2017/06/28
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米中戦争は不可避か? 歴史の教訓を探る
= The Wall Street Journal_Column_By Andrew Browne 2017 年 6 月 21 日―筆者のアンドリュー・ブラウンはWSJ中国担当コラムニスト =「トゥキディデスの罠」めぐり専門家の間で論争 =
※2015年、オバマ大統領がアメリカで開催された米中二国間の首脳会談にて、南シナ海などで急速な軍拡を進める中国の習近平国家主席との話で「一線を越えてしまった場合はもはや後戻りをすることは困難になる」という牽制の意味で「トゥキディデスの罠」を引用している。



【上海】2人の熱烈なナショナリスト、すなわち中国の習近平国家主席と米国のドナルド・トランプ大統領が現在、両国で権力の座にある。 それぞれの国を再び偉大にするとの使命のため、一方は「中国の夢」、もう一方は「米国第一」を追求している。 2人は互いを、自らの野心を実現する上での主要な障害とみている。 つまり、彼らはゼロサム・ゲームにはまっているのだ。

北朝鮮問題をめぐる米中のたどたどしい協力が、南シナ海の領有権などさまざまな問題をめぐる両国間の深刻な摩擦を覆い隠している。 果たして米中は戦争に向かっているのか? 米中戦争の可能性を占う書籍が次々と発刊されていることもあり、中国問題専門家の間では最近、これがホットな話題になっている。

ハーバード大学のグレアム・アリソン教授は楽観的ではない。 アリソン氏は、台頭する勢力が既存の支配勢力に挑戦しようとする時に紛争のリスクが高まると説いた「トゥキディデスの罠」という言葉を広めた。 同氏は、過去500年間に生じた同様の対立16件のうち12件が戦争になったと分析。 その中には、ドイツが英国に挑み、第1次大戦に発展したケースである。 また、第二次世界大戦前の大日本帝国が満州を基盤に中国大陸に浸食した状況も・・・・・。

アリソン氏は不吉な題名の新著「Destined for War: Can America and China Escape Thucydides’s Trap?(戦争になる運命:米中はトゥキディデスの罠から逃れられるか?)」で、貿易問題や南シナ海問題、サイバー空間をめぐる米中の対立がいかにして制御不能になるかを論じた。 「米国と中国の兵士が互いを殺し合うシナリオに発展するのは恐ろしいほど簡単だ」としている。

一方、中国史を専門とするペンシルベニア大学のアーサー・ウォルドロン教授(歴史学)は、米中戦争は決して運命付けられてはいないとし、アリソン氏の主張はナンセンスだと反論した。 ウォルドロン氏は、古代の歴史家トゥキディデスの著述を深く掘り下げると、覇権を握るスパルタは好戦的だったが、新興のアテネとの対立を回避しようと妥協案を提示したこともあったと指摘し、「トゥキディデスの罠」は間違った考えだと断じている。



両氏は基本的に、中国の台頭に関する予測について意見を異にしている。 つまり、中国が第2次大戦後の平和を維持してきた米国主導の秩序にどの程度挑戦するのか見解が一致していないのだ。

アリソン氏は、中国の富と力が増大し続けている統計に注目する。 一方のウォルドロン氏は、中国の深刻な弱点を示す統計について詳しく分析する。 同氏は、慢性的な水不足やエネルギーの浪費に言及している。 企業債務の憂慮すべき急増や、社会の高齢化を指摘する向きもある。

中国はほとんどの都市で大気汚染がひどく、富裕層が国外脱出しているのもうなずける。 一方、同じ都市でシェア自転車の起業が相次ぎ、色とりどりの自転車が通りを席巻している。 中国は窒息死に向かっている、中国は活気に満ちあふれている、どちらも正しいのだ。 米国にとっての課題は、こうした矛盾を理解した上で、全面降伏と無謀な好戦的姿勢の極論を排し、政策の舵を取ることである。

オバマ前政権は臆病だった。 中国政府はその機会に乗じ、南シナ海を中国の湖に変え始めた。 他方、警告を発するも、トランプ政権の中国政策は、北朝鮮のせいで保留状態となっている。

トランプ氏は、中国が北朝鮮に核開発停止の圧力を掛けることを期待し、大統領選中に打ち出していた反中国的な言動を引っ込めた。 習氏が北朝鮮の核プログラムを停止させられなかったり、その意志がない場合、米中の一時休戦はたちまち崩れる恐れがある。 実際、そうなりそうだ。



北朝鮮から解放の米大学生オットー・ワームビア氏(22)の死去で、「残忍な政権」とトランプ大統領が北朝鮮を非難する一方でトランプ米大統領は20日、中国は北朝鮮に核開発を放棄させるため、働きかけを行っているものの、これまでのところ失敗に終わっていると「北朝鮮問題で習近平国家主席と中国の取り組みを高く評価するが、結果は見えていない。 少なくとも努力は認めよう」との見方を示した。

米国内では対中強硬路線を求める声は強い。 オットー・ワームビア事件が導火線となり、米外交問題評議会のエリー・ラトナー上級研究員は先週、中国と周辺国が領有権を争っている南シナ海の島嶼に米軍を駐留させるべきだと提言した。ホワイトハウスがこの扇動的な提言を受け入れるかどうかはさておき、中国による北朝鮮への働き掛けに対する期待が幻滅に変われば、貿易から台湾に至るまで、トランプ氏の反中姿勢は復活するとみられる。

中国の意図については疑問の余地はほとんどない。 ジャーナリストのハワード・フレンチ氏は、学究的な著書「Everything Under the Heavens: How the Past Helps Shape China’s Push for Global Power」で、中国は東アジアで再び頂点に就きたがっていると指摘した。 習氏は2年前の演説で、「いわゆるトゥキディデスの罠のようなものはない」と強調。 しかし、「そうした罠を作る可能性がある大国」による戦略的な計算ミスについては警告した。

今後数年間は非常に危険な状態になるだろう。 紛争が起きるリスクは簡単には否定できない。 ただ、ウォルドロン氏は、中国の指導者は意図せざる紛争については、エスカレートさせて自国を破壊するような危険は冒さず、即座に抑え込むと確信している。 「中国の指導者は何だかんだ言っても愚かではない」



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。   くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2017/06/28 06:00:08 AM
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