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官民の双方で、投資判断やリスク管理のどこに問題があって、誰が責任を負うべきなのか、厳しく検証しなければならない。
アニメや食文化などの海外展開を後押しする「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」は、2025年度決算で多額の赤字を出し、累積赤字が540億円に上る深刻な事態に陥った。
もともと経営難で立て直しを進めている中で、リスクが高い日本発の次世代繊維事業に約140億円を出資し、巨額の損失が生じたのが致命傷になった。
このファンドでは、経営目標の未達が3度目となった。経済産業省は近く有識者会議を設置し、統廃合を検討する。官民双方の関係者が、なぜ赤字の膨張を防げなかったのか掘り下げるべきだ。
官民ファンドは、政府が13年に策定した「日本再興戦略」の下で、各省庁の傘下に数多く設立された。民間が担うのは難しいリスクマネーを供給し、民間の投資を促す狙いがあった。
だが、農林水産省傘下のファンドが行き詰まり、25年度末の廃止時に213億円の累積赤字を計上した。国土交通省傘下でインフラ輸出を担うファンドも、23年度に赤字が約950億円に膨らみ、再建計画の策定に追い込まれた。
度重なる失敗の背景には、無責任体質になりやすい官民ファンドの構造があるのではないか。
所管官庁はリスク点検が甘いまま設立に走るほか、ファンド側はリスクが高くとも拙速に成果を得ようとしがちと指摘される。
クールジャパンも同じ轍(てつ)を踏んだと言わざるを得ない。日本のアニメを配信するために作った会社は、米動画配信大手のネットフリッグスなどとの競争に敗れた。
マレーシアに出店した日本ブランドを扱う大型商業施設は、現地の物価を無視した高すぎる価格設定か受け入れられず撤退した。
エンターテインメントや生活分野は、市場動向を見通すのが難しい分野ということだろう。
一連の失敗例は、高市政権が40年度までに官民で17分野に370兆円超を投資する計画において重い教訓になる。官民のリスク管理の難しさを示すものだからだ。
官民ファンドを遥(はる)かに上回る規模であるだけに、責任の所在やリスク管理の徹底、事業が不振に陥った場合の撤退ルールなどを明確にしておくことが不可欠だ。
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