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唯一無二の文化財を守る心意気と、中央を赤く染めたポリエステルの白い布と、どちらに誇りの拠り所を求めるかは、究極的に、国家の成熟度の問題ではないだろうか。
このたび国旗損壊罪創設で掲げられた、「著しく不快または嫌悪の情を催させる」損壊行為から「国旗を大切に思う国民感情」を守るという理由付けは、中東イスラム世界で育った私には、国民の信仰心を悪用し、「市民の羞恥心を傷つけた」などと言いがかりをつけては表現の自由を抑圧する権威主義的政治体制の常套手段を想起させる。
差別や格差社会の横暴から、弱者や少数派を含め全ての人の尊厳を守る理念が共有され、商業価値を超越する文化を大切にする成熟社会は、一握りの人のジェスチャーから大勢の愛国感情を守る必要に迫られたりしないと思う。
(文筆家)
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