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雅子さんが開示請求をしたのは2年以上も前の2019年9月だ。人事院は同年12月、約70ページの文書を「開示」したが、大部分を具体的な理由を示さず黒塗り(つまり不開示)にした。これに対し雅子さんが審査請求を行い、総務省の情報公開に関する審査会が今年9月「不開示は違法」と結論づけたため、人事院は黒塗り部分の開示に応じたのだ。
問題は、そもそもなぜ人事院は19年当時大部分を不開示にしたのかだ。不開示の理由がないことは人事院も十分承知していただろう。 それでも不開示にした背景には当時の安倍官邸との関係が疑われる。人事院側か忖度(そんたく)したのか、官邸から指示されたのか・・・。
人事院は3人の人事官(うち一人が総裁)からなる合議制の独立機関だ。内閣の所轄の下にあるが、内閣の指揮命令は受けない。それは人事行政の政治的中立性を確保するためだ。しかし 人事院が独立性や中立性を失っていることは、20年2月に人事院が国家公務員法の解釈を曲げ、黒川東京高検検事長(当時)の勤務延長を認めた時に露呈した。 今回の文書開示の経緯も、近年の人事院の堕落を示す一事例と言えるだろう。
(現代教育行政研究会代表)
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