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高市早苗首相も想定外だろう。でないと、予算の25年度内早期成立へ国民民主党の協力を約束させた合意書は、だますつもりで交わしていたことになる。 年明け解散を狙っていたなら、国会召集日が遅すぎる。つまり、年末年始に思いついたに違いない。
なぜ。国会恐怖症である。国民民主が連立入りを渋り、予算以外の法案成立に自信がない。その前に予算委員会が怖いのだ。
周辺によると、 高市氏は台湾有事の存立危機事態発言を「失敗した」と悔やんでいた。野党の衆院予算委員長が「自分にばかり答弁させる」と不満だった。率直な物言いは好評でも、中身はスキだらけ。自分でも不安らしい。
まして発足3カ月の政権はスキャンダルが目白押しだ。週刊誌報道で、高市氏や閣僚に政治とカネの疑惑が続々浮上。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の政界工作を赤裸々に記した内部文書が、韓国の同教団への捜査で発覚した。高市氏の名も登場する。
首相官邸の安全保障担当者による「核保有」発言、連立を組む日本維新の会で露見した国民健康保険料逃れも容易に収まる問題ではない。どれも予算委員会が紛糾するのは必至だった。
全部まとめて吹っ飛ばしてやれ。正月休みにつらつら考え、そう腹をくくっても不思議でない。
高い内閣支持率を背に与党の過半数回復を狙った解散と言えば勇ましいが、 実情は早くも行き詰まった局面を打開する破れかぶれの一手だとすれば、これほど身勝手な権力乱用はない。
先例はある。高市氏が政治手法をことごとくまねる安倍晋三元首相だ。 17年の通常国会は森友・加計学園問題で炎上。閉会後、野党は憲法53条に基づき臨時国会を要求したが、追及を恐れる安倍氏は無視。約3カ月後、やっと召集した国会冒頭で衆院を解散し、疑惑をチャラにしようとした。
その3日前、記者会見した安倍氏の取って付けた解散理由。「少子高齢化と北朝鮮の脅威、二つの国難を国民と突破するため信を問う」。意味が分からない。
小池百合子氏が新党「希望の党」を結成。民進党が合流し、一時は自民党下野の勢いだったが、小池氏の失言で失速。自民圧勝で安倍政権はさらに3年続いた。
今また野党の新党結成で既視感ある光景が再演されている。すると、自民勝利で高市長期政権へ?
勘弁してくれ。
(専門編集委員)
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