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2021年04月09日
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テーマ: 本日の1冊(3755)
カテゴリ: 読書
日中戦争に従軍した兵士の日記を書籍にまとめた小林太郎著、笠原十九司・吉田裕編「中国戦線、ある日本人兵士の日記」について、東京大学准教授の岡田泰平氏が4日の「しんぶん赤旗」に、次のような書評を書いている;



 戦争なき現在の日本の読者にとって、著者の叙述は驚きに薦ちたものであろう。過剰な暴力が、食や自然描写といった日常に並置される。例えば、南京戦後の叙述では、「農園で宿のかざりにするため花をもらって来る。地雷に他の隊のものかゝり7名手も足もぱらぱら。可愛そうに」という具合である。



 もう一つの驚きは、死についての叙述の多さと生々しさである。日本人戦友の場合、死に至る経緯が示され、著者の心情が描かれる。その反面、中国人は「弥(にい)」や「豚」とやゆされ、殺害や処刑の場面が淡々と書かれる。例外は、中国人の抵抗があらわになる場合である。村民の一人が日本軍に抵抗し殺される。「可愛さう」だが「北支平和の尊い礎」との感想か加えられる。敵味方を越えた武威が称揚されている。

 こうした中、1938年8月に著者は急性大腸炎にかかり、入院を余儀なくされる。当然、武威の称揚は保てない。その代わりに痛みや辛さ、病からの回復、映画や慰問、日本へのノスタルジーが読者を引きつける。

 読後感としては、この日記では敵味方に対する価値判断が明らかであり、敵に対する仮借なき暴力は徹底的に正当化される。いわぱテレビ・ゲームのようでもある。この叙述に対して、編者の大変に詳しい解説は、著者(小林氏)の世界観が一人歩きしないためにも必要であろう。ただ、解説により読み方が限定されてしまうのは好ましくなく、1度目は著者の叙述のみを読み、2度目に解説を精読することを勧めたい。最後の驚きは、 この著者がここまでの暴力を振るいつつ、全く裁きを受けず、戦後は教育者として生きてきたこと である。 戦後日本社会の闇の深さを感じる。

評者 岡田泰平 東京大学准教授
小林太郎著、笠原十九司・吉田裕編「中国戦線、ある日本人兵士の日記」(新日本出版社)3600円



2021年4月4日 「しんぶん赤旗」 9ページ 「読書-自分語りから垣間見る戦場心理」から引用

 戦争に動員された日本人が中国で何を考え何をしたのかが赤裸々に記述された興味深い本で、通常の歴史の本とは異なる角度から歴史を実感します。ここまでの暴力を振るいながら全く裁きを受けずに、戦後は教育の仕事に従事したとのことですが、そういう事例は多かったのではないかと思います。私の伯父は2回、中国戦線に赴き3回目は国内の駐屯地で初年兵教育に従事しているときに終戦になったと言ってました。これからの日本は戦争はしないほうがいいと思います。国の交戦権を認めない現憲法を守るのが得策です。





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最終更新日  2021年04月09日 01時00分05秒


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