1つは、菅首相は現在、自民党の総裁でもあるので、総裁としての責任があるわけです。自民党が証人喚問を拒んだことや、安倍氏という所属議員に対しての監督責任についても、しっかり説明をすべきだと思います。


◎桜問題を「年越し」させるべきだ

――政府や自民党は桜を見る会について、年内で幕引きを図ろうという意図が透けて見えます。

 ◆この桜を見る会について最も大事なことは、この問題を年越しさせることです。桜を見る会自体についても、招待者の全容が分からないなど、解明しなければならない点があります。年内で終わりになんてできるわけがない。野党やメディアは新年最初の課題にして、 前夜祭に対する政府と自民党の対応責任 を問うべきです。年が明けて新年になった途端に、「昨年のことだから」と忘れ去られてしまうような雰囲気にしてはいけないと思います。


<まつみや・たかあき> 1958年生まれ。立命館大法務研究科教授。京都大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学(博士)。専門は刑事法学。南山大専任講師、立命館大助教授などを経て2004年から現職。著書に「『共謀罪』を問う 法の解釈・運用をめぐる問題点」など。


2020年12月24日 毎日新聞Web版 「安倍氏不起訴「公選法違反の不問は許されぬ」 任命拒否された松宮孝明教授」から引用

 この記事で松宮氏が指摘する通り、誤魔化した金額が1億円以下だから不起訴などというルールが法律に書かれているわけではありませんから、検察がやる気を出せば「安倍議員起訴」も十分あり得る話で、総理大臣の座にありながら118回も虚偽答弁を重ねたという道義的責任の観点からも、この問題は徹底究明する必要があると思います。





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最終更新日  2021年01月04日 01時00分05秒


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