2020/10/29
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【 虎子/ココの誇顧/ココ; 彷徨癖者・如水が愛犬のココ(ボクサー犬)の悲嘆・感嘆 / 10月29日  】
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​ 世界が騒いだ中国・三峡ダムが「決壊し得ない」理由 =その2/4=​
= NewsWeek_Column 2020年10月24日  譚璐美(たん・ろみ、ノンフィクション作家)


「コンクリートダムの決壊というのは、基礎岩盤が脆弱だったり、地震や水圧で河床部が変形したり、岩盤との接合部分がズレたりすることで起こります」

では、三峡ダムの岩盤は安全なのか。調べてみると、三峡ダムは先カンブリア紀の花崗岩中に造られたとされており、どうやら良好だ。先カンブリア紀は地質時代の年代区分の1つで約5億4100万年前(諸説ある)までのおよそ40億年間を指し、花崗岩は御影石とも呼ばれて堅牢な性質を持っている。

2019年にグーグルアースの航空写真で、「三峡ダムが歪(ゆが)んでいる」という噂が広まったこともある。あれは本当なのだろうか。
「笑い話でしょう」と、角教授はにべもない。「でも、ダムは本来、動くようにできています」



コンクリートは温度により膨張・収縮するため、堤体は建設時の温度対策として、15メートル幅のブロックをジョイントでつなぎ合わせて造られる。ジョイントにはゴム製の止水板を設けてある。その後も、水圧や気温の変化などの影響で、ダムは年間数ミリ単位で常に上下流方向に動いている。

ただし、これは「動いている」と体感できるほどのものではない。

既に多くの専門家が指摘しているが、グーグルアースの写真は航空カメラで撮影され、レンズの中心に光束が集まる中心投影になるため、レンズの中心から対象物までの距離の違いによって対象物の像にズレが生じる。
三峡ダムの「歪み」はこのズレだったようだ。現在は正しく修正されている。

放流量を操作し洪水をならす
それよりもっと気になっていたことがある。中国中央電視台(CCTV)によると、8月17日、「第5号洪水」(洪水に番号が付けられていた)の発生が発表された後、三峡ダムの流入量は過去最大の毎秒7万5000立方メートルに達し、11門全ての放水ゲートから過去最大となる毎秒4万8000立方メートルを放流した。

それでも追い付かず、水位は夏期の実績最高の167メートルを記録。堤頂の標高は185メートルだから、間もなく越水するのではないかとの声が高まった。実態はどうだったのだろうか。

「いいえ、越水はしません。(定められた)最高水位の175メートルになれば、ゲートを全て開けて、洪水を通過させればよいのです。このグラフを見てください」と、差し出されたのは、中国側の公式記録を基に角教授の研究室で作成した、5月12日から9月12日までの日別の記録だった(下図参照)。



角教授は次のように分析した。

前提として、ダムの役割には(1)洪水調節、(2)水資源の確保、(3)発電、(4)河川の環境保全の4つがある。これらを担うのが管理者(この場合は長江水利委員会)の役目だ。
洪水調節において管理者は、平時から気象情報をチェックして今後の予測雨量や台風情報を収集し、気象の変化に合わせて、流入量に応じた放流量を調節する。ここで重要なのはダムの貯水容量である。

先日、角教授らの属するダム工学会が公開した動画によれば、洪水時のダムの操作には3段階あり、第1段階の平常時(下流へ必要な水量だけ放流する)、第2段階の大雨時(あらかじめ確保したダムの洪水調節容量を用いて、流入量に応じて放流量を調節する)、第3段階の異常豪雨時(緊急放流とも呼ばれ、ダムの容量では処理し切れない際、上部のゲートを開けて洪水をそのまま通過させる)に分けられる。

三峡ダムのデータを見ると、平常時から大雨時、異常豪雨時へと段階を踏んで、操作方法を変化させていった様子がはっきり見て取れる。

まず6月上旬に、大雨が予想される梅雨期に備えて、あらかじめ貯水池の貯水量を減らす事前放流を行った。7月中旬に長江中下流で洪水が発生したことから、ダムでは洪水をため込んで増水を防いだ。

特に7月18日のピーク時には毎秒6万立方メートルの流入量を毎秒3万5000立方メートルまで減らす放流を行った。この際に水位は一時164メートルまで高まったが、その後流入量が低下した際に、再度事前放流を行って容量回復を行ったことにより、7月27日の次の洪水ピーク時にも放流量を低減させた。

それでも豪雨はやまず、最後のピークは8月19日に訪れた。ダム流入量で毎秒7万立方メートルを超えて記録的に増加し、11門の放水ゲートを全て開放して放流を行った。ただしその間も、流入量から毎秒2万立方メートルを差し引いた程度の放流を保ち続け、これにより貯水位は165メートルを超えたが、その後流入量が減少した。

「洪水ピーク時の複数回の事前放流がなければ、水位はもっと上昇していた危険性もあった。長江水利委員会は下流の洪水と上流の洪水を見ながら放流量を巧みに操作し、洪水をならしながら無事に通過させました」と、角教授は太鼓判を押した。



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Last updated  2020/10/29 05:40:05 AM
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