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2023年12月の報道で、市長が教育勅語を引用した職員研修を12年間も行い、マスコミも職員からも批判が無かったことを知り愕然とした。
被爆者、弁護士、ジャーナリスト、宗教者、教職員、労働者などを含む団体や市民が、教育勅語は「衆参両議院で排除失効決議され日本国憲法と教育基本法に矛盾する」「象徴天皇制、政教分離、憲法尊重擁護義務と矛盾する」から肯定引用することは許されないと厳しく市長を批判した。
当会は2020年から2023年までの市長の研修講話録画を情報公開で入手した。その間毎年「教育勅語には今でも大事にすべき様々な教えが入っている」「今でも通用する民主主義の基本的な概念を述べている」「とても民主主義的でいいことを言っている」「教育勅語は民主主義の先端をいく」等を確認した。
2024年度松井市長は「民主主義」とは言わなくなったが、まだ「大事で意味がある」と言う。そこで、当会は教育勅語で民主主義を否定する教育が行われていたことを証明するために、当時の文部省の教師用解説書である『勅語衍義』を援用した。例えば「夫婦相和し」は「国の安定のために家が不和であってはいけない」「夫は妻を可愛がって妻の歓心を得、妻は夫の意思に反してはいけない」などと書き、最終的には「天皇の為に命を捨てよ」と天皇制国家主義を強制し民主主義ではないことを質問状で追及した。
2025年には要請書を賛同者597名、賛同団体70団体の署名とともに市長に提出。この年は「教育勅語には大事なことが書いてあるという意見を受け止める」と曖昧に教育勅語を肯定した後、「憲法と原爆のない真の平和をめざす広島の心は軌を一にする」と述べ、ヒロシマの市長が戦争推進の元凶であった教育勅語を抱きしめて放そうとしない自己矛盾した姿を市民に見せることになった。
同年9月24日に当会は広島市議会にオンライン署名22,838筆と共に「請願」を提出し、「教育勅語引用研修をしないことを求めるハガキやメールを送ってください」との呼びかけを全国に拡散した。広島市によると、231通のハガキやメールが連日のように市長に届いていた。
私たちは、松井市長が教育勅語引用研修をやめたことは歓迎する。が、市政記者会見で、教育勅語を止めるのはマスコミや市民が「政争の具」にし、「揚げ足を取る」からだと、マスコミや市民を敵視する発言をした市長の姿勢は、市民による地方自治への参加、つまり主権者による民主主義の実践そのものを否定し、市長の資質を批判されるべきものである。今後、松井市長には主権者である市民の声を受け止め、真摯に対応する市政を運営されることを望みたい。
(きしなおと)
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